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反転の錬金術師  作者: ルケア


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カモが帰った

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 獣人の冒険者たちは稼ぎに稼ぎまくった。マジックバッグが30個も売れたからな。それだけで白金貨3900枚である。結構な稼ぎだと思う訳だ。……そろそろ無理なんじゃないか? 当初の予定では、白金貨2000枚も持っていたら十分だろうと思っていた。それが今では倍以上の白金貨を交換しているのに、まだ資金は尽きないそうだ。いや、資金は尽きかかっているんだろうとは思う。もう限界だろう。俺としては、まだまだ頑張ってほしい所ではあるんだけどな。どんどんと資金を吐き出してくれ。その方が色々と出来るからな。マジックバッグは本当に儲かるんだよ。獣人の冒険者たちにとっても、かなりの収入になってくれているはずだ。段々と怖くなってきたと言っているくらいには、資金を吐き出させている。


 そんな日々も、終わりを迎えるようだ。悪徳商人が来てから1か月程度。エレナちゃんに呼ばれて行けば、そこには少し痩せた商人の姿があった。


「ごきげんよう。そろそろ私も帰らせてもらいますので、挨拶をと思いまして」


「それはそれはご丁寧に。妖精の羽は結構手に入ったんですか?」


「ええ、目的の量は手に入りました。……ところでそちらはどうだったのですか?」


「こっちは全然ですね。白金貨5枚まで値段を上げたんですが、いやー完敗ですよ。もうちょっと儲けられると思っていたんですけどね。中々上手くはいかないもので」


「ふふふ、こちらも頑張りましたからね。必要分は手に入りました。……所でなんですが、少々お売りしましょうか? こちらの言い値になりますが」


「いえ? 必要ないですね。立て込んでいる依頼も無いですし。貴方が帰ってくれれば、通常の値段で買い取れるはずですから。でも、競合するとは恐ろしいですね。利益を考えると、あれくらいが限界でした。もうちょっと居られたら、こっちの儲けは無くなる所でしたよ」


「そうですか……。では、これで。また会うかもしれないですね」


「こっちはもう、こんな価格競争はしたくないですよ。何時になったら通常価格で買い取れるのか、ひやひやしていましたから」


 そう言って商人は帰っていった。……最後まで余裕がない事を隠していたのか、まだまだ余裕はあるのか。さて、どっちなんだろうか。悪は滅びる方が良いんだがなあ。冬なんて3か月しかないんだから、3か月分くらいは資金を持ってくれば良かったのに。これで俺の所では、通常価格でしか買い取らなくなる。だって、競合相手が居なくなったんだからさ。向こうとしても予想外だったんだろうな。本来であれば、価格競争はもっと早くに決着が着いていたんだろうし、こっちも急ぎの依頼があると思っていたんだろう。いずれは言い値で買いに来ると思ったのかね。締めが近くなると、どうしてもって事もあるからな。まあ、そんな依頼は存在しなかった訳なんだけど。もっと見切りを早く付けていれば、こんなに損をしなくても良かったんだろうとは思うけどな。悪徳商人がどれだけ損をしようが関係ないが。


 さて、それじゃあ連絡を入れますかね。俺は最新式の魔電話を使って、相手に連絡を取った。


「はあーい。何かあった?」


「あ、エレミーさんですよね? とりあえず、悪徳商人が帰るそうなので。大体妖精の羽が600くらい売れたと思うんですよね。しかも1体白金貨7枚で」


「白金貨7枚で? 正気なのかしら? こっちの価格では、どう頑張っても金貨50枚しか出せないわよ? 王都に持っていくなら別なのかもしれないけど」


「いやー、王都だと別の方面からも入ってきますし、そもそも冬限定のジャックフロストじゃなくても良いですからね。流石に白金貨1枚くらいで落ち着くとは思いますよ? どれだけ高くても、ですけどね。そもそもちゃんと保存をしているのかどうかも解らないですし」


「そうね。妖精の羽なんて、学校でも特定の授業でしか教えてくれないもの。知らない人も多いんじゃないかしら? 必修じゃないものね」


「そうなんですよね。それでなんですけど、多分ですが、ある程度資金を回収するのに、そっちにも売りに行くと思うんですよね。……多分ですけど、貴族の2か所では、値段が付けられない可能性もありますし。もう1つの所は、そもそも商人と握ってますよね? そういう所には足元を見られるんじゃないですか? なので、エレミーさんの所に売りに行くのが一番まともというか、そうするんじゃないかって思っているんですよ」


「まあ、そうでしょうね。でも、私の所も最低価格でしか買わないわよ? 特に保存方法も出鱈目なんだし、直ぐに調合する訳でもないし。出せて1体分銅貨50枚が良い所よ? 本当にそれで売るのかしら?」


「さあ? でも、売りに行ったらそれでも買い取ってください。こっちで使えないことはないというか、ユニークスキルでどうにでもなるので」


「そんな事も言っていたわね。解ったわ。買い取っておくから。……でも、本当に出鱈目よね。こんな魔道具まで作っちゃうんだから」


「あった方が便利じゃないですか? 遠距離でも話が出来るものって。まあ、暗号化と長距離通信に馬鹿みたいに素材をつぎ込んだので、売るとなると白金貨1枚で売らないといけないって感じなんですけどね。高品質の闇属性と光属性が必要なので」


「まあ、そこだと光属性の素材が手に入らないものね。高いのも頷けるわ。何処で仕入れたの?」


「師匠の伝手で、王都からですね。なので原価はもの凄い事になってます」


 まあ、嘘ではあるんだが。でも、王都から取り寄せたのであれば、そのくらいの金額になるんだよな。俺はチートユニークスキル、反転があるから良いものの。普通なら無理だからな。そればかりはユニークスキルをくれたであろう神に感謝しても良いとは思う。……というか、無かったら魔電話なんて作れていないだろうからな。作るのに苦労はした。もの凄く苦労した。暗号化に時間がかかってしまった訳で。それでも効果は素晴らしいものだ。ここからテッケルンまで通話が出来るんだからな。師匠にも1つ送ってある。まあ、解析されるとは思うんだけど、それはいい。改良されるのであればしてくれって感じだからな。もっと安くなれば、一般にも普及すると思うんだけど。


「でもまあ、了解。買い取っておくわね。買い取ったら連絡すれば良いかしら?」


「はい。それでお願いします。こっちは金貨1枚で買い取る予定なので」


「もっと安くても良いのよ? 要らないんだし」


「いえ、まあ、ユニークスキルのお陰で何とでもなるので、金貨1枚で買い取らせてください。こっちはお金に困っていませんし。この機会に、マジックバッグが30個売れましたからね。これでこっちに来る獣人の冒険者の殆どが、マジックバッグ持ちになりましたよ。後は肉屋にも売れましたね。獣人はコミュニティで買い物をするので、本当に助かりますよ。良い感じに儲かりました」


「これ以上稼いでどうするのかしら? 必要なものって無いの?」


「必要なものは特に無いですね。強いて言うのであれば、冷蔵庫ですかね? 今は冬なんで要らないですが、夏場には欲しいでしょうし」


「ああー。良いわよね冷蔵庫。私の家にもあるもの。夏場は便利よ。金属加工が面倒だから、そこは外注したけど」


「まあ、そうなりますよね。インゴットを買っても良いんですけど、それだと結局値段がそこまで変わらないと思うんですよね。手間賃を考えたら、箱にしてもらった方が面倒が無さそうで」


「そう言う事ね。金属加工も出来るけど、面倒な事は頼むに限るわ。箱さえあれば、後は魔法陣を作るだけだもの。魔法陣はそこまで難しいものではないし」


「まあ、簡単な部類ですからね。……意味の解らない魔法陣もありますけど」


「そこは難易度の差よね。私も得意って訳でもないし。魔法陣が得意な錬金術師は少ないわよね。そもそも魔法陣自体は必修だけど、応用魔法陣なんかは必修じゃないし。選択で取らなかったから知らないのよね」


「それは俺もですね。まあ、必修だけでも十分だったとは思いますけど」


 必修と選択で色々とあるからな。選択授業も全て履修するには15年はかかる。それくらいには幅広いんだよ。俺は魔道具方面に選択授業が偏っているからな。魔道具には結構、自信があるんだけど。魔法陣は微妙なんだ。魔道具に必要な魔法陣は解るんだけど……。今回の魔電話には魔法陣を使っていないしな。魔道具は回路で成り立つんだ。そっち方面の技術だけで何とかした。師匠が作るのであれば、これに魔法陣を組み合わせるだろう。その方が安上がりなのか、高性能になるのかは解らないけど。声を届けるって、結構難しいんだなってのが印象だな。


 師匠なら、転移陣を使った何かを作るんじゃないかな。多分だけど。でもそれだと販売できないからね。転移陣は秘術扱いだから。しかも国の。個人の秘術ならまあ良いんだけど、国の秘術を勝手に商品にする訳にはいかないだろうからな。流石の師匠でも、そんな事はやらないはずだ。流石の師匠でも。多分。自信は無いけど。


「でもまあ、こうして魔道具が作れるので良いんですけどね。とりあえずですが、そっちに売りに行くのは早くても3日後なので、その時は対応をよろしくお願いします」


「ええ、余裕のない顔でも拝んでおくわね」


「こっちでは結構余裕な顔をしていたんですけどね。まだまだ余裕があるんじゃないかって思っているんですが」


「さあ? そこは商人次第ね。本当に余裕があれば良い方ね。知らないけど」


 じゃあねって感じで切れた。向こうではどのくらいの価値まで落ちるんだろうな。保存状態が悪ければ銅貨50枚である。何分の1だ? 14万分の1くらい? 捨て値も良い所だとは思うが。それならまだ、価値が解らないであろう貴族の錬金術師の方が高く買ってくれそうではある。価値が解らないから、適当に買うんだろうけどな。……でも、大量に持ち込んだら、安いものだって思われるかもしれない。そもそも保存方法が合っているのかもあるからな。保存方法は、1体分、4枚の羽を1つの保存瓶に入れて、血で満たす。それ以上に詰め込まれていると、血を入れていても劣化する。その辺を知らなければ、無価値になるからな。


 どんな感じになるのか。楽しみである。無価値だと知った時、どんな顔をするだろうか。怒り狂うんだろうか。だって仕方がないだろう? 無価値にしたんだからって言われるのかね? まあ、正しい方法で保管してあるのかもしれないけどさ。その辺は解らないからな。正しい保管方法をしていたとしても、エレミーさんの所では、最大でも金貨50枚。まあ、持ち込む量を考えれば、金貨10枚でも高いかなって思う所である。そこまで空間属性の素材を必要としていないのであれば、そんなものだ。必要としているのであれば、金貨50枚でも惜しくはないんだろうけど。それでも大赤字だけどな。


 そんな感じで、夕方。冒険者が帰ってきた。獣人の冒険者も皆、帰ってきたが、例の商人が居なくなっていると聞いて、がっかりしていた。そりゃそうだ。1か月の間、ボーナスタイムだったんだからな。今日からは金貨1枚である。それでも十分な金額ではあるんだけどな。700倍で買ってくれていたお得意様が居なくなってしまったのは悲しいだろうが、我慢して欲しい。来年も来てくれると良いな。それだけこっち側が丸儲けだったからな。こんなに稼げてしまって良いのだろうかって感じだったし。良いんだから仕方がないけど。


「まあ、これが普通ってな。今までがおかしかったんだ」


「そう言う事だな。ただ、稼がせてもらったけどな」


「違いない。これで多くの同朋たちも助かるだろう」


「住む場所が足りると良いんだが……」


 そんな感じに言っている。今までがおかしかったんだよ。高すぎるからな。まあ、マジックバッグにしてしまえば、利益は出るんだけど。それくらいには高級品だからな。空間属性の素材ってだけで。それ以上に時属性の素材が見つからないんだけどな。迷いスライムが居たのは本当に僥倖だ。1か所に、季節限定とは言っても、空間属性の素材と時属性の素材が揃っている場所なんて中々ないからさ。ここはかなりの優良地だとは思うぞ。闇属性の素材も取り放題だしな。


 そんな感じで過ごしていた。3日後、エレミーさんの所にやって来たのか、笑いながら話してくれた。


「いやー、滑稽だったよ。保存瓶に入れてあるのは良かったんだけど、枚数も適当だし、もちろんだけど、血なんて入っていない。捨て値にしかならないよって言ってやったんだ。あ、保存方法は話してないよ? 約束だからね。こっちで買ったのは622体分。金貨3枚と銀貨11枚で買い叩いてやったさ。……でも、ここが一番高かったみたいだね」


「あれ? 他の錬金術師の所にも行ってたんですか? それでも銅貨50枚より安かったと?」


「そもそも貴族たちの所では、買い取り不可って話だったらしいよ。価値が解らないってね。受付でそんな事を言われたそうだ。錬金術師を出せと言っても聞かなかったらしい。もう1軒にも行ったらしいが、素材に魔力が殆ど残っていないことが解ったらしいからね。まあ、保存瓶を開ければ、錬金術師なら誰だって解るとは思うけど。そんなのだから、銅貨2枚なら買い取るって言われたんだってさ。愚痴りながら叫んでいたよ。どいつもこいつも空間属性の希少性を解っていないって叫んでたけど、保存方法が悪いんだもの。仕方がないよね」


「ですよねー。まあ、捨て値でも問題なく俺は買い取るんですが。白金貨6枚と金貨22枚持っていきますね。いやー、良い買い物になりそうで」


「こんな状態のものでも何とか出来るユニークスキルっていうだけでもおかしいのにね。そんな有能なユニークスキルって、どんなものなんだって聞きたくなってくるわよ」


「師匠が奴隷で探してましたけど、見つからなかったって言っていましたよ。かなり希少なユニークスキルらしいです。こっちで探したことがないので、知らないんですけど」


「希少なのは良い事よね。まあ、いいわ。とりあえず、保管はしておくから何時でもいらっしゃいな」


「ええ、近々行きますね」


 冬の間には行きますって言って、連絡を切った。保存方法は知らなかったらしいな。まあ、良いんだけど。使う前に反転させれば良いからな。保存状態が最悪なら、最良に反転できる。保存方法が中途半端に悪いと、効果は微妙なんだけど、最悪まで落ちているなら、最良に反転する。まあ、魔力はかなり食うけどな。それはある意味仕方がないから。魔力がそこまで使わないのに、素材の良し悪しを反転できるのは、チートと言えども許されないって事なんだろう。


 そんな訳で、マジックバッグを無限に作ってしまえるだけの素材を手に入れることが出来る。……いやまあ、マジックバッグ換算だと、流石に300とかなんだけどさ。でも、それだけあったらもうね。無限と言っても良いと思う。マジックバッグなんてそうそう売れないんだし。30個も売れた方がおかしいのであってだな。まあ、稼がせてもらいました。来年も来てくれると嬉しいな。また稼がせて欲しいから。

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― 新着の感想 ―
破産寸前までむしられたらさすがに次は来ないだろうけどなwww しかしさらっと遠隔通信機まで作ってる主人公すげぇ
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