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反転の錬金術師  作者: ルケア


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カモがやってきた

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 オーロンドさんたち、そこそこ強くなった獣人の冒険者が、妖精の羽を大量に持ってきてくれるようになって、本当に助かっている。ストックは多い方が良いからな。他にも、闇属性の素材を沢山持ってきてくれているから、色々な事に使えるし、研究用としてはかなり有効だ。どうしても作り出さないといけない電話。なんとかして作らないといけないんだけど、必要なものと言えば、多分だけど、闇属性と光属性だからな。闇属性の素材があれば、反転のユニークスキルで素材は集まる。研究するには、時間も素材も必要なんだよ。


「とはいえ、通信するのには、光属性と闇属性の素材が必要なのまでは何とか解った。解ったけど、声を届けるとなると、一気に難しくなるな。固定電話は有線だったからまだ何とかなったんだろうけど、携帯電話なんかは無線だしな。それでも基地局があったりするし、衛星電話に関しては、そもそも衛星を打ち上げることが不可能だ。何とか地上でも出来る様にしないといけない訳なんだけど、どうするか。電波と違って、魔素を利用するから、色々と工夫が必要になるし。暗号化もしないといけないからな。暗号化が出来れば、一気に活用方法が出てくるし。電話と同じく、番号で識別する様な暗号の方が良いとは思うけど……」


 はっきり言って難易度が高い。簡単に出来るものではなさそうではある。ただ、属性がなんとなくだけど解っているのは楽だ。空間属性や時属性が必要ないってのは良いよな。……実験では、10mくらいなら成功しているんだ。声も微妙な所ではあるんだけど、店の中で使う分には何とかなっている。暗号化は出来ていないので、何ともならない訳なんだけどな。今はエレナちゃんとレジエナの玩具にしかなっていない。二人で遠距離会話というか、家の中で色々と話をしているのは知っている。


「物体があっても、闇属性なら透過できるし、光属性の早さも考えれば、その位出来て当然って感じではあるんだけど、中々なあ。難しい所ではある。難易度がもうちょっと優しければ、量産できたのかもしれないけど、素材の質も高くないといけない。そもそも魔石にするのは駄目だから、素材のまま使わないといけないし。しかも番号だから、番号に対応する素材を確保しないといけない訳で。暗号化するなら、そのくらいはしないといけないんだよなあ。これは難題だ」


 携帯電話を知っているだけ、まだマシなんだよ。知らなければ、もっと大変だったに違いない。でも、なまじっか知っているだけに、知識がそこで止まってしまっているというか。電波と魔素では全然違うものだからな。何というか、もうちょっと融通の利くものにしないといけない。研究するための時間はまだまだあるんだけど、素材は有限なんだ。無くなったら取りに行かないといけない。買い取るだけでは足りなくなってくる。……まあ、冬場なんだから、採取が鬼のように難しいんだけどな。大体は雪の下にあるんだし。森には木があるから、地面は雪で覆われないと思っていたんだけど、普通に木から雪が落ちてくるんだもの。そりゃあ雪も積もるよねって話である。そんな事も予想できなかったのかって言いたくなるけど、出来なかったんだ。元々、雪国に住んでいたって訳でもないからな。雪なんて滅多に降らなかったし、降っても積もるまでにはならなかった。……そもそも森が無かったというのもあるんだけどさ。前世では、まだ田舎の方に住んでいたといっても、田舎でも都市部だったりはするから。こっちの田舎と比べてはいけない。


 しかし、難題なのは良いんだけど、開発は急がないとな。情報伝達が早ければ早いほど、色んな事が有利になっていく。師匠とも手紙のやり取りはしているが、そんな事をするよりも、電話の方が早いからな。それを知っているからこそ、電話が欲しくなるんだ。……電話があれば、仕事は増えるんだけどな。そりゃそうだ。携帯電話が普及してから、人というのは、働く時間が増えたんだから。今までは、会社を出たら、帰るまでは新しい情報は入ってこなかった。だから、営業なんかも辛くないし、急に仕事が増えるなんてことも無かった。なので、途中でカフェによって、コーヒーブレイクって事もあったんだよ。それが携帯電話が出て来てから、電話やメールで仕事がどんどんと会社から送られてくる。なので、休憩時間が無くなったんだよ。昔の人は、24時間戦えますかって聞かれたらしいが、24時間のうち、12時間くらいは休めたんだ。だから、それでも良かったんだけど、文明が進むと、どうしても休む時間が減ってくる。24時間戦える訳がないんだ。……まあ、俺はその文明に近づけようとしている訳なんだけどな。


「電話があって、不便になるって事はない。寧ろ便利になる。絶対に便利になるんだけど、便利と忙しさは比例するからな。便利になればなるほど、忙しくなる。何もかもを機械に任せることが出来るのであれば、話は変わってくるんだろうけど、そう言う訳にはいかないからな」


 便利さを通じて、忙しくなっていく感覚を味わってほしいとは思う。まあ、難しいとは思うけどな。今と昔とでは、働き方が違うんだから。……こっちの世界はまだまだ情報が遅い。情報の早さは、仕事の忙しさに直結するから、錬金術師ももっと忙しくなるんだろうなって思う。それでも良いんだ。多少忙しいくらいで丁度いいとは思うんだよ。便利な世の中になれば、皆が忙しくなるんだからさ。そうすれば、金は良く回るようになる。経済活動が活発になるからな。そうして得た金を、貯め込まずに使わないといけないんだけど、まあ、難しいよねって話だよ。金を使えって言われても、使う所なんて何処にもない訳で。多少は宿屋なんかに投資したりはしているけど、それだけだよなって話なんだよ。宿屋には大きくなってもらわないといけないので、宿屋に投資するのは当たり前の事ではあるんだけどさ。


「サンルーグさん、お客さんが見えましたよ? なんか、商人さんらしいです」


「商人? まあ、いいか。とりあえず応対するよ」


 商人が買い付けに来たのか? それは嬉しい事ではあるんだけど、エレミーさんから聞いている話では、悪い商人の可能性もあるんだよな。どっちなんだろうな。こっちとしては、悪い商人の方が良い訳なんだけど。搾り取れるだけ搾り取った方が良いからな。無限にお金を吐き出してもらう方が良いとは思う。有り金全部吐き出させるつもりで商売をした方が良いんだよな。俺だけの為じゃない。獣人の冒険者のためにもだ。


「はい。私がこの店の錬金術師ですが」


「おお、お若いですね。私もここで素材の買い付けに来たのですが、よろしかったでしょうか? 錬金術師様のお邪魔にはならないでしょうか?」


「邪魔にはなりませんよ。私も仕事をしないといけないので、素材は買い取らないといけないですが、商人さんが素材を買い取るのも自由ですからね。特に、今の時期は妖精の羽が手に入るので、何処も欲しい商品になるでしょうね。俺もある程度素材は確保しておきたいですし。依頼にも使いますからね」


「ほう。私も欲しいのは妖精の羽でして。少しばかり冒険者から買わせていただいてもよろしいですかな?」


「それは自由にしてくれれば良いと思います。冒険者が何処に売るのかは、決められていないですからね。まあ、錬金術師の店の方が確実ではありますけど、処理の仕方を知っていれば、誰でも買い取れるわけですし、そちらが買い取るって言うのも止める訳にはいかないので。そう言う法がある訳でもありませんし」


「そうですか。では、こちらも暫くの間、滞在させてもらいますので、よろしくお願いします」


「ええ。よろしくお願いします。それと、他にも素材を持っているんですか? 必要であれば、後で買いに行くかもしれないんですけど」


「持っているものに関しては売りましょう。こちらも、仕入れに来たので、それ程多くの素材を持ち込んでいる訳ではないですが……」


「いえ、買わせてもらうだけでも十分です」


 そうですか、ではまた。と言って出て行った。……さあ、カモがやって来たぞ。狙いは妖精の羽だな? それなら一気に冒険者たちに持ち込んでもらう方が良いな。こっちに持ち込まずに、向こうに買って貰おう。そして、幾らなのかも確認しないといけないな。こっちは金貨1枚で買い取っている。それが現地価格というものだ。それより高い金額を提示してくれるのであれば、向こうに売りに行くのが普通だ。金貨1枚よりも多ければ、向こうが買うのも良いと思うんだよな。そうすれば、冒険者が儲かるんだから。妖精の羽は、後で回収すればいい。どうせ錬金術師の店に持っていくんだろうからな。……しかも、商人なんだろう? 何処で売ればいいのかなんて解り切っているに違いない。エレミーさんのところで売り払うつもりだろうとは思う。その他の錬金術師では、高値で取引してくれないだろうというのは解り切っているからな。特に貴族の錬金術店なんて、買い叩かれるのが殆どだ。


 とりあえず、待ちだな。今日にでも売りに行ってもらわないと。敵情視察をしないとな。値上げ合戦になるとは思う。それでも元は取れるんだけど。余裕で元は取れるからな。マジックバッグにしてしまえば、幾らでも資金は回収できる。ここで売れなくても、師匠に売ってしまえば良いだけの話だからな。過去にもマジックバッグで荒稼ぎをしている師匠だ。今回もまたかと思われるだけだろう。師匠の悪名? そんなものは知らない。別に師匠に悪名が着いたところでだ。そもそも変な2つ名は既に付いているんだから、気にするだけ無駄なんだよ。……師匠には聞けないけどさ。聞いたら聞いたで、まともな答えが返ってくるとも思えない。


 そんな訳で、獣人の冒険者が帰ってくるのを刻一刻と待っていた訳なんだけど、最初に帰ってきたのは、オーロンドたちだった。今回もジャックフロストを14体狩ったらしい。これで金貨14枚だななんて言っていた訳なんだけど、今回からは少し違うんだ。


「あ? 村長の所にいる商人に売りに行けだ? 何でなんだ?」


「商人が来ているのは間違いない。そして、そこでの買い取り価格は金貨何枚なのかは知らないが、ここよりも高くなるはずだ。金額を聞いて、金貨3枚って答えられたとするだろう? そうしたら、この店は金貨5枚だって話をしてやればいい。そうすれば、向こうは焦って金額を吊り上げるからな。そう言う感じで、毎日金額を吊り上げて行けばいいんだ。口裏を合わせるために、向こうの価格とこっちの価格を比べて、俺が指示を出す。とりあえず、俺の所では金貨5枚で妖精の羽を買い取ることにしているんだ。今日からな。だから、それを向こうの商人に伝えてやってくれ。で、金貨何枚で買い取られたかを、今日中に教えてくれればいい。そうしたら、金貨何枚で明日は買い取るって指示を出す。そうしたら、それを明日商人に伝えてくれればいい。高い方で売れば良いからな。高いのは商人の方だから、そっちで売ってやってくれ」


「そうしたら、値段が吊り上がるだけだろう? まあ、高く買い取ってくれるのは嬉しいが、店主には恩があるからな。こっちで売っても良いんだが?」


「いや、恩があるとかそう言うのはどうでもいい。妖精の羽は、俺にとっても欲しい素材ではあるが、必ずしも必要だという素材ではない。それは商人にとっても同じはずだ。必ず必要な素材ではないはずだ。だが、高値で買い取るだろう。色々と思惑があるんだが、要するに、俺を借金奴隷にしたいんだろう。だから、それのために高価格で買ってくれるはずだ。後で俺にあり得ないくらいに高額で転売するためにな」


「……なら、こっちで売った方が良いんじゃないのか? 店主が借金奴隷になるのは不味いんじゃないか?」


「いやいや、俺が借金奴隷になることはあり得ないんだよ。資産は多分だけど、俺の方が持っているからな。今回の商人が何処までの金額を持ってきているのかは知らないが、白金貨2000枚という所だろうとは思う。その位あれば、普通であれば十分だからな。でも、お金が減るのは向こうの商人だけだ。俺はお金が減らない。寧ろ増える。何でなのか解るか?」


「いや、解らん。減らないのは当たり前だとは思うが、何故に増えるんだ?」


「オーロンドたちが、大金を手に入れたら、どうする?」


「どうするって、そりゃあ、まずは店主に借金を返すだろう? 白金貨15枚分の借金をしているんだからな。でも、増えるのは白金貨15枚までだろう?」


「じゃあ聞くが、白金貨130枚。マジックバッグが買えるだけの金額が貯まったら、どうする?」


「……ああ、そう言う事か。借り物だからな。そりゃあ買うな。なるほど。素材が手に入らなくなる代わりに、マジックバッグが売れる様になるのか。じゃあ、何で借金奴隷になるって話が出てくるんだ? 普通に考えたら、後で幾らでも素材が買えるんだろう?」


「向こうが、俺がマジックバッグを作れると思っていないからだな。……言っておくが、向こうは悪徳商人だからな? 錬金術師を奴隷にして、利益を貪ろうとしているだけに過ぎない。今回は、それを利用して、こっちもそっちも儲けようぜって話だ。悪い話ではないだろう? 悪徳商人を駆逐する過程で、金儲けをするんだ。どんどんと妖精の羽の価値は上がっていくからな。マジックバッグを買えるだけの資金は貯まるはずだ。最高で妖精の羽1体分で白金貨2枚から3枚まで値上がるとは思う。この機会にガツンと稼いでおくんだな。それで、マジックバッグを買い取ってくれ。そうすれば、俺も儲かるんだよ。悪徳商人の金なんだ。どれだけ毟っても良いだろう?」


「悪徳商人なのか?」


「ああ、そうだ。悪徳商人じゃなければ、値上げをしないはずだ。値上げをしてきたら、悪徳商人である可能性が非常に高い」


「……それなら、多少は毟っても大丈夫だな?」


「多少どころか、ケツの穴の毛まで毟ってやる勢いで毟り取るべきだ。そうじゃないと、困るのは獣人の商人だぞ? そう言う商人とは競合しているはずだからな。こっちで毟り取れば、競合相手が少なくなるんだ。今のうちにやっておいた方が良いとは思うぞ?」


 競合相手になるんだから、皆で毟り取ってやろうぜって感じだな。多分だけど、この商人は面倒な事をしているとは思うんだ。ボッテンハイム子爵家とも、裏で繋がっている可能性がある。そんな事は許されないと言う事を、教えてやらないといけない。裏で手を組んで居るって状態なら、資金源になっているだろうからな。それを1つでも多く潰してしまう方が良いだろう。そうすれば、獣人たちがボッテンハイム子爵家を追い落とすのも簡単になると思われる。どうせ不正をしていることは解っているんだ。盛大にやってやろう。


 さて、どう出てくるのかが楽しみでならない。多少は足掻いてくれることを願っているよ。悪徳商人から毟り取った金で、豪遊するのは悪い事ではない。寧ろ推奨されるまである。どれだけの資金力がある商人なんだろうか。残弾は足りるのかね?

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