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第6話「痛快! 地獄の苦しみに耐える変態(おとこ)って見苦しいね♪」

 一つ確認しておくと、イフリートのパンチはものすごい速いです。その辺のボディビルダーの筋肉が魅せるためにあるなら、このおっさんの筋肉は間違いなく人を殺すためにあります。普通の人間なら、とてもこのおっさんのヒートナックルかわせません。


 かくいう俺もイフリートの拳など一度かわすのが精一杯なわけで、おまけにキレてますますスピードの増した拳を「キャラ変わってんじゃねえか!」とツッコみつつもう一度かわすなど不可能なわけで。


 とりあえず、俺は死を覚悟しました。


――ってことで。


「うっぎゃああああ!!」


「そこまでよ、イフリート!」


 イフリートの拳が俺の脳天を打ち抜く前に、絶妙のタイミングで天使がストップかけました。しかし――。


「ぁやかましゃぁ!」


 止まりません。今のイフリートは主の命令でも止まりません。つーか、お前出番カットされたのそんなにムカついてたのか? むしろ、お前からしたらあのシーンはカットされた方がよくないか?


 そんなことを思いながら顔を上げたら、しゃれにならない熱を帯びた拳が俺の眼前に迫ってました。


 ――と思ったら、いきなり拳が止まって引っ込みました。


「うっぎゃあぁぁぁあおぁいあぎゃあぁぁぁ!!!」


 そして、聞くに耐えない奇声を上げながらイフリートが地面をのたうち回ってます。


 ……両手で大事な部分押さえながら。


 はい。説明するとイフリートが唯一身につけているふんどしは、ただのふんどしじゃないんです。察しのいい方には説明するまでもないかもしれませんが、そのふんどし、主の命令に逆らうと強制的に締め付けるようにできてるらしいです。んで、その威力は……。


「ぁああああぉおおやぎゃぴぃぃぃやぁぁ!!」


 言うまでもないな……。


「あっはっはっはっはっはっは、ぎゃぴぃだって、ぎゃぴぃー。あっはっはっはっはひー」


 んで、天使は腹抱えて笑ってます。つーか――。


「あゃぁあゃぁいぐぅぅぅぅぅぅ……!!」


 イフリート、とうとう動かなくなっちゃったよ。そろそろ助けてやれよ。同じ男としていたたまれねえから。


ってことで、俺は笑いこけてる天使に言ってやった。


「おい。いい加減勘弁してやれよ。イフリートもう声も出なくなってんぞ」


「あはは。そだね」


 ってことで、動かなくなったイフリートは天使のピアスに戻されました。


 ちなみに、前回カットされたシーンは、これとほぼ同じでした。天使の制止を聞かなかったがために、大事な部分を押さえながら地面をのたうち回ってました。


 つーか、あいつもこうなるの分かってるはずなのになあ……。


 そんなに自分の情けない姿を暴露して欲しかったのか?


「あー笑った笑ったー。ほんといつ見てもイフリートの「痛快! 地獄の苦しみに耐える変態おとこって見苦しいね♪」は面白いね」


「主人の命令無視するおっさんを使い続けてる理由はそれか」


「実用的でしょ?」


「お前だけにな」


 同情するぜ、おっさん……。


「それにしても、ヒロ君?」


「なんだ?」


「あれってそんなに苦しいの?」


「あー……苦しい」


 つーか、こいつよく分かってねーんだな……。


 ――ってわけでイフリートいじりが終わったところで、今回は終わりです。前回からひっぱっといてなんか、すいません。


 次回は前回の冒頭でちらつかせた伏線通り俺の家族を紹介します(したくねーけど)。


 つーわけで、次回に続く!


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