第一章~出会い~
桜が舞い散る4月。
私、櫻井亜美は高校に入学した。
入学式当日から、目立ちまくりの私。
スクバは指定じゃないピンク。スカートも校則よりものすごく短くてベストは紫。
耳にはピアス。髪の毛は昨日茶色に染めたばかり。
……こうでもしないと目立てないから。
……こうでもしないと私の存在する価値がなくなるから。
……こうでもしないと誰も私には気付いてくれないから。
小さいころからよく聞かされた言葉。
「早く死ねばいいのに……」
私は生まれてきたことを後悔した。
どうして生きているのかなんて分かんないよ。
私の生きる意味って何?
『今から入学式を始めます。新入生の皆さんは体育館前に集合してください』
出るかでないか迷っているとぐいッと手をひかれる。
誰……?
「いっしょにさぼろーぜ!」
「おっけ!」
この人同学年!?
私と正反対のタイプの人。
黒メガネで髪はきれいな黒髪。
「おい!待てお前ら!」
「あっ!!やべー。行くぞ!屋上だ!」
「うん。」
……先生におっかけられ見事逃げぬいてついた屋上。
まだ春になったばかりという温かさだ。
「……っはぁはっ……つかれたぁ」
「……っははぁウチも。とゆーか君、誰?」
「……オレ??福田 亮。よろしくな!亜美!」
……ん!?
なんでうちの名前知っとるんじゃ!?
「さっき、名簿で見たんだ」
「ふーん……」
そーなんだ。どうでもいい。人と、かかわりたくない。
なんでこの亮という男はマジメ系なのにチャラい私を誘ったんだ?
これが……亮との出会い―――