人って魔物なの?
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夏が本番を迎えた。猛暑というのも生易しく、酷暑と言っても良いのかもしれない。温度を正確に計っている訳ではないからな。どのくらい暑いのかってのが解らない。解らないけど、外に出ないといけないからな。外に出ないと、宿屋で飯が買えない。買い貯めをしているから、頻繁には行かなくても良いんだけど、それなりの日にちにはいかないといけない。……エアコンペンダントが無ければ、行きたくもないって感じだったけどな。けど、エアコンペンダントでも、日差しは関係ない。肌に刺さるような日差しはどうしてもな。長袖を着ているし、当たるのは顔くらいと言えばそうなんだけど、それでも暑く感じる。適温になっているのはそうなんだけど、日差しが強くて体感温度が高い。
「改良の余地があるのかもしれないけどな。……でも、費用的に考えても、これが一番良いとは思うんだけど」
「とは言ってもですよ? そもそも農民は冷却帽子で十分って話をしているんですけど。まあ、確かに、暑いのは暑いですけど、冷却帽子があれば、そこまで暑いかって言われると、微妙だとは思いますけど……」
「いや、エレナちゃんは慣れすぎているだけだ。暑いのは暑いぞ。……王都もここまで暑くはなかったはずなんだよな。勉強に熱をいれ過ぎていたせいで、暑さとかどうでもよかったってのはあるんだけどさ。けど、暑いのは駄目だ。出来るだけ涼しい方が良い」
「そんな事を言っても、無理じゃないですか? 村全体を涼しくする方法なんて無いんでしょうし。無いですよね?」
「無いな。出来たとしても、白金貨10000枚は余裕でかかる。そのくらい金をかければ出来なくはないって感じだな。……まあ、半分くらいは力技なんだけど。それに、そんな事をすれば、下手したら死ぬからな。それは望ましくない。そんな時間も素材もやる気も無い訳なんだけど」
力技で解決しようと思えば出来る。例えば、結界だな。温度を閉じ込める結界を張って、その中を冷やし続けると。そうしたら、費用はもの凄くかかるが、村全体を涼しくすることは可能だ。まあ、その魔力を誰が補充するんだって問題はある訳なんだけど。村の人の魔力を全部使ったとして、足りるのかどうかだな。俺がいる内は足りるかもしれないけど、魔力タンクになる人がいなければ意味がないんだから、どうしようもないとは思う。そんな事をするくらいなら、村人全員にエアコンペンダントを配った方がマシである。その方が全員が涼しくなるとは思うぞ。日差しはどうにもならないが。
かといって、日差し除けに、大きな屋根を作るなんて馬鹿な事はしてはいけない。そうしたら、植物に日が当たらなくなってしまう。夏野菜が育たなくなってしまう。それでは駄目だ。そんな力技でどうにかしたら、農家が干上がる。しかも、今度は冬が寒くなり過ぎる。それはそれで問題が大きくなるんだよ。そして、屋根の上も雪かきもしなければならなくなるからな。そんな事はしたくない。力技で解決するのは良いんだけど、その後の処理が面倒だからな。出来る限りそんな事はしたくはない。まあ、いい方法が思い付いたらやるかもしれない程度だな。
そして、研究だが、ポラロイドカメラの続きをしている。いい案が思い付かないから、適当に作っているんだけど、中々上手くいかない。何とか紙に色を焼き付ける所までは何とかなったんだけど、画質が死んでいる。なんの写真を撮ったのかが解らないんだ。色は付くんだけど、それ以上でもそれ以下でもないって感じだな。本当に色だけ付くんだ。風景が映らなければ意味がないんだよな。モザイクよりも酷いからなあ。だから、どうしたら画質が上がるのかを検討している最中なんだよ。
こういうものは発想力と、時の運だからな。エアコンに関しては、構想がある程度あったし、素材もこれだってのがあったから良いんだけどさ。その研究の過程で、エアコンペンダントや冷凍庫が出来ているように、派生したものは出てくるんだよ。そっちの方が有用だと思うなって物も出てくる訳で。特に冷凍庫なんて最高じゃないか。水を入れておけば、勝手に氷が出来るんだ。……魔法で出せば良いじゃないかって思うかもしれないけど、魔法が使えなくても氷が用意できるんだから良いんだよ。魔法を使えない人が使う物になるんだからな。
エアコンペンダントだって、需要はあるとは思うぞ。こればかりを作っていられないから、公開するつもりはあんまりないんだけど。妖精の羽がもう少し手に入りやすければ、公開しても良かったのかもしれないけどな。エアコンペンダントで良いじゃないかって言われると、エアコンが死ぬからな。どう考えても、コスパもそうだし、使い勝手もエアコンペンダントの方が良い。研究していたものよりも、副産物の方が良いものが出来るってのは、割とよくある話である。師匠もそんな事を言っていたからな。研究していたはいいが、副産物が出来たおかげで、研究した物が不要になったってのは、よくある笑いのネタだ。これも笑いのネタになれば良いんだよ。
「そんな事よりもだ。エレナちゃんは身体能力強化魔法の第二段階までいったかな?」
「いえ、まだですね。特定の部分で魔力を必要以上に回転させるってのが難しくて……」
「うーん。まあ、そうなんだよな。割と簡単そうに見えて難しい。強化率が高いから、覚えておくことに越したことはないとは思うけどね。力が強くなれば、出来ることは多くなるし。力が強くて困る事ってそんなに無いからさ。出来る様になっておくに越したことはないってね」
「そうですよね。だから頑張っているつもりなんですけど……」
「普通に努力すれば、1年もあれば何とかなるものだよ。冒険者の様に、必要に駆られてって訳じゃないから、遅くなるのも仕方がないんだ。どうしてもマスターしないといけないって時には、何故か知らないけど、そう言う強制力みたいなものが働くからね。無意識に出来る様になるんだけど、平時に訓練をしているからね。習得が遅くなるのは仕方がないかな」
「これもコツとかは無いんですか? オーロンドさんに教えていたのと同じような感じでやれば良いんでしょうか?」
「ん? んー、そうだね。もしかしたら第三段階まで飛ぶかもしれないけど、やってみるのは良いんじゃないかな。とりあえず、心臓に魔力を集めて、そのまま血の流れに沿って、魔力を流していくんだ。血の流れに任せて魔力を動かす。ちゃんと魔力操作を意識してね」
「……はい。……でも、これでいいんでしょうか?」
「さあ? 俺じゃあその感覚は解らないからね。でも、流れはなんとなくだけど解るんじゃないかな? 大きな流れもあれば、小さな流れもあるとは思うけど」
「……はい。なんとなくですが、解ります」
「そのなんとなくが大切だからね。そんな流れを、体の一部だけでやってみるんだ。今回であれば、手だけだね。そこでさっきの流れよりも早く魔力を循環させる魔力を大量に使う必要は無いから、正確に、緻密に、魔力操作を行うんだ。それを毎日意識しながら行っていけば、身体能力強化魔法の第二段階に到達するよ。1回出来れば、他の場所でやるのは簡単だから」
「はい。頑張ります」
うんうん。頑張ってくれればいいよ。難しいとは思うけど。けど、そのくらいの難易度の事はやれないと無理だからね。身体能力強化魔法を極めるには、そのくらいは出来ないといけない。まあ、第三段階まで出来たら、十分すぎるんだけど。それくらいには強くなれる。平民でそこまで強くなれれば、言う事は無いと思うんだよな。特に戦争に行く訳でもないんだし。
お昼まではそんな感じで訓練を見ながら、錬金術でポーションの補充をしていった。大体いつものセットが人間に売れるからな。……また人間が戻ってきているんだよな。面の皮が厚いというか、ここまで行くと妖怪なんじゃないかって思うくらいには図太い。信用されていないのがみて解るくらいなんだけどな……。それに、人間の冒険者が倒すのは、ゴブリンとコボルトなんだよな。それ以上の魔物は狙わない。実力的に狙えない。狙ったら殺されるのが落ちだからな。ホーンデッドラビットなんかは、普通に体に風穴を開けてくるし、ダークピッグも、攻撃力は馬鹿にならない。猪とはちょっと違うんだけど、豚も猪と同じだからね。基本的には。家畜化されたのが豚で、野生のが猪って感じだし。魔物としては、猪と思っていいんだよ。……お肉が美味しかったから、ダークボアじゃなくて、ダークピッグって名前を付けられたって師匠が言っていた。お肉が美味しいのがいけなかったんだ。
昼からは、レジエナも合流して、2人で身体能力強化魔法の訓練だ。レジエナも、計算は出来る様になっているんだけど、文字の読み書き、特に書く方が苦手らしいので、まだ村長の所に通っている。読める様にはなったんだけど、書く方が駄目らしいからね。誰だって苦手な事はあるものだ。読み書き計算は出来ないようでは問題なので、頑張って覚えて欲しいな。……村長の家が暑くてやる気が出ないって言っているけど、こっちにずっと居たければ、頑張らないといけないので、もう暫くは続くと思う。計算は出来るから、店番は出来るんだけどね。
「んー? 血って何で流れているの?」
「さあ? 何でなんでしょうか?」
「……難しい話になるけど、どうする?」
「……一応聞く」
「そうか。それじゃあ、話をしようか。一番大きな理由としては、体中の細胞に、酸素という栄養? を届けないといけないから、血は流れている。人は酸素が無ければ生きられない。呼吸をする事で、体に酸素を取り入れている訳なんだけど、酸素を取り入れるのは肺なんだ。だから、肺に血液を送り込んで、そこで酸素を補給する。補給した酸素を、今度は血液が各細胞まで運ぶんだ。体は、細胞って言われる小さな生物の1つが集まって人は出来ている。数十兆の細胞が集まって出来ているって言われているけど、正確な数は知らない。そんな膨大な数の細胞に酸素を届けないといけないからね。だから血液は常に流れている。心臓が動いているのは、このせいだ。心臓が動かなくなったら死ぬのは、細胞に酸素がいかなくなるから。もしも、心臓が止まったら、魔力で無理やりにでも血液を動かさないと死ぬんだよ。酸素が運べなくなるからね」
「……さっぱり解らない。酸素って何?」
「酸素って言うのは、空気の成分の1つだ。呼吸によって取り込むものだね。人は呼吸によって、酸素を体の中に取り入れて生きている。……けど、酸素って無さすぎても、あり過ぎても駄目なんだよ。今の空気のバランスが崩れれば、人は生きていけないって言われている。後は、酸素ってのは、1つの元素の事を言うんだけど、俺たちが使っている酸素ってのは、酸素分子って言って、酸素が2つくっ付いたものなんだよね。……これが3つくっ付くと、オゾンっていう物質になるんだけど、オゾンは人体には毒だからね。まあ、酸素も毒なんだけど。人は毒を受け入れて生きられるように進化してきたんだ。毒も薬も、同じような物ではあるんだよ。結局は、その成分が、人体に有益であれば、薬。有害であれば、毒って分けているだけだからね。毒も薬も似たようなものだ。ポーションだってそうだぞ。ポーションで治る怪我もあれば、悪化する病気もある。薬でありながら、一定の条件を満たせば毒にもなる。かといって、ポーションを飲まないって選択肢はないから、結局飲むんだけどな。その時初めて毒になるかどうかが解るんだ」
「……何を言っているのかよく解らない。ポーションって毒なの?」
「毒にもなり得るって話だな。基本的には薬で間違いはない。けど、特定の病気に関しては、毒にもなる。……まあ、体質的な問題もあるからね。大体は気が付かないとは思うけど。気が付いた時には手遅れって可能性もある位だし。まあ、その辺は俺が熟知しているから、問題はないよ。普通に飲む分には何も問題は無いから」
「じゃあ、酸素は毒?」
「間違いなく毒だ。けど、その毒を取らないと、人は死んでしまう。毒を受け入れる様に進化してきたのが今の人類だ。人間も獣人もエルフもそうだ。……もしかしたら、何処かで分岐しただけで、元はと言えば、同じ生き物だったのかもしれないけどな。この辺りは、過去を何処まで遡れるのかで話は変わってくるからなあ。エルフでも、1万年生きたって記録がある位だから、進化したのは数十万年前になるんだろうとは思うけど。寿命が短い人間も、それに最適化した結果という可能性もあるんだ。基本的に代を重ねるごとに進化していくからね。エルフの方が寿命は長いけど、進化は遅い。だから、寿命が長い方が優れているって訳でもないんだよ。どっちの方が良いのかは、生き残ってみないと解らないんだ。それは結果論でしかないからね。人間の方が生き残るかもしれないし、獣人の方が生き残るかもしれない。エルフかもしれないしね。そんなのは、進化してみないと解らないんだ」
「進化するのは魔物もそう。人は魔物なの?」
「うーん。魔物では無いんじゃないかなって思うな。魔物は、魔力から生まれてくるから。人は魔力からは生まれてこないからね。勿論、数が減ってきたら解らないけど。それに、人には魔石がない。だから魔物じゃないって人もいる。当然だけど、話が通じないから魔物とは違うって言う人も居るね。じゃあ、魔物同士では話が出来ていないのかって言われると、確認が出来ないんだけど。特に狼系統の魔物って、群れを成すからね。群れるって事は、コミュニケーションが取れているって事にもなるんだよ。だから、魔物は魔物で会話をしているんじゃないかとは思うんだけどな。その辺は自分で研究してみた方が楽しいとは思う。人は魔物なのかどうか。それを調べるのも楽しいんじゃないかな。手伝えることは手伝うつもりだけど。……本当かどうかは知らないけど、人の言葉を理解する魔物も居るって話だよ。高位のドラゴンなんかがそうだって言われているけど、本当なのかどうかは知らない。高位のドラゴンに会ったことがないし。会ったら生きていられるのかが解らないけど」
「ふーん。……研究はいいや。サンルーグに聞く」
「……そっか」
俺も全知全能って訳ではないんだよな。知っていることだって偏っているし。興味のあることしか知らないともいう。人ってそんなものだからな。興味があることしか知らないのが普通なんじゃないかな。知りたくない事を知る機会って、そんなにないし。まあ、知りたくもないけど、知らないと死ぬって事もあるんだけどさ。そう言う経験は、無い方が良いのは確かである。俺だって、そんな経験は殆どないし。……前世で数度あったくらいか? やらかした関係で、何度かね。やばかったことはある。それで死ぬかもしれないって思ったこともあったからな。まあ、何事も気を付けましょうねって事と、知らないよりも、知っている方が良い事もあるんだよって言えるようになった事かな。知らない方が幸せだとは思うけどさ。




