小学校陸上大会
お久しぶりです。相変わらず緩めで書いていますが、よろしくお願いします(*^-^*)
誤字などあった際はコメントなどでよろしくお願いします!
今日は金曜日。龍たちの持久走大会があるんだ。俺らは学校だから行けないけど、変わりに親が行ってる。後で結果教えてもらお。じゃあ、龍に代わるね。
龍side
弐劉の兄ちゃんから代わって僕が紹介していくよ。僕たちの学校は四月に持久走大会があるんだ。春とはいえまだまだ寒い日が続く。俺は氷の能力持ちだから、ある程度は大丈夫だけど、やっぱり寒いものは寒い。隣にいる慶は歯をカチカチ鳴らしながら震えてる。龍牙は四年生で少し離れたところにいるからどうなってるかは分からないけど、寒さで縮こまってるんじゃないかな?
「相棒…寒い…」
「暖めてあげたいけど、もっと寒くなるよね」
「おう…」
「ホッカイロ持ってるけど、いる?」
「くれ」
ポケットに入れていたホッカイロを渡したら、すぐ両手でこすり始めた。そんなに寒かったんだ……。
「持久走めんどくさいよなぁ」
「そうだね…」
「やる意味がわかんねぇ」
「体力つける為とかかな?」
「なのか?」
校長が開始の挨拶をしているけど、ほとんどの人寒くて聞いてないと思う。
長い挨拶が終わって、準備体操をする。怪我をしない為にね。準備体操が終わったら一年生から順に走り出した。
「なぁ、相棒」
「ん?」
「今年も龍牙が一番だと思うか?」
「そうかもね」
「まぁ、龍牙は体調悪かろうが、走りそうだしな。走るのと飛ぶのは好きだし」
「そうだね…。毎朝確認するけど、今日は大丈夫そうだよ」
「そうか」
そうこう話していると、龍牙達四年生の順番が来た。龍牙は前にいる。
「龍牙~!頑張れ~!」
お母さんも、寒い中来て応援しに来てくれた。龍牙は無表情のままお母さんの方を向き……
「少し笑ったな、龍牙」
「うん、笑った」
少しほくそ笑み、すぐ、無表情になった。
「位置について……よーい」
龍牙たちが走る準備をし、ピストルが鳴った。
「最初から飛ばしてんな…」
「あのスピードで大丈夫かな?」
「まぁ、龍牙なら大丈夫だろ」
「だね。怪我しない限り」
「にしてもよ、相棒」
「ん?」
慶が寄り添うように隣に近づいて来た。
「あそこで見てるやつ」
「…ああ…」
俺達には見えて、他の人たちには見えない目線の先にいる何か。
「…ここで死んでしまったやつか、それとも釣られてきたのか」
「服とか体を見る限り、ここで死んだ奴ではなさそうだ」
「そうみたいだね」
俺たちの視線の先には、髪が長く、服が濡れている女性がこっちを朧気舐めで見ていた。右手と左足はあらぬ方向に曲がっていて、首もおかしかった。まるで、どこからか落ちたかのような姿をしていた。
「今のところは何もしてこないな」
「そうだね」
「龍牙を無視していったってことは俺らが目的か、それともある特定の人物を狙っているか」
「警戒はしとくべきだな」
「うん」
そうこうしていると、俺たちの番が来た。
「相棒、どうする?一人で走るか?」
「今回は一緒に走ってくれる?」
「おう」
皆が並び、走り出す準備をする。
「よーい…」
ドンッ
よし、頑張るか。
「最初はゆっくり行こうぜ」
「そうだね」
足並みをそろえて、ゆっくりと走る。談笑しながら走っていると、先程の女性の前に近づいて、ちらっと霊を見ると目が合った。さっきまで朧気だったのに、俺を見た途端目に光が入り、獲物を見つけた獣のような目つきに変わった。これはちょっとやばいかも。
「慶。さっきの幽霊がこっちに来るかも」
「んじゃあ、軽く護ってもらいながら走るか。それとスピードも上げてな」
「うん」
左足のポケットを軽く叩くと、子鬼姿の式紙が出て来た。
「禄、結界を頼める?」
【追われてんのか?】
「うん。今走ってる途中だから、結界張れない」
【仕方ねえなぁ。だが、今度相手しろよ?】
「うん。約束する」
こそこそと会話すると、慶と俺に簡単ではあるが、強い結界を張ってくれた。
「ありがと。時間切れになるまでゆっくりしてて」
【久しぶりの外だしな。ゆっくりしとくぜ】
そう言って僕の頭の上に乗った。
「一応は大丈夫みたいだが、まだ追いかけて来るな」
【それなら、奴さんにその結界を触らせればいい】
「何言ってんだ、そんなことしたら……」
【心配すんな。そんな柔な結界じゃねぇ】
「……」
禄の言う通り、少しスピードを落としてわざと触らせた。
ギャアァアアアアア
結界に触れた途端、弾かれて消えた。
「「?!」」
【な?壊れねぇだろ?】
「ついでに消えていったぞ」
【お前らよ、俺が何か忘れてんだろ。元あいつの式紙だぜ?】
「……そういや、忘れてたぜ」
【ハァ…。…まさか、龍まで忘れてたとか言わねぇよな?】
「そんなことないよ?」
頭上にいる式紙をちらっと見る。顔が真っ赤になっていた。少し怒っちゃったかな…?
【そうかい】
「うん」
結局不貞腐れたまま、僕の頭の上にマラソンが終わるまでいた。




