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反転の錬金術師  作者: ルケア


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大商いになる

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 そんな感じで毎日、いろいろと世話を焼いている訳なんだが、オーロンドたちが帰ってきた。借金の返済をしにだな。明日でも良いとは思うんだけど、今日中に何とかしてしまいたかったんだろうな。今日には借金が無事に返せた事を、仲間たちに報告したいだろうし。


「確かに。これで借金は無しだな。ちゃんと稼げるものだろう?」


「ああ、胴長と長手袋があった方が、圧倒的に効率がいい。金額も跳ね上がる。それは確認した。討伐報酬があんなにも貰えたのは初めての事だ。俺たちもBランク冒険者になるのが早くなると思っている。あれだけの討伐実績があれば、獣人とて無視は出来ないだろう」


「獣人だからって、冒険者のランクを上げないとかあるのか?」


「ある。俺たちもCランクまで上がるのに、人間の冒険者の倍以上は実績を積んでいる。それでも駄目だという冒険者ギルドもあるくらいだ」


「普通は冒険者として、ランクが高くなれば、冒険者ギルドとしても嬉しい筈なんだけどな。高難易度の依頼が捌けるんだし。それで得はしても、損をするなんてことはあり得ないんだけどな。何でそんな事になっているんだろうか。理由がよく解らない。人間を贔屓しても、冒険者ギルドには得なんて無い筈なんだけどな」


「解らん。だが、差別されていることは事実だ。そこは変わらん。まあ、これを続けていけば、冬が始まっても行動が出来る。寒くなることが無いからな。胴長は、珍妙な見た目をしているが、性能は凄いと思う。この村も、冬になれば雪が降る。雪が積もると、また別の魔物が出てくるようになるんだが、それにも対応できるだろう」


「ん? 冬限定の魔物が居るのか?」


「居るな。この森なら何処にでも出てくる。ジャックフロストという、かぼちゃの頭をした雪だるまだ。知っているか? かなり珍しい魔物だが」


「ジャックフロスト!? なんだよ、最高じゃないか。ジャックフロストはいいぞ。あれは妖精が雪だるまになっているだけの魔物なんだが、あれの羽がもの凄く貴重な素材なんだ。ただ、倒せるのかどうかだな。あれは一応だが妖精だ。早いし、羽もあるから飛べる。機動力が高いと思うんだが……。それでも何とか倒せるか? 妖精の羽は、素材としてはかなり高価だからな。1枚だけでも金貨を出すくらいには価値がある」


「本当か? ……正直、邪魔ばかりしてくるから、嫌気が差しているんだが」


「まあ、狩りにくいし、邪魔だしでよろしくはないだろう。だが、狩れるのであれば別だ。あれが狩れるのであれば、一気にこの土地の価値が上がる。妖精を倒せる冒険者なら、狙っていくべきだ。冒険者ギルドでは、何も聞いていないのか?」


「特には聞いていないな。討伐報酬もそこまで高くはない」


「そんな勿体ない。倒せるなら倒してくれ。羽だけ持ってきてくれればそれで良い。魔石もあるが、解体が手間ならそこまで必要ではないからな。ジャックフロストの魔石は水属性だ。貴重でも何でもないから、妖精の羽だけあれば、こっちで1枚金貨1枚で買い取るぞ。まあ、迷いスライムほどではないけど、貴重な素材には変わりないからな」


 なんだよ。ボーナスな魔物が出てくるじゃないか。季節限定なのが嫌らしいが、ジャックフロストはそこまで強くないし、妖精にしては遅い。……早い妖精は本当に早いからな。何というか、ここが素材の宝庫だって事はよく解った。迷いスライムも居るし、1年かければ、マジックバッグが量産できるじゃないか。まあ、俺の場合は、妖精の羽だけで良いんだけどな。こんなイージーモードの狩場があるのか。……これで死属性の素材が定期的に入ってくるようになれば、作れないものが無いくらいには充実している場所だぞ。風属性と光属性は手に入らないが、そんな事は些細な事だ。そんな事よりも重要な事があるんだからな。


「解った。冬が来て、雪が降り始めたら、俺たちはそれを狙おう。羽だけで良いのだな?」


「ああ、羽だけでいい。魔石も簡単に取れるようなら取ってくれればいいが、羽に比べたら大した金額にはならないからな。冬場は俺も頑張って探してみるか。迷いスライムよりは簡単だろうし。そうなってくると、何が必要になってくる? 雪の対処は胴長でどうにでもなるな。身体能力強化魔法をかけて、追いかけまわせば良いだけだな。そこまで準備する必要も無いか」


「そうだな。胴長があれば、雪の中も素早く動けるだろう。水の中に入っていても、暖かいと感じるくらいには、そう言う効果も出ていると言う事もある。そうでなければ、冷たさの対策も必要だった。それをしなくてもいいだけ俺たちは得だな」


「そうだな。そうだ。胴長も長手袋も、両方ともちゃんと数は作ってある。全員分はあるとは思うぞ。明日からでも、全員が着る分はあるはずだ。まあ、即金で買える冒険者がどの程度居るのかだが」


「即金は無理だ。だが、借金は楽に返せるだろう。身体能力強化魔法を覚えればの話にはなるが。それを覚えなければ、ダストフロッグまでだろう。氷雪コウモリも空を飛ばれると厳しい。俺たちは飛び道具を使うのが苦手だ。妖精もそうだが、空を飛ばれれば、面倒の一言だからな」


 まあ、そうだろうな。即金は無理でも、借金は出来る。その事は証明済みだ。ある程度稼げるようになれば、借金も直ぐに返せるだろうし、問題ないな。それなら明日からは結構な数の胴長と長手袋が出て行く事になる。しかも、これから獣人の冒険者が増える予定ではあるんだ。そうなってくると、ダストフロッグの胃袋が足りなくなるな。


「これからは、獣人の冒険者が増えてくるんだろう? 多分だが、ダストフロッグの胃袋が足りなくなる。確保できるならしてきてくれ。その分の支払いはする。まあ、適正価格で買う事しか出来ないけどな。無意味に高くすることは、獣人の冒険者にとってもよろしくないだろうからな。適正価格で引き取ることにする」


「そうだな。同朋には、ここの狩場が一番やりやすいと宣伝してきた。下手をすれば、人間の冒険者よりも多くなるやもしれん。獣人が独占している狩場があると言われると、また面倒な事になりかねないが、そもそもここは余りいい狩場ではないと言う事が広まっているからな。獣人が独占したとしても、問題にはならないだろう」


「そんな事でもやっかみがあるのか……。まあ、何でも突っかかってくるんだな。自分たちが稼げれば、それで良いとは思うんだがなあ。どうしても、他人の足を引っ張りたくなるんだろう。人間ってそう言う生き物だからな。おっと、これ以上は止めておくか」


「そうだな。子供に聞かせてもいい話という訳ではない。その話はそこまでだな。子供は純粋だ。悪く染まる前に、矯正した方が良いとは思うが、親の教育がものを言うからな」


「この村は安心できる。村長も人格者らしいし、教育も行っている。他の村には無い利点があるのは確かだ。この村から出て行く冒険者見習いは、なるべく成功して欲しいものだ」


 子供たちも、時期が来れば、冒険者として旅立っていく。何歳まで居るのかは知らないが、冒険者として出て行く子供は絶対に出てくるからな。農家を継げる者たちだけではないって事なんだよ。子供は増やさないといけない。……子供が一番死にやすいからな。保険として何人も作る必要が出てくる。そう言う子供たちは、どうしても冒険者という道しか無くなるんだよ。まあ、頭の良い奴は、自分で商売を始めるんだろうけどな。そんなのは一握りしか居ない。普通の子供は、普通に冒険者になるだろう。そうなってくると、教育がものを言ってくるようになる。


 教育を碌に受けていない人と、そうではない人の差は大きい。知ろうと思うかどうかのレベルが違うからな。しっかりと勉強をしてきた子供は、知ろうとする意欲が高くなる。嫌でも勉強はしておくべきなんだ。絶対に役に立つからな。勉強をしたことがない人との差は、勉強の仕方を知っているかどうかだ。それが解らないと、一気に差が付く。勉強の仕方を知らない人は、どうしても躓いてしまう。そこが一番の違いだな。教育を受けているのかどうか。それで明暗ははっきりと分かれてしまう。


「それじゃあ、俺たちはこれで。宿を取らないといけないからな。胴長と長手袋については、明日売ってやってくれ。借金も何とかなることが解ったんだからな。無理に稼ごうとしなければ、返せる額だ。上手い事やってくれるだろう」


「そうだな。明日からもしっかりと稼いでくれよ。討伐もそうだが、採取もだ。素材が無ければ、錬金術は不可能だ。素材は取ってきてもらわないといけない。素材に関しては、聞いてくれれば答える。その事もしっかりと伝えておいてくれ」


「解った。恩に着る」


 恩に着てくれるなら、素材を持ってきてくれよな。素材が無ければ、何も出来ないんだから。錬金術には素材が必要不可欠。魔石でも良いから、とにかく素材が必要なんだ。色々とやらないと行けないことが増えていく。だけど、それは仕方がない事だからな。お店をやる以上、やることが増えるのは良い事だ。悪く考える必要はない。良い方に考えれば良い。


「さて、エレナちゃん。明日は忙しくなるとは思うけど、少しだけ早く来れるかな?」


「はい。大丈夫です」


「助かるよ。ちょっといつもよりも忙しくなるだろうからね」


 まあ、思いっきり忙しくなるかって言われると、微妙なんだけどな。まだまだ獣人の冒険者が増える前だから。もっと増えてきたら、買い取りも忙しくなってくるだろう。でも、店員は1人で十分かな。そこまで逼迫している訳でもないし。必要とあれば、奴隷でも買ってくるんだけどな。何かしら良い感じのユニークスキルを持っていれば、頼もしいとは思う。まあ、持っていなくても良いなら、村人から雇用すれば良いんだし。そこそこのお給料は支払う事が出来るからな。金満ではないけど、それなりにお金はあるから。……貴族に比べたら、少しなんだろうけどな。貴族ってどのくらいのお金を貯めているんだろうか。内政をしないといけないとなると、相当な金額を使うと思うし、比べ物にならないくらいの資金を持っているんだろうな。まあ、俺には関係ない話ではあるんだけど。


 そんな訳で、その日は普通に買い取りをしながら、終わっていった。問題は明日だよな。どれだけの胴長と長手袋が出て行くのか。作れるだけ作ってはある。足りるのは足りる筈だ。人間の冒険者も買いに来たら、絶対に足りないけど、そんな事はあり得ないからな。人間の冒険者が買いに来ることはあり得ない。精々が、獣人が変なものを着ていると、笑うくらいだろう。ただ、人間には借金を許す訳がないんだけど。その為の信用が足りないからな。獣人は絶対に返してくれるって言う保障があるから。種族的な保障があるから、信用できるけど、人間はその人個人を信用しなければならないからな。頼まれれば、借金も許すが、返ってこないことは想定しないといけない。


 そして、朝。今日はエレナちゃんにも早く来てもらっての開店だ。そして、一気に雪崩れ込んできた。獣人の冒険者が、一気に来た。皆、稼げるかどうかを待っていたんだろうな。ここにはまだ、魔法が使えない冒険者も居るんだろうが、そんな事は関係ないといわんばかりに胴長と長手袋が売れていく。危険性の排除が大きいからな。まあ、完全に安全になる訳ではないんだけど、それでも安心感が違う。沼地に入るのであれば、絶対に欲しい。アースマッド対策にもなるしな。溶解液も弾くようになっている。万が一、攻撃されても大丈夫なようにはなっているんだよ。それでも、グラングレイズベアやグレイズベアは厳しいとは思うけど。あれはちょっと格が違うからな。苦戦は必至だろう。


「はい。安心して借金をしてもらっても大丈夫です」


「そうだ。そこで締め上げるんだ。そうする事で、心臓まで守れるようになる。だが、過信はするなよ? 絶対に攻撃を通さない訳ではない。大体は弾いてくれるとは思うが、それでも中身に影響が出ない訳ではないからな」


「すみません、サンルーグさん。こっちの紙がいっぱいになってしまいました」


「予備の紙はそっちにあるから、そっちのを使ってくれ」


 こんな感じでどたばたである。人間の冒険者たちが来る前に、何とか片付けたけどな。……まあ、何人かは笑われていたが。安心を買ったのだ。笑われるくらいは許容範囲だと思う。笑われても、命が助かるなら、その方が良いからな。……そりゃあ、誰もが、ヒロイックな物語を知っているだろうからな。見た目も大事なことは解っている。が、それでも、必要とあらば、無様な格好でも、生き残る方が重要だとは思う訳だ。かっこよく成れるのであれば、なった方が良いのかもしれないが、皆が皆、強くなれる訳ではないのだ。安全策に走る方が健全だぞ。ヒロイックな活躍が出来るのは、上澄みの上澄みだけだから。そう言う奴らは、何もしなくても、Sランク冒険者になるものなんだから。


「ふう。とりあえず、朝のピークは耐えきったな。これからは楽が出来るとは思う。……まあ、今度は大量の素材がやってくるとは思うけど、それは任せるからね。流石に今回みたいな事にはならないとは思うから。全員が示し合わせたように帰ってくる事なんて無いとは思うし。狩りの成果が出ている人たちは、早く帰ってくるだろうし、出ていない人も、暗くなる前には出てこないといけないからね。そのくらいまでは、店番をよろしく」


「はい。解りました。でも、あたしが帰った後も、お客さんは来るんですか?」


「来るよ? 遅くまで狩りをしている人たちが居るからね。まあ、そう言う人たちは、総じて稼げていない人たちだけど。ギリギリまで狩りをしないと、赤字になるからね。そう言う人たちは、この狩場に向いていないとは思うんだけどな。それが解っていたら、来ないはずなんだけどね」


「えっと、自分がどれだけ稼いでいるのかが、解らないって事なんですか?」


「そう言う事だね。今日の討伐で、どのくらい稼げているのかが、今一つ解っていないんだよ。そう言う人たちも含めて冒険者だからね。こっちは平等に扱ってあげれば良いんだよ」


 稼げない冒険者に何を言っても無駄だからな。無駄な事をしても意味がない。どうせ何もできないんだから、放っておくしかないんだよ。もうちょっと、頭を使う事を覚えないといけないとは思うんだよな。俺が教えることでもないんだけど。そう言うのは、冒険者ギルドや貴族が面倒を見ないといけないとは思うからな。しっかりと教育機関を作ったり、研修という名の勉強会を開いたり。そんな事をしないといけないとは思う訳だ。それは、町の運営にも関わってくるとは思うんだよ。そう言う学校のような物を作った方が良いとは思うんだけどな。維持費はかかるけど、それだけ住民の価値は上がるんだし、貴族的には良い事しかないとは思うんだけどね。そんな事もやらないんだろうなって。自分の領地の価値を上げることに興味がないんだろうな。

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