噂の錬金術師
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「まあ、こっちに来た理由は解ったわ。今はレイトーン村に新人だけど優秀な錬金術師が来たみたいだって噂が流れている程度には、サンルーグの事が話されているわよ? 情報って色んなところから出てくるから」
「お? そんな噂が流れているんですね。まあ、優秀かどうかは、これからだとは思いますけど。まだ実績は特に無いですし」
「十分優秀よ。噂は間違っていないわね。そもそもこういう噂が立つのは余りよろしい事ではないわ。貴方には関係ないとは思うけど」
「ん? 悪い噂なんですか? あまり想像が出来ないんですけど?」
「そんな事は無いわ。十分悪い噂よ。知らないかしら? 商人の中には、錬金術師を借金漬けにして、自分たちに有利なようにしようって人たちが居るんだけど、聞いた事がないかしら?」
「知らないですね。……でも、そんな事をして何になるんですか?」
錬金術師を支配下に置くとして、利益はなんだろう。特に無い気がするんだけど。錬金術師として、新人なら特にだな。囲い込むなら、もっと別の手段がある訳で。雇えばいいじゃん? 錬金術師を雇用してはいけないなんて決まりはないんだし。そもそも契約錬金術師も居るからな。自分のお店をやるだけが、錬金術師ではない。商人と提携して、素材を融通してもらう代わりに、安く品物を作って貰う事は出来るんだ。錬金術師も給料制になれば、食いっぱぐれる事も無いんだし、メリットはあるとは思うぞ。開業するよりも、余程ハードルが低い。まあ、設備に投資したりしないといけない分、商人側に負担が大きいとは思うけど。
「1つは、支配した方が利益が大きいのよね。借金の分を無償で作らせるわけだから。ポーションなんて少額のものに関してはどうでも良くて、フルポーションなんかの高額商品や、魔道具なんかも作って貰えるようになるでしょう? それを転売するだけで儲かるんだから。支配しておくことに意味があるの。もう1つは、自分の商会に錬金術師がいると、素材の価値が化けるのよ。素材は素材の価格しかない訳。でも、私たちだって儲けないといけない。素材を高額な商品に変えるでしょう? それを売りに出来れば、莫大な利益が転がり込んでくる訳ね。最後に1つ。錬金術師って価値が高いのよ。それを持っているってだけで、ステータスなのよね。宝飾品と同じね。自分の価値を高めるために錬金術師を囲い込むの。自分の有利なようにね」
「……利益になるってのは解りますけど、雇えば良いだけの話ですよね? それでも十分な利益になるとは思いますけど。借金なんて、高額な商品を作らせていれば、その内返せますよね?」
「あら? 借金は減らないわよ? 解らないかしら?」
「普通に利率は国が決めてますよね? ……守らないんですか?」
「守る訳ないじゃない。誰もその商人に口出ししないんだから。口を出しそうな貴族に関しては、金を握らせて終わりよ」
「……ああ、そう言う事ですか。ボッテンハイム子爵なら、金で言う事を聞きそうですね?」
「事実そうしているんじゃないかしら? その内来るんじゃない? まあ、今回の新人は、簡単には借金漬けになんて出来ないんだけど。いくら持っているのかしらね?」
「さあ? 白金貨5ケタになった時くらいから数えてないですけど」
「中小の商人じゃあどうにもならないわね。大規模な商人が出てきても、いい勝負するんじゃないかしら? そもそも依頼を受けなくても過ごしていけるんだから、何の問題もないわよね。依頼を受け続けないといけない錬金術師も居るから。新人なんて特にそうね。お金を稼がないといけない訳だし。でも、そこまでお金を持っていれば、仕事なんてしなくても良いものね」
「まあ、仕事なんてしなくても良いのは確かですね。素材を全部買われたとしても、自分で取りに行けば問題ない訳ですし。錬金術師って、半分以上は自分が戦えますからね」
「戦えるけど、戦えるのレベルがあるわよ。主席なんでしょ? 何処まで戦えるのかしら?」
「さあ? とりあえず、レイトーン村に居る魔物の調査はしましたけど、最強なのはグラングレイズベアでしたね。余裕で倒せるんですけど。行こうと思えば、亡者の鉱山都市ベルンケラーまでは行けますからね。師匠に行けと言われたら、いかないといけないかなとは思いつつ、断っているんですが。流石に1人で行くのは心許ないので」
「……戦闘もそこまで出来るのね。これは、本格的に商人の方が可哀そうになるかもしれないわね。多分だけど、1人くらいは動くわよ?」
「動いてくれた方が、冒険者的には助かるとは思いますね。素材を高価に買ってくれる訳ですから。それに、価格競争になってくれれば、どんどんと値上がりしますからね。そんなボーナスタイムは欲しいと思いませんか? 今は獣人の冒険者に借金をしてもらっていますからね。高価な買い取りは望むところなんですよ。そんな事をしてくれるのであれば、商人から搾り取るために、こっちも値段を吊り上げていかないといけないですね」
「楽しそうね。でも、商人も相手を間違えたのは問題ね。こんなに優秀な錬金術師を相手に、勝てる訳がないじゃない。でも、時間はかかりそうね。いくら何でも、そんなに高額な素材は無いだろうし。良い闇属性の素材を手に入れられれば良いのかもしれないけどね」
「ふっふっふ。実はですね。高額な買い取り商品があるんですよ。これが今、一番いいタイミングなんです。冬の間に来てくれる方が嬉しいですね。良い素材がありますから」
「冬の間だけ? レアな魔物が出てくるのかしら?」
「出てくるんですよ。ジャックフロストっていう妖精なんですけどね? 丁度今が狩り時なんですよ。ここに来た理由も、ジャックフロストから取れた、妖精の羽をお裾分けしに来た訳ですし。こんな感じで保存してあるので、劣化はしませんからね。いやー、良い時に良い情報が聞けました。是非とも冬の間に、商人には価格競争をしに来て欲しいですね。妖精の羽は、現地価格でも金貨1枚はしますし。まあ、保存には死体が必須ですけどね」
そんな感じで、妖精の羽を見せる。今日はこれを取引しに来たんだからな。空間属性の素材なんて滅多に手に入らないんだし、エレミーさんも欲しいと思うんだ。4枚で1つの保存瓶を使うから、10個ほど持ってきたんだけど、要らないかな? 俺なら欲しいと思うんだけど。
「妖精の羽は良いわね。価値も高いし、空間属性も珍しいもの。しかも、ちゃんと処理してあるんだから、この町では金貨20枚くらいでも売れるわね。まあ、そこまで買わないといけないものなのかって言われると、微妙な所ではあるんだけど。でも、あれば薬も作れるし、私も欲しいわね。いくらかしら?」
「とりあえず、運賃込みで金貨3枚を予定してます。10個持って来たので、金貨30枚くらいなら何とかなるんじゃないかなって」
「勿論買うわ。……でも、最低でも金貨1枚の素材が吊り上がっていくのね。商人としては泣くしかないわね。無限に買える訳がないんだから。こっちで捌こうにも、私のところ位しかまともに買ってくれないわよ?」
「それでなんですが、もしその商人が売りに来たとしても、正しい保存方法は教えないでくれますか?」
「正しい保存方法を? ……ああ、そう言う事。買い叩けって事なのね。別に良いわよ? 保存瓶に入れるだけだと、かなり劣化していくし。それでも空間属性の素材だから高いとは思うけどね」
「で、ものは相談なんですが、間違った保存方法の妖精の羽を売ってくれないですか? そっちの言い値で良いので。……実は、そう言う事に使えるユニークスキルを所持してまして」
「ユニークスキル? ……本当に恵まれているのね。ユニークスキルなんて使い物にならないものが殆どじゃない。その中でも当たりを引いたのね。羨ましいわ」
まあ、当たりなんてものじゃないんだけどな。マジで錬金術をやるなら必須級のレアスキルだ。師匠も結局探してみたけど無理だったって言っていたし、他の人のユニークスキルを聞くのって、余りよろしくないって感じだしな。自分でいう分には良いんだけど。出来れば聞かない方が良いってのがユニークスキルだからな。奴隷は例外である。国立錬金術大学校も、例外と言えばそうなのかな? 履歴書の代わりって感じで書いたけど。
「そんな訳で、価値の落ちた妖精の羽を買い叩いてもらえれば。こっちは金貨1枚でも買いますよ? 素材の価値は、簡単に上げられるので。空間属性って事が重要なんですよね。色々と便利なユニークスキルを持っているので、無価値の素材でなければ、こっちで買い取りますよ」
「なら安心して買い叩けるわね。まあ、それくらいの価値しかないものでもあるし。素材も無駄にならないのであれば、良いんじゃないかしら?」
「素材を無駄にするなんて勿体ない事はしないので。まあ、マジックバッグが量産体制に入るくらいですかね。獣人たちにも貸しているんですが、この機に買い取って貰えればなとは思います。どんどんと値上がりさせてしまって、こっちに利益が来るようにしてしまわないといけないですね。……普通の商人って、どのくらいの金額を持っているんですか?」
「そうね。規模にも寄るけど、白金貨300枚くらいで小規模を脱出って感じかしら? 後は何処までの資産があるのかは解らないわね」
「目安でどんな感じなのかを聞いておきたいです。ここの商人で、比較的大きな所が来るとすれば、どのくらいの資産が見込めますか?」
「大きい所が来るなら、白金貨2000枚は持っているんじゃないかしら? 全部搾り取る気?」
「はい。全部搾り取る気ですね。その方が楽しい事になるじゃないですか。商人が1つ破産すれば、獣人の商人の動きも大きくなるでしょうし、メリットはありますからね。ボッテンハイム子爵家を潰すのもついでに考えないといけないと思うので、出来れば、大きな商人が来てくれて、資金的にも厳しくなれば良いと思うんですよ。獣人側の資金が増えれば、ボッテンハイム子爵家を潰すのも早くなるでしょうし、良い事ばかりだと思う訳です」
まあ、上手くいけばって話ではあるけどな。この冬に来てくれるのが一番だとは思う。こんなボーナスタイムにこないほうがおかしい。来るなら今だぞ。今なら高額な商品を取引できる。最大で白金貨2000枚を搾り取ることが出来るんだ。マジックバッグ15個分だぞ。獣人たちばかりが利益を得られるわけではないとは思うが、それでもかなりの利益になる。自分たちのマジックバッグを持てるようになれば、一気にできることが増える。良い事しかないな。商人には、是非とも来て欲しい。その事も、オーロンドたちに伝えておかないと。高く買い取ってもらえるようにどんどんとこっちの値段を吊り上げる準備もしておかないといけないな。
まあ、村の子供たちの買い取りは、俺がやらないといけないとは思うけど。少額だからな。それくらいは買ってくれない可能性もあるんだよな。……倍以上で買い取ってくれるのであれば、子供たちにもそっちに売りに行けって言うけど。高い値段の方が嬉しいだろうからな。武器を買うのにだって、金は必要だ。そんな金を何処で用意するんだって話ではあるんだ。親から貰う金額だって、知れていると思うしな。無理に親から搾り取る必要はない。搾り取る対象が来てくれるんだから、安心して売ってやれば良いと思う。
「悪い顔をしているわね。商人が可哀そうに思えてきたわ。けど、手加減抜きでやりましょう。今後の事も考えるのであれば、潰しても良い商人だろうし」
「ですよね。潰しても良い商人は、潰してしまうに限ると思うんですよ。搾り取るなら、可能な限り搾り取ってやるのが良いと思います。それで獣人たちの商人の動きが良くなれば、こっちとしても利益がありますからね。冬の間は、勝負の時だと思うようにします」
「がっつり儲けてやりなさい。誰も咎めはしないわ。私も、もし利用してくるようであれば、搾り取ってあげるから、期待しておきなさいな」
「はい。その時はお願いします。じゃあ、そろそろ帰りますかね。必要な事も話し終えましたし。出来れば、遠距離で会話が出来るものを作ろうと思っているので、作れたら売りに来ますね」
「遠距離で会話って……。そんなものが出来るのかしら?」
「出来ると思いますよ? 光属性と闇属性があれば、何とかなる気がするんですよね。まあ、まだまだ研究中ではあるんですけど、遠くと話が出来る様になれば、一気に出来ることが広がるじゃないですか。それを目指しているんですよね」
電話が出来れば、色々と捗るとは思うんだよな。携帯電話が出来てから、一気に仕事が早くなったというのが、前世だったからな。携帯電話が出来て、どこでも話が出来る環境になれば、一気に仕事がやりやすくなるんだから。
情報は武器だ。それが即座に手に入る様になるんだから、電話というものは恐ろしいものなんだよ。まあ、仕様については、今考え中なんだけどな。どんな感じになるのかは不明だが、まずは固定電話を模したものになるとは思う。無線ではあるので、携帯電話と遜色ないとは思うけどな。大きいから、本当に初期の物になるんじゃないかな。初期の携帯電話って、肩掛け鞄くらいの大きさがあったって言うし。実際には見た事ないけど。そんなに大きくても便利だったんだから、小型化なんてしてしまえば、非常に便利になるだろうな。難しいかもしれないけど。
とにかく、出来ることが増えるんだから、電話は作らないと。光電話って言うくらいなんだから、光属性は使うんじゃないかなって予想が出来るよね。必要ないかもしれないけど。なんとなくだけど、通信するには、闇属性じゃないと駄目なんじゃないかなって思っているんだ。死属性や聖属性は違うんじゃないかなって思うんだよなあ。空間属性も時属性も、微妙に違う気がするし。そもそも時属性を使うってなると、かなり高額な物になるからな。出来るだけ避けた方が良いとは思う訳で。誰でも買えるような物が望ましい。1人につき、1つ用意出来れば、一気に世界が変わると思うんだよ。
そんな訳で、エレミーさんのお店を後にして、レイトーン村まで走る。雪もものともせず走る。多少は積もってきているけどな。障害にはならないんだ。その程度の雪で止まるようなものではないんだよ。胴長は便利だ。色々と使い道があってよろしい。もっと便利に使えるものを開発しないといけないかもしれないけどな。どうしても、防御力には難があるからな。硬い金属があれば良いんだが。それを入手するためには、ベルンケラーまでいかないといけないんじゃないか。そう言う思いがあるんだよな。本末転倒というか何というか。そこまで行くのに、強化された金属が欲しいんだけど。
段々と計画は進んできている。どんどんと前に進んでいっている。獣人たちが前へ前へと進めていっているんだ。それを後押しできればなとは思う。ボッテンハイム子爵家を潰すのも仕事だ。邪魔なんだから、潰してしまっても問題ない訳だ。積極的に潰しに行くぞ。




