3人寄れば姦しい
OFUSE始めました。
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ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
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さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
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「ただいま」
「レジエナ、お帰り。今日もまた店番を頼めるか?」
「解った」
「なんだ? 嫁に困って幼子に手を出したのか? 私とそんなに変わらんぞ」
「馬鹿言わないでくださいよ? 保護したんです。奴隷にされてましたからね。他の貴族に買われるよりはマシでしょうよ。同族なんだから、こっちで面倒を見ないといけないと思う訳です」
「なんだ。嫁にしないのか? 今から教え込んでおけば、大きくなった時に困らんだろう」
「あのですね……。普通、子供にそう言う目を向けますかって話にもなってくるでしょう? そりゃあ、種族の関係上、師匠と同じくらいの大きさですけど、レジエナはエルフなんですよ。師匠とは違うんです。そう言うのは最低でも15歳になってから考えることだと思うんですけどね?」
「そもそもエルフなんて種族、少なすぎて嫁が見つかるとは思えん訳だ。今から嫁として教育しておけば、大きくなった時に困らないだろう? 私みたいになるのが良いのであれば、外に出すことも良いとは思うがな」
「師匠の種族は珍し過ぎるんですって。エルフよりも希少種じゃないですか。婿探しを諦めたのかと思いましたよ?」
「馬鹿を言うな。私はまだまだ若いんだ。可能性としてはまだある。この国だと同族が居なさすぎて困るがな。流れ物には辛い話だ。子孫を残すことも、雌の役割だというのに」
「師匠が生物的な役割論を語るとは思いませんでしたね。……ここよりも、もっと南方の種族なんでしたっけ?」
「そうだ。エルフはまだいるが、私の種族はどうしても少ない。国に100人居るかどうかだ。そんなのを探しにいかないといけないんだぞ。面倒じゃないか。やってきてくれるのを待つしかない訳だ。子孫を残せないというのは寂しいぞ? まあ、子供が出来ても、旦那に任せきりになるとは思うがな」
「えっと?」
「ああ、俺の師匠のクエスエーレだ。こう見えても、俺たちよりもずっと年上だからな。ちゃんと敬うようにしないといけないぞ?」
「レジエナ。よろしくお願いします」
「おう、よろしくな。それで? レジエナは、こいつの事をどう思うんだ? 旦那として見られるか?」
「そう言うのを、本人の前で言わんでくださいよ……」
「サンルーグの事? 旦那としては良物件。お金もあるし、仕事もある。環境は悪くない」
「ほほぅ? 確かにそうだ。仕事も金もあるだろう。それ以外には無いのか?」
「しいて言うなら強さ? わたしの両親は自分を守れなかったから」
「強いのもお墨付きだ。私が鍛えたからな。普通の魔物程度には遅れは取らんはずだ。冒険者連中よりも強いぞ。まあ、こいつが軍を相手取れるかと言われれば、微妙だがな。100人までは何とか相手が出来るだろう。いや、魔法を使えば、1万だろうが相手には出来る。こいつにそれだけの虐殺が出来るだけの覚悟があれば、だがな。魔法はイメージだ。強いイメージは、何もかもをひっくり返す。魔力量が多ければ多いほど、そのイメージは具体化し、具現化する。こいつの想像力は大したものだ。想像力だけなら、私を超えている。ただ、その覚悟があるのかどうか。万物をゴミとして扱えるだけの覚悟があるのかどうかだ」
「おおー。優良物件」
「どうだ? 嫁になりたいか?」
「なりたい。どうすればいい?」
「そこは篭絡するしかないだろう。サンルーグ、ズボンを下ろせ」
「はい解りましたという訳が無いでしょうが。何がズボンを下ろせだこの馬鹿師匠。まだそんな事は教えなくてもいいというか、俺を実験台にして遊ぼうとしないでくださいよ」
「解っていないな。男とは、下で考えるのだ。故に今から教えておいた方が良いだろう。扱い方から何からまで、教えることに早いも遅いも無い。知りたいと思った時、それが教える時だ」
「だからと言って、俺でやらないでくださいよ。……いや、他の人でもやっちゃいけないことだとは思いますけどね?」
「何、何事も勉強だ。エレナも興味はあるだろう?」
「はわ!? えっと、えっと……」
「いや、本気にしなくても良いから。というか、人のお店環境を悪化させるのは止めてくださいよ」
「こういうのは、女の方が早めに知っておくことで、防止できることもある。エレナも知っておくべきだ。何時男とそう言う事をするのか解らないからな。人間は15歳から20歳くらいで子供が作れるようになる。まあ、それはエルフとて変わらない訳だが、子供が出来るようになるからと言って、女だけでは子供は出来ない。必ず男が必要だ。これは錬金術でもどうにもならない事なんだよ。多くの錬金術師が、自分一人で子供を作れないかと考えたものだ。男性も女性もな。だが、どうやっても不可能だった。どんなに高級な素材を使おうとも、不可能な事はあるんだ」
「……それは初耳ですね。錬金術で人体を作る実験があったんですか?」
「ああ、あったぞ。その頃からの名残で奴隷があると言ってもいい。奴隷は人体実験の道具として、錬金術師が好んで使っていたものだ。奴隷の首輪を作っているのも錬金術師だろう? 人体の神秘を解き明かそうとして、色々と非人道的な実験を繰り返してきた。生きたまま腹を割かれた奴隷の数も数知れず。何とかして人体の神秘を解き明かし、自分の優秀な頭脳を残そうとしていたんだ」
「クローンでも作ろうとしていた訳ですかね? それとも人工子宮の研究か? 人工精子って可能性も無きにしも非ずですけど、そっちは何とかなりそうな気はするんですけどね……」
「聞いたか? こいつは不可能だといった事を出来そうだと語った。すなわち、それだけの想像力があると言う事。それ以上に、人体の神秘すらも知識として蓄えている可能性がある。不可能を可能にする可能性もあるんだ。こんな優良物件は中々ないぞ?」
「おおー」
「凄いんですね」
「そうだ。この馬鹿弟子は、不可能を可能にするだけの知識がある。こいつにくっ付いていれば、将来困ることは無いだろう。それくらいには規格外の存在だ。エレナも良い所に就職した。人間でなければ、こいつも嫁にしていただろう。レジエナは積極的に狙っていけ」
「嗾けないでくださいよ? まだまだ子供なんですから」
「ふん。レディを子ども扱いするのはどうかと思うぞ? 女はそう言う生き物だ。優秀な雄の種を残したいというのは本能だ。それに抗う事は出来ない。そもそもだ。私はこの国の一夫一妻制も反対なのだ。優秀な雄は、多くの雌を抱え込めばいい。同時に、優秀な雌も、多くの雄を抱え込めばいい。そうした方が種としては繁栄する。人間が愚かなのも、これが原因だ。優秀な種を残さなければ、いずれは無能しか居なくなるぞ?」
「……まあ、どっちの頭脳が遺伝しやすいかと言われたら、男性の方がとは言われますけどね。詳しい事までは知りませんけど。けど、多夫多妻制をとは言わないんですね? 集団婚でも良いんじゃないかとか言い出すんじゃないかとか思ったんですけど」
「集団婚は余りよろしくない。結局は無能が入り込む隙がある。多夫多妻制よりも、一夫多妻、多夫一妻の方が良い。そして、女の本能的にも、それの方が良いと囁くのだよ。優秀な雄の種を残す方が、種としては繁栄するだろう」
うーん。割とそれには懐疑的なんだよなあ。有能な人材だけを集めても、必ず良い社会になるとは限らないんだよな。働きアリにサボる奴が居るように、無能がある程度紛れ込んでいないと、リスク管理が出来なくなるんじゃないか。そう思えてならないんだよな。遺伝子的に偏るのは、大きな危機があった時に不利な気がするんだよ。まあ、確かに一夫多妻制の方が人口は増えると思うが。多夫一妻制も必要だろうしな。……顔だけ良い男とか、何かに特化した男を、優秀な女が抱え込むことは、悪い事ではない。遺伝子の多様化も進むだろうし、そもそも他の女を優秀な男が抱え込むことになるので、男は余りがちになるからな。女に囲われるだけの男になる様に、努力が必要になってくる訳なんだけどな。
まあ、師匠の言う事を本気で否定する訳ではないが。女の本能的に、そういうものを求めているのかどうかだからな。男の俺には解らない。まあ、稼げて、イケメンで、良識のある人が、多くの女性を囲っても、別に良いだろうとは思うけどな。それは好きにやってくれればいいと思う。……男としては、精力剤でもないと、厳しいとは思うけどな。性欲がある方が良いって時代になってくるのかもしれない。まあ、英雄色を好むともいうし、一概には間違っていないんだろうが。
「とにかくだ。女には女の役割がある。次代を繋ぐことが女の役割だ。エルフはまだいい。800歳くらいになるまでは子供が作れるからな。人間はそうもいかない。凡そ35が限界だと言われている。それ以上になると、母体が持たない。出産の例は沢山あるが、死亡する例も沢山ある。35からは一気に死亡率が跳ね上がるんだ。もしかしたら、何かしらのポーションを開発できれば、人間も50歳くらいまで産めるようになるかもしれない。だがな、ポーションに頼ることを是としてはいけない。人体とは、無理が出来ないようになっているんだ。エレナもよくよく考えるといい。15歳になった時、未婚であれば、急ぐべきだ。男の確保をするべきだ。幸いにも、エレナは錬金術店の店員だからな。収入は余裕がある。だから、優秀な男を選べばいいという訳ではない。自分にとって都合のいい男を探せ。優秀な男というのは、浮気をするものだ。女がそれだけ多く寄ってくるからな。それでも良いというのであれば、その男を捕まえるべきだろう。本能もそれで正しいと思うだろうからな。だがな、本能では解っていても、人というのは、理性を持つ動物なのだ。理性がそれの邪魔をする。独占欲というのは、理性から発展してきたものだからな。だから、ある程度の男で妥協すれば、独占欲が満たされ、理性は落ち着く。本能に従うのか、理性に従うのか。どちらを選んでも、後悔するのだ。人とはそう言う生き物だからな。理性を持ってしまったがために、与えられた枷だ。どうやら神は、人という存在に、ある程度の繁殖で止めておけと制限をかけているのだよ。それの裏返しが戦争だ。数を減らせば、繁殖しても良いと言う事になるからな。だから、人は争いを止めない。醜くも争い合うのだ。優秀な男が、無能な男を殺すために、戦争という行為がある。戦場に行くのは99%男だからな。男を消費しにいっているんだ。そして、見ているだけの男が沢山繁殖する。理に適っているだろう? まあ、それは私の考えた戯言でもあるが。だが、覚えておけ。女には、自分の種を繋ぐという役割がある。その役割から外れようとすれば、社会は守ってくれないからな。男は戦い、数を減らすために存在している。女は、減り過ぎた数を再生させるために存在している。自分の価値を、捨てるような行いをすれば、男も女も、社会からはじき出されるんだ」
「……まあ、言いたいことは解りますけど、子供には難し過ぎる話ですよ?」
「子供だから教えないというのも、また違うだろう。子供の時から知っておくべきだ。そして、現実を知ればいい。女として生きたければ、種としての役割を果たさなければならない。子供が産めなかった女の末路は、寂しいものだ。今はいいかもしれない。だがな、老いてきた時に感じるようになる。子供を産んでおけば良かったと。後悔というのは、絶対に先には来ないんだ。若い内にしておくことはしておかないと、年齢がいってしまうと、子供は作れないからな」
「だからと言って、師匠の理屈は流石に難しいでしょうよ。理解できるだけの知識と経験が無ければ無理ですって。まあ、俺は男ですから? 師匠の言いたいことの半分くらいしか解らないんですけどね? 男としても、子供を残したいとは思いますよ? 自分が優秀かどうかはさておいてですけど」
「レジエナ、いいか? 自分の事を高く評価する男は、信用ならん。こいつの様に、自分が優秀かどうか解らないと言ってるくらいの男の方が優秀だぞ。エレナも覚えておけ。本当に優秀な奴は、自分の事は良く言わん。自分が優秀だと思っている奴ほど、大した事はない。そこは覚えておけ」
「解った」
「解りました」
「……解って良いのかなあ、そんな事を。自分が優秀かどうかなんて解らないのが普通じゃないですか? そんなに自信満々に、俺は優秀ですって言える奴がどれだけいるのかって話ですよ。普通の人には無理なんじゃないですか? どう考えても、優秀じゃないのに優秀だって言える訳がないんですから」
「それは賢きものの思考だ。愚か者とは、自己肯定感が高いのだ。自分を優秀だと喧伝するのだ。そう言う奴は信用ならん。自分の事を天才だという奴がいれば、離れた方が良い。大抵碌でもない奴だからな」
そんなものなのかね? 本当に優秀過ぎる奴は、自分の事を優秀だと言う気もするが。謙遜で自分は優秀じゃないのでって言いながら、テストで100点を取るんだろう? 100点が取れる奴は、自信満々で出来たと言うんじゃないかな。……いや、馬鹿も自分は出来たと言いそうだな。どっちが本物なのか、区別はつかないか。テストは点数が出るからいいが、人生は点数が出てこないんだ。自分の評価が当てになるのかと言われれば、あてにはならないだろうな。俺も、自分の評価は出来ない。出来ることが少ないとは思うが。師匠に比べればまだまだだ。今回の事にしてもそうだ。転移陣なんて、俺には作れない。出来ない事は出来ない。出来ることは出来るというが、無理な事は無理なんだ。どう足掻いても無理な事は無理だ。理解が出来ないからな。
「それで? 師匠は自分の事を天才だと思う人ですか?」
「私か? 馬鹿を言うな。私が天才でどうする? この程度の事しか出来ないんだぞ? 天才であれば、1人で子供が作れるように、研究を重ねている所だ。無理だと見切りを付けてしまったからな。出来るかもしれないと感じたお前の方が、まだ才能はあるだろう。私がここまで出来るのは、長く生きているからだけだ。人間も長く生きられれば、同じことが出来るだろう。だが、凡人はそこまでだ。本当の天才は、基礎を教えただけで化けるからな。だから、お前も天才ではない。安心しろ。才能はかなりのものだ。だが、天才ではない。それだけは間違いない」
師匠は天才の部類だとは思うんだけどな。俺は天才ではないのはその通りだ。俺が無駄に知識があるのは、転生者由来のものだ。それでしかない。だから、天才ではない。俺が出来ることは、師匠から教わった事と、前世の物を再現できるかもしれないという可能性だけだ。決して天才という訳ではない。見てしまった、感じてしまった事が先にあるからな。世の中の天才の御業を、味わってきたからこそ、再現が出来るかもしれないってだけなんだ。歴史は天才が前に進める。俺はそこまでは出来ない。だから、天才では無いんだよ。身の程は、よく解っている。出来ないことが多すぎるんだ。もっと出来ることを増やさないといけないはずなんだけどな。今はまだ、停滞している所だから。




