スタンピードが終わった後
OFUSE始めました。
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ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
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さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
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素材を採取し終わって、村の方に帰ってきた。村は何とか守れたって感じらしい。獣人の冒険者が頑張ったんだ。……俺も頑張ったとは思うけど、一番何も気にしなくて良いポジションだったからな。自由にやらせてもらった。一番倒したかもしれない。けど、それは一番最初に会敵するからなんだよな。まあ、俺がいなかったら厳しかったとは思う。けど、俺がいなかったら何ともならなかっただろとは言わない。俺だけでも結局は駄目だったんだから。そう言うのは、全部1人で片付けられるようになってから言うものなんだよ。俺じゃあまだ無理だからな。
で、土壁を壊しつつ状況を確認する。冒険者は何とか生き残った。村に被害は無し。それは良い事だよな。ただ、大量にあるホーンデッドラビットの解体を、皆でしなければならなかっただけで。冒険者総出で何とか解体をしている。お肉になるのと、素材になるのと、討伐部位が角だから、それの回収のためにせこせこと解体作業をやっている。解体は面倒だ。皮も剥がないといけないし、内臓は肥料にしてしまわないといけない。まあ、ソーセージを作ろうと思えば作れるとは思うんだけどな。でも、そんな暇がないというか。大量にあるんだから、何とかしないといけないとは思うんだよ。
「助かった。礼を言う。今回の事で、ボッテンハイム子爵家が役に立たないことがよく解ったからな。人間の冒険者も逃げるし、本当に散々だった。村を守り切れただけでも奇跡だ。本当にすまなかったな。出来れば、報酬も支払ってやりたいが、村にはそんな金はない」
「そりゃそうでしょうね。村にそこまでの資金があれば、色々と変わってくるでしょうからね。資金力が無いのが普通ですよ、普通。それよりも、ボッテンハイム子爵家が見捨てた事を重要視した方が良いでしょうね。まさか援軍を寄こさないとは思わないじゃないですか。普通はあり得ませんよ。子爵の軍が居ても、駄目だった可能性はありますけど。今回は獣人の冒険者が死に物狂いで止めましたからね。後が無かったからこそ、出来たって可能性も十分にあり得ますから」
「それもそうかもしれないが、それでもだな。獣人の冒険者には感謝をしている。頼りになることも解った。何かあった時には、頼ることも視野に入れなければならないだろうな。役に立つかどうかは、今回の働きぶりで解ったつもりだ」
「暫くは魔物も出てこないはずだ。スタンピードがあったからな。まあ、それでも直ぐに元に戻るらしいが。スタンピードが起きた理由なんかは解らない。毎年起こるものでもないし、特定の条件があるのかもしれないが、そんな事は俺たちは知らない。対処できただけでも儲けものだと思わないといけないだろう。それよりも、今後の事だな。……まあ、何もできないとは思うが」
「何もできないさ。出来る訳がない。村が無事だったことは良い事だが、それ以上でもそれ以下でもないんだ。出来ることは無い。抗議をしても意味がないだろう。聞く気が無いんだからな」
だろうな。抗議なんてしても無駄だろう。滅ぶのが予定だった可能性がある。滅ばなかったのは、運が良かったからだけだ。もしも滅ぶことが想定外なら、ちゃんと援軍を送ってくるはずだからな。と言う事は、援軍に出せなかったという見方も出来るんだよな。テッケルンを固めていないといけなかった理由があるんじゃないか。そう思えてならない。何がしたいのかが今一つ解らないんだよな。レイトーン村に滅ばれた方が面倒な事になると思うのは、俺だけなんだろうか。どう考えても、滅んだら、付け入るスキを与えるのと同じだからな。敵対しているというのが露見していないとでも思っているんだろうか。噂に耳を傾ければ、敵対していることは解り切っているはず。それなのに、更に評判を落とすようなことをしてどうするのか。また、自分の内政地が減るんだから、守る対象が少なくなる。けど、補給という面でも内政地が落ちると言う事はマイナスなんだよな。そのデメリットを上回るようなメリットがあれば良いんだろうが……。そんなメリットがあるようには思えない。俺としては、ボッテンハイム子爵家がレイトーン村を守らなかったことが解せないんだよな。
まあ、何にしても、村は守れた。それが結果だ。ボッテンハイム子爵家の思惑とは違う事になっているのは確かだろう。切り捨てたはずなのに、何故か残っている。それが今後の予定でどうなるのかだ。これから春が続き、夏がやってくる。税金を集めるのは、麦の収穫が終わった秋の終わり頃だ。それまでには、ボッテンハイム子爵家を追い落とさないといけない。獣人たちの動きに期待しないといけないんだよな。出来ることが増えるというのは良い事だ。獣人が貴族として認められるというのは、良い事だとは思う。歓迎されるかどうかは、今後を見極めないといけないけどな。
「それはそうと、麦わら帽子の件はどうなっているんだ? 個人で売りにくる形で良いんだろうか? それならそれで俺も対応するだけなんだけど」
「ああ、麦わら帽子の件か。それなら各家庭に任せてある。こちらで買い取っても良かったんだが、仲介料や麦わら帽子の出来にも関わることだからな。品物の良し悪しは解らないんだ。一律で買い上げることは不可能だと判断した。だから、その内持っていくとは思うぞ。冷却帽子、だったか? その錬金術のアイテムを買うかどうかは、村人たちに任せるが。とりあえず、村長としては、1つは買った方が良いんじゃないかと思っているから買うが。夏場に涼しくなるのは歓迎する。夏は暑く、冬は寒いというのがこの地方の特徴だからな。それが軽減されるのであれば、1つは持っておいた方が良いと考えている」
「そうか。それは有難いな。何というか、麦わら帽子の冷却帽子は売れるかどうかが解らないんだよな。子供には欲しいものだとは思うが。それなりの値段で売るから、買えるとは思うんだが、村人が貨幣の価値を何処まで信じているのかだよ。普通に買い物が出来る町と違って、買い物が限定的な村が、お金を持ったとして、贅沢をするのかって気持ちになっているからな」
「その辺りは大丈夫だ。貨幣の価値は解っている。村にも雑貨屋はあるし、お金の大切さは教えているからな。最近では肉屋にもお金を使っているんだ。そこまで通貨の認識に関しては言う事ではないとは思う。そう言った事は出来るだけ教えてきたんだからな。無駄にはならないどころか、村から出てしまうと、貨幣の価値を解っていないと暮らせない。そう言う環境だからな。村だからと言って、お金を使わない生活をさせていては駄目なんだ。村に入って来る金は多い方が良いのは確かなんだが、村でお金が回らないというのが一番駄目なんだからな。宿屋と雑貨屋くらいしかお金のやり取りがないというのが問題だ。今は肉屋も錬金術店もあるから、多少は金を使うようにはなっているはずだが……。それなりに苦労をしてきているんだ。こっちだって何とかしないといけないとは思っている」
「貨幣の価値が解っているなら良いんだ。村によっては、金の価値が解らないって場合もあるだろうからな。お金は持っているが、使わないからよく解らないって場合もあるんだ。そんな事になるようでは問題だからな。平民でも、金の価値を知っているのと知らないのとでは、話が変わってくる」
お金というものは、便利なものではあるが、村が閉じられすぎていると、お金が動かないんだよ。お金が動かないのはよろしくない。村人が金を蓄えこんでいたとしても、動かせなければ、全く意味がないんだよ。物々交換で済む様な事では問題が出てくる。貨幣経済を熟知していろとは言わない。そんなのは学者に任せておけばいいんだ。ちゃんと、働いたら金が発生すると言う事を認識していれば、問題はそこまで大きくはならないとは思う。……他の村がどうなっているのかまでは解らないからな。貨幣経済が成り立っているのかどうか。これが問題になってくる。そもそも雑貨屋があるかどうかも解らないからな。雑貨は自分たちで何とかするって形を取っていると、雑貨屋なんてものも必要なくなってしまう。けど、それでは問題なんだよ。雑貨を自分たちで全部揃えるのは不可能だ。特に金属製品なんかはな。金属が取れる場所が決まっているんだから、そう言った製品が手に入るのかどうかというのは、割と死活問題になりかねないんだよ。この村は良いのかもしれない。他の村はどうなっているんだろうな。詳しく調べることはしないけど。
とりあえず、麦わら帽子が売られるまでには少しの時間が必要だと言う事なんだろうとは思う。今までは必要な分しか作って来なかっただろうからな。必要以上に作ってもらう必要があるんだ。他の村にも売りに行きたいから。村だってお金を持っている筈なんだ。そういう所に持っていって、獣人の商人が稼げれば良いんだが……。捨て値で買って、高値で売るというのが商人だからな。そのくらいは出来ないと困るんだ。
とりあえずはそんな所だな。村長との会話も切り上げて、店に戻る。戻るとエレナちゃんとレジエナが遊び半分で会計の練習をしていた。うんうん。良い事だな。レジエナもちゃんと計算が出来る様になって来たみたいなんだよ。勉強の成果が出てきている。店番を任せるにしても、まだ不安が残るから、エレナちゃんが面倒を見てくれるのは非常に有難い。それを言うなら、村長が勉強を教えてくれるのも凄く助かっている。勉強を教えて貰わないと、町での仕事が出来ないからな。冒険者だって、簡単な計算くらいは出来ないといけないはずなんだよ。使っていれば覚えるんだけど、それではどうしても問題があるからな。依頼票も読めないようでは話にならないんだよ。
「ただいま。暫くは暇になるだろうから、練習をするのは良い事だ。レジエナもちゃんと店番が出来る様になって貰わないといけないからな」
「うん。当然。わたしも店番が出来る様に頑張る」
「レジエナちゃんはちゃんと勉強が出来ているみたいですよ? 計算も大分上達してます」
「将来の為には、絶対に必要。お嫁さん候補第1号なんだから」
「まあ、嫁になるかどうかは置いておくとしてもだな。とにかく店番が出来ない事には話にならないからな。獣人の冒険者はまだ良いんだが、人間の冒険者はよく解っていないらしいから、こっちで計算してやらないといけない。勉強しろよとは思うんだけど、金に余裕が無いから出来ないんだろうなとは思う訳で。そう言う奴らも居るからな。レジエナはちゃんと文字も数字も覚えてくれよ?」
人間の冒険者は、文字も書けない、数字も読めないって人が多くいるんだから。数字くらいはとは思わないでもない。数字が読めないと、宿屋に泊まるのも難しくなってくるからな。ちゃんと覚えることはしてくれとは思う。義務教育としてもいいかもしれないけどな。……誰がどうやって教えるんだって事はあるとは思うけど。町で一括で教えてくれるような、学校があれば良いんだけどな。親が教えるのは非効率的なんだよ。それに、親が知らない場合は、どんどんと識字率に影響してくる。大体ではあるが、貧困家庭ほど、子供を作りたがるんだよな。何でなのかは知らないけど。子供が労働力になるのは村なんだがな。町でも同じようなものなんだろうか。
「それと村の人たちが麦わら帽子を売りに来る。買い取り価格は銅貨20枚だ。出来が悪いと思ったら、もう少し値段を下げてくれてもいい。逆に、どれだけ作りが良くても、銅貨20枚以上は出せない。その点は、見極めてやってくれ。手先が器用かどうかも関わってくるからな。商品になるんだから、出来るだけ麦わら帽子としての完成度が高い方が嬉しいが」
「ひんやりした帽子になるんでしたよね? それは何処に売りに行くんですか?」
「村に来た商人に買い取ってもらう。売れるかどうかは解らないけどな。俺の感覚で行けば、売れるはずだ。真夏の昼間にも作業が出来るようになるし、そもそも暑すぎるところで過ごすのはよろしくない。部屋の中でも使える筈だ。夏場は暑い。そう聞いているからな。暑くなければ、こんな商品は売れないんだけど、暑いならちゃんと需要はあると思う。この村の人たちが買うのかどうかは解らないけどな」
「売れて欲しいとは思っている?」
「そうだな。売れて欲しいとは思っている。夏場が一番人が死ぬからな。暑すぎると、人は死んでしまうんだ。それを防止できるんだから、1人1つは買って欲しいとは思う。野菜の売り先もあるんだから、ケチらずに買う方が良いとは思うぞ。命に関わってくるからな」
「解った。宣伝にはそうやって伝える」
「そうですね。夏に熱を出したら、助からないって言われていますし、あたしも1つ欲しいです」
「その時は銀貨2枚で買ってくれ。流石にそれ以上の安売りが出来ないからな。素材との兼ね合いもあるから、どうしても銀貨2枚程度の価格にはなってしまう。利益を取らないとなれば、もう少し安くなるんだけど、利益は取らないと駄目だからな。それはもはや商売では無くなってしまう」
利益は出さないといけない。当たり前の事ではあるんだけどな。当たり前のことが出来ない人も居るんだよ。利益にならない取引はしてはいけない。勿論だが、短期的な利益と、長期的な利益を考えての事だ。短期的にはマイナスでも、長期的に見ればプラスになるのであれば、積極的にお金を使っていくべきである。逆に、どれだけ短期的にはプラスになっても、長期的にマイナスになるようでは、話にもならないんだけどな。商売は先の事まで考えないといけない。だから難しいんだけどな。経営術なんかも、錬金術師には必要だ。……錬金術師大学校では教えてくれないが。そう言うのは、錬金術師の師匠から教えられるんだ。
今後の事を考えると、長い目で投資をした方が村のためになるからな。村が大きくなれば、俺が出来ることも増えてくる。そうなれば、長期的にプラスになってくるんだ。村人から資金を回収するまでも無く。冒険者から資金を搾り取れば良いんだよ。冒険者だって、お金の使い方は考えないといけないんだけどな。普通に考えれば、計算なんかは出来て当たり前の事ではあるんだけど……。
何というか、もっと教育に力を入れても良いとは思うんだよな。教えることは沢山あると思う。村人や町人が優秀になれば、村や町が発展する。……無駄に知能を付けると、反乱分子になりやすいって特徴もあるんだけど、善政を敷いていれば、何も心配は要らない。無意味に搾取しようと考えるから駄目なのだよ。全員に稼いでもらって、税金をたっぷりと支払ってもらうのがいい形だと思うんだよな。そうすれば、財政的にも余裕が出てくるし、やりたい政策なんかも出来るとは思うんだ。まあ、それは獣人の貴族が出て来てからで良いとは思うけどな。ボッテンハイム子爵家がそんな事をするようには思えないんだよ。不必要だと思っているんじゃないだろうか。必要な投資だとは思うんだけどな。




