氷と雪
第2部です!今回は、1行ずつ空けて書いてみました!こちらの方が見やすいですね!
[車内]
翌日、結城の運転する自動車で指定の住所へ向かった。
「先輩、『厄介』ってどんな人何でしょうね?」
「そうね・・・。よく分からないけど、我儘お嬢様とかかな?」
鶴月は、窓の外をボーッと見ながら答えた。
「・・・・・・ぷっ・・・あははは!」
運転中に危ないものだ。結城が急に笑いだした。
「ちょっと!何!?危ないよ!」
驚いた鶴月は、必死に結城を静める。
「だって先輩、『我儘お嬢様』ってなんのお話ですか?」
先輩、面白すぎますよ!と未だに笑う結城を見て、鶴月は運転中に変な事を言わないようにしようと、心に誓った。
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「え?何ここ。何方のお宅?」
「せ、先輩知らないんですか?」
震える結城。
2人の目には、富を沢山持っている。
所謂お金持ちにしか買えないような。
そんな家が建っていた。
「本当に住所はここなのよね?」
「間違いありません」
鶴月は、誰の家なのか解らず、表札を見ることにした。
静かなこの辺りに、彼女の靴音が鳴り響く。
「えっ?・・・・・・ええぇぇええ!?」
そこには『京極 』と書かれていた。
彼らの勘違いでなければ、『京極』は有名人である。
「京極って、あの京極!?」
「今気づいたんですか!?」
「普通家まで知らないでしょう!」
などなど、人の家の前だと言うのに、この2人はまた大きな声で言い合っている。
「ちょっと、静かにして頂けませんか?」
・・・・・・と、一声。
玄関から、男性が出て来た。
「はっ・・・!申し訳ありません!私、ご依頼を受けて参りました。ガルディアンの鶴月雪華と申します」
「貴方でしたか。私は、京極様のご令嬢。氷香様の執事で御座います。以後、お見知り置きを・・・・・・そちらの方は?」
先程から身動き一つしない結城に声をかけた。
「申し遅れました。僕は、鶴月さんの後輩、結城星斗といいます!」
そういうと、執事さんは顔をしかめた。
「ん?依頼は1人のはずでは?」
「彼は一応私の助手として、私の仕事について来ております。ですので、依頼料は一人分で構いません」
成程。と納得したような執事さん。
「では、中へお入りください。お嬢様がお待ちです」
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「お嬢様。護衛人の方がいらっしゃいました。失礼致します」
がチャリと、高級感溢れる扉が開いた。
「ようこそおいで下さいました!この度は依頼を受けていただき、本当に感謝しています。・・・ちょっと席を外して貰える?」
かしこまりました。と言い、執事さんは出ていった。
鶴月達は、自己紹介を済ませて、彼女の話を聞いた。
「私は京極氷香と申します。執事から聞いたかしら?さて、早速ですけれど本題に入らせて頂きますわ。これを見て頂ける?」
氷香から差し出されたのは1枚の手紙であった。
「拝見します」
鶴月と結城は手紙の文章を読んだ。
そこには、墨液の様なものではこう書かれていた。
『初めまして。私は京極一家を恨む者、伊十奈と申します。一週間後に迫る<不動産会社•京極>の10周年記念パーティーが行われますよね。そこに私も参加させていただきます。そして、そこで一つの事件を起こします。京極 翔真のご令嬢、京極氷香の殺害です。ご令嬢が亡くなったとなれば、社長さんはもうやっていけませんもんね?それでは、楽しみにしていて下さいね。お嬢様?』
「成程なぁ〜。・・・・・・ふふっ。殺害予告なんて、最初の依頼振りだね〜」
手紙を読み終えた後の鶴月の様子は、先程とは違かった。
「ふふふっ。・・・・・・こいつ、ぶちのめしてやろ〜っと!」
結城はこんな事を思っていた。
いつものことだけど、先輩怖すぎだろー!!
第2部でした!次回は、鶴月さんの本領発揮が見られるかも・・・?お楽しみに!