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幻想のステラ  作者: 出雲
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第1話 新たな旅立ち

まだ寒さが残る四月の中旬に、天羽出雲は都内にある巨大ターミナル駅にて乗り換えに悩んでいた。 天羽出雲は百七十五㎝の身長に少し癖毛がある黒髪のショートヘアである。 服装はデニムパンツとTシャツに白いカジュアルシャツを羽織っている。


そして、スポーツバックと小さなカバンを両肩で持ち、右手にはスマートフォンを持っている。 そのスマートフォンの画面には乗り換え案内や、電車の時刻表が表示されていた。


「うーん……どこに行けばいいのか悩む……どこだ!」


頭を抱えて悩んでいると、突然スマートフォンが鳴り始めた。 画面には祖母の名前が表示されていた。


「あ、お祖母ちゃん!? よかった! 助けて!」


近くにある柱に寄りかかって乗り換えで悩んでいることを伝えると、祖母がそれなら十三番線から出ている特急に乗れば大丈夫だよと教えてくれた。


「本当!? ありがとう! すぐ着くと思うから待ってて!」


すぐ着くとの言葉を聞いた祖母は、特急でも二時間はかかるよと言ってくる。


「二時間!? 特急なのに!?」


その場で大声で驚いてしまった出雲は、大声を出したことで恥ずかしくなって顔を赤くしてしまう。 十三番線のホームで行先の時刻表を見てみると、確かに行先の中原町までは二時間かかると表記してあった。


「気長に電車の旅を楽しむか……」


そう呟きながら、バックを背負い直す。 出雲はそのままホームで二十分待つと、乗るべき特急の電車が到着した。 出雲がいる電車からの出発なので、到着すると乗っている全員が下りて、出雲は好きな場所に座ることができた。


「これから長時間電車に乗るのか……こんな場所から離れるためには仕方ないか……」


現在時刻は午前九時だが、考えすぎてお腹がすいてしまった出雲は、ジャガッキーという大人気なジャガイモを食べやすくカットしてあるお菓子を食べ始めた。


「これがまた塩が効いてて美味しいんだよなぁ……」


一箱に三十本入ってたのだが、ものの五分ですべて食べ終えてしまった。 その後はお茶を飲んで早く出発しないかと考えていると、発車しますと車内アナウンスが流れた。


「やっとか。 少し寝ようかな……」


出雲は車内から見える景色を見ながら、少し眠くなってきたので少し眠ることにした。 いつもは寝るまでに時間がかかるのだが、今日はいつもよりすんなりと眠ることができた。


寝ている出雲はいつも見る夢とは違って不思議な夢を見ていた。 その夢は自身が立っている場所から全方位に霧が出ているもので、どこからか声が聞こえていた。


「あなたはこれからいくつもの困難に遭遇し、新たな地で出会う人達と協力をして打ち勝ってほしい」


その声は女性の声でどこか優しい口調であった。 出雲は夢の中なので、その困難はどんなものなのかと疑問に思うことなく聞くことにした。


「その困難とは……私にも分かりませんが、あなたにとって新たな地での困難はこれからの人生において重要なターニングポイントとなる出会いや、世界を救うことになる困難が降りかかることでしょう」


世界を救う。 いくら夢だからといって世界を救うなんて大それたことを言われるとは思わず、出雲は世界なんて救う人じゃないですよと言う。


しかし、謎の声は出雲にあなたは今まで苦痛の人生を歩んできましたと言う。 これからの数年間で困難に打ち勝って幸運の人生を勝ち取ってくださいとの言葉を聞くと、出雲はそのまま目が覚めた。


「うっ……なんか変な夢を見た気がする……何だったんだ……」


眠気眼で辺りを見渡しながら見ていた夢を思い返していると次の停車駅が中原町とアナウンスが聞こえたので、出雲は降りる準備をして景色を眺めることにした。

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