皆で温泉
どうも、yasacaです。前回の話に引継ぎ、グダグダで緩めに書いてます。
それでも良かったら見ていってください。
間違いなどを発見したら、教えてくださると助かります!
まだ眠たかったけど、お母さんに起こされて朝ご飯を食べた。今日の朝ご飯はホットケーキなんだ。龍が早起きして、作ってくれたの。龍が作るホットケーキもすごく美味しいんだよ♪
「ほら、ついてるわよ」
『あり、が、と』
頬にホットケーキのかけらがついてて、取ってくれたのは俺のお姉ちゃん。お姉ちゃんも俺の世話をよくしてくれる。
「美味しい…?」
『ん!とって、も』
「良かった」
皆が席に着いて、ホットケーキを囲んで食べる。みんなで食べるとやっぱり美味しいな♪
「……ぉはよ…」
「おはよう。朝ご飯できてるよ」
「……ぅん」
龍牙が寝ぼけながら慶の隣に座って、食べ始めた。
「……よく眠れた…?」
『ん』
「……そう。なら良かった」
昨日のことを聞いてきた。皆が心配してくれて、俺の一言で雰囲気が和らいだのが分かった。
「今日はどこに行くの?」
「近くのデパートで買い物してから、家族風呂に行くわよ」
「デパートか~」
「母上!某、本が欲しいで御座る!」
「おれ、ゲーム!」
それぞれが欲しい物を主張する。俺は何もない。
「ゲームは一か月に一回よ」
「え~!」
「守らないなら禁止にするわよ?」
「…わかったよ」
慶が膨れっ面になった。こうでもしないと、あれもこれもってなっちゃうからね。
「お母さん、僕も本が欲しい。デザートの本」
「竜之介と龍は本ね。龍牙と弐劉は?」
『俺は、いい』
「……僕も」
「本当にいいの?」
俺と龍牙は同時に頷いた。
「じゃあ、皆準備しましょ。食べ終わったら歯磨いておいで。お父さんは車の準備をお願いね」
「わかった」
ご飯を食べ終わった俺たちとお父さんは歯磨きをして、それぞれがやることをした。
『…服、どう、し、よう』
悩みに悩んで、上はジャケパーにチノパンで合わせた。ん!意外に良いかも。
『…よし』
飾り過ぎないようにネックレスだけ付けて部屋を出る。
「早かったね」
『今日は、早く、出来た』
「似合ってるよ」
『あり、が、と』
お姉ちゃんに褒められた♪
「おっ!もう準備終わったのか。なら、手伝ってくれ」
『ん』
玄関に置いてある下着とかがいれてある籠を持って、車のトランクに入れる手伝い中。
重いけど、文句は言わない。
「よし。それで全部だな。ありがとな、弐劉」
『ん!後は、来る、のを、待つ、だけ』
「そうだな」
外で待っているとちらほらこの世の者でないのが見える。面倒くさいから目線は合わせないよ。目線を合わせたら後々大変な事になるからね。特にこっちに害を加えてくるわけじゃないし、害になるなら後で成仏してもらえばいいし。
この世の者じゃないのは、お姉ちゃんと親以外は全員見えるよ。たまに見えないほうが人生楽だっただろうな~って思う。見えなかったら目線を合わせるなんてこともないし、襲われそうになることもないからね。
でも何も対策が無いわけじゃないよ?俺たち兄弟は全員、能力がある。生前からもあったよ。ちなみに俺は音。世の中は音で溢れてるでしょ?その音をサイレントにしてかき消したり、逆に鼓膜を破るぐらいの音も出せる。試してみようか?丁度、目の前にいるし。
「ギャアッ!」
一瞬でどっかに行っちゃった…。まぁいいか。ん?今何したかって?録音したお経を聞かせたの。だから友達とかに「音のモノマネが上手いね」って言われる。どうやって録音したかは言わないよ♪秘密なの。
「よし、皆準備出来たな。出発するぞ」
「よっしゃ!」
皆が車に乗り込んで、いざデパートに出発~!
「~♪」
皆楽しみにしてる。俺は特に買うものないけど、楽しみ。
それから1時間経ってデパートに着いた。
「本屋は何処ぞ」
デパート内に入り、地図を確認する。
「二階にあるみたいだよ」
「母上、本屋に行って参ります」
「行ってくるね」
「気を付けてね」
本屋が目的の二人は、迷子にならないように手をつないで本屋に向かった。
「私は服を見に行くわ。お父さんはどうする?」
「靴を見に行くよ。四人はどうする?」
『お父、さん、に、着いて、行く』
「私も服見たい」
「……僕はどこかを歩いとくよ」
「おれも服見たい」
それぞれ行動するみたい。俺はお父さんと一緒に。
「弐劉」
『ん?』
「最近はどうだ?」
『楽、しい、よ?』
「部活は?」
『いつ、も、と、同じ』
「そうか」
頭を少し強く撫でられた。髪がぐしゃぐしゃになっちゃったけど、いいや。もともとぐしゃぐしゃだったからね。
「ここ、寄るぞ」
考え事してたらいつの間にか着いていた。お父さんはよく出かけることが多いんだ。だから靴が直ぐ擦れきれちゃうの。
「弐劉は、本当に欲しいの無いのか?」
『ん』
「そうかぁ」
立っているのも暇だから、近くのベンチで座って待つことにした。周りに何か面白そうなのはないかな…?
『!』
靴屋の隣に雑貨屋があって、俺の好きな銃の抱き枕があった。誰にも取られたくないっ!
『これ、欲し、い』
持って行って見せたいけど、お店から出られない…。
「弐劉?」
『隣、いる』
「そこか。ん?何持ってるんだ?」
どうやらちょうど靴を買い終わったみたい。
『銃、の、抱き枕』
「欲しいのか?」
『ん!』
「よし、カウンターに持っていくぞ」
『ん!』
やった!買えた!会計が終わって、抱き枕に紙を巻いてもらって受け取った。
『♪』
「良かったな」
『ん♪』
今まででこんなに嬉しいの初めてだ。
それから色々と周ってたら、途中で龍牙を見つけて、お昼ということで二階にあるフードコートに向かうことになった。
「それ買ったの?」
『お気、に、入り♪』
「良かったわね~」
お昼はうどん。俺はぶっかけうどんにした。抱き枕を抱えながら食べたかったけど、汚れるからやめなさいって言われちゃった。仕方なく背中と椅子の間に挟み込むように置いた。
「あったかい…」
「ほぅ…」
温かいうどんで体の芯から温まっていく。でも、そんな雰囲気をぶち壊す馬鹿がたまにいる。
きゃあああああっ!
「……一体何事?」
悲鳴の方向を一斉に見ると、覆面をしたおバカ達が一人の女性を人質にしていた。
「……ここ、デパートなんだけど…。お金とかが欲しいなら銀行に行けば?」
あ……。龍牙がいつの間にかおバカ達に近づいてた。
「なんだと?!くそ餓鬼!」
「近づくんじゃねぇ!」
「……大の大人がみっともないな」
龍牙とおバカ達の距離は2mある。
?龍牙は何してんだろ?何かポケットから取り出してるよ?
「それ以上近づくとこの女を刺すぞ」
「……刺すってどれで?」
「あ?」
あらら…。いつの間にか取られちゃってる。あ~あ、可哀そうに。
「な?!いつの間に!」
「……強盗さん達さ。隙だらけだよ」
ナイフをおもちゃのように上に放り投げながら、挑発してる。
「てめぇ!クソガキ!」
「……隙だらけだって」
おバカさんたちの頭上を越えて、首に当て身をしてる。あ…気絶した。もう一人もついでな感じで掌底してる。
「……すみません。紐とか持ってませんか?それと警察を呼んでください」
近くの店員に聞いていた。
「……どうも」
紐を受け取って、おバカさん達を縛ってた。
「…あの、ありがとね」
「……怪我がないだけ充分です」
そう言って戻ってきた。
「大儀であったぞ、龍牙」
「……ありがと」
『すご、かった、ね』
「……そう?」
『ん!』
「そっか」
本当は俺が行こうとしてたんだけど、やっぱり龍牙は早いな。
「龍牙は怪我ない?」
「……大丈夫」
「そう。なら良かったわ。でも無茶しちゃだめよ?」
「……わかった」
それから何事もなくうどんを食べ終わった。
しばらくすると警察がきて、犯人を縛った龍牙は事情徴収を受けている。顔には相変わらず出ないけど、雰囲気が面倒くさいって言ってる。
しばらくしたら龍牙が戻ってきた。
「……面倒くさかった」
「お疲れ様」
「……うん」
買い物も終わり、これから温泉に向かう。温泉楽しみ♪
デパートから少し遠い場所に家族風呂があるみたい。家族風呂って初めてだから楽しみなんだ。家族風呂ってどんな感じなんだろ?
しばらくして、家族風呂に着いた。
「おお~!」
「煌びやかでござる!」
「綺麗~!」
皆してお風呂の入り口から露天風呂と景色を見ていた。家族風呂ってすごいね!
「……寒い。ドア閉めて」
「あ、うん」
龍牙は寒がり。
「湯殿に入るまで某で温まるか?」
「……うん」
「ほれ、ちこう寄れ」
胡坐をかいて待って、龍牙は竜之介の兄貴の間に座って温まってる。良いな~。俺も温まりたい。
「どうだ?」
「……うん、温かい。けど、興奮して体温上げないでね」
「うむ。承知した」
兄貴は体温が高いんだ。俺と同じように能力がある兄貴は、火の能力持ち。夏だと熱いけど、冬は人間カイロになるよ。
「皆、準備して」
「は~い」
「……ありがと」
「うむ」
兄貴の股の間から出て、お風呂に入る準備をし始める。
「はぁ~…気持ちいい~…」
「暖まるのぅ~…」
「……」
『……』
「相棒!見てみろよ!くらげ!」
「おお~」
それぞれで冷え切った体を温めながら温泉を楽しんでいると、どこかで小さく何かが破裂する音がした。
「?なんの音ぞ」
「今の音おれ」
「左様か」
何かってのは大体想像がつく。だから特に皆気にせず、温泉を楽しんだ。
「母上と父上も楽しむと良いでござる!」
「ええ、そうするわ」
「それは、楽しみだな~」
それぞれパジャマに着替え、親と交代する。
「弐劉兄ぃ!抱き枕見せて!」
『ん!汚し、た、ら、ダメ、だよ…?』
「おう」
慶にお気に入りの抱き枕を渡した。
「抱き心地いいな~」
感触を楽しむようにモフモフと触ってた。たぶんだけど、綿が入ってるんじゃないかな。
「某もよいか?」
『ん』
皆つられるように触ってる。大丈夫かな……?ちぎれないよね?
「はい」
『ん』
満足して、俺の手元に戻ってきた。確かにモフモフしてる。これで眠れそうな気がしてきた。
『♪』
モフモフと感触を楽しんでたら、眠たくなってきた。
『……』
おや…す、み…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。




