二つ目
「一つはねえだろ一つは」
ダイスケは銀色の包み紙をポケットから取り出し、ペラペラと振っておどけて見せた。
「まあ俺のも全部義理だし、そんなに変わんねえって」
俺もポケットを探ってみる。小さく丸まった包み紙に手が触れ、指の先で転がす。
俺は三人にもらった。
一人目はクラス全員に配っていた瀬川さんだ。瀬川さんは学校一の美貌で周りの人間を男女の区別なく虜にしながらも、その容姿に甘んじることなく、困っている人間には手を差し伸べ、女友達にも色黒の不良共にも脂ぎったオタク共にも対等に微笑みをもって接する、まさに学園の女神である。
本日のバレンタインデーにもその聖人ぶりは遺憾なく発揮された。昼休みに教室の中をいそいそと歩き回り、クラスの全員に丁寧に銀紙に包まれた一口サイズの手作りトリュフチョコを手渡しした。普段は昼休みの開始と同時にボールを持って外に飛び出すようなエネルギー過剰の奴(例えば、ここにいるダイスケ)も、今日だけは自分の机に張り付いて瀬川さんの配給を行儀よく待っていた。
二人目はバレー部マネージャーの北村、そして三人目は同じくマネージャーで後輩の久保だ。
今日はテスト前で部活は休みだったが、北村からグループラインで「放課後2年5組に集合」と指令が出たため、授業が終わるや否やバレー部は2年5組の前の廊下に勢ぞろいしていた。
昨年の北村はザッハトルテを作ったが、何を間違えたのか生地が極端に薄く、ガチガチに固まっていたため、全員から「ただのチョコクッキーじゃん」との批判を受けていた。今年は「リベンジを果たす」と決意表明し、ひと月前から練習に励んだ結果、見事な厚みのザッハトルテを完成させていた。バレー部一同はその黒く光り輝く宝石を見て「うおおお」と雄叫びをあげ歓喜した。しかし北村が放射状に八等分しようと勢いよく包丁を入れると、表面を覆っていたチョコレートのがバラバラと剥がれ、生地も崩れ落ち、半壊した古代遺跡のごとき姿となった。男どもからは「あああ」と悲嘆の声が溢れ、やけになった北村は半壊のケーキにフォークを八本突き刺し、「食え!」と言い放った。俺たちはアリのようにその黒い塊に群がり、ものの三分で綺麗にたいらげた。その後、後輩の久保から全員にチロルチョコが二つずつ配られた。
北村のわずかな成長と後輩の気配りに感心しながら教室に戻ると、一人、ダイスケが何をするわけでもなく佇んでいた。弓道部のミーティングが終わったところだと言ったが、やたら嘘っぽい。さしあたり、誰もいない教室で自分にチョコをくれる、現れるはずもない天使を待っていた、ってとこだろう。「俺は帰るけどどうする?」と聞くと、どうやらダイスケなりに諦めがついたようで「帰るよ」とため息交じりに言った。
駅までの道は狭い一本道の下り坂で、左右にやたらと大きな木が乱立している。街灯はまばらであり、夕方の今でもなかなかの暗さだ。背中に二月の風を受け、体が縮こまる。早く駅の休憩所に避難しようと、俺たちは足を速めた。
「でも、その一つが瀬川さんのなんだから、満足だろ」
俺はできるだけ嫌味に聞こえないよう、真剣かつ朗らかな声で言った。
瀬川さんに思いを寄せる男は山ほどいるが、ダイスケの恋心は他の追随を許さないほどに強かった。ダイスケの脳みそはただでさえ内容量が少ないくせに、その半分は瀬川さんのことで埋め尽くされているらしい。口を開けば瀬川さん、瀬川さん、瀬川さんであり、俺を含めたダイスケの友人はさすがにうんざりしていた。昨日もダイスケは帰りの電車で、瀬川さんの髪の匂いについての大演説を繰り広げていた。
「クラス全員がもらったやつを喜んでもしょうがねえなあ」
いつものダイスケならもっとはしゃいでもいいのに、と思ったが、それは口にしなかった。
常識だが、バレンタインのチョコレートには「義理」と「本命」がある。
俺やダイスケが瀬川さんにもらったのはもちろん「義理」である。それとは別に、瀬川さんには、「本命」が存在していたのである。
昼休み、瀬川さんはデパートの大きな紙袋から純白の箱を取り出し、クラスの面々へとチョコを配りに行った。教室では俺は瀬川さんの後ろの席なので、意識せずとも瀬川さんの行動や持ち物は目に入る。ふとその大きな紙袋に目をやると、底に薄いピンク色の小包が入っているのが見えた。口には真っ赤なリボンが結ばれ、正面には英語なのかフランス語なのか分からない文字が金色で印刷されている。クラス用のチョコが入った箱より随分と小さいが、かけたお金も気持ちも、こちらの方が数段上であろう。これが瀬川さんの「本命」であることは、一目瞭然だった。
このことを思うと、さすがにダイスケが哀れだった。今ここで、「瀬川さんは本命チョコを渡す相手がいるみたいだ」なんてダイスケに言ったら、自殺してしまうかもしれない。
「まあでも、お前のだけ特別に愛情こもってたかもしれないじゃん」
「アホか。全部一緒だったろうが」
「俺の包み紙やるから元気出せ」
「いらねえ!」
「また来年があるじゃん。十個もらうのを目標にして頑張れよ」
「いや、三十個だろ」
そんな妄言を吐く俺たちを叱りつけるかのように、二月の風がまた、俺たちの背中を襲った。
二十分ほど電車に揺られて俺は最寄りの駅に着く。都心から離れた小さめのベッドタウンで、駅前にだけは見栄を張るようにスーパーやコンビニ、カラオケ、飲食店などが乱立し、それを取り囲むように家々が並んでいるが、駅から1キロも離れるともう田畑が広がっているような街である。
俺が住むマンションの前に、一人の女子高生の人影が見えた。通学用の黒の鞄と大きな紙袋を両手で持ち、壁に寄りかかって立っている。ケータイをいじるでもなく、鏡を見るでもなく、ただそこに立ち、真下を向いている。あの真っ直ぐに長く、つややかな髪、光り輝く白い肌、全く無駄のないすらりとした身体。それらを讃える言葉を幾度となく聞いてきた。遠くからでも見間違うはずもない、瀬川さんだ。
なぜ瀬川さんが、と考える前にあちらが顔をあげて俺に気付き、小さく会釈をした。出来るだけ動じていないふりをしつつ、彼女の方に歩いていく。
「なにしてんのこんなとこで?」
自然に聞いたつもりだったが、少し辛辣な印象を与えてしまったかもしれない。
「あの、ちょっと話があるんです。」
「あ、じゃあここ寒いし、エントランスの中入ろうか。」
「うん。ありがとう」
自動扉を抜けて建物に入る。さすがに家に上がれ、とは言えない。マンションの管理人さんは今は丁度不在のようで、余計な気を使わなくて済みそうだ。
「あの、それで、話なんですけど……」
前を歩いていた俺は瀬川さんの声に驚いてバッと振り向く。瀬川さんは口ごもり、下を向く。手は固く握られ、肌がほんのり紅潮している。全身に力がこもっているみたいだ。顔は前髪に隠れて見えないが、その髪を上げたら、さぞ可憐な表情をしているのだろう。
「うん」
俺は俺でこの状況を受け止めるのに必死で、相槌を打つだけでも精いっぱいだった。
「あの、これ、チョコレート、バレンタインの、作ってきたから……」
瀬川さんは持っていた紙袋から小さなピンクの包みを取り出した。真っ赤なリボンと、金の文字が付いていた。
彼女は握っていた紙袋と通学バッグを腕にかけ、ピンクのそれを両手で俺に差し出す。相変わらず下を向いて、一切俺の方を見ようとしない。
「あ、ありがとうございます」
卒業証書のように、俺もそれを両手で受け取る。
「そ、それで、それだけじゃなくて、その……」
瀬川さんは黙った。全く動かない。ここで俺が何か言っていいのか、ダメなのか、わからない。遮るべきなのか。教えてくれ。
十数秒の沈黙の後、突然瀬川さんは握りしめていた手を開き、脱力した。バッグと紙袋が床に落ちて倒れる。本当に自分の顔がそこにあるかどうか確かめるように、何度も頬に手を当てる。そして吹っ切るように顔を上げ、俺の瞳を見た。
美しかった。今まで見てきたどんな瀬川よりも美しい顔をしていた。
「あなたのことが好きです。お付き合いをしてくれませんか」
彼女はうるんだ瞳で俺の目を見つめたまま、そう言い切った。
途端、俺はスイッチが切れたように、頭が真っ白になる。何も考えられない。何か言わなきゃ。何か言わなきゃ。白い世界で、俺が言うべき言葉を探す。
そこには何もない。何も言うことはみつからない。そうして何も見つからないまま、俺の口から発せられた言葉は、自分でも意外なものだった。
「ごめん、俺、他に好きな子がいる」
情けないほどに小さな声だったが、俺ははっきりとそう言い切った。瀬川さんは静かに下を向き、顔は見えなくなる。
しばらくして、かすかに鼻をすする音がした。泣いているのかもしれない。瀬川さんはそれを悟られまいとするように、急いで身をかがめてバッグと紙袋を拾った。
「わ、わたし、帰りますね。」
涙まじりの声で、彼女はそう言って立ち去ろうとした。自動ドアが開き、飛び出していこうとする。
「待って!」
エントランス内に俺の声が響いた。彼女はピタリと止まった。しかし、振り返らない。
俺も待ってとは言ったものの、次の言葉は出てこない。俺が慰めるわけにはいかない。かと言って、これ以上傷つけてしまいたくない。やはり、俺から言えることはないのだろうか。
「誰なんだろう」
沈黙を破ったのは瀬川さんだった。彼女は外の方を向いたままそう呟いた。独り言のようでもあり、俺に聞いているようでもあった。
「誰なんだろうなあ」
涙とため息と微笑みと嫉妬。いろんなものが混ざった声でもう一度言う。不思議と俺は、それにきちんと答えるべきだと感じた。
「二年五組の北村。バレー部のマネージャーの」
俺は瀬川さんの背中に突き刺すように、最も愛する人物の名を口にした。
瀬川さんは何も答えなかった。後ろを向いたまま、小さく「また学校で」とだけ言って、足早に去っていった。
自分の部屋に入るや否や、ベッドに倒れこむ。左手にはあのピンクの包みがある。
ぐるんと寝返りを打ち、天井を見上げる。
明日ダイスケに何ていえばいい、瀬川さんにどう接すればいい、北村には……
いろんなものが頭を駆け巡る。
そもそもなぜ瀬川さんは俺なんだ。そんなに仲の良かった覚えもない。何か助けた覚えもない。聞いておけばよかった。失敗した。ダイスケには謝るべきなのか。でも俺が謝る意味がわからない。そもそも今日の事を伝えていいのか。許されるのか。しかし逆に、伝えないことも許されないのではないか。本当にあれで良かったのか。死ぬほどもったいないことをしたんじゃないだろうか。いやでも俺は北村のことが、
急に心臓が痛みだす。俺はまたうつぶせになり、枕に顔を押し付けて「あああああああ」と叫ぶ。
俺は一年以上前から北村が好きだった。
高校一年生の7月の終わり、北村は急にバレー部のマネージャーとなった。生物部と弓道部との兼部だと言っていた。バレー部への自己紹介で「テレビでバレー見て面白かったからマネージャーになります」という本当か嘘か分からないことを言い、物議をかもした。しかし、うちの部にマネージャーが入るのは初めてであり、部活内の青春に飢えていた俺たちは手を叩いて北村を歓迎した。北村はいざマネージャーに就任すると、練習には週に二回来ればいい方で、来てもドリンクの調達やユニフォームの洗濯など、マネージャーとしての仕事は一切やらない。
「声出てないぞほら!」「それとれるでしょうが!」「サーブ外してどうすんの!」「もっと強く!そんなもんじゃだめだ!」
体育館のステージに座り足をバタバタさせて短めの髪を揺らし、やたらと通る声で適当なヤジを飛ばすだけである。そしてしばらくすると「じゃ、おつかれー」と満足げな表情で帰っていく。最初の頃は流石にこれじゃマネージャーとは言えないだろうと、3年の先輩たちも注意したり、顧問に相談したりした。仕事をしないなら辞めてもらうという案も出たが、北村の、「でも、わたしがいた方が、来年に後輩の女子マネージャーが入ってくる確率があがりませんか」という意見に納得してしまい、いてもいなくても変わらないならいてもいいじゃないか、ということでマネージャーを続けることになった。
北村は練習への参加率は低いが、練習試合や大会にはほぼ毎回応援に駆け付けた。試合では普段のヤジはこのために練習しているんだと言わんばかりに大声を張り上げて声援を送り、強豪校との試合などでは相手チームの数十人の応援団を相手に一人で張り合っていた。
うちのバレー部は部員全員がベンチ入りしても控えが二人しか出ないという小規模なチームで、例年インターハイ予選は、初戦敗退か二回戦敗退が恒例だった。迎えたインターハイ予選、一回戦はうちと同じく弱小チームと当たり、快勝する。続く二回戦、隣の市の強豪校に当たった俺たちは必死の抵抗をみせ、最終セットまでもつれ込んだものの、惜しくも敗退した。この試合が引退試合となる三年の先輩たちは肩を寄せ合って泣き、俺たち1年は悔しさで唇をかみしめた。北村は何も言わなかった。
試合は終わり解散となったが、俺は来年のために決勝まで見ていこうと会場に残った。そこで、客席の端に一人ぽつんと座っている北村を見つけた。
俺が声をかけると、北村は驚いて体をびくつかせた。顔は涙でぬれ、鼻と眼は真っ赤になっていた。俺は隣に座った。北村は俺のジャージの袖をつかみ、そのまましばらく泣き続けた。
時は流れ、二月のバレンタインを経て四月になり、バレー部には北村の言った通りに一年の久保がマネージャーとして入ってきた。久保は自分からよく働いた。それを見てさすがに申し訳なくなったのか、北村も少しずつだが、部の雑用をするようになった。しかし主な仕事は、やはり練習中のヤジであるようだった。
今年のインターハイ予選でもうちは二回戦で負けた。先輩たちが帰った後、俺はまた会場の隅で一人静かに泣く北村を見つけた。
「またこんなとこで泣いてんの」
「あ、見つかったか」
北村はそういって、涙と鼻水をぬぐった。もうほとんど泣き止んでいるようだ。
「お前、泣くタイミングおかしくね。試合終わってからもう二時間は経ってるぞ」
「まあ、そうだね。いろいろと思うところがあって」
「なんだよ」
「私みたいなのが、頑張ってる人たちの前で涙を見せるのは失礼かなって、さ」
北村は鼻をすすり、照れてすこし歯を見せた。
「でも、負けるのは悲しいから、すごく悲しいから、いまだに泣いちゃってる」
このとき、「来年はお前を泣かせない」という臭いセリフを言っておけばよかったと、たびたび後悔している。
ようやく俺はベッドから立ち上がった。台所に行き、乾ききった口の中に水分を流し込む。再び部屋に入ると、ベッドの上には瀬川さんからもらったピンクの包みがこちらを向いて座っていた。
椅子に腰かけ、それを机の上に置く。赤いリボンをゆっくりと丁寧にほどく。中にはさらに金色の針金で封をされた透明のセロファンの袋があり、四角くカットされたガトーショコラが二つ、双子のように並んで入っていた。表面には白い粉砂糖がまぶしてあり、高級感が漂っている。
きれいで上品で柔らかく完璧な、瀬川さんのイメージ通りの一品に思えた。これを手づかみでがぶりと一口で食してしまうのは失礼であろう。フォークと皿と、なにか飲み物でも持ってようか。
ヴヴヴ、と机の上でスマホが振動した。ラインの通知である。スマホを机においたまま、俺は人差し指でゆっくりと四つの数字を入力した。
ダイスケからだった。
『北村にチョコ貰って告られた!人生初の彼女ゲット!』
手を上げて喜ぶキャラクターのスタンプが添付されていた。
俺はスマホを机に伏せる。何が起きたかわからない。どういうことなんだ。机の上には、瀬川さんのガトーショコラがある。とりあえず食べようと、透明の袋をやぶり、中から四角いガトーショコラを一つ掴んで取り出す。すぐにそれを口の中に入れる。
甘い。ひたすらに甘い。瞬時に口の中はベタベタしたチョコでいっぱいになる。唾液が出ないので、ひたすら顎を動かして咀嚼する。美味いのか不味いのかもわからないが、ただ噛み続ける。
北村が……
笑ってヤジを飛ばす北村、試合中にベンチで声を張り上げる北村、会場の隅で一人涙を流す北村。
途端に、俺の中のすべての北村が流れ出し、暴れまわる。抑えられない。息が荒くなり、身体が震える。
今日の北村を思い出す。俺たちがザッハトルテに群がっているのを満足げに眺めていた北村。それなのに、ダイスケに……告白……
想像してしまう。ダイスケと北村が向かい合っているところを。
息ができなくなる。身体はどこまでも熱くなる。心臓が痛い。喉が痛い。強烈な吐き気に襲われ、とっさに横にあるゴミ箱を掴んだ。
「おううぇええええええ」
口に含んでいたものと一緒に、胃の中身をゴミ箱の中に吐き出した。しかし、この苦しさにはなんの変化もない。熱い、痛い、息ができない。
「あああああああああああああああああああ」
乱暴に頭を掻きむしり、絶叫する。だがそれは自分の声ではないみたいに、すぐに消えていく。何も変わらない。
そのまま何時間苦しんだのか、よく覚えていない。苦しんで苦しんで、疲れ切った後、いつの間にか俺は眠ってしまっていた。
一週間が過ぎた。俺の生活に変化はない。瀬川さんは今まで通りの学園の天使であり、俺とも普通に話してくれる。北村はバレー部の練習に顔を出しては、楽しそうにヤジを飛ばす。変わったことと言えば、ダイスケの瀬川さんを讃える演説が、まるごと北村を讃える内容に置き換わったことぐらいだ。
放課後、駅までの狭い下り坂の一本道。ダイスケはスマホをいじりながら俺の横を歩いている。口元のにやけ具合からして、北村とラインでもしているのだろう。わかりやすい奴だ。
俺は思い切って、ずっと言いたかったことを口にした。
「でもお前、この間まで瀬川さん瀬川さんって言ってたのに、いいのか?」
ダイスケは少し驚いたような顔をして、俺を見た。
「まあ、そんなもんじゃねえかな」
そう答えて歯を見せたダイスケの顔は、幸せそのものであった。
瀬川さんからもらったガトーショコラの一つは吐き出してしまったが、袋にはもう一つ残っていた。
俺は結局それを食べることができず、捨ててしまった。