舐められないためには
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調査を終えて、夏が始まったなという感じである。夏場は暑い。とにかく暑い。冷却帽子を被っていないと作業にならないくらい暑い。……こうなったら、クーラーを開発しないといけないんじゃないか? 普通に暑すぎるんだ。幸いにして、冷暖房を切り替えることは出来ると思う。サラマンドラから火袋を、フェンリルから冷袋を手に入れている。それに風属性の素材を組み合わせれば、冷暖房が出来るんじゃないか。そう思うんだよな。風属性の素材は、土属性の素材を反転させないと手に入らないけど、手に入らない訳ではない。多少は無理をしてでも、冷房だけでも作った方が良いんじゃないか。そう思えてきた。
「暑いな……。エレナちゃんは平気そうだが。レジエナは駄目か。俺と同じだな」
「暑い……。冷却帽子を被っていても暑い」
「そうですか? いつもはこんな感じですけど。夏が始まると、一気に気温が上がるんですよね。そして、徐々にまた上がり続けるんですよ。まだまだこれからですよ? でも、冷却帽子があるおかげで、もの凄く涼しいです」
「雪も降り積もる北の筈なんだけどな……。ここまで夏が暑いのは想定外だ。俺が来た時は、夏が終わって、秋になっていたからな。……まあ、道中は暑かったが。まさか北に進んだのに、王都並みに暑いとは思わなかった。……こんな状態なのに、何で誰もエアコンを開発しようと思わなかったんだ? 夏は暑い、冬は寒いって言うんだから、普通は開発してもおかしくないはずなんだが……。あ、そうか。開発しそうな貴族は、そもそも冷え冷えドリンクを飲んだり、あったかい火属性のコートを着ていたりするのか。だから、エアコンまで話が進まなかったのか? そんな事あるのかね? そりゃあ、素材は幾らか珍しいものを使わないといけないが、師匠はどうしていたのか……。しまった。師匠は南の方の出身だったか。種族的にかなり南、国も跨いでの移民だったっけ。そもそも暑いのには慣れているのか。……俺も王都の暑さには慣れたつもりだったんだけどな。それでも暑いと感じるからな」
暑いのは苦手である。そもそも暑さはどうにもならないんだからしかたがないんだ。冬は寒い。寒ければ着こめばいい。だが、夏はそうはいかない。冷却帽子を被っているから、上半身……というよりは胸くらいまでだが、そこまでは涼しいんだけど、お腹より下が暑い。こうなってくると、胴長をずっと履いていたくなる。あれは水属性だから、適温に合わせてくれるんだよな。見た目がダサいってのが問題なんだけど。見た目の問題が無ければ、即使用案件なんだけど、見た目がなあ。討伐に向かう時ならいざ知らず、日常生活で使いたいかって言われると、微妙である。
フェンリルのコートって手段も取れるんだけど、高価なんだよなあ。それに、夏場に涼しくするために着こむんだけど、気分的には暑苦しい。それならエアコンを作った方がマシである。まあ、室内限定って話ではあるんだけどな。外に出ることも多くあるんだし、フェンリルの防具一式は作っておくか。これだけ暑いと、野外活動はしたくなくなるんだけどな。でも、定期的にサラマンドラとフェンリルは狩りに行かないといけないし。主に素材が欲しいから。夏でも狩りにはいかないといけない。装備一式は作っておいて損は無いか。エアコンの開発ついでに、作っておくか。ポラロイドカメラ? 使わない可能性もあるんだから、いったん中止で。開発には順序ってものがあるんだ。必要な物から、順番に開発していこう。エアコンはマストだ。絶対に必要だ。
「よう。元気がないな。どうしたんだ?」
「暑いんだよ。冷却帽子も被っているが、それでも暑い」
「……暑い」
「あはは……。そんな感じなんです」
「なんだ? サンルーグは暑いのは駄目なのか。俺たち獣人なんか、毛皮を着こんでいるような物なんだぞ? エルフなんだから、贅沢言ったらいけないな。暑いのは気合で何とかするんだ。というか、胴長を履いていれば良いんじゃないか? これは涼しくて快適だぞ?」
「それは解るんだが、見た目がな。貴族の前に出ることも、今後あるかもしれないし、フェンリルの素材を使って、上等な服でも仕立てようかって考えていたところなんだ。……まあ、そんな素材が見つかったら、冒険者ギルドが騒ぐだろうから、まだ出せないんだけどな。仕立てるにしてもセンスが必要だからな。防具一式は俺が自分で作っても良いとは思うんだが、機能美は解っても、審美眼的なものは無いからな。本職に仕立てて貰う方が良いとは思うんだよな」
「フェンリルって、あの東の森の奥にある山に居たって言う魔物か。強いんだろ? 高いんじゃないのか?」
「高い。もの凄く高い。仕立てたら上下合わせてで白金貨300枚くらい飛ぶ。素材はこっち持ちだから、そこまでの値段にはならないだろうが、素材込みだとそのくらいの値段はする。今回は鞣しもしてあるし、素材持ち込みだからな。貴族の前に出ても恥ずかしくない服装って指定でいけば、技術料で白金貨10枚って所か。まあ、腕にもよるが」
「服にそんな金は出せねえな。てか、そんな事もしなきゃいけないのか? 錬金術師ってのは」
「しなくても良いとは思うが、そもそもだぞ? ボッテンハイム子爵家を追い落としたら、獣人が貴族になるんだ。その貴族に会うのに、普通の恰好では駄目なんだよ。というか、俺は1回は会いに行かないといけないんだ。サラマンドラの皮と、アッシュサーバルの毛皮、フェンリルの毛皮を納品にいかないといけないからな。そうじゃないと、冬が終わったら直ぐに王様に呼びつけられるぞ? その時に貧相な服装をしていたら舐められるのは確定じゃないか。そんな事になったら問題だから、今からでも、獣人用の貴族服を準備しておかないといけないんだ。出来れば自分の領地の特産品をふんだんに使ってな。だから、その3つの素材は、俺がある程度加工して、極上の品質で納品しないと不味いんだよ。ボッテンハイム子爵家が舐められるのはどうでもいいが、獣人の貴族が舐められるのは駄目だろう? それに、全貴族女性を味方に付けないといけないからな。シレバクリームも用意してある。王妃様に献上したら、産地がここだってバレるからな。まず間違いなく、サラマンドラを狩りに来る冒険者が増える。……利益に目が眩んだ、馬鹿も大量に増える。そうしたら、宿屋もまた増築しないといけない。それだけ儲かる場所になるんだ。……オーロンドたちも、サラマンドラを相手に戦えるようにしておかないと、舐められるぞ? 今すぐにでも錬金鉄を用意して、実力を上げて、次の春までには、サラマンドラを倒せないと舐められる。いいか? 今後はこの場所は金の生る木になるんだ。知れ渡るだろうからな。最低限の強さは必要になってくる。油断していると、各地方からAランク冒険者が、もしかするとSランク冒険者がやってくるぞ。獣人たちの代表格であるオーロンドたちも、責めてBランクには上がっていて貰わないと、釣り合わんぞ?」
「俺たちまで被害を被るのか。面倒だな。貴族様を追い落として、それで終わりって訳にはいかないのかよ」
「そう簡単に行く訳がないんだ。だから、ある程度は準備しておいた方がいいぞ。ネガルドウルフを倒せるのであれば、次の春までは、格安で錬金鉄を作ってやるから、武器を新調するように言っておいてくれ。獣人の冒険者が、人間の冒険者よりも弱いと、色々と問題が出てくるかもしれないからな。Aランク冒険者に勝てとは言わん。責めてCランク冒険者には勝てるようにしておいてくれ。色々な面でな。人間って奴は、比較が大好きなんだ。それで、劣っている場所を探すんだ。それで攻撃してくる低俗な奴らの相手をしないといけないからな」
「心底面倒だな。強い奴らは比較するまでも無く、自分たちの方が優れていると思うから、そっちの対策は必要ないってか?」
「いや? Aランク冒険者には、というか、Bランク冒険者からは、貴族の指名依頼を受けられるって言うメリットがある。貴族が指名依頼を出していいのは、Bランク冒険者からなんだ。だから、貴族の前に出しても良いのかどうかのチェックが入る。今の冒険者ギルドでは、多分だが、ボッテンハイム子爵家から、獣人をBランク冒険者にするのは止めろというお達しが入っているはずだ。オーロンドたちの実力で、Bランク冒険者になれないってのは、そういう理由があるからだと思う。だから、獣人の貴族が誕生すれば、直ぐにでもBランク冒険者には成れるだろう。普通はネガルドウルフを倒せれば、Bランク冒険者になってもおかしくないんだ。グレイズベアやハイドサーバルを狩っているなら、間違いなくBランクだ。それが無いって事は、そう言う事だとは思うぞ。獣人に対しての嫌がらせのつもりなんだろう。で、アッシュサーバルまでいけば、Aランク冒険者としても通用する。そこからは、東の森に行って、ボールデンウルフを狩ってきて、素材を俺に納品して、ボールデンウルフの装備一式を揃える。そうしたら、サラマンドラに挑戦できる。まあ、簡単には勝てないかもしれないが、武器は倒せるだけの金属を用意するからな。マシな職人を見つけて作って貰え。……獣人の依頼なんて受けられるかって言われたら、俺が作る。言っておくが、鍛冶師の本職が作ったものに比べれば、見劣りするからな? 性能は間違いなくサラマンドラを相手取れるようにはするが」
「あー、なんだ。結局は強くなれって事なのか?」
「端的に言えばそうなる。今後は、貴族からの指名依頼もあり得るからな。サラマンドラを倒せる冒険者ってのは貴重なんだ。そもそもサラマンドラを相手に戦って、勝てるのはそうなんだけど、その環境に適応できないと詰む。環境に適応するには、それなりの装備が必要になってくる。それを揃えるのが大変なんだ。まあ、ここにはボールデンウルフも居るから、装備は整えられる。後は実力を付けるだけになるんだが、それにはまず、武器を揃えないと話にもならない。普通の鉄の剣では、サラマンドラの鱗を切れないし、そもそも熱で熔ける。それなりの装備を整えないと、戦う土俵にすら立てないんだよ。そんな事が解っていないCランク冒険者が多数やってくるはずだ。実力も大してない、見栄だけの馬鹿どもがやってきては死んでいくを繰り返すことになる。そんな中で、ちゃんとサラマンドラを狩れるようになっておいてくれって事だな。身体能力強化魔法の第三段階まで行けば、比較的余裕で倒せる。次の春までには何とかしてくれ。そうじゃないと、獣人全体が舐められて、最終的には貴族になった獣人まで舐められることになるからな」
「……そりゃあ、強くならねえといけないな。しかしだ。そのスケジュールで強くなれるのか? 今はもう夏になってきている。後1年も無いんだぞ? 本当に大丈夫なのか?」
「はっきり言うと、ギリギリだな。かなり無茶苦茶なスケジュールだ。そもそも獣人がボッテンハイム子爵家を追い落とすのが秋の中頃って話だからな。そこから冬になるから、王都に呼ばれるって事はない。冬の行軍は厳しい事は解っているからな。だから、春になって、手紙が来るはずだ。それまでに、服を仕立てて、ある程度のマナーを学ばないといけない。で、王様の前で、ある程度の事が出来るのであれば、及第点だ。そこから内政をどうしていくのかと言う事になる訳だが、普通に横やりが入る。それを阻止するために、シレバクリームをお土産にする。これを出したのに、内政に横やりを入れてくる馬鹿はいないからな。居たとしても、本気で潰される。内政に関しては心配いらない。だが、定期的に、シレバクリームの納品依頼が飛んでくる訳だ。それに対応するために、オーロンドたちがサラマンドラを倒せるようになっていないと不味い。獣人の貴族が、人間を頼ったって風聞が建つだけでもかなり面倒な事になる。俺でも依頼は受けられるが、そもそも冒険者ではないからな。冒険者ギルドからの依頼は受けられない。それに、それだと獣人たちの実績にならない。俺が有名になるだけで、獣人の噂が立たない」
「あー。なるほどな。面子的な話になってくるってか。同朋が貴族になって、受け入れられたとしても、面子を潰されたら、貴族としては終わるも同然って事になるのか。……急がねえと不味いってのは理解した。だが、簡単に出来るとは思えんぞ?」
「だろうな。だからギリギリなんだ。とりあえず、錬金鉄は準備したから、それを買え。価格は金貨30枚で良い。それくらいなら普通に出せるだろう? 白金貨でも出せるんだろうが、今は取っておけ。後でサラマンドラを討伐するために、ボールデンウルフの装備が一式必要になってくる。そっちも揃えないといけないからな。1人白金貨3枚ほどかかる。素材を持ち込めば、それだけ安くはなるが、オーダーメイド品になるからな。技術料だけでも白金貨1枚は必要だ。装備は何とかしてやるから、とりあえず、この錬金鉄で装備を作って貰え。仲間の分も必要だろうから、幾つか買っていけ。それで狩りをして慣れろ。夏の内に、アッシュサーバルまで倒せるようになるのが目標だな。身体能力強化魔法の第三段階まで育てるんだ。まあ、それに関しては、レジエナのために作った弓を貸してやるから、それを引けるようになれ。戦闘中に出来るようにならないといけないが、感覚が違い過ぎるからな。まずは何もない所で出来るようにならないと無理だ。急げば、冬場はジャックフロストの金策が出来るようになる。まあ、そもそもアッシュサーバルを倒せるようになれば、ジャックフロストよりも儲かる。アッシュサーバルはそれだけ強い。それを安全に倒せるようになるのが目標だ。そして、春になったら、サラマンドラに挑戦する。猶予はそのくらいしかない」
「なんだ? 弓ってなんだよ?」
「レジエナ、持ってきてくれ。そして貸してやってくれ」
「解った。持ってくる」
「その弓を引ければ? 身体能力強化魔法の第三段階まで使えるようになるのか?」
「大体その位の計算で作った。まあ、レジエナの筋力で計算しているからな。獣人の筋力なら、またちょっと変わってくるんだろうが。あ、建物の中でやるなよ? やるなら外でだ。壁を破壊してもしかたがないからな」
「……なんだそれ? 本当に弓なのか?」
「弓だぞ。威力だけなら、アッシュサーバルでも倒せるが。流石にサラマンドラは厳しい。矢の方を工夫すれば何とかなるかもしれないが、まずは普通の鉄だからな。近くに行けば、熔ける」
錬金術で作ったのはいいが、錬金鉄って訳でもないんだよな。属性を載せている訳ではないし。まあ、ちょっとばかり頑丈な鉄って感じだな。その弓が引けない事には、身体能力強化魔法の第三段階まで行けたとは言いにくい。それだけの強化率を誇らないと、厳しいんだ。衝撃波だけでも結構な事になるかもしれないから、建物の中では禁止だ。弓が飛んでいく可能性もあるからな。しっかりと持てば、そんな事にはならないとは思うけど。




