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反転の錬金術師  作者: ルケア


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スタンピードが起きそう

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 スタンピードに備えて、俺が出来ることはやっておくべきだ。と言う事で、調査を行う事にした。場所は東西北の森。何か変化が無いか、見て回ることにした。何か変化があるのであれば、一気に状況が読めるようになる。何もないのであれば、予想はかなり厳しくなるとは思う。


 そんな訳で、3方面の調査を行った訳なんだけど、西の森、植物系の魔物が居る場所については、問題ないんじゃないかと判断した。警戒するべき魔物が増えている訳でもなく。変に減っている訳でもなかったからな。これで今、減っているゴブリンやコボルトがスタンピードを起こすのだって言われたら、ちょっと厳しいかもしれないが、少なくとも西の森の魔物は大丈夫だとは思う。多分だけどな。研究者じゃないから、何か変化があったのかの基準が甘いとは思う。でも、肌感覚としては、そこまで問題は無いように感じた。……すなわち、他で肌感覚でおかしい所があったと言う事でもあるんだが。


 東の森については、特に言う事が無いと思う。スタンピードが起きても、問題なく対処が出来るとは思うんだよ。獣人の冒険者の多くが、東の森で狩りをしている。思いっきり魔物に慣れているんだ。だから、多少は何とかなるとは思う。これだけ魔物に慣れているのであれば、スタンピードが起きたとしても、直ぐに対応できるだろう。特にこの魔物が増えているって訳でもないし、調査がてら、ソウルカードを入手できたので、これもスタンピード対策に使えればなとは思う。


 で、問題があるのは北の森だ。ここが一番冒険者が居ないし、最近は人間の冒険者がホーンデッドラビットを狩っているという報告を受けていたんだけど、ここが問題が出ていた。というか、ここで起きることはほぼ確定と言っていい。しかも1種型だ。場所型ではない。スタンピードを起こす魔物はホーンデッドラビット。これが北のほぼ全域でスタンピードを起こすだろう。闇属性の狩場は、北には多い。ホーンデッドラビットも結構な場所で出るらしいからな。結構やばいんじゃないかとは思う。


 何でホーンデッドラビットだと解ったのかについてだが、まず、確実に数が増えている。前に調査をした時よりも、明らかに遭遇頻度が高いんだ。そして、無残に殺されたゴブリンやコボルトの死体があった。……通常でも、魔物同士の抗争はある。だが、普通は全部食事として食べられるのが普通なんだ。でも、ただ惨殺されただけって死体が転がっていたんだよな。確実に人じゃない。胸に大きな穴が空いていたからな。ホーンデッドラビットの頭突きで空いた穴だろう。……人間の冒険者が何でホーンデッドラビットを狙っているのかが解る気がした。ゴブリンやコボルトの死体が転がっているんだから、北で稼いだ方が良いんだろう。


 勿論だが、そんな状態だから、危険と隣り合わせなのは言うまでもない。ただ、何もせずに討伐部位を得られるのは大きいと思う。そもそも冒険者なんて危険を冒してなんぼの商売だ。危険だから止めておくかってのは違うんだよな。危険だが、儲かるなら行くのが冒険者だ。俺の冒険者の認識ってそんな感じだからな。危険だからで止まる訳がない。危険だからこそ儲かると考えて、無謀にも突撃していくのが冒険者だと思っているからな。


 しかも、あろうことか、ホーンデッドラビットはグレイズベアにまで喧嘩を売っている様なんだよな。倒したグレイズベアに、ホーンデッドラビットの頭突きを食らったような後がついていた。突き殺すまでには至らなかったが、攻撃を当てることが出来るくらいには、ホーンデッドラビットは、何かに追われているというか、何かがあるというか。無謀とも思える突撃をするだけの理由があるんだろうとは思う。何かに脅されているとか、強迫観念を植え付けられているというのか。そんな感じだな。


「だから、ホーンデッドラビットのスタンピードは確定だな。何時起きるのか。それが問題だ。師匠の話では、後30日もあれば起きるという話だった。対策は出来ている。獣人の冒険者についてはな。胴長と長手袋をしているだけで、負傷率は大きく下がる。まあ、それでも怪我をする事はあるだろうが。そもそも見捨てないで戦ってくれるのかって所ではある。多くの場所で、スタンピードの兆候が現れているはずだから、貴族が何かしらの対処はするはずなんだけど、ボッテンハイム子爵家が動くとは思わないからな。スタンピードなんて起きればいいと思っているかもしれない。貴族の支援が無い中で、どうやって戦うのか。獣人の冒険者は何処まで参加してくれるのか。これが一番の問題になる」


「俺たちが逃げる訳がないだろう? この村には、大きな借りがあるんだ。滅ぼされる様な事になっては困る。俺たちは、恩を仇で返すような事はしない。恩には恩で報いなければならない。人間はどうなのかは知らないが、獣人とはそう言う種族だ。恩には大恩を。与えられた倍を返すのが一般的なんだ。ここで稼がせてもらっている。それなら、この村を守るのは当然の話だろう?」


「これ以上の狩場なんて存在しないんだ。獣人だからって、変な目で見られることもないしな。この狩場を守るなら、俺たちは何処までも戦う。たとえ、勝ち目が薄かろうとな」


「それにだ。店主が参加するんだろう? なら問題は無いだろう。俺の勘ではあるが、店主は無理だと思ったら逃げろというはずだ。無理だと言わずに、俺たちの参加がどうなるのかの心配をしているのであれば、俺たちにも十分な勝ち目があるって事なんだとは思うぜ?」


「まあ、その答えが返ってくる事は想定の範囲内だ。獣人の冒険者が何処まで戦ってくれるのかって考えたところ、最後まで戦ってくれるんだろうなって思いはあった。……問題になるのは、人間の冒険者の方だな。逃げるんじゃないかという危険性は考えている。逃げるだけなら良いんだが、この機に乗じた略奪行為に走るんじゃないかって危惧しているんだ」


「あー……。まあ、何というか、信用は出来ないな。逃げるだけなら良いんだが、足を引っ張られると、かなり面倒だ。どう考えても足手まといになるとは思うぞ。……人間の冒険者で、質の良い奴らは、他の狩場に居るからな。ここにいる人間の冒険者に、常識を説いても無駄だとは思う」


「だよなあ。ここにいる人間の冒険者はちょっとな。まずもって弱い。次のスタンピードを生き残れるのかすら怪しい。ホーンデッドラビットは、1体で居るからまだマシなんだ。これが3体以上に膨れ上がったら、普通に死にかねない。それだけの実力しか無いだろうからな」


「そう言う獣人の冒険者はどうなっている? 身体能力強化魔法を何処まで使いこなせるようになっているんだ? まあ、強化できるのは解っているし、視力や聴覚に集中する事が出来ることも、まあ、何とかなるだろうとは思うんだが」


「ん? なんだかその言い方だと、まだまだ不完全なのか?」


「不完全だな。まあ、強化率には色々とあるんだが、ある一定以上の強化をすれば、目が変わる。俺は身体能力強化魔法リミットブレイクって呼んでいるが。目が金色に輝き、黒の放射線が中心から出てくるようになる。そんな感じに目が変化する。強化率が限界を越えて発揮されれば、目がそんな感じに変化するんだ。まあ、デメリットも相応にしてあるんだけど、切り札としては持っておいた方が良いし、出来るのと出来ないのとでは、強さが1ランク以上変わるからな。AランクならSランク以上の力が手に入ると思えばいい。一時的にではあるが、常人とは違うSランクにまで届くようになる」


「……いや、そんな変化が現れたって奴は聞かねえ。自分でもある程度は変化が解るんだよな?」


「自分でも解るぞ。普通の身体能力強化魔法を使ったのとでは、強化に違いが出てくるからな。極めれば、そこまで出来るって事なんだ。何にしてもそうだが、使われている状況から、使う状況になれば、体が一部変化する。俺の身体能力強化魔法リミットブレイクは、目に来る。だが、師匠の極めた魔法、土属性を使った身体能力強化魔法があるんだが、それは両腕に蔦のような黄色い模様が出てくるようになる。……俺はその魔法は使えるが、極めている訳ではないからな。まだまだ師匠には遠く及ばない」


「……何でそれを俺たちに教えなかったんだ?」


「土属性の身体能力強化魔法については、魔力を放出し続ける。魔力が馬鹿みたいに多い人じゃないと難しい。極めると、1時間で魔力を10万以上は消費する。それだけの魔力が必要になるんだ。師匠のオリジナルの強化魔法だし、使い手はかなり限られる。習得難易度も、俺の身体能力強化魔法に比べれば、遥かに難しいんだ。適性が無ければ、使ったら死ぬ可能性もあるぞ。魔力が無くなって、体力を削り始めるまではいい。寿命を削るような状況になる可能性もあるんだ。普通は教えない。俺の身体能力強化魔法の方が、安全で確実だからな」


「なるほどな。それでか」


「魔法を使って死ぬのは御免だな」


「出鱈目にもほどがあるって話だな。強くなれるのはそうなんだろうが」


 強くは成れる。俺も覚えているし、使おうと思えば使える。俺も魔力お化けだからな。大抵の魔法なら何とかなるとは思う。でも、その道の魔法を極めると、体に何かしらの特徴が出るらしいんだよ。俺の身体能力強化魔法リミットブレイクは、目が変わる。他にも、指が光ったり、手のひらが赤くなったり、髪の毛が逆立ったりする事があるらしい。魔法を極めると、そう言った特徴が出てくるんだ。まあ、大体ではあるが、1人1つそう言う状態まで持っていければ良い方だと言われているんだけどな。師匠は出鱈目なので、考えてはいけない。師匠は少なくとも10は極めているからな。錬金術師の筈なんだけどな……。


 そんな訳だから、出来れば極める方向で頑張ってほしい所ではある。極めると、反動は大きいが、普通以上に強くなれる。反動を利用して、肉体的に強くなることも可能だ。特に俺の身体能力強化魔法に関しては、リミットブレイクを経験する事で、筋肉痛が起こり、筋肉がパワーアップするんだよ。そう言う副作用がある。まあ、丸1日は動けなくなるんだけどな。それをポーションなんかで治さないで、放置する事によって、肉体的に強化されて行く。……何十回とそれで倒れ込んでいるからな。俺の肉体は、エルフにしては筋肉質になっているし、筋肉の質がおかしい事になっているんだよ。そう言う感じで肉体改造をしているからな。


「まあ、出来ないなら出来ないで構わないが、出来る様になって欲しい。無茶が出来る様になるからな。無茶のしどころは、無い方が良いんだけど、今回はスタンピードが必ず起きる。俺は無茶のし時だとは考えているからな。無茶をして、強くなっていくんだ。魔法1つを極めると、そう言う事も起こりうる。まあ、そこまで魔法に傾倒するのが良いのかまでは解らないけどな。俺としては、錬金術師だから、魔法を極めるのは1つで十分だとは思っているが」


「魔法を極めるとそんなメリットがあるんだな。まあ、デメリットも十分デカい事は理解したが」


「だな。魔法を使えるだけじゃあ駄目だって事だよな」


「これも情報共有だな。コツを掴んだ奴らから教えて貰えるかもしれないし」


「俺としては、正確で緻密な魔力コントロールが出来る様になれば、何とかなるとは思っている。魔力を意識して、足の指先までしっかりと行き渡らせることが出来れば、極まっていくと考えているけど。まあ、俺の身体能力強化魔法については、だけどな。他の魔法についてはよく解らない。師匠の土属性の身体能力強化魔法については、俺もまだ解っていない事の方が多いからな。自分で作った魔法については、なんとなく解らないでも無いんだが……」


「1つでも十分だろう。俺たちも極まった魔法を使えるようにしておくべきなんだろうな」


「だが、1つを極めるって言っても、俺たちの魔力量だと、身体能力強化魔法しか無理だとは思うが」


 そうだろうな。魔力量が馬鹿みたいに多い人じゃないと、魔法を極めるって難しいらしいから。俺も馬鹿みたいな魔力量だから、まだまだ出来るとは思うけど、普通の魔力量だと、どうしても限界というか、無理なラインってあるからな。極めるにしても、それだけの魔力を使う訳だし。まあ、見ている分には面白いけどな。色んな極みのパターンがあって。錬金術師で魔法を極めているのは、割と珍しい部類には入る。俺は珍しい部類だから仕方がないとは思うけどな。転生者だし。


「とりあえず、俺はこの後村長のところで話を付けてくる。スタンピードを公開してもらわないといけないからな。獣人の冒険者は逃げないとは思うが、人間の冒険者は逃げるのが大半だろう。スタンピードなんて危険しかないんだからな。特に格上の魔物がスタンピードを起こすとなると、まずもって生き残ることは不可能だ。何人かは既に死んでいるんだろうけど、スタンピードが収まるまで、別の狩場に移動するって事が起きると思う。……まあ、足手まといが居ない方が良いんだけどな。居て貰っても邪魔なだけだから」


「まあ、それは確かにな。居てくれって思う奴らも居るかもしれないが、殆どの奴らは足手まといだ。スタンピードが収まるまで、他の場所に行ってくれた方が楽ではあるな。無意味に死体を作りたいとは思わないし」


 そんな訳で、オーロンドたちと分かれて、村長の所に。村長には、後30日程度で、ホーンデッドラビットのスタンピードが起きることを説明させてもらった。……まあ、噂でスタンピードというか、災害が起きるって事は耳にしていたらしいが、スタンピード、魔物災害だという所まではまだ伝わっていなかったらしい。こっちは調査した結果を持っているからな。それでほぼ確定だとは思うが、間違っていると言う事もあり得る。まあ、95%くらいは信用してくれていいとは思うがな。俺だって結構真面目に調べたんだから。自分の情報が当てにならないって思ったら、そもそも通達なんてしていないはずだし。起きるかどうかも解らないものを、報告なんて出来る訳がないからな。ある程度の確証があるから、こうして情報を伝えている訳なんだ。村人は逃げることが出来ない。それでも、最大限の自衛をしてもらわないといけないからな。


 まあ、戦力には数えていない。魔法が使えるといっても、素人だからな。こういうのは冒険者に任せておけば良いんだよ。その為の冒険者なんだからさ。冒険者に任せて、家で祈ってくれれば良いとは思う。


 そんな訳で、村長に話をして、数日後には村人全体に伝わった訳なんだけど、肝心の人間の冒険者は、全員帰ってしまった。……そんな事もあるかなとは思っていたし、戦力の当てにもしていなかったから良いんだけど、本当に全員が帰る奴があるかって言うんだよ。まあ、居られても邪魔なだけなんだけどな。ただ、村の人間からは、人間の冒険者の信用は地に落ちた。もともと高くは無かった信頼が、見事に墜落してしまったことだけは、考えないといけないと思うぞ。

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