アポを取る
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エレミーさんと軽く雑談をしつつ、貴族様の所にアポを取りに行った。アポなしでの突撃は不味いからね。色々と準備もあるだろうし、アポは必ず取っておくべきだ。
「すみません。レイトーン村の錬金術師なんですが、貴族様にお会いは出来ますか?」
「む? レイトーン村の錬金術師か。噂はかねがね聞いている。……ただ、急には無理だ。こちらも面子がある。だから、明日、また来てくれ。その時までには準備をしておく」
「その辺は解っています。今日は予約を取り付けに来ただけですので。……それにしても、急造でも何とかしているんですね。もう少し時間がかかるものだと思っていましたよ」
「その辺りは前々から準備をしてきていたのが大きい。簡単に行っているように思えるかもしれないが、かなりの時間を準備に当てたのだ。同朋の力を使いながら、何とか形にしたのだよ。……多少の混乱はあったようだが」
「まあ、その辺は仕方が無いでしょうね。……それと、新しい貴族様の家名は決まってますか?」
「ああ、決まっている。……爵位なんかはどうすれば良いのか解らなかったから、そのまま引き継いでいるが。クレメンティア子爵を名乗っている。子爵家で良いのかは疑問だが。その辺は王宮から話があるだろうとは聞いている。当面の間は、クレメンティア子爵で通すつもりではいるが」
「爵位はどうなるのかは解らないでしょうからね。まあ、伯爵になることは無いとは思いますけど。普通に考えれば、現状維持か、降格でしょうからね。……その辺は工作していないので、どうなるのかは未定といった感じですけど」
「既に周辺貴族への伝達は行っている。どうやら寄子が2家いたようではあるが、それらは別の貴族家を頼ったようだ。我らでは不足と見たのか、今後どうなるかが解らないだろうからな。寄子が寄親を変えるのは当然の事ではあるだろう」
「まあ、それは妥当かと。今後の事も考えて動かないといけないでしょうからね」
そうなるよなあ。寄子なんかは離れるだろう。そのままついてこられても困るとは思うが。そこまで支援をしてやる義理はないし。単純についてきただけの寄子は要らない。必要ではない。余分なものがついてこなかっただけでも御の字とした方が良いだろうな。……それよりも、子爵を名乗っても良いのかどうかだ。前が子爵だったからという理由だけだからな。新興の貴族家を、いきなり子爵家からスタートさせるのか。それが問題だ。男爵から始めろって言われるかもしれない。その辺はお達しが来てからでいいとは思うが。当面の間は、クレメンティア子爵家と言う事で、考えておけばいいか。それで何の不自由も無いはずだからな。
「それで、隣接している貴族家とは、仲良くできそうなんですか?」
「口だけではあるが、友好関係を築くことで決まっている。まあ、裏で何の準備をしているのかは知らないが、動くなら早い方が良いだろうからな。この秋に何もして来なければ、多分大丈夫だろう。こちらとしては、守るべきものが少ない。クレメンティア子爵家の領地は、テッケルンと村が9つだからな。そこまで旨味のある領地ではない。町があるだけ、マシだとも考えられはするが」
「まあ、子爵家となればそんなものでしょう。では、こちらも明日にもう一度来させて貰います。話は通しておいてもらえると助かります」
「勿論だ。レイトーン村の錬金術師と言えば、恩人も良い所だからな。面会は急ぐことになる。明日のこの時間位には、時間を確保できるはずだ」
アポは取れた。これで明日にでも挨拶に来れば良いと言う事だな。……時間があるな。とりあえず、冒険者ギルドの様子を見ることにしようか。色々と情報が集まってきているだろうし、こっちも提出しないといけない情報があるからな。レイトーン村の価値を上げておかないといけない。冒険者が一気に減ったからな。獣人の冒険者が半分くらい、兵士団に吸収されたんだ。それの補充要員を求めることはした方が良いからな。良い感じに噂が流れてくれれば問題ない。まあ、質の低い冒険者も多く来るとは思うが。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。何か御用ですか?」
「まあ、用はありますけど、情報交換をしに、ですね。とりあえず色々と話をしたいんですけど、時間は大丈夫ですか?」
「問題ありませんが……。私で良いのですか? もしよろしければ、ギルドマスターにお繋ぎしますが。そこまで今日は忙しい訳ではありませんし」
「……良いんですか? こちらとしては有難い話ですけど」
「まあ、こちらも色々とあったので、その件でしょうし。ギルドマスターに繋いだ方が私も楽が出来ますからね。どうせ耳には入れることになるんです。それなら手間を省いた方が良いと思いませんか?」
「それもそうですか。それじゃあギルドマスターに繋いでもらえますか?」
「はい。では、こちらに」
なんかギルドマスターに会う事に決まった。何というか、冒険者ギルドの人も大概自由だな。世間話で済ませようかなって思っていたんだけど、色々と話が出来そうだ。ギルドマスターなら色々と知っているだろうからな。色々とな。その件も聞いておきたい。今後の方針をどうしていくのかも聞いておきたい所ではあるな。方針が大きく変わるはずだ。今までのような運営では駄目なはずだ。その点をよく聞いておきたいとは思う。そして、冒険者ギルドの情報網を使って、こっちの宣伝もしておきたいからな。今までも有望な狩場ではあったんだが、今回の騒動のお陰で、かなりの場所に変化したから。こう言う事はよくあることではあるんだけど、いい方向に動くことは、実は余りなかったりする。村が潰れる原因にもなるし、手放しで歓迎して良いものではないからな。村が潰れてしまえば、冒険者の活動場所が減ってしまうんだから。特にテッケルンの様な場所は、そう言うのにも敏感なはずだからな。
「失礼します。お客様をお通ししますね」
「なんだ? 今日は客が来るとは聞いていないぞ?」
「お客は飛び入りでも来ますよ。私では手に余ると思い、ここにお連れしました」
「自分の仕事をしたくないだけじゃないのか? ……まったく。まあいい。今後も大きく変わっていくだろうが、現状での話で良いならしようじゃないか」
「恐れ入ります。では、どうぞ。失礼しますね」
「あー、何というか、押しかけて済まない。だが、ギルドマスターと話が出来るなら、こちらとしても有難い事ではあったからな。申し遅れた。俺はサンルーグ。レイトーン村の錬金術師だ」
「レイトーン村か。……あそこはよくぞ持ちこたえてくれた。滅んでもおかしくない事態が2度も起きたからな。スタンピードが起きたし、その後は魔物の大暴走が起きた。……逃げてきた冒険者から聞いている。全く、方針が方針だっただけに、援軍を送れなくて済まないとは思う。当時はボッテンハイム子爵家が、見捨てるって判断をしたからな。冒険者ギルドとしても動けなかったんだ。済まないとは思っているが、今更出来ることも無いしな」
「それについては、獣人の冒険者たちが何とかしてくれたので、問題は無いですよ。……やっぱりというか、ボッテンハイム子爵家が絡んでいたのかって感じですけどね。まあ、そうだろうなって判断はしていました。……滅ぶ可能性はあったとは思いますよ。結果として、滅ばなかったのは、獣人の冒険者のお陰ですから。その辺りの事も聞いても?」
「あー、獣人絡みか。……ボッテンハイム子爵家は、獣人を人として見做すことはしなかった。獣人は全部奴隷で、人として生きていくのは反対していたんだ。だから、獣人の冒険者のランクも、上がり辛くしてあったし、Cランク冒険者が最大だった。……近年では、獣人の冒険者の方が、人間の冒険者よりも、質が上がっていたんだが、そう言う経緯もあってな。流石に冒険者ギルドも、貴族とは対立できない。分不相応なランクであることは承知していたが、こちらも特に出来ることは無かったからな。クレメンティア子爵家が誕生しただろう? それで獣人への差別は無くなった。今後はちゃんとランクも上げていく。幾つかのパーティーはランクを上げることで決まっている。まあ、兵士団に引き抜かれたパーティーも多いけどな」
「やっぱりボッテンハイム子爵家が関わっていましたか。獣人差別をしても意味がないというのに。そもそも、スパイ疑惑が出ていたんですから、当然といえば当然ですか。ボッテンハイム子爵家の悪評は、レイトーン村にも届いていましたからね。それが無くなるのは良い事でしょうし。冒険者ギルドも、賢明な判断をして欲しいとは思います」
「解っている。色々と不可解な事を言われてきていたからな。……採取の冒険者を冷遇していたのも、ボッテンハイム子爵家の指示だ。本来なら、採取の仕方もしっかりと教え込むんだがな。錬金術師なら知っているとは思うが、この町の錬金術師事情はあまりにもよろしく無かった。……まあ、潰されちまったみたいだけどな。俺としては当然の話だろうとは思っている。まともな錬金術師を冷遇してきたことには代わりが無いんだからな。馬鹿な事をしていたとは思っているが、俺たちが逆らう訳にもいかないからな。そうなると、冒険者全体にとんでもない害が出る。それだけは避けないといけないことだからな。冒険者ギルドとしてはだ」
「まあ、そうでしょうね。いくらなんでも貴族様に逆らう事は難しいでしょうし」
「そう言うこったな。今後はちゃんと採取指導も行っていくから心配するな。……とは言っても、採取の冒険者が増えるかどうかは解らねえ。討伐をメインにした方が楽だからな。何処の冒険者ギルドでも、討伐の方がメインだ。それは変わらないとは思う。ただ、まともな素材が流通するようにはなるとは思う。その辺までが出来ることだな」
「まあ、採取の指導もしてもらえるなら、こっちでは文句は言いませんよ。そもそも保存瓶の使い方すら知らない冒険者も多かったんですし、それが解消されるのであれば、こちらとしては十分です。ボッテンハイム子爵家は碌でもない事をやらかしていたのは知っていますし、今後についても、対処してくれるのであれば問題ありません。……それよりもですが、冒険者を集めた方が良いというか、集まってくるとは思いますので、その辺は注意しておいて欲しいですね」
「ん? 冒険者が集まってくる? どっちかというと、離れていくんじゃないか? そりゃあ、獣人の冒険者は集まってくるかもしれないが、人間の冒険者の方が多いんだ。……他種族の冒険者も、居ない訳ではないんだろうが、殆ど見ないしな。だが、貴族様が変わっただろう? 人間の冒険者は離れていく可能性もあるぞ? それなのに、集まってくるのか? 獣人の冒険者だけじゃなくてか?」
「ええ、まあ。獣人の冒険者は集まってくるでしょうね。初めての自分たちと同じ種族の貴族が誕生したんですから。獣人たちは同族を大切にします。まず間違いなく集まってくるでしょうね。それと、人間の冒険者なんですが、ランクの低い人は移動するかもしれないです。今までのような振る舞いが出来なくなるんですから。ですが、ランクの高い冒険者は別ですね。今回の魔物の大暴走の原因が原因なので。……既に王都には伝わっていますが、今回の魔物の大暴走の原因は、サラマンドラです。それを討伐するために、Cランク冒険者以上の人たちが集まってくるでしょうね。質の悪い冒険者も、大量にやってくるでしょう」
「サラマンドラだと!? ……それが既に王都で噂になっているのか。そうなると、比較的簡単な場所に、高額な魔物が出てきたことになる。そうなると、レイトーン村に押しかけるか……。ああ、それでわざわざ錬金術師がここに来たのか。サラマンドラを倒せる冒険者が集まってくる事になるのか」
「まあ、端的に言えば、そう言う事ですね。ああ、そうそう。あの近辺に、沼地があるのは知っていますか?」
「あ? ああ、知っている。まあ、沼地なんて大体皆嫌がるがな。獣人の冒険者たちは、挙って沼地の討伐依頼を受けていたようだが。不人気の狩場を独占することくらいは構わねえとは思っていたんだが、何かあったのか?」
「ええ。沼地の奥地には、山地がありまして。その山頂付近には、フェンリルがいましたよ。これもサラマンドラと同格の魔物です。普通に狩りの対象になります。……まあ、その沼地自体は、色んな村が隣接しているとは思いますけどね。地図的には、多くの村が隣接していますが、沼地が基本的に嫌がられる場所ですからね。今まで見つからなかったんだろうとは思いますよ」
「……そんな魔物もいたのか。なるほどな。フェンリル狙いの奴らも集まってくる可能性があるのか。でもまあ、そっちは沼地っていう障害があるから、そこまで集まって来ねえだろうし、そもそも隣接している村も多い。そっちの方にもばらけるか。……問題はサラマンドラだな。倒しやすい場所に出てきたとあっては、冒険者を呼び込むだろう」
「だとは思いますよ。フェンリルにサラマンドラ。冒険者の最終目標にも上げられるだけの魔物です。それらが討伐できる場所が出てきたんです。冒険者が集まらない訳がない。危惧しているのはそこなんですよ。質の悪い冒険者が押しかけてきても困るんですよね」
「……言いたいことは解るが、冒険者ギルドとしては止められねえぞ? 冒険するのが冒険者だ。自分たちでは倒せないと解っている奴らはいいが、それ以外の冒険者も狙うだろうな。冒険者ギルドでは、Bランク冒険者以上じゃないと狙うなとは言う。言うが、言う事を聞くかどうかは解らない。特に、自分たちの実力を過大評価している奴らは止まらねえ。……死ぬのも自己責任だ。ただ、サラマンドラを全く狩れないというのは問題だな。下手をすれば、また貴族様の交代が起きるぞ?」
「その辺に関しては心配なく。既に獣人の冒険者たちの中でも、ある程度の実力の者たちが狩れているので。その者たちをAランク冒険者にしてしまえば良いだけの話ですから。サラマンドラを狩れるんですから、間違いなくAランク冒険者で良いでしょう?」
「……そんな報告は上がってきて、いや、そうか。ボッテンハイム子爵家を落とすんなら、そう言う情報は秘匿するか。人間の冒険者なら簡単に言いふらしただろうが、獣人の冒険者たちなら、自分たちの不利益になるような事は喧伝しない。そう言う事か」
「そう言う事ですね。まあ、他は何とかなるとは思いますよ。ただ、馬鹿の処理だけお願いしますと言う事で。馬鹿な冒険者が出てくることは必至ですから」
「あー、まあ、その辺は何とかしてみるが、何ともならない可能性の方が高いからな? こっちでもBランク冒険者なら、狙っても良いとは言っておくが、……Cランクの馬鹿どもが、群がるんだろうなあ……」
でしょうね。それを止めて欲しいんですけど、無理そうだな。冒険者は基本自由業だし。話を聞いたら、腕試しにって事で、普通に挑みかねない。挑んでも良いんだけど、勝てないからな。多分だけど。




