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2日目 天使の降臨。


 現在の所持品

 How to healer 1冊

 銀貨4枚 銅貨5枚

 ルクーセ特製サンドイッチ 2つ

 半分ほど水の入った水筒 1つ


 夕方までは解散と言われたが特にやりたいこともないので、教会の右後ろの長椅子を占拠して祝言を唱える練習をする。物静かな雰囲気に、薄暗い教会の中は結構落ち着く。にぎやかな町?行きたい人だけ行けばいいんじゃない?


 「いやぁ、助かったよ。いつも頼んでる人がしばらくこの町にいなくてさぁ。」


 タフティが構内の掃除をしながら話しかけてくる。


 「町に出たりしないの?・・・そう。じゃあ手順だけ簡単に説明するね。

  私が、『神の奇跡たる聖なる光に』って言ったら、前方の上空に聖なる光を出してね。大きさとか形に決まりはないけど、全員が見えるくらいの大きさは欲しいかな?あとは祈りの間出し続けてくれたらそれでいいよ。」

 

 それくらいなら特に問題はなさそうだ。


 「あとこれ、興味ないかもしれないけど一応渡しておくね。」


 手渡されたのは小冊子。表紙には赤い宝石のついた白い杖を持った女性が描かれており、祈りの言葉という文字が書かれている。

 

 「私が読み上げるのはここに書かれてる文章ね。最後の方のページがメモ帳になってるからそこだけでも使えるかも。」


 信仰心はあまりないのか結構適当な扱いだ。そんな感じでいいのか?とも思うが。事実、興味もないので、特に読むこともなくショルダーバッグにしまうと祝言の練習に戻る。

 しばらくすると、ちらほら人がやってきた。タフティは教会の入り口で静々と頭を下げ、お祈りに来た人たちを出迎えている。さっきまでとは別人のようだ。


 バタン


 入り口が閉まり、タフティが真ん中の道をゆっくり歩き、前に立つ。振り返り全体を見渡すついでに、私にアイコンタクトを飛ばしてきた。頷いておく。


 正面に向き直ると祈りのポーズをとり、お祈りが始まる。


 (----。)


 言われたとおりのタイミングで球体の聖なる光を出す。・・・それだけなので案外暇を持て余す。そういえば形も大きさも自由って言ってたなぁ。せっかく崇める対象なんだからもっとそれっぽい形にしてみようかな。


 何にしようかなぁ?ロバ君は封印したし、ロバ君に祈るのも変な話だよね。もっとこう崇めるにふさわしい、神とか天使とか。・・・天使?


 天使と言えばルクーセおばちゃん!


 前方、中央高く光る球体を天使のリングと翼のついたルクーセおばちゃんに変えていく。・・・できた!結構自信作。


 あとは動きだよね。聖なる光に意思を持たせることはできないが、発現させている人の意識外で動かすことはできる。プログラミングのようなもので、こうしたらこう、とか。こういう動きをし続ける。等の設定ができるのだ。それも魔法らしく結構ふわっとした設定で出来るのでプログラマーじゃない私でも安心。魔法じゃなくて奇跡だっけ?


 とりあえず動かしたときに、足が地面についていたら歩いて。浮いていたら翼が羽ばたいて若干上下する設定にしよう。地上で速度出して動かすとルクーセおばちゃんがすごい勢いで走ることになるけど・・・まぁいいか。


 しだいに教会内がざわつき始める。


 「・・・?皆さん、お祈りの最中ですよ・・・ってうえわぁ!?なんだあれ!?

  ・・・・・・・皆さん、お静かに。皆さんのお祈りの言葉を聞き、お喜びになられた修道士エヴァ様によって、天使様のご降臨がなされたのです。今一度、皆様のお祈りを聞いていただきましょう。続きから始めますよ。」


 ・・・余計なことしちゃったかな?ちょっと調子に乗りすぎたかも・・・。怒られちゃうかなぁ。


 タフティの仕切りでお祈りは持ち直し、無事終了した。お祈りに来た方が全員帰るとタフティが話しかけてくる。


 「いろいろ聞きたいことがあるんだけど・・・。取り合えずこのおばさんは聖なる光なの?」


 私の近くまで来ていたルクーセおばちゃんが頷く。残念ながら聖なる光に喋らせることはできない。


 「そう・・・。こんなことできるのね・・・。ねぇエヴァちゃん。これから先もこの人出すことできる?」


 一度作った形や設定は何度でも使える。三人に増えたルクーセおばちゃんが一斉に頷く。


 「じゃあこれからもこの人でお願い!あと、頷くくらいは自分の体でやって?」


 タフティもルクーセおばちゃんの魅力がわかるようだ。満足そうな顔で頷く。


 「あ、でも可愛い女の子とかイケメンの天使の方が受けがいいと思うんだけど・・・。

  え?ダメ?うーん。まぁこだわりがあるなら無理にとは言えないかぁ。」


 ルクーセおばちゃんが天使なのっ!


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