魔物の大暴走が始まる
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魔物の大暴走がいつ起きるのか。それは誰にも解らない。だが、確実に言えるのは、起きない訳がないって事なんだ。3種類2系統が出てきてしまったんだから、魔物の大暴走は確実に起きる。そう言う事になっている。まあ、一番強い魔物が、なるべく奥地に縄張りを作ってくれれば、問題は起きないとは、言えないか。2種類1系統でも十分に魔物の大暴走は起きる可能性がある。3種類2系統なら確実に起きる。火属性の魔力と、死属性の魔力が切り替わる場所が何処になるのかが問題なんだよ。そこまでは調査をしていないからな。それを調査するには、流石に時間が足りない。今は、森の外で待機をしているが、神経を擦り減らしながら待機をしているんだ。いつ始まるのか、いつ終わるのか。それが解らないから、困っているんだ。
勿論ではあるが、獣人の冒険者も3交代で睡眠や食事を取っている。8時間は休息。16時間は見張りという感じだな。ここには人間の冒険者は居ない。……やっぱりというべきなのか、見捨てて帰ってしまった。普通は残る方が得だと思うんだけどな。実力が足りなくても、後で分け前が貰えるようになっているんだし、残った方が得だと言う事が解らないのが辛いよな。
「さて、警戒して3日が経ったな。……どうだ? 何か起きる感じはあるか?」
「いや、解らない。魔力の流れ的には、何もおかしい所は無いからな。スタンピードと違って、魔力の流れがおかしくなるわけではない。俺としても、簡単に終わってくれるとは思わない。時間がかかるとは思う。何というか、こっちに来てから1年も経っていないのに、色々と起き過ぎだろうとは思うけどな。まあ、退屈しないといえばそうなんだが、もっとゆっくりと研究をさせてくれとは思う訳で。でもまあ、それなりの強い、冒険者が確保できるのであれば、こういう機会も必要だとは思うが。冒険者として強くなりたければ、危機を経験するのが1番だ。この危機を乗り越えられれば、冒険者としては1段階上にいけるとは思う。こういう機会が無ければ、格上との戦闘をする機会も無いだろうからな。出来るだけ、グレイズベアとハイドサーバルは相手をする。Cランク冒険者はその対処だ。それ以外の雑魚は、他の冒険者に任せた方が良い。経験は積んでおくに越したことはないからな」
「まあ、スパルタだとは思うがね。でも良いのか? 俺たちがずいぶん楽をさせてもらっているとは思うが」
「楽をしている訳ではない。万が一に備えていると言った方が正しいからな。これも経験だ。死ななければ大丈夫なんだから。死ぬようなへまを、今後やらかさないためにも、ここである程度の修羅場を潜っておく方が良いとは思う。まあ、ついこの間にも、スタンピードがあった訳なんだけどな。その時よりは、獣人の冒険者も増えているし、俺が買ってきた奴隷たちもいる。まだまだ未熟ではあるが、こんな所で死んでもらっては困るんだ。長く生きて貰わないと、こっちだって採算に合わないんだよ。強力な魔物が居るところで採取をしてもらわないといけないんだ。こういう機会で揉まれる方が良いんだよ。最終的には亡者の鉱山都市ベルンケラーまで行って採取をして欲しいんだからな。最低でもAランク冒険者に育ってくれなければ困るんだ」
「俺たちも連れて行かれるんだよな……。まあ、強くなることには抵抗が無いから良いんだが。強くなれれば、俺たちも出来ることが増える。冒険者を続けるのか、それとも貴族の兵士になるのかは、まだ決められていないが、どうなるんだろうな。冒険者として居たい気持ちもあるし、獣人の貴族が出来たら、そっちを手伝いたいってのもあるからな。正直、決めかねているんだ。どっちにしても、俺たちには得しか無い様な感じではあるんだが……」
「迷うだけの選択肢があることは良い事だぞ。今回の様に、防衛しか選択肢がないって事になるのが一番不味い。出来るだけ選択肢は多い方が良い。まあ、その分悩むことになるとは思うんだけどな。悩んで決めた方がいいぞ。迷うって事は、どちらも利益があるんだし。まあ、後悔は必ずする。どちらを選んでもな。後悔しないなんて事はあり得ない。どちらも魅力的なんだ。選ばなかった方が魅力的に見えてしまう。そういうものだからな」
後悔は絶対に先には来ない。そして、選んだ選択肢によって起きる訳ではない。どの選択肢を選んでも、後悔はするんだ。それは絶対にだ。どちらもメリットがあるんだからな。得られなかったメリットを悔やむことはよくあることだ。ああしておけば良かった。こうしておけば良かった。それは絶対に起きる。その後にその選択肢を変えたとしても、また別の後悔がやってくる。人生とは、後悔の連続なんだ。選ばなかった方が良く見えるのは当たり前だ。選んだ選択肢でのデメリットもあるのが当然だからな。デメリットを感じて、別の選択肢のメリットと比べてしまう。だから、何をしても、どれだけ最良の選択肢を選んでも後悔はするんだよ。そういうものなんだ。
ただ、出来るだけ、その後悔が小さい方が良いというのも確かなんだよ。ああしておけばよかったって思う事が少ない方が良いのだ。なくすことは出来ないんだから、責めて小さくすることは考えないといけない。……俺だって後悔の連続だったさ。国立錬金術師大学校で、もう少しあの分野を学んでいたらと思う事は多くある。だが、自分の選択でそうなったんだから、後悔してもしかたがないんだ。その時はそれが最良だと思ったんだからな。もっと時間があればとは思う。それはそうなんだけど、後悔しない事なんて絶対にあり得ないからな。限られた時間で勉強するんだから、取捨選択は当たり前の事なんだ。それで後悔しないなんてあり得ない。全部が出来たとしても、後悔はするんだ。あの時にお店をやれていればという後悔が生まれてくる。だってそうだろう? 卒業が遅くなれば、レイトーン村は滅んでいた可能性が高い。俺はこの選択肢を取ったんだ。だから、レイトーン村は滅んでもらったら困る。俺の後悔を大きくしないためにもな。
「来たぞ! 魔物だ!」
「ゴブリンが3! 対処に当たれ!」
「……始まったか。始まってしまったか」
「まあ、いつ起きてもおかしくなかったからな。早く始まって、遅く終わるというのが最悪のシナリオだ。そんな事にはならないと思っていては、体力が持たないからな。夏の前半くらいまで続くと思って動いた方が良いとは思う。そのくらいは考えておけって事だな。まあ、必要に応じて、疲労回復の薬を服用してもらうが」
「……値段はどういう感じなんだ?」
「金貨2枚だな。緊急時は飲んでもらう。まあ、経費で落とすがな。それだけの素材を手に入れられるんだ。悪い話では無いとは思う。……高いのは当然だ。それなりの素材を使うからな」
「なら、使わないに越したことはないってか。皆で報酬の頭割をするんだろ? その時に金貨が消し飛んだなんて言われたら、流石に厳しいなんてものじゃない。利益は確保しておくべきだ。マジックバッグを貸し出してくれただけでも有難いってものなんだよ。……それを買う機会があれば良いんだがなあ」
「去年の様に、馬鹿な商人が来てくれると助かるんだけどな。利益に釣られた商人が来ると、もの凄く金が稼げるんだがな。あの馬鹿な商人も、奴隷落ちしたらしいし、他の商人が出張ってくる事は無いんじゃないかとは思うがね。ただ、妖精の羽は高いのは確かなんだけど、普通に考えれば、あそこまで高くしてしまえば利益が出ない事は当たり前のように解らないといけないことではあるんだが」
馬鹿な商人が来てくれる方が嬉しいのは確かなんだよな。空間属性の素材が高価なのは、当然のように知られている。保存方法まで知っているのかどうかが疑問なんだけどな。簡単に入手できるわけではない。ある程度の実力がある冒険者じゃないと、妖精の討伐は難しいんだ。まあ、身体能力強化魔法の第二段階目を使っていれば、余裕ではあるんだけど。第一段階でも十分に戦えるけどな。
「ゴブリンが5! どんどん来るぞ!」
「コボルトが4! 処理を急げ!」
「あー。俺たちも参戦するか?」
「いや、しない方が良いだろう。俺たちでは楽勝過ぎる。グレイズベアとハイドサーバルの為にも、体力を温存しておくべきだろう。その2体が出てきたら、今の冒険者たちでは対処が難しい。怪我のリスクが跳ね上がる。それはよろしくない。いくら経験を積ませたいといっても、冒険者人生を終わらせる様な事はしたくないからな。ある程度の危険は冒してもらうが、そこまでの事はしなくても良いはずだ」
「俺らに取っても強敵なんだがなあ。まあ、倒せない訳ではないが」
「楽勝だと思えるくらいになって貰わないと困るんだ。いずれは、亡者の鉱山都市ベルンケラーまで行って貰わないといけないんだからな。この辺の魔物で苦戦をしていては困る。早い所、身体能力強化魔法の第三段階まで引き上げて貰わないといけないからな。……それと、今後の事を考えれば、ボールデンウルフの毛皮を使った防具は作っておくべきだな。アッシュサーバルまでは、そんなものは必要ないんだが、それ以上の敵が出てくるようになってしまったからな。対策は取っておく方が良いとは思う」
「あー。そんなに強いのか? あんまり知らないんだが」
「強いのは当然だが、それ以上に厄介だ。今までは物理攻撃をしてくるだけだったが、あれは火を吹くからな。鉄の装備では熔ける。強力な水属性の素材で作られた防具が必要になってくるんだ。まあ、そもそも鉄の装備は、最低限の装備だからな。アッシュサーバルの相手をしようと思えば、鉄では分が悪い。グラングレイズベアも同じだな。そのくらいの魔物になってくると、錬金金属が必要になってくる。今から金の工面はしておくべきだぞ」
「錬金金属か。高いって話は聞いてるが。どの位高いんだ?」
「そうだな。ピンキリではあるんだが、安いもので良ければ、金貨1枚でも作れる。まあ、それだと鉄とそんなに変わらないけどな。鉄で、アッシュサーバルなんかの相手をしようと思えば、強力な水属性を付けるのが一般的だ。そうなってくると、金貨30枚くらいでインゴット1つ分という感じか。武器によっては、白金貨が必要になってくるはずだ。まあ、高いといっても、自分の命の事を考えれば、十分に安いとは思うがな。アッシュサーバルの素材は、1体分で金貨数枚になるんだし、元は十分に取れる。そもそも高品質の武器を揃えようと思えば、白金貨なんて飛ぶように使うぞ。金属に拘れば、一気に金欠になっていく。それが有名な錬金術師が作ったとなれば、白金貨100枚程度では済まない可能性も十分にあり得る」
「そういやあ、サンルーグの剣はどうなんだ? 業物なんだろうとは思うんだが……」
「俺の剣は師匠が作ってくれた。聖銀、ホーリーシルバーを使っているからな。それに色々と属性を付けて貰っているから、……技術料を抜きにしても、白金貨4000枚くらいにはなると思う」
「ホーリーシルバーって言えば、ミスリルを使うんだったか? 魔銀を何とか加工して、作れる金属の最高峰って聞いた事があるが……」
「そう言う事だな。魔銀、ミスリルを加工しなければならない。普通に加工するだけなら、聖魔銀、セイントミスリルにしかならない。それを技術で何とかして、ホーリーシルバーにしなければならないんだが、そもそもミスリルが少ない。入手難易度が高すぎるんだ。まあ、ホーリーシルバーは俺でも作れるが、それに属性を大量に付加しようと思えば、かなりの素材を注ぎ込むし、価格も馬鹿みたいな値段になる。まあ、持っているだけでも凄いものではあるけどな。……これなんかを安定して作りたいから、亡者の鉱山都市ベルンケラーに行きたいんだが。鉱山都市と言う事は、ミスリルなんかも掘れるとは思うんだよ。魔銀の採掘は国が権限を持っているからな。俺たちが入手しようと思えば、そう言う場所に行くしかない。手に入れば、もの凄く便利ではあるぞ。武器では困らなくなる」
「手に入れられるかどうかは運も絡んでくるって訳か。亡者の鉱山都市ベルンケラーに行けば、本当にあるのかね。無いなら無いって言ってくれる方が、望みを捨てられるとは思うが」
「俺はあると見ている。都市にまで発展したと言う事は、もしかしたら魔金、オリハルコンもあるかもしれない。オリハルコンで武器を作れたら、かなりの業物になるだろうな。……価格は考えたくないが。自分用としては、1つくらいは欲しいとは思っている。鍛冶仕事も出来るように勉強してきたからな。剣くらいは作れる。……問題は、そんなものを持っていたら、狙われる可能性があるって事なんだけどな。オリハルコン鉱山なんて、国ですら確保できていないのが現状だから。ミスリル鉱山や、他の鉱山から、微量に取れるものを製錬して何とかしているくらいなんだ。自分用の武器として使うというよりは、国宝になるんじゃないか? まあ、その辺は師匠に委ねることになるとは思うが。俺では錬金術師としての格が足りない」
オリハルコンなんて、そもそも鉱山を確保していないのだから、高いなんてものじゃない。普通のインゴットでさえも、白金貨が5桁6桁が飛び交う世界だ。ついて行ける訳がない。本当であれば、それに宝飾品を付けて、国に国宝として貰う方が良いんだろうけどな。そんなものを作り上げたら、面倒な事にしかならない。……それでも自分の分は確保したいよなとは思うけど。オリハルコンを使って出来る、最高峰の金属、ホーリーゴールドは、もうね、国家予算規模で確保すべきものだから。そんな物を作り上げる技量があるのかどうかだ。素材を確保したら、研究してみたいとは思うが、大人しく、師匠に丸投げするのが賢いとは思う。師匠なら作り方は知っているんだろうしな。余るほど入手が出来るのであれば、自分用の剣も作って貰おう。
まあ、それをするためにも、まずはこの魔物の大暴走を止めなければならない。何時までかかるのかは不明だが、簡単に収まるとは思えない。暫くはかかるんだろうな。格上の魔物が出てくることは喜ばしいが、それなりの腕の冒険者を確保しなければならなくなったのはマイナスでしかない。単純に強いだけでは問題なんだよな。武器も防具も整えていかないといけない。それくらいの相手になるんだからな。まあ、今から考えていてもしかたがないんだけど。皆には強くなってもらわなければならない。出来るだけ早くにだな。
魔物の大暴走を止めたら、今度は何が起きるんだろうか。今から不安が過ぎる。何とかして平穏な生活をしたいんだけどな。平穏な暮らしって、今は考えられないんだけどさ。なんだかんだと、イベントが起きるんだし。何でこんなことになっているんだっていいたくもなる。言いたくもなるけど、起きるんだからしかたがないだろう? 俺にはどうする事も出来ないんだから。とにかく耐えるしかない。獣人の冒険者たちと、乗り越えるしかない。




