第4話 神社へ
プレゼントされた本を袋に入れてもらって、出雲は古書店を後にした。 仕入れたことがない本ということで多少の不安があったが、明後日に転校先の高校に行くので、その暇つぶしに読むことにした。
「さて、帰るか」
そのまま商店街を後にして出雲は家に帰った。 平屋に着くとそのままリビングにある机に本を置いて、祖母の家に歩いて行った。
「こんばんわー晩御飯食べに来たよ!」
玄関を開けて食べに来たと言うと、祖母は玄関に顔を出して今できたところだよと言ってくれた。 晩御飯はオムライスで出雲が大好きな料理であった。
テレビをつけながら食卓を囲んで祖母と二人で笑いながら食べた。 食事を食べ進めていると、祖母が明後日から学校だけど大丈夫と言われたので、緊張するけど大丈夫と返答した。
その後は平屋に戻ってテレビをつけたりゆっくり過ごしていると、スマートフォンが突然鳴り始めた。
「え!? 突然なに!?」
恐る恐るスマートフォンの画面を見ると一通のメールが届いたようであった。 そのメールを開いてみると送信者の名前がバグで見えず、内容にはこれから君の人生が変わり続けるだろうと書いてあり、続けてその下に君の選択次第で良くも悪くもなると書いてあった。
「何なんだ今のメールは。 差出人もなしでいきなり選択次第で変わるって……最近の迷惑メールは凝ってるな」
全く気に留めることなくメールを放置して寝ることにした。 二階に上がるとベットに入って目を閉じた。 その日の夜中、出雲は不思議な夢を再度見た。 自身の過去を乗り越えて幸せな笑顔ある毎日を顔は見えなかったが、友達と共に通学路を歩いてこのまま進み続けると笑っていた。
朝目が覚めると、その不思議な夢の中で地震が笑っていたことが不思議で今の自身からは想像がつかなかった。 夢は夢と決めつけてそのまま一階にてテレビをつけた。
そのテレビの情報番組では地域の情報や日本各地のニュースを放送していた。 出雲はその中で中原町の地域のニュースを見ていた。
「中原町には紀元前からある由緒正しい神社があるのか……今日行ってみようかな」
出雲は祖母の家で朝食を食べると、神社に行ってくると家を出て行った。 祖母は中原町を楽しんでくれているのだと嬉しく思っていた。
「駅の西側にあるのか、少し遠いけど行ってみるか」
出雲は自宅から駅を通って神社に向かった。 途中で昨日と同じく学生集団と遭遇したが、なにやら難しい話をしているようだったので、気にせず神社に向かうことにした。
神社の前に着くと出雲は不思議な感覚を感じた。 木で作られた大きな鳥居を潜ると、そこには石畳みの道が多数作られていた。 右側の通路の石畳みの横には小さな川が作られ、その先におみくじ売り場やお守り売り場の建物があった。
そして正面には拝殿があり、その左側に本殿が建てられている。 また、本殿のさらに奥には祠や社務所が見える。 出雲は神社内にゆっくり歩いて周囲を見渡す。
「なんか神秘的な神社だな。 ここにいると落ち着く気がする……」
とりあえず参拝をしておみくじを引こうとすると、社務所から一人の女の子が歩いてきた。 その女の子は出雲と同い年くらいに見え、端正な顔立ちの身長百六十㎝程で巫女服を着て髪型は黒髪の長髪であった。
「あなたには苦難が待っているようですね」
突然現れた女の子に苦難が待っていると言われて失礼だなと思った。 しかし、ここに来てから見る夢も苦難と言う言葉が多く出てきてるので流すことはできなかった。
「見ただけでわかるの? どんな苦難が待ってるの?」
女の子に聞いてみると、あなたはこの地域の闇を払うために苦難に立ち向かい、いずれ世界を救うでしょうと言われた。