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反転の錬金術師  作者: ルケア


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ボッテンハイム子爵を追い落とせないか

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「ほう。冒険者に限度か。素質方面ではなく、限度と来たか。皆が冒険者に成れるわけではないのは解るが、冒険者に成れるとしてもなれないと言う事なんだろう?」


「そう言う事ですね。冒険者にも限度があります。狩場が有限なので。冒険者として大量の同朋を買ったとしましょう。同じ場所で大量に買った場合、狩場も同じ場所になりますよね? そうすると、1人当たりの魔物の数が少なくなってしまう。それでは、稼げない同朋も出てきてしまう訳です。もしかしたら、全員が微妙に足りない金額しか稼げなくなるんです。それでは宿にも泊まれない。こちらが家を用意したとしても、今度は食事にも困ることになるでしょう。同朋を多く救いたい。それは私も同じです。でも、それには限界がある。そして、冒険者としても、伸びる同朋と、伸び悩む同朋が居るとは思います。……貴方が教えてくれている魔法を使ってもです。全員が確実に強くなるわけではない。どうしても限界が来てしまう。そうなってくると、中位クラスの狩場もいっぱいになってしまうんですよ。人間も居るのに、同朋も沢山居れば、食べていくのに十分な成果を残せない同朋も多く出てくるでしょう。それでは、奴隷へと戻るだけなのですよ。だから、同朋の開放にも、ある程度の時間が必要なのです。……助けられない同朋も出てくるでしょう。ですが、共倒れをするくらいなら、少しでも同朋が生き残る方を選ぶ。それは、選ばれなかった同朋も承知の上だと思います。私たちは、何でもかんでも同朋を救いたいという欲求を持ちながらも、犠牲にしなくてはならないという現実も知っているのです。そして、最終的には、戦場に連れて行かれる可能性もある訳ですから。それでは同朋を助けた意味がなくなる。私たちだって、全員を助けられるのであれば助けたい。しかし、どうしても限界はあるのですよ。残念なことに、ですね」


「……そこまで解っているのであれば、問題無いか。稼いだだけ、獣人の奴隷を開放していくといわれたら、それは止めておけという所だからな。稼ぐにしても限度がある。抱え込むにしても限界がある。それを認識しているのであれば、問題は無いだろう。……助けたいという気持ちもあると言う事だ。その気持ちは忘れないで欲しい所ではあるな」


「それは勿論ですよ。全員救えるのであれば、それが最良ですから。ですが、現実はそうではない。差別種族として獣人がいる以上、全員の開放は不可能なんです。それでも開放したければ、多額の資金をつぎ込まなくてはいけなくなってしまう。それでは、獣人全体が沈んでしまう」


「まあ、助けようと思えば、手段を問わないのであれば、何とか出来る可能性のあることはあるんだがな。それ相応のリスクというものが存在するが」


「……そんな理想のような方法があるのですか? 是非とも聞いておきたいですね」


「現王を打ち倒し、獣人と共存を望んでいる王に挿げ替える、または、獣人が王になる。それが成し得た時、全ての獣人を開放できるだろう。現実問題として、出来るかどうかは置いておくとしてだ。出来た場合は、莫大な利益を齎してくれるだろう」


「出来れば、ですよね。失敗すれば、獣人は反乱分子として、粛清されてしまいます。それはリスクが大きすぎる。やるにしても、何百年後の話になるんでしょうか。かなり大きな勝負になる訳ですから、準備から何まで、もの凄い金額が必要になりますね」


 だろうな。失敗すれば、獣人は居なくなることになるだろう。もしくは、隠れ潜むことになるだろうな。成功すれば、この国の全ての獣人を開放する事が出来るが。効果は絶大。だが、リスクが大きすぎるのが問題だろう。解っていても手段としては取れない。仮に獣人の方が数が多いのであれば、何とかなるのかもしれない。けれど、人間7に対して、獣人は2。3.5倍ほどの差がある。獣人の方が基礎は強いといっても、人間にだって、かなりの猛者がいる。正面からの衝突となれば、数の少ない獣人の方が不利だろう。不利だからこそ、打って出るという考え方もあるんだが、どう考えてもリスクが大きすぎる。出来るかどうかも解らない作戦を取る訳にはいかない。でも、理想を叶えるのであれば、それくらいの事はしなければならない。


 難しいとは思うけどな。獣人が勝つ保証なんてどこにもないんだから。やれば勝てるというのであれば、既にしていると言う事でもある。そうなった時には、カースト上位に獣人が来て、その下に人間が来る事になるだろう。まあ、人間の方は、そんな事をしなくても、勝手にカーストを作っているのが現状ではあるんだが。獣人のカーストは最下位、でも、人間でも最下位まで落ちることがある。エルフや他の種族も同様だ。既得権益が決まっており、それ以外はカーストが変動する。ある意味、既得権益層以外は、平等だとも言えなくもないのが今なんだよな。植民地に比べれば、まだまだ人権は保障されている方である。植民地は、捕まっていない奴隷と同等の扱いだからな。人間も獣人も、それ以外の種族もだ。


「最後の手段としては有りなんでしょう。ですが、それをするには、獣人がもっと強くならなければならない。人間の軍隊を蹴散らすほどの力が必要になります。その後に、南の国との戦争も待っている訳です。そこに人間が使えないのであれば、同朋でどうにかしないといけなくなります。それでは、国を盗る意味も薄れますね」


「まあ、理想だけで言えばそうなるというだけだ。そんな事は普通は出来ない。する気も起きない。それが普通だ。人というのは、普通が一番だ。そんな事を考えなくてもいい様な、世の中になれば、一番良いんだろうがな。どうしてもというのであれば、俺も考えなくもない。何とか出来るだけの手段を手に入れることは出来るだろう。そこまでして、国を盗っても、獣人の利益になるのかどうかは別問題だ。必ずしもいい方向に変わるとは言えない」


「でしょうね。本当に最後の手段としては有りでしょうけど、現状はそこまでではないとは思います。……苦しいですが、それでもまだ普通に生きられる同朋も居ますからね」


「だが、出来ることはした方が良い。例えば、宮廷工作とかだな。獣人が入り込む隙は無いのかもしれない。だが、地方の領主を獣人が、と言う事は出来るとは思うぞ。人間でなければ、貴族になれないという訳ではないからな。力を持てば、獣人とて貴族になることは可能だ。王都を攻めるよりは、余程現実的な目標にはなるとは思うが」


「……そんな事が可能なのですか? 獣人が領主になるというのは、殆ど不可能な領域だとは思いますが?」


「可能だぞ。例えば、ここの領主、ボッテンハイム子爵家を乗っ取ることは可能だ。ボッテンハイム子爵は無能だからな。領都はテッケルン。そこの貴族だけを狙うのであれば、可能ではある」


「ですが、それを王宮が許すでしょうか? 普通は許さないとは思いますが?」


「それこそ知恵を使うのだよ。例えば、ボッテンハイム子爵家が、現王の転覆を狙っていたとしたら、どうする? それを止めた者は、貴族として叙爵してもおかしくないという噂を流す。王宮はその流れに乗るだろう。ボッテンハイム子爵はそんな事はないと言い訳をするだろうな。しかし、噂がどんどんと大きくなれば、王はどうすると思うか。そんな奴を貴族にしておくのは危ないと考えるだろう。特に愚か者が王をしているのであれば猶更だ。噂を流し、それを獣人が止める。そう言うストーリーを描くんだよ。そうすれば、合法的に領地持ちの貴族を作り出すことが出来る。そして、獣人が貴族となったのを認めるのかだが、認めさせるんだよ。大々的に南方に進出している軍を支援する事によってな。支援の方法は何でも良い。金でも食料でもな。武器は、まあ難しいだろう。そもそも資源のある土地なのかどうかが解らないからな。もしも資源があれば、その資源を支援してもいい。だが、一番足りないのは食料だろう。それをどうにかするだけの物流があれば、王の歓心を買う事は可能だ。それだけの組織だった動きが必要になる訳だが、出来ない訳ではあるまい? 獣人の結束力は本物だ。それを使って、地方領主を追い落とすことは可能だろう」


「……本当にそんなに事が簡単に動くでしょうか?」


「動かすんだよ。材料は多々ある。例えば、ボッテンハイム子爵領の冒険者の質だな。年々落ちていることを大々的に広めてしまう。何故落ちているのか。戦争に非協力的だから、わざと質を落としているのではないか。そして、良質な冒険者を雇用し、暗殺者へと育成する。その為に冒険者全体の質を落としているのだと、噂を流せばどうなると思う?」


「一部に本当の事を使えば、否定はし難くなる。噂が消えなければ、王宮とて、最後には動き出さなければならなくなるでしょうね。面倒だとは思いつつも、対処しなければならないでしょう。そこで先ほどの噂も流してしまえと。……現実になるかどうかは解りませんが、可能性としてはある方かとは思いますね。獣人の戦力で鎮圧してしまい、そのトップを貴族として担ぎ上げる。信用のために、食料を軍に供給する役割を担う。そうする事で、潰したくても潰せない土台を作っていく」


「そうだ。というか、そう言う事をしなければ、獣人の地位は上がらない。大きなことを避けていれば、ある程度の生活は出来るんだろう。だが、それではある程度で止まってしまう。国が取れないのであれば、地方から変えていくしかない。長い長い計画になるとは思うが。それに、俺にとっても、今のボッテンハイム子爵は邪魔なんだよ。冒険者を優秀に育ててしまいたい。獣人の冒険者を優秀にしてしまう事は、計画の中に入っている。だが、それも獣人だけでしかない。人間の冒険者も、ある程度使えるようになって貰った方が利益になる。その為には、今のボッテンハイム子爵では駄目な訳だ。ならば首を挿げ替えてしまえばいい。それに、獣人が名乗り出ても、不思議ではないはずだ。獣人だって民だ。全員が奴隷という訳ではない。獣人が貴族になれないと決まっている訳ではない。だから、実績を作って認めさせる。実効支配をすればいい。そして、表面上は王国に従いながらも、強かに動けばいい。それくらいの事をやらなければ、獣人は今のままだぞ? それとも、ボッテンハイム子爵の統治に納得がいっているのか?」


「商売先としては、ボッテンハイム子爵領は有望では無いですね。経済が停滞していますから。流れる金の量は、他の領地に比べて少ないですからね」


「その点も噂にして流してしまえばいい。王国に寄与することなく、富を貯め込んでいると。それで現王の打倒に金をつぎ込んでいるのだと。噂なんて所詮は噂だ。だが、否定しにくい噂を流すことで、自分たちに有利な状況を作り込んでいく。地方領主と言っても、かなりの権力だ。それなりには使い物になるとは思うぞ。まあ、動くか動かないかは、自由だけどな。ただ、俺としては、動いてくれた方が、今後の事を考えると、楽になるとは思うがな」


「……なるほど。それが最初にも話していた、利益で動くと言う事ですか。ですが、国を落とすよりかは現実的なラインですね。地方と言えども、領主の権限は大きいですから。出来るだけ領地を発展させていけば、王国の信用も買えますか」


「まあ、そう言う事だな。出来るか出来ないかで言えば、出来るラインにまで下がって来たとは思うがな。1つの地方だけでも抱え込んでしまえば、利益は大きくなる。細々と商売をしているだけでは救えない同朋も、貴族となれば、仕事を作ることも出来る。俺がやっても良いんだが、手数が少なすぎるからな。1人では出来ることに限界がある。エルフを集めて襲撃するにしても、何もかもが足りなさすぎるんだ。一番足りないのは人口だな。エルフは国民の1%未満。どれだけの数が居るのかも解らない。そんな戦力をあてには出来ない」


「エルフには無理でも、獣人には可能だろうと。それだけの情報網もあれば、頭数もいる。……現実的な所で言うと、まだまだ空想の世界でしかない訳ですが、可能性としては出てきた方ですね。持ち帰って相談をしてみても?」


「俺は歓迎するぞ。何処までの事が出来るのかは知らないが、早ければ3年後にでも事は起こせるだろう。獣人には、それだけのネットワークがあるはずだ。エルフにはそんなものは無いからな。同族が何処にいるのかなんて、誰も知らないとは思うし」


 出来るか出来ないかで言えば、出来る。ボッテンハイム子爵は、それだけ無能なんだ。噂で突く場所なんて幾らでもある。突くことが可能であれば、大きな噂として国中を巻き込むことが出来るだろう。王宮が討伐命令を出してくれれば簡単なんだけどな。流石にそこまでにはならないとは思う。だが、疑念は残る。噂というものは、一部に真実を混ぜるだけで、途端に怪しくなるものなんだ。真実は1割で良いと言われている。1割が本当であれば、残りの9割も実は本当だったのではないかと思わせる事は可能だ。そして、ボッテンハイム子爵家を追い落とした後に、証拠が出てきたと偽ればいい。嘘の書類でもでっち上げれば良いんだよ。その辺は協力できることもあるとは思う。是非ともやってくれ。


 獣人が国の中に入り込めば、獣人の地位向上も狙えるだろう。そして、獣人はボッテンハイム子爵領を目指すことにもなる。そうすれば、優秀な冒険者として活躍してくれるだろう。魔法が使える獣人が殆どになってくれているはずだ。そう言う獣人を集めれば、そこそこの戦力になるはずだ。そして、亡者の鉱山都市ベルンケラーを攻略すればいい。死属性の素材が沢山入手可能になるだろう。それだけではない。鉱山都市というだけあって、鉱山資源も取れるだろう。マジックバッグがあれば、それらを持ち帰ることも可能だ。そうすれば、町の発展にも寄与するだろう。


 全てが上手く行く訳ではない。出来ない事もあるだろう。だが、ボッテンハイム子爵を追い落とし、獣人が貴族になることくらいは出来ると思う。その方が俺にとっても利益になるからな。アドバイザーとして、入ることも吝かではない。口だけ出しても良いのであれば、出させてもらえることに越したことはないからな。だから、今の内から、獣人たちとは良い関係で居られれば良いとは思う。これも利益があれば、協力すると言う事でもある。俺にも利益を分けてくれ。そんな感じだな。


 さて、どう動くのかだな。俺は獣人が貴族になってくれた方が助かる。もしも貴族になってくれれば、援助は惜しまない。出来ることはやってやるつもりだ。その為にも、自分の研究を何とかしないといけない訳なんだけど。こういう時に便利なのが電話だ。遠距離通信は持っておくに越したことはない。あれば便利というレベルではない。情報の早さは、何ものにも変えられない。正しく情報が伝達できれば、世界は変わる。その為にも、電話の作成を急がないといけないだろうな。

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