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FestivalMemory's

お久しぶりです。時流明日無です。

今回はあらすじにもあったように文集に寄稿した作品です。初の恋愛です。学園です。

なかなか楽しくかけました。

まだまだ拙いですが、一考して頂ければ幸いです。


「はぁぁ…」

大きな窓一杯に夕日が差し込む。 時刻は放課後の五時を指していた。

既に二年二組の生徒は、殆どが部活なり帰宅なり、思い思いに放課後の時間を使う中、彼…波多野(はたの) (れん)は窓側にある自分の席で蹲っていた。

別に帰れない程腹が痛い訳では無い。いや、精神的な意味で腹も痛むが…そうでは無く、彼は思い悩んでいた。

「………脚本かぁ…」

まだ春とはいえ、ずっと日の光を浴びて、ヒリヒリと痛む左頬を摩りながら、彼は数時間前の出来事を思い出した。


〜〜〜


それは二時間半ばかり前の事。いよいよ残り一ヶ月に迫った文化祭についてのHRでの事。何故だか知らないが、二年生は各クラスで一つの劇をする事が代々の習わしとなっているため、何の劇をするかなどと言ったことが話し合われた。

漣は浮かれざわめく周囲を気にせず、文芸部から出展する文集の、自分の作品をどうするかで、頭が一杯一杯になっていた。勿論、クラスメート達が出す案などには上の空で、気づいた時にはもう数個程黒板に書き出されていた。

『甲子園 』

『校内恋愛』

『アンマ◯パン』

『桃太郎』

『なめこ』

『ピー○ーパン』

『ウルト◯マン』

『男◯辛いよ』

…このクラスのメンバーは変わり者が多いらしい。上半分はまだしも、後半のバラエティの豊かさには脱帽の域だ。寧ろなめこをどう劇にするのかが気になる。

なんて事を考えていると、漣の反対側になる廊下側の席のMr.お調子者こと山田が元気良く挙手していた。

「お、山田、なんか意見あるか?」

そういいながら担任の和泉先生は山田を指定する。山田は勢いよく、自信たっぷりに立ち上がると、一呼吸置いてから発言した。

「魔法学校! 」

「魔法学校…? 例えば? 」

「えーっと…魔法使いの学校の生徒が戦ってー…みたいな? 」

「なるほど…面白そうだな。他にみんなあるか? 」

そういいながら黒板に書き足される『魔法学校』の四文字。賛否両論の意見がざわざわと小声で出るが、結果的にその後他の案は出なかった。そして数度に渡る多数決の結果、この意見が『校内恋愛』に僅差で勝ったのであった。

「んじゃ、テーマは山田の『魔法学校』にします」

和泉先生はそういいながら赤色のチョークで『魔法学校』と書かれた文字を丸で囲んだ。

「で…この脚本を誰かしたい人は? 」

和泉先生がそう聞いた瞬間、テーマを決めていたさっきまでの賑わいは何処へやら、一気に教室は静まり返った。和泉先生は困った様に頭を掻く…と、ちょうどその時、運悪く漣と目が合った。和泉先生はニッと意地悪そうな笑みを浮かべるとこう言った。

「そういえば波多野! お前このクラス唯一の文芸部だな! 」

「え!? …あ、はい…一応」

突然の指名に、何の悪さもしていないのにも関わらずビクッと反応する漣。漣は一瞬パニックになったが、不敵な笑みを浮かべる和泉先生の様子を見てハッと気がついた。ある悪い予感が頭を過る…

「よし、波多野! お前が脚本を書け!! 」

「…ぇええ!? 」

予感通り、和泉先生は漣に脚本を書けと言ってきた。

無理、無理、無理、無理! と漣は拒絶のジェスチャーをするも、黒板にはデカデカと黄色い文字で『脚本・波多野』と書かれた。

「じゃ、波多野、頼んだぞ」

漣は抗議するのを諦めた。


〜〜〜


漣はペン回しをしながら、黒板に書かれた赤丸に囲まれている『魔法学校』の四文字を凝視した。

物語のイメージは湧きつつある。入れたい言葉なども出てきた。しかし、文芸部でいつも小説や詩を書いている彼にとっては、未知の領域である劇の脚本に不安を抱かざる得ない。

ビデオカメラで撮影するドラマなら、小説で書き表すような微細な動きが可能だが、劇では後ろの人もわかりやすくなければならない。となると、自然と細やかな動きは排除されることになる。

漣は左頬をぽりぽりと掻いた。


ガラガラ…


と、その時、不意に教室のドアが開いた。思わずビクッとしてドアの方を見ると、そこには漣のクラスメートの桐山(きりやま) 友紀(ゆき)が立っていた。

「桐山…さん? 」

忘れ物かな、と漣が安直に結論を出す。が、特別親しい訳でも無いのでそれ以上の詮索はせず、自分の机の上に広がったプロットを見直すことにした。

コツ、コツ、コツ

友紀の履いている革靴が軽快な音を立てて教室内を歩く。が、その方向は彼女の席とは違う…漣の方へと近づいてきた。

「漣くん」

「え? 」

漣は顔を上げた。そこにいたのは申し訳なさそうな顔をした友紀。部活上がりなのか顔には薄っすらと汗が浮かんでいた。

「ごめん! 」

友紀はいきなり漣に頭を下げた。思考が追いつけない漣は、「え、え? 」と声を発しながらも魚の様に口をパクパクとさせた。

「ご、ごめんって…何が? 」

やっとの事で口から出たのはこの言葉だった。友紀は頭を下げたまま、おずおずと漣が書いているプロットを指差した。

「これ…がどうかしたの? 」

「…漣くん文芸部だから、文化祭で忙しいのに、脚本させて…」

友紀は申し訳なさそうに、ボソボソと呟く様に言う。漣はここでやっと気付いた。

(…そうか、桐山さんは文化委員だったっけ…)

そう、友紀は二年二組…漣のクラスの文化委員、つまり文化祭でのクラスの中枢だった。決めたのが先生であったとはいえ、半ば強引に決めた事に申し訳なく思ったのだろう。部活が終わってから謝りに来たのだと漣は悟った。

「もしさ、漣くんが嫌なら嫌って言ってくれていいからね! 私が先生に言って何とか変えてもらうから! 」

友紀は先ほどよりも強い口調で少し早口に言う。漣はちょっと気後れしながらも、友紀のその様子を見て少し微笑んだ。

「…とりあえずさ、頭を上げてよ」

「え、うん…」

頭を上げる友紀。その顔は少し困惑した様子だ。漣は語りかける様に言う。

「俺、別にこの役、嫌じゃないよ」

「…え? そうなの? でも…」

「あ、いや、そりゃ部活とかも大変だし、正直やった事ないから不安だけどさ…何と言うか…楽しそうじゃん? 」

「楽しそう…? 」

「うん。結構イメージ纏まってきたしね。配役とか考えなきゃだけど、これは結構いいかもしれない…」

漣は書きかけのプロットに目を通す。まだプロットの段階だが、舞台でどんな感じになるのか、生き生きとしたイメージが頭の中に浮かび、楽しみであった。友紀はホッとしたかの様に「良かったぁ…」と呟く。 と、何か思い出した様に言い始めた。

「あ、でもさ…大変でしょ? やっぱり…」

「そうだな…文芸部もあるし…」

実際文芸部で出す作品も、まだプロットしか完成しておらず、書き出しても無かった。まだ期限まで多少なりと余裕があるとは言え、殆ど同時期に二つの別の作品を並行してするのはかなり難しい。

漣はちょっと困った様に顔をしかめた。そんな漣を見た友紀は真面目な顔をして漣に言った?

「じゃあ…私も手伝っていい? 」

「え? 」

「ううん、手伝わせて! お願い! 」

「え、えぇ!? 」

いきなりの展開に漣はまたしても驚かされる。確かに手伝いをしてもらえると嬉しい…が、流石にムリに手伝ってもらうのは申し訳ない…そう思った漣は友紀に質問した。

「で、でもさ! ほら、桐山さんバドミントン部だし…」

「部活の方は大丈夫! 事情を話したら分かってくれるから! 」

「いや、でも流石にずっといかないのは…」

「もちろん行く時にはちゃんと行くよ。漣くんも部活があるだろうし、その日は私も部活に行く」

「本当に大丈夫なの? 」

「大丈夫大丈夫! 」

友紀は心配そうな漣に笑顔で言った。漣は腕組みをして少し考える素振りを見せると、友紀に頼んだ。

「じゃあ、お願いしてもいい? 」

「もちろん! 任せて! 」

友紀は自分の胸を軽く叩いて見せた。


〜〜〜


翌日の放課後、二人は教室に居残り、脚本を書き始めようとした…と、

「ところで、これは何? 」

友紀は昨日漣が書いていたプロットを指差して質問した。

「あー、これはプロットって言って…人物像とか構想とかまとめたやつ」

「ふむふむ、なるほどね〜」

そういいながらプロットを真剣な目で見る友紀。

あまり真剣に見らているところを見るのは恥ずかしいな、と漣はムズムズした感覚を覚えた。が、同時にどんな感想を受けるかと言う楽しみもある。漣は友紀の事をじっと見てしまった。

丁寧に一通り見終えると、友紀はまっすぐに漣を見た。

「…昨日の今日でこんなに出来たの? 」

「え、あ、うん」

「スゴイよ!! 漣くん!! 」

「え…そうかな? 」

と、言いつつ自然と顔がにやけてしまう漣。友紀は無邪気な笑顔で漣を讃えた。

「と、とりあえず! 書いて行こうか!! 」

「うん! 」

漣は少し照れながらルーズリーフを取り出した。

「まずはナレーションからの方がいいね」

「うん、舞台が魔法使いの学校だから…んじゃ、最初舞台を暗くしておいてナレーションが…」

「いや、生徒達が普通に生活してるシーンでナレーションが説明…とかの方がいいんじゃない? そっちの方がイイと思うなー、私は」

「…なるほど。そっちの方が賑わって文化祭の劇らしいな」

漣は愛用のシャープペンシルをノックして書き始める。


『ライトアップ、放課前の生徒達が会話している様子(出来る限り大袈裟に演技)』

『ナレーション:ここは、日本の何処かにある、魔法使い養成学校。…』


「あ、ねぇねぇ。もしかしてさ、主人公は授業に遅れてやって来る設定? 」

「そうそう。設定としてはベタだけど、主人公はこいつだから」

そう言って漣は意地悪そうに笑うと、プロットに書かれた『主人公・山田』の文字を丸でぐるりと囲んだ。

「やっぱり言い出しっぺに落とし前つけてもらわないとな」

「なるほどね〜、山田くん人気者だし、丁度いいね」

そう言い合いながら二人は笑い合った。

笑いながら、漣は友紀の顔を見ていた。クラスの中でも明るい彼女だが、いつもクラスで見せる笑顔とはまた違った風に感じた。

(…可愛いな…)

漣は微笑んだ。


〜〜〜


ガラガラガラッ!

「こんにちわー…」

漣は標識に『文芸部』と書かれた部屋の扉を開いた。

この日は週に二度ある文芸部の部活の日。部活と言っても、やる事は部員達内で書いた作品を批評しあったり、二ヶ月に一回出す文芸部通信の編集をしたり…で基本的に自由参加だ。

この時期は、それぞれの作品やクラスの出し物に追われ、部活に出る人は少なかった。今日も漣が入ったときには一人しかいなかった。

窓際のパイプ椅子にちょこんと座る、控えめな背丈の彼女。彼女は容姿には不釣り合いな厚めの本を読みながら、手に持ったこれまた大きなシュークリームをパクっと食べていた。

「…波多野くん、遅刻…」

彼女は本から目を離し漣を見ると、開口一番にそう言った。漣は壁時計を確認する。なるほど、集合時刻より丁度二分程針が進んでいる。

「…今日は他に誰も来ないんですか? 部長」

漣は少女に向かって言う。彼女は再び本に目を落としながら答えた。

「…知らない…でも来ないと思うよ…」

彼女はシュークリームを齧った。

彼女は(にのまえ) 結菜(ゆいな)…見た目からは想像できないが三年生で、漣の先輩となる。物静かだがしっかり者で、文芸部部長を務めていた。

「…そういえば…クラス劇の脚本家になったの…? 」

「え…何故それを…? 」

不意に言われ、キョトンとなる漣。すると結菜は何故かクスっと笑った。

「クスクス…やっぱりやるんだ? 」

「え、あ、はい…一応…」

漣はそう頷きながら答える。心なしか結菜は嬉しそうに笑顔を見せ、話を続ける。

「そうなんだ…私も去年やったけど…大変だよね… 」

結菜はそう言うが、昨年度結菜が脚本を務めたクラスの劇は素晴らしいもので、学年一位の座を見事にとり、生徒保護者問わず涙を流す者もいた。その事を考えると漣は少し笑みが零れた。

「…何? …変な事言った? 」

「いえいえ、確かに大変ですね…でも、楽しいです。いつもと勝手が違う事が」

「…なるほどね…」

と、またクスリと笑う結菜。漣は何がおかしいのだろうかと不思議に感じながら、お互い様かと納得し、立ったままなのもなんなので椅子に腰掛けた。

「…ところで…劇のプロット…完成してるんでしょ? 」

「あ、はい…読みますか? あ、でも読んだら劇が…」

「大丈夫…他言しないし…それに…プロットだけでは小説は語れないでしょ? 」

結菜はそう言い、笑みを浮かべた。漣は降参したように手を挙げ、溜め息を一つした。

「これです」

そういいながら取り出したプロットを結菜に渡す。結菜は本を閉じ目の前に持ってくると、シュークリームを一齧りしながら丁寧に読み始めた。

「…」

「…」

「……」

「……」

「………」

「………どうですか…? 」

沈黙に絶えきれず漣は尋ねた。結菜はゆっくりと、目を瞑りながら上体を起こし、そしてゆっくりと目を開くと、漣に言った。

「…流石…ストーリーも面白いし…キャラも立ってる…」

「え、あ、ありがとうございます! 」

漣は思わず頭を下げる。結菜はその様子を見て軽く笑った。

「ふふ…分かってるだろうけど…プロットが良くても…脚本次第で崩れるから…気をつけてね…? 」

「も、もちろんです…」

「うん…それにしても…私の睨んだ通りね…あの時スカウトして…本当に良かった…」

結菜はそう満足そうに言う。

そう、彼女は漣を文芸部に引き込んだ張本人だった。


〜〜〜


一年生の時、漣はどの部に入るか迷っていた。 そんなある日、ライトノベルが好きという友人と文芸部の部活動体験・見学に行った。その時の部活動体験と言うのは、無作為に選ばれたテーマを元に、自分の好きなように短い小説なり詩なりを書くと言うもので、漣は「水」というテーマで短い小説を分からないなりに書いていた。すると…

「…ねぇねぇ…」

「え、あ、はい! 」

いきなり背の低い少女に後ろから、書いているものを覗き込まれたまま声を掛けられた。

「…これ…何かを元にして書いたの? 」

「いや…別に…」

「自分一人で…? 」

「はい…」

少女はじっと机の上の紙を見つめ、そして漣に言った。

「入る部活は決めてる…? 」

「え、いや…まだ…」

「もし何部に入るか悩んでるなら…文芸部に入って欲しい…いや、入ってくれないかな? 」

その後、結菜に説得され、漣はめでたく文芸部員となった。


〜〜〜


それだけに、漣にとって結菜は頼れる先輩であり、尊敬していた。度々小説について意見をもらったりしていた。

「……ところで…」

結菜はある事に気づいた。

「…ラストは……まだ決まってないの? 」

「え? あ、はい…とりあえず書いて行ったら決まるかな〜って」

ふーん、と結菜は曖昧に返事をすると、プロットを漣に返した。そしてスクっと立ち上がると、机の上の部室の鍵を手にとった。

「え? 閉めるんですか? 」

「…うん…これ以上…みんな来ないし……それに…私がしたかった事は、もう済んだし…ね…」

結菜はそう言って、身支度を整えながら、漣に微笑んだ。全くもって自由な部活だ、でも、そこら辺も含めて居心地がいいのは確かであった。漣は、そうですね、と一言告げ、同じように簡単に身支度を済ませると結菜の後に続いて部室を出る。

「あ」

不意に結菜が声を上げる。忘れ物か、と漣が瞬時に思うが、それが口に出る前に結菜は二の句を続けた。

「そうそう…漣くん…私は部活の日はいつも来るから…また何かあったら来て…分かった? 」

「あ、はい…よろしくお願いします…? 」

漣は何故突然結菜がその様な事を言うのか分からなかった。結菜は何を言いたいのだろう。漣は一考するがすぐに考えるのをやめた。結菜の言う通り、何かあったら訪ねる、それだけの事だ。他意は無いだろう。

「…あとさ…」

「はい?」

結菜は鍵穴に鍵を入れるため鍵穴を覗き込みながら漣に声を掛けた。そして、やっと鍵穴に鍵を入れる事に成功した結菜は、漣の方を見た。結菜の顔には、微笑みが浮かんでいた。


「…漣くんは、科学についてどう思う? 」


ガチャッ!


結菜は部室の鍵をしっかりと閉めた。

「…じゃあね」

「…え、あ、ちょっ! 」

漣は職員室へ向かう結菜を追おうとするが、何故か体が動かなかった。

科学…科学が何なんだ? 脚本に関係があるのか…それとも結菜の文芸部文集用の作品か…はたまたその他か…?

漣の頭の中を、数多くの憶測達が生まれては飛び交い、そして消えていった。


〜〜〜


「……で、こうなるから〜…」

「あ、じゃあさ! ここのシーンでネタ入れようよ! 」

「ネタ? 例えば? 」

「うーん…あ、大谷くんの西崎先生のモノマネとか! 」

「ブッ! …なる…ほど…はははっ…あーやべ、思い出しただけで吹く…ははっ! 」

「あれは…ふふっ…本当に、似て、た、よね…! 」

翌日、漣と友紀は居残って脚本を続けていた。ほんの数日で、二人の役割は決まっていた。全体の構成とストーリー、そしてメインの執筆はもちろん漣が、アイディアや小ネタ、舞台としての演出は自由な発想が出来る友紀が考えていた。こうした役割分担も加速度となって、脚本のペースは漣も驚くほど快調だった。

「舞台だから『タテ』もしっかりしたいよな…」

「タテ…? 」

「あぁ、『サツジン』とも言うんだけど、『殺』すに陣所の『陣』で『殺陣』って言って…要するにアクションシーンだな」

「なるほどね…じゃあ、魔法使いの戦いだから、杖を振るったら、例えば炎の魔法なら炎が描いてある絵を黒子が持って走ったりしたらどうかな? 」

「ふむふむ…じゃあ全身黒タイツが1人だな…こいつはこいつで笑いをとるんじゃないか? 」

「ふふっ…じゃあ嵯峨くんにしてもらおう」

「はははっ! そりゃケッサクだ! 」

「でしょー? あははっ! 」

2人は大きな声で笑いあった。

よく考えれば、漣はここ二、三年でこの数日が一番笑っていられている様に思った。そして、その事が漣はとても心地良く、また心の底から楽しかった。


「…あれ? これはなに? セリフ? 」

友紀はプロットの隅に書かれた『科学とは』の文字に注目する。

「いや、昨日ウチの部長に言われたんだ…科学ってどう思うって」

昨日、家に帰ってから漣は辞書を引いた。科学とは漣が思っていた以上に広く、どうやらいわゆる化学を含む理科と言う教科に関連する物事だけでなく、自然や社会など、広義に渡る全ての物事の総称…非常に大雑把に言えば人類に関わるもの全てが科学と言うそうだ、などと漣は説明を交えながら昨日あった事を話した。

「…ふーん…なんなんだろうね? 」

「分からない」

「うん…そうだよね…うーん…」

友紀はそう言って背もたれに少しもたれて腕組みをする。そして真剣な顔をして考え始めたみたいだった。

(…こんな事まで考えさせて…申し訳ない…)

漣はそう思いながら、その顔をふと真っ正面から見た。真剣な面持ちでじっとプロットを見る友紀…その目は無邪気で好奇心旺盛な子どもの様に輝いていた。


ドキッ…


(…は? )

漣は気づいた。小さいが、心が躍動する音が確かに聞こえた。

ドキドキ…

(うっ…また…? )

先ほどより大きな鼓動が聞こえる…と、その音はみるみる強く、早くなっていく。 漣は振り払う様に席を立った。

ガタッ!

「と、とりあえず! 今はこれを完成させよう! 完成させたあと俺がじっくり考えるからさ! 」

えっ、と言う顔をする友紀。漣は彼女の目に映った、いつの間にやら顔を真っ赤に染め、とても早口で慌てた様に話す自分の姿が見えた。


…暫し沈黙が流れる…と、友紀の表情は少しずつ解れ、そして、堪えきれないというように吹き出した。

「…プッ! ククク…あははははっ!! 」

その笑声を聞いた瞬間、漣は急に恥ずかしくなり、静かに椅子に腰を下ろした。その一部始終の間も友紀はお腹を抱え、笑っていた。

「あはは…立ち上がらなくても…! 」

「……もう…死んでもいい…」

一生の中で一番の恥を今背負った…漣は頭を抱えた。と、それを見た友紀はようやく笑うのを抑え、漣を励ました。

「だ、大丈夫だよ! 生きていたらいい事あるし! それに…」

「…え? 」

友紀はそこまで言うと、急に照れた様に小声でボソボソと何かを言った。その声は他人に向かって話すには小さ過ぎる音量で、漣は正確に聞き取る事が出来なかった。

「…いや、うん。とりあえずさ、まだ時間あるし…もうちょっと脚本頑張ろ? 」

「そ、そうだな…」

漣はそういいながら、さっき友紀が小声で言った事を思い返していた。

『…それに、漣くん、可愛かったし…』

(…まさかな…)

おそらく、聞き間違えか、脳内変換の末の記憶だろう、と漣は決めつけ、シャープペンシルを握った。


〜〜〜


そうする内に、脚本完成予定日まであと1日と迫った。その次の日からクラスのみんなに脚本を配って稽古を始めないと、とてもじゃないが劇自体がうまくいかない。是が非でも明日には完成させなければならない。

とは言っても脚本のペースは好調で、この勢いならあと一日で悠々と完成出来る、そう漣は踏んでいた。


「………じゃあ、今日は部活に行くね? 」

「うん…で、明日は…」

「分かってるって、もちろん手伝うよ! あ、ヤバイ、そろそろ時間だ…」

「うん、よろしく、頑張って! 」

「ありがと! また明日! 」

そういいながら生き生きとした笑顔で走っていく友紀を見送ると、漣は鞄を手に持って文芸部の部室へと足を進めた。


〜〜〜


ガラガラガラッ!


「こんにちは…」

漣は部室の扉をスライドさせると中に入る…そこにはいつぞやと同じようにシュークリーム片手に本を読む結菜の姿があった。

「…今日も…漣くんだけかな…」

「え? …あ、部員ですか? 」

コクリ、と頷く結菜。漣は、ハハハ、と乾いた笑いを浮かべると、いつもの様に適当な椅子に腰を下ろした。

「…脚本は…いいの…? 」

「お陰様で」

漣は順調ですと言う様に脚本が書かれた紙の束を見せた。

「でも何か一押し足りないんですよね…」

ちゃんとオチも作ってるのに…と、漣は脚本を流し読みしながら言う。結菜はその様子を見ながら、机の上に置かれた無糖の缶コーヒーを一口飲んだ。

「……ところで…漣くんは、この前私が言ったこと覚えてる? 」

「えっと…科学がどうとかですか? 」

結菜は缶コーヒーをコトンと起きながら頷いた。

「でも、分からないんですよね…まだその答えが…」

漣は頭を掻いた。結菜は、ふぅん、と頷くと、本にしおりを挟んでバタンと閉じた。そしてその本を面の端を両手で持つと、身を乗り出し、漣の目の前数センチのところに近づけた。

「えっ、えっ!? 」

驚く漣。それに対して結菜はいつもの調子を崩さずに言った。

「…漣くんは…鏡を見る時…こんなに近くで見る? 」

「…え? ……いや、もっと離れてですけど…」

突然何を…と言う面持ちで漣は答える。その返答を聴くと結菜は本を突き出す手を引いて、座り直した。

「…つまりはそう言う事…」

「…へ? 」

漣は思わず気の抜けた声で返答してしまう。結菜が言いたい事が漣には全く意味が分からなかった。すると、それが顔にも出ていたのか、結菜はクス、と少し笑うと言った。

「…魔法学校…期待してるからね…」

「え…あ、はい…」

漣にはこれを言うのが精一杯だった。


〜〜〜


翌日…今日も2人は居残り、脚本もラストに差し掛かっていた…そんな時…


「…ダメだ、ラストが固まらない…! 」

漣はそう悲嘆した。プロットでラストが完全に出来てないのが仇となった。さらに…

「ここまでとってもいい感じだから…うーん…」

友紀も同じ様に頭を抱えた。そう、これまでの脚本の出来が良いため、それ故に1番の盛り上がりとなるラストの重みは2人に重くのしかかった。

「…出来ればインパクトが強くて深い言葉があるといいんだけど…」

漣はパラパラとこれまでの脚本を流し読みにしながら言う。

「深い…かぁ…」

これまで幾度となく漣の脚本にアイディアを入れた友紀も、一生懸命に考えるが、今回ばかりは閃かないみたいで、ウンウン言っていた。

「どうしよう…」

そうする間にも、時はとどまる事を知らずに流れる。教室の壁時計が毎秒毎秒一定のペースで時を刻んだ。その度に焦る思いは増え募り、それが漣の発想と集中を奪っていった。焦りや不安が覆い尽くし、まるで暗い荒れた海の中にボートで放り出された様な心地を漣は抱いた。



…そんな時、友紀はふとあるものを発見した。

それは、プロットに書かれた『科学とは』の文字。

友紀はその四文字を見つめ、こう呟いた。



「……魔法の世界から見たら…私達ってなんなんだろう…? 」



その瞬間、荒波に飲まれそうな漣に、光が舞い降りた。

「…科学…鏡…俺たち…そして…魔法…」

漣はボソリと呟く…その光はそれらの言葉は巻き込んで、大きな光として漣を包み込んだ。

「それだ!! 」

「きゃっ!! 」

漣はガタンと椅子から勢いよく立ち上がり、友紀の手を取った。友紀は突然の事で驚いた様な顔でその手を握り返していた。

「そうか! 部長はそれが言いたかったんだ! はははっ、出来た出来た! 完成だよ!! 」

「え、本当に!? 」

漣はブンブンと合わした手を大きく上下に振る。自然と顔が笑顔になるのを感じた。友紀も漣を祝福する様にその握手に応じる。そして漣に溢れんばかりの笑顔を見せた。

「よし、あとは書くだけだ! 」

漣は友紀の手を離すと、シャープペンシルを手に取り、真剣な面持ちで書き始める。友紀はその様子を見ながら微笑んでいた。



数分後…


「…これで…よし…出来たーーー!! 」

「本当に!? やったーー!! 」

漣と友紀はお互いに喜び合い、完成を祝った。

机の上には、文末に《fin.》と記された、最後の一枚があった。


〜〜〜


時は流れ、文化祭当日…

さまざまなプログラムを終え、いよいよ二年二組の劇が始まった。


舞台にスポットライトが当たる…そこにはいかにも学校の日常と言った雰囲気が和やかに再現されていた。

『ここは、日本の何処かにある、魔法使い養成学校。…』

そこにナレーションが入る…ナレーションは本人の強い希望で友紀が勤めている。漣が聞いたところによると、自分が携わった脚本に自分も演じる側として参加したい、との事だった。 ナレーションを読む彼女はとても誇らしげで、自信に満ち溢れていると言った風であった。


その隣にいたのは漣。 配役は無い。脚本家として、舞台の袖から劇の進行と観客を見ていた。

しかし、舞台に立つわけでも無いのに鼓動は早く、吹いても吹いても手汗が出た。恐らく、クラスの中で1番緊張していた。

(頼む…上手く言ってくれ…)


そんな漣とは対象的な人物が1人、袖から舞台へ飛び出した。

『うわ、遅刻遅刻ちこーく!! やばよやばよやばいよぉー!! 』

『こら! 廊下は走る…ごふっ! 』

『あべしっ!! 』

扉を開けて怒鳴る演技をする教師役の生徒と正面衝突する彼…この作品のキッカケとなった山田だ。彼はイキイキとした様子で脚本通り…いや、それ以上にユーモアを盛り込んで主役として良い演技をした。

彼の登場に観客は大笑い。彼の人徳が故の人気であろう。漣はとりあえずほっと胸を撫で下ろした。



その後も順調に劇は進む…途中で小道具が行方不明になるなどあったが、クラスメートたちの尽力でカバー。いよいよラストのシーンが近づいてきた。


『…よぅ、ここにいたのか…』

主役の仲間役が山田に声を掛ける。舞台の上で座っている山田は振り返り、そのクラスメートを見上げた。彼は山田の隣に座ると、リンゴを取り出し山田に投げ渡す。

『…なぁ』

『…ん? 』

リンゴを食らう山田に声を掛けるクラスメート。そして、姿勢を変えながらこう尋ねた。

『…もし…もしもだ…魔法が無い世界があったとしたら…そこは平和なんだろうか…』

『…』

『…俺たちが、倒そうとしてるのは…言ってみたら、人間が魔法の魅力に負けて作った…負の産物…だろ? 』

『…あぁ…そうだな…』

『だからよ…魔法なんか無かったらいいんじゃねぇかなぁ…って思った。魔法じゃない、別の何かが生まれてさ…』

『…』

『娯楽が満ち溢れ…俺たちが見た事も無い様なデッカい建物が立って…街中を俺たちが経験した事も無い様なスピードで走る物が出来て…』

『…』

『そんな世界なら…俺たちが明日やろうとする、あんなバカげたことをする奴は…いないんだろうな…』

『……いや…違うと思う…』

『…何故? 』

『もし…魔法がなくても…人間は同じ過ちをするんじゃないかな…それこそ、誰か1人の意志で街一つが吹き飛ぶ様な…そんな物がゴロゴロあるかもしれない…』

『…』

『…大事なのは…人の創造じゃなく…もっと基本的な、人の感性。どんなに素晴らしい創造でも、使う人がしっかりした感性が無かったら、脅威になるんだよ…』



「うぅむ…」

と、漣のすぐ後ろで唸る様な声が聞こえた。漣が後ろを振り返ると、そこには、文芸部の顧問をしている高田先生が立っていた。

「先生…? 」

「耳が痛いと言うか…何と言うか…心に響くなぁ…結局魔法にしろ科学にしろ、使う俺たち次第か…」

暗闇で表情こそはっきり見えなかったが、高田先生はそう自分に言い聞かせる様に呟いた。

「波多野…これ、お前が考えたのか? 」

高田先生が漣に問う。漣は少し考え、笑顔でこう答えた。

「…いえ…みんなで考えました」


〜〜〜


夕日の差す、オレンジ色に染められた校舎の各教室では、心地よい余韻に浸りながら、笑顔で撤去作業に勤しむ生徒たちの姿が見受けられた。

「…ふひぃ…こんなもんかな…」

漏れなく漣もそうした中の1人で、今は体育館の裏手にある物置で作業をしていた。すると…

「…お疲れ様…」

ふと聞き慣れた声が掛けられた。漣は作業を少し辞め、声のした方を見る。

「えぇ…お疲れ様です、部長」

そこには結菜が立っていた。漣はつけていた手袋を脱いで適当に放り投げながら話を続ける。

「こんなところまで何の用ですか? 」

「…ふふっ…決まってるじゃない…」

結菜はそこまで言うと少し間をおいた…そして…

「…劇、お疲れ様…」

「ありがとうございます」

結菜の言葉を受けて頭を下げながら答える漣。結菜はさらに続ける。

「…流石、漣くんね…私の想像より一歩…いや、二歩前に出た…いい作品だったよ…」

「…部長にそう言ってもらえると…本当に嬉しいです…部長のお陰です…ありがとうございます」

漣の胸が熱くなる…こみ上げてくるものを抑えながら感謝を述べた…その時

「…次の部長は決定…かな? 」

結菜が何かを呟いた。漣はその言葉が聞こえなかったため聞き返した。

「え…今なんて…」

「…そんな事より…ほら、誰か用事みたいよ? 」

結菜は横に退きながら漣に言う…と、結菜の後方には重そうなカゴを持った女子生徒が1人近づいていた。

「…じゃあね? 漣くん…また部活で」

「あ、お疲れ様です…」

結菜はそう告げると校舎の方へ戻って行く…その代わりにその女子生徒…友紀が息を切らせながら漣のところに来た。

「お疲れ! 」

「お疲れ様…桐山さん、どうしたの? 」

「クラスで使った用具をまとめて持ってきたの。ちょっと数が足りなくて、大慌てで探し回ったから、遅くなって…」

なるほど、よくよく見ると友紀の制服は少し埃などで汚れていた。

「あ、そうだったんだ…通りで遅いなーって思ってた…大丈夫?」

「大丈夫だよ、ありがとう」

そう言って漣は友紀に笑顔で応対した。そしてカゴを受け取ると、物置の中にしまう…と、そこに劇の台本があるのを見つけた。

「あれ? これ何? 」

「それ劇の原本だよ。これが終わったら、教室寄らないで、すぐ帰るでしょ? だから、忘れたのかなーって思って」

漣はそう言うことかと納得し、友紀に感謝した。

「そっか…ありがと」

「ううん、感謝するのはコッチだよ」

「え? 」

漣は尋ねた。友紀は笑顔で漣に言った。


「こんな大変な役引き受けてくれて、ありがと。漣くんのお陰で大成功出来たよ…ホントにありがとう…」

友紀はそう漣に言った。漣はそれを聞いて少し驚くが…首を横に振って否定した。

「…そんな…そんな事無い、桐山さんがいたから脚本がスムーズにいったし、最後だって、桐山さんがいなかったら…多分完成できなかった…感謝するのは俺だよ…ありがとう」

漣は言った。心の底からの言葉だった。

「…うん…どういたしまして…」

友紀は照れながら、でも真剣に答えた。夕日に照らされたその笑顔は、今までで1番可愛くて輝いていた。


ドキッ…


鼓動が聞こえる。脈が早くなる。

漣はこれまでの期間を通じて、想う事があった。そしてそれは劇が終わって確信に変わった。それに気づいた時、どんなに下手な小説でもあり得ないほどバカバカしい、と漣は笑った。でも、どんなに笑っても、事実は変わらなかった。そしてその事実を、漣は伝えたい、そう想った。

「…で、さ…」

「…ん?」

漣は友紀に話を切り出そうとする…が、歯切れがどうしても悪くなってしまった。

「…何?どうしたの?」

友紀は不思議そうに伏せられた漣の顔を覗き込む仕草をする…が、漣は少し頭の角度をズラして避けた。

「本当にどうしたの?」

「…」

「あ、調子悪いとか…?」

「…」

「なによー、答えてよー」

「…」

次第にムッとした表情になる友紀の顔を見ると、さらに鼓動が早くなるのが分かった。心から溢れんばかりの気持ちが昂ぶって、喉元を過ぎようとする、その時…

「……いや…なんでもない」

漣はその気持ちを飲み込んだ。

「ふーん、漣くんおかしいね」

おかしい…確かにそうだ、と漣は思った。でも、仕方ない。だって…


「あ、そろそろ行かなくちゃ、またね!!」

「あ、うん…また…」

そういいながらバイバイと手を振りながら去って行く友紀を見て漣は無理やり笑顔を作って手を振った。そして姿が見えなくなると大きな溜め息をついた。

「…ここで告白が成功するのは、あくまで小説の話だな…」

漣はそういいながら笑ってみせた。そして、同時に涙が頬を伝わるのを、感じた。

漣は乱雑に涙を拭うと、ふと自らが書いた脚本に目を落とす…いや、自らがでない、友紀と二人で、だ、と心の中で強く思う。そう思うとズキっと心が痛むが、漣はどうしてもその脚本を読みたいと思った。


パラパラとめくると、あるページをめくったところで四つ折りにされた一枚のルーズリーフが差し込まれてあるのに気づいた。

「…あれ?」

プロットをこんなところに挟んだっけ?と思いながらその四つ折りのルーズリーフを開く…そこには可愛らしい文字でこう書かれてあった。


『ありがとう漣くん。

頼りになって、面白くて…

これまでの一週間、すごく楽しかった。

もしよろしければ、私と付き合って下さい。

お返事待ってます。

友紀 』


漣は手紙を握りしめて、走りだした。




この作品は、“。風水。”氏と“剣崎シンジ”氏、両氏の協力があって完成しました。

重ねて感謝申し上げます。ありがとうございました。また今後とも迷惑お掛けしますがよろしくお願いします。

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