思惑あり
OFUSE始めました。
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冬の間に取りに行くと約束したので、早い方が良いだろうと思い、1週間後にはテッケルンのエレミーさんの所に来ていた。色々とあるけど、お土産は今回は必要ないかなって思っている。前々回の時に、妖精の羽を売りに来たし、前回は魔電話を渡しに来た。今回は流石に良いんじゃないかなって。何度も何度も物を渡しているとよろしくないかなって思っているんだよな。対等な関係で居たいってのはあるし。そんな訳で、マジックバッグだけを持ってやってきた。
「こんにちは、ケイトさん。エレミーさんをお願いします」
「いいよー。ちょっと待っててね。エレミー、サンルーグ君が来たよー」
「今行くわね」
「今来るって。お茶を用意するね?」
「すみません。お願いします」
そんな感じでちょっと待っていると、エレミーさんがやってきた。
「はあーい。ようこそ。早速取引しちゃう?」
「そのつもりで来ましたからね。お願いします」
と言う事で、使い道の殆どない妖精の羽を回収して、金貨を支払う。俺にとっては貴重な素材だからな。有難く受け取る。それで今回の目的は終了なんだけど、こんな事で帰るのもなんだからな。情報交換という名の雑談を楽しむことにした。
「はい。これお茶ねー」
「ありがとうございます」
「それでなんだけど、あの後面白い事があったのよ?」
「あの後ですか?」
「そう。買い取りが終わった後ね。あの商人、ゲルング商会っていう所なんだけど、廃業しちゃったみたいね。お店が潰れたわ」
「あれ? 廃業したんですか?」
「そうらしいわ。何でも、ボッテンハイム子爵に借金があったみたいなのよね。それを返さないといけなかったらしいんだけど、返せなくて、借金奴隷落ち。今回の事で借金をしたみたいね。確実に錬金術師を借金奴隷にできると思っていたみたいよ。だから、念のために白金貨2000枚を借りたらしいのよ。元々の資金は白金貨2000枚程度だったから、丸々失っても返せるって見込みで借りたみたいね。それで、気が付いてみれば、資金は無くなっていたと。だから借金奴隷に落ちたらしいわ」
「ああー。それで資金が多い様な感じだったんですか。商売の規模にも寄りますけど、白金貨2000枚が良い所って聞いていたので、おかしいなって思っていたんですよ。なるほど、借金をしてまで追い詰める気だったわけですか」
「そう。借金をしてでも、錬金術師を抱え込めればお得だからね? それで思い切って白金貨2000枚も借りたらしいのよ。……でも、失敗しちゃったでしょう? それでボッテンハイム子爵の予定も外れちゃったらしいのよね」
「うん? ボッテンハイム子爵の予定? どう言う事ですか?」
「うーん。なんて言えば良いのかしら。ゲルング商会が借金をしたでしょう? それで借金が返せない事は織り込み済みだったって言えば良いのかしら? 借金を返せなくて、借金奴隷落ちする事までは解っていたらしいのよね」
「借金奴隷になるのが解っていたのに金を貸したんですか? それはちょっと違うんじゃないです? そんなことしますかね?」
「借金奴隷落ちを望んでいたとでも言えば良いのかしら? ほら、ゲルング商会って、錬金術師を2人ほど抱え込んでいたらしいのよ。で、今回も同じ作戦で錬金術師を奴隷化しようと思って借金をした訳でしょう? でも、ボッテンハイム子爵は、今度の錬金術師は、ある程度優秀だって聞いていたらしいのよね。それで、錬金術師を借金奴隷にしたはいいが、借金を全部返せないって状態にしてしまって、それで借金奴隷の錬金術師3人を手に入れたかったらしいのよ。サンルーグ君を含めて3人ね。錬金術師を借金奴隷にして、貴族の店に押し込もうとしたのよ。店員が増えれば、自分の子息は錬金術で研究だけすれば良いだけでしょう? だから、そういう状況にしてしまって、何かを作らせたかったらしいのよね。何かまでは解らないんだけど」
「えっと、借金奴隷にしたかったのは、ゲルング商会とボッテンハイム子爵で、今回はどっちの予定も吹っ飛んだって事で良いんですか?」
「まあ、そう言う事ね。でも、錬金術師2人は、ボッテンハイム子爵の手駒になったわね。失敗しても、成功しても、ゲルング商会が借金漬けになってしまえば、錬金術師を抱え込めるんだから、得しかなかったって訳ね。……まあ、予想外だったのは、白金貨2000枚が殆ど返ってこなかったことらしいけど。半分くらいは返ってくる見込みだったらしいわよ? それが全額搾り取られたんだから、ボッテンハイム子爵の予定も大幅に狂った訳。何かしらの魔道具を研究させる為の資金だったらしいんだけど、それが全部飛んだのよね。だから、ボッテンハイム子爵も、かなりの資金難になっているらしいわ。まあ、いい気味だけどね」
なるほどなあ。そんな思惑があったのか。しかし、良く調べられたな。何かしらの情報を得るにしても、中々難しい筈なんだけど。何処にそんな情報網があるんだろう。それとも、大きな噂として流れているのか?
「随分と詳しいようですけど、どういう情報網なんですか?」
「獣人の情報網ね。彼らは、結構凄いわね。思った以上に情報を持っているわ。特にボッテンハイム子爵家の情報も結構仕入れているみたいなのよ。知っているかしら? 貴方が嗾けてから、かなりの動きがあったみたいなのよね。内部の人間で、獣人側に引き抜かれた人材がいるらしいわ。簡単に言えばスパイね。2重スパイの可能性もあるけど、別にそれは良いらしいわ。どちらにしても、ボッテンハイム子爵家を潰すことには変わりがないって感じらしいから。結構噂もえぐい事になってきているわね。中々面白い噂もあることだし」
「へえ。獣人の情報網なんですか。しかも内部に2重スパイかもしれないけど、人を引き抜けたってのは大きいですね。色んな情報が入ってくるじゃないですか。しかも、そう言う情報を引っ張ってきてこれているんですから、結構な立場の人間ですよね?」
「そうね。中々の人物を引き抜いたんじゃないかしら?」
「それで俺が確保対象になっていたって事なんですか。なるほど」
「面白いでしょう? でも、こんなに元気に暗躍できる立場に居るんですものね。ボッテンハイム子爵家を潰すのは、早い方が良いわ。獣人たちにはそう伝えてあるけど。ちょっと王都の方がきな臭いらしいから。何でも、早々にボッテンハイム子爵家を潰す方が良いんじゃないかって案が出てきたらしいわね。これも獣人たちが聞いた噂なんだけど、王都では、王国に仇成すボッテンハイム子爵家を早々に潰してしまった方が良いんじゃないかって事で動いているらしいわ。だから、獣人たちも急いでいるのよね。ここまで来たのに、横から掻っ攫われるのはよろしくない訳よ。まあ、私的には、どっちがなっても良いんだけど、獣人が貴族になった方が面白そうじゃない?」
「俺的には獣人が貴族になってくれた方が利益があるので、そっちの方が良いんですけどね。それにしても、王宮が動くんですか。……何時くらいって読みなんですか?」
「早くても次の次の春らしいわ。戦力を集めるのに時間がかかるらしいからね。最前線から引っ張る訳にはいかないし、だからと言って、冒険者を多く集めても駄目よ。略奪に走る可能性があるもの。冒険者は使えないわ。だから、ちょっとずつ兵士を集めるしかないんだけど、それには時間がかかりそうって感じなのよね」
「なるほど。そうなると、次の秋には獣人たちがボッテンハイム子爵家を落とした方が良いですね。まあ、俺の予定では、そんな感じで動く予定で居たんですけど」
「その方が良いとは思うわ。今のような、冒険者の質を落とすやり方は好かないもの。何とかしてくれた方が良いのは確かなのよね。そこで、獣人から貴族が出た方が面白いわよね? 今までは人間ばかりだったんだもの。獣人の貴族というのも有りなんじゃないかって思うわ」
「まあ、それは俺も考えている。獣人の貴族が居てくれた方が、獣人たちが集まってくる可能性がある。この町を、この領地を発展させるには、人口が必要になってくる。外部から人口が流入してくるのであれば、結構な領地になるんじゃないかって思っている訳なんだ。だから、獣人の方がある意味都合がいいんだよな。冒険者の質もあげたいし、獣人たちに貴族になって貰った方が良いんだよ。子爵で居られるのか、男爵からになるのかは解らないが、まあ、そんなのはどっちだって構わないとは思うんだよ。貴族になった。この実績が大切なんじゃないかって」
獣人が貴族になるという実績が解除されれば、国中の獣人がここを目指してくる可能性はある。そういう労働力を上手く使えれば、一気に領地を発展させることが出来るとは思うんだよ。出来るかどうかで言えば、出来ると思う。まあ、中々に厳しいとは思うけどな。でも、やってやれない訳じゃないとは思うんだよ。俺の目的も、その方が早く叶いそうだからな。まあ、俺の目的というか、師匠の目的なんだけど。お酒を作らせるって目的だな。それが実行されるまで、もう少しって感じだろうか。
「素材が集まってくる事は良い事だからね。獣人は冒険者が多い。そんな人材が多いんだから、色んな狩場が活性化するはずよね。それだと錬金術師は恩恵を受ける。素材が手に入りやすくなるんだから。王宮からの討伐軍では、そうならない可能性が高いもの。どちらかと言えば、獣人が絡んでくれた方が、私も嬉しい訳。素材の入手難易度が下がれば、どっちだって良いんだけど、どちらにしても、ボッテンハイム子爵家は討伐される運命にあるらしいわね」
「どちらにしてもボッテンハイム子爵家は滅ぶのか。それなら、獣人たちの手で滅ぼした方がまだ利益があるな。急いでもらわないといけないとは思うけど、何とかなるんだろうか?」
「さあ? そこまでは情報を得られていないわね。でも、勝負は次の秋な訳。その後は厳しいわ。王宮からの軍隊にやられてしまう可能性がある。……まあ、ボッテンハイム子爵家の討伐軍が、獣人の貴族の討伐軍に変わるだけって可能性もあるんだけど」
「……その可能性もあるのか。獣人の貴族を認めないって言って、何とかしてくる可能性はあるのか。面倒ではあるが、何とかした方が良いんだろうか?」
「さあ? そこはどうかしら? 何かできるのであれば、しておいた方が良いんじゃないかしら?」
「……師匠に借りを作ることになるんですが、やっておくべきでしょうね。師匠から言われたら、流石に止めるでしょうから」
「ああ、クエスエーレ様に言われたら、仕方がないって思うかもしれないわね。その様に働きかけた方が良いんじゃないかしら? 動けるのに動かないのはよろしくないわ。出来ることはやっておいた方が良いもの」
「ですよねー。まあ、その辺は師匠に話をしておきますか。獣人が貴族に、この地の領主になったらで、良いので、要望があれば聞いておきましょうか。俺も獣人にはある程度発言権があるとは思うので」
「そうねえ。冒険者の支援をちゃんとするって事くらいかしら? その他は特に無いわね。税金を下げてくれるのであれば、言う事は無いんだけどって住民は言っているわね。錬金術師は税金がかからないから、私にはよく解らないけど、ケイトは税金が痛いってよく言っているわ」
「冒険者関連の話は、俺もそうなので、必ず言っておきますけど、税金関係の話ですか? そこまで重税なんです?」
「らしいわよ? 町に住んでいると、収入の7割は持っていかれるって話だから」
「暴利も良い所じゃないですか……。その辺は下げる様に言っておきますか。どうせ獣人に対する税金もあるでしょうから、下げておくに越したことはないとは思いますし」
「ああ、ありそうね。獣人だけに適用されているような税って。私は詳しくないけど」
「ありそうではありますよ? 詳しい事は知らないですけどね。獣人は9割持っていかれていてもおかしくないとは思いますから。冒険者は税金がかからないので、冒険者をやる人が多いんだと思うのと、冒険者くらいしか食っていけないので、冒険者をやらざるを得ないって感じらしいですけどね。奴隷を買い戻すときにも、冒険者になれそうな人を選んでいるって話ですし」
獣人だけの税金とかありそうだよな。何というか、どこからでも徴収は出来るんだろうけど、出来るところから取るってのが鉄則みたいな所があるからな。獣人だけ9割で、人間やその他の種族が7割って感じなんじゃないかな。詳しくは知らないけど。
でも、何とか獣人の貴族を認めさせるように動かないとな。何というか、何でもありな世界になってくれないと、錬金術だって止まってしまう。権利がどうのこうのとか言い始めると、面倒だからな。守らないといけない権利は守って、それ以外は自由に研究させてくれる環境が良い。そうなってくると、素材が沢山ある方が良いから、冒険者の質は高い方が良いんだよ。冒険者の質を下げる様なボッテンハイム子爵家では駄目だ。早々に取り替えないと。
「忙しくなりそうだけど、大丈夫そうかしら? 詳しくは、獣人たちから聞く方が良いとは思うけどね。こっちでも、何かあったら伝えておくけど。早く動いた方が良いのは確かだからってのと、暫くは戦力を高めることに注力した方が良いと言う事は覚えておいてもらった方が良さそうね」
「ですね。こっちでも情報は集めますけど、テッケルンの方が集まってくるでしょうし、また情報をくれると助かります。獣人たちに、矢面に立ってもらわないと、エルフじゃあ人口が少なすぎるので。もっと人口が居れば良いんですけど……」
「アルマサニーもそうね。少ないんだもの。だから相手も見つからない訳なのよねえ。何処かにいい男は落ちていないかしら? 奴隷でも良いんだけど、探しても探しても見つからないのよね。とりあえず、男を確保したいんだけど、中々なのよ。ケイトも同じだし、何とかしないといけないのは解っているのよねえ」
「色恋の話はまだまだ解らないですけどね。……俺の所には、とりあえずエルフの女の子は居ますけど。子供なので、あまり関係ないかなとは思う訳ですけど」
「子供でも異性が居ることが重要なのよ。エルフも寿命が長いんだから、子供でもなんでも良いじゃない。待てば良いだけなんだから。それに、貴方もそこまでの歳じゃないでしょう? 十分な相手じゃない。それとも、見た目が好みじゃないとか?」
「そもそもが子供なのでまだ解らないんですよね。まあ、結婚の話は良いじゃないですか。いつかは相手が見つかると思いますし」
結婚の話は重い。色々と考えることが多すぎる。色々と地雷が多い気がするんだよな。何というか、本当に良いのかなって気分になってくるし。レジエナで本当に良いんだろうかって気分になってくるだろう? まだまだ子供なんだから、そんな話はしなくても良いとは思うんだよ。師匠が炊きつけていたけどさ。まだまだ子供なんだし、考える時間があっても良いとは思うんだよ。子供相手に食指が伸びるのかって言われると、微妙だろう? 10年後は解らないけどさ。




