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反転の錬金術師  作者: ルケア


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12/15

お肉屋さんも始めます

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 朝に胴長と長手袋を渡し、「これを着るのか……」と困惑気味のオーロンドたちを見送った後、俺はというと、北の森にやってきてた。迷いスライム狩りである。まあ、他の魔物も見つけ次第倒していくんだけどな。マジックバッグはいくつあっても良いからな。それに、偶には自分で素材を採取しておきたい。貧乏性なんだ。買うだけでは駄目だと思ってしまう。まあ、どうしても高価値の素材は見つけにくいからな。冒険者に頼るだけではいけない。自分の足でも稼がないとな。


 そんな感じで、迷いスライムに狙いを絞っていった訳なんだけど、8体しか倒せなかった。見つかるだけでも逃げていくからな。逃がさないようにするのだって、工夫が必要なんだ。これを冒険者に狩って来いというのは酷である。魔法が使えるようになったからと、簡単に倒せる魔物でも無いんだ。核を傷つけないように倒すのが苦労するんだよ。それ専門のパーティーがあっても驚かない。それくらいには、倒すのが難しい魔物なんだ。


 それで帰ってきて、魔法の特訓だ。魔力を動かせるようになっている人は、身体能力強化魔法の発動を目指してもらっている。身体能力強化魔法が発動しているのかどうかを調べるのは簡単だ。ジャンプしてみればいい。普通にジャンプをした場合、30cmも飛べれば良い方だとは思う。だが、身体能力強化魔法がちゃんとかかっていると、2mくらいジャンプが可能だ。一目瞭然である。今は筋肉とは何かを説明している所ではある。お肉とは何かを説明している所なんだ。まあ、紐がたくさん集まったのが筋肉だと言われても難しいかもしれないので、ふんわりとした内容ではあるんだけどな。筋肉を意識するだけで、身体能力強化魔法の段階が2段階くらい上がるからな。


 そんな感じで魔法の特訓をしているのは良いんだ。放出系の魔法を覚えるってなったら、ちょっと危険かもしれないが、身体能力強化魔法なら問題ない。魔力消費も少ないし、限界はなんとなくだが解るからな。自分の限界まで身体能力を強化すれば、爆発的な力を得られる。ただ、加減を間違えると、明日が酷いことになるんだけどな。俺は何度も筋肉痛で、生まれたての小鹿みたいになった経験があるからな。それも身体能力強化魔法で誤魔化しながら、授業を受けてきた口である。限界は自分で解らないと意味がない。それは慣れだ。自分で何とかしてもらうしかないんだよ。


 で、次の日。今度は俺も東の森へ。目的はソウルカードの獲得である。運命を信じるのであれば、ウルフ系統と相性が良いんだろうとは思う。まあ、どっちにしても、ウルフのお肉は結構美味しい。宿屋に売ったり、村人に売ったりするには良いものだとは思う。お肉屋さんは無いからなあ。雑貨屋さんでも売っていないし。売っているのは干し肉とかなんだよな。宿屋さんは冒険者から仕入れているらしいが、余ったら皆にお裾分けで配る。その程度らしい。と言う事で、錬金術店ではあるが、お肉屋さんも始めることにした。激安で売るんだよ。だって、そうしないとお肉が捌けないからな。お肉は錬金術の素材にはならない。だけど、狩れば狩る程お肉は貯まっていく。それを死蔵する訳にもいかないからな。出来れば無駄にしたくない。と言う事で、お肉屋さんも始めました。


 村人は、そもそもお金をあまり持っていない。農家が殆どだからな。だから、物々交換も有りにした。野菜を持ってきてもらう代わりに、お肉で返す。それも有りにしないと厳しいんだ。雑貨屋さんが纏めて農作物を売りに行くのだって限界がある。……なんとこの村には、商人が殆ど来ないらしいのだ。秋の終わり頃に、麦を買い付けに来るくらいで、それ以外は商人が来ない。だから、雑貨屋さんが野菜を買い取り、テッケルンに売りに行っているって事も解っている。それは何というか、非常に不味い事なんだよな。普通は商人が寄り付くはずなんだけど。というか、領主が商人に買い付けに行けと命令を出すのが普通だ。そうしないと村の運営が成り立たないからな。ここだと、野菜の消費先は宿屋くらいしかない。それだけでは不味いんだ。雑貨屋さんが持っている荷馬車だって、限界があるんだからな。野菜を持っていくにしても限界があるんだし、何とか商人を呼びこまないといけないとは思う。何とかならないかね?


 そんな訳で、獣人の冒険者に相談だ。獣人でも、商人をやっている人が居るかもしれない。多少の売れ筋を用意してやれば、ここの村にくる理由も出来るだろうとは思うんだよな。まあ、主にエレミーさんに転売する素材を仕入れて貰えば良いかなとは思うんだけど。3日で運び終えるのに、価格は倍くらいになるんだから、儲かるとは思うんだよな。……その分、冒険者の皆には頑張って貰わないといけないんだけど。素材が無ければ、獣人の商人も寄り付かないはずである。素材という旨味があれば、商人だって寄り付くと思うんだよ。


「あー、なるほどな。確かにこの村って商人が来ないよな」


「だから売り先にも困っていたんだし、同朋の商人を呼べば良かったのか」


「商人に当てはあるんですか? こう言ってはなんですけど、差別されているのであれば、商人としての活動も制限されるとは思うんですけど。頼んでおいていうのもなんなんですけどね」


「勿論だが、差別されている。税は同じくらいで済んだはずだが、卸してもらえない物があったり、そもそも買い付けることが出来なかったりだな。だが、需要はあるんだ。同じ獣人たちが客なんだ。利益にはなる。……まあ、利益度外視で買わないといけないものもあるし、買値よりも安く売らないといけない場合もある。それで獣人たちが助かるならって、やってくれている商人が殆どだ。利益になるって言うなら、ここにも来るとは思うぜ。商人が来た方が、色々と何とかなるってんなら、定期的に来てもらうように交渉する事はできると思う」


「それなら有難いですね。確実に利益になる商品があるので、そうですね、60日に1回くらい来てもらえればなとは思うんですが。野菜を売って、お金にしたい農家も沢山居るでしょうし。今はこっちでお肉と交換していますけど、いずれはお金でやり取りしたいんですよね。まあ、こっちからも野菜を売らせてもらうんですけど。俺に大量の野菜があっても無意味ですし。俺の食事も宿屋から買っていますからね」


「まあ、何とかなるだろう。商人にしても、都合が良い時に来てくれって言っておけば良いだけだからな。それに、何組も居るんだ。年に6回くらいは来てくれるだろう」


「そうなる様に祈ってますよ。それで、今日なんですが、子供たちもとりあえず魔力を感じることが出来ましたので、身体能力強化魔法について、詳しく話をしていきます。良いですかね?」


「おう、こっちも助かっている。力が有り余るくらいには強くなったからな。その分、ダイヤウルフも多く持って帰ってきているだろう?」


「ええ、お肉屋さんも始めようと思っているので、本当に助かります。素材も有難いですしね」


 そうなんだよな。獣人組は2日目には全員身体能力強化魔法を使えるようになっていたんだ。1日目の夜に、必死になって特訓していたらしい。子供たちも同じ様で、2日目には全員が魔力操作が出来るようになっていた。こういうのは、貪欲さが無いといけないからな。それだけ必死に覚えたかったと言う事でもある。


 そんな訳で、筋肉とは何か。力とは何かを説明している所だ。そして、圧倒的に身体能力強化魔法に適性があったのは、獣人たちの方だ。何というか、恐ろしいくらいには身体能力に特化していると感じたな。子供たちは人間が多い。なので、1mくらいもジャンプが出来ればそれでそこそこ強くなっている筈ではあるんだが、獣人たちの方はと言えば、錬金術店の屋根に飛び乗るくらいの事はやってのけた。流石に適性があると違うなとは思う。ここまで変わるんだから、もっと凄い事も出来るんじゃないかと思うくらいだ。


「おじちゃんたちすげえ!」


「おっちゃんたちみたいに出来ないのかよ、兄ちゃん」


「無理じゃないぞ。さっきの話をイメージしろ。いいか? 線が束になって筋肉になっているんだ。お肉ってのは、線の束なんだよ。だから、それを強化するんだ。同時に骨も強化しろよ? じゃないと足が折れるからな?」


「うおおお! 俺の足! 頑張れ!」


「飛べ! 飛べるようになれ!」


「気合で何とかなるのかは、イメージ次第だ。獣人の人たちを見ただろう? それをイメージするんだ。イメージが形になるからな」


「おう、お疲れさん。なんつうか、魔法って出鱈目だな」


「化物の仲間入りを果たしたみたいだぜ」


「家の屋根に飛び乗れるとか、反則かよ。ここ、2階建てだぜ?」


「全くだ。魔法が使えるようになったら、世界が変わるな」


「流石は獣人ですよ。ここまでの身体能力は、元々の強さが無いと、強化が出来ないですからね。元が貧弱だと、どうしてても強化が弱いですから。10を2倍にするよりも、20を2倍にした方が効率的ですからね。身体能力強化魔法とは、そう言う魔法なんです。ただ、骨も一緒に強化しないと、骨折するだけなんですけどね。その辺は覚えておいてもらえればとは思います」


 そうなんだよな。骨も強化しないと折れる。まあ、何度もやらかした人を見ているからな。骨の強化なんて簡単だ。カルシウムを鉄に変換する様なイメージで問題ない。なお、それでも良いんだが、適当に硬くするだけでも十分な効果があるんだけどな。流石に鉄まで硬くしなくても大丈夫だから。鉄が解りやすいから、そうやってイメージしているだけではあるんだけどさ。


「しっかし、店主も出鱈目に強いな。同じように森で動いていたが、動きが全然違った。素人の動きじゃねえ。しっかりと基礎から習いましたって感じの動きをしていたからな」


「まあ、基礎から叩き込まれましたからね。錬金術師は、殆どの人が戦えますよ。案外弱そうに思える様な人でも、達人級に強かったりしますから。見た目では強さは解らないものですよ。それに、似たような動きは、今日の訓練でできるようになったと思いますから、思いっきりやってください。それに、この事は他の冒険者にも伝えないといけないでしょう? この道具は持っていっても良いので、信頼できる冒険者には教えてあげてください。勿論ですが、獣人だけでも構いませんよ? 正直、差別している側に教える道理はありませんので」


「……貰って良いのか?」


「ええ。俺にとっても利益になることですからね。そうですね、俺の利益としたら、オーロンドさんたちのようなパーティーが5つくらい集まったら、この北の森の奥にある、亡者の鉱山都市ベルンケラーに向かって欲しいんですよ。そこには、死属性の良質な素材があるので。それを得るために、俺は師匠からここに赴任させられた感じですからね。冒険者を育てることも仕事の1つではあるんですよ。まあ、それと、自分でも素材の確保はしておきたいですからね。素材は沢山ある方が良いですし。無尽蔵に使いますからね、錬金術というのは」


「ベルンケラーか。知ってはいるが、いった事がない場所だからな。Aランクにならないと、そもそも行かせてもらえないって場所でもあるし」


「だな。そんな所にも行くようになるのか。そんな奴らは人外だと思っていたんだがな……」


「自分たちが人外みたいな動きが出来るようになるとは思わなかったからな」


「でもまあ、これだけ力が強ければ、Aランクにも成れる気がするな」


 そうなって貰わないと困るんだよな。強くなって貰って、どんどんと未開地を進んでもらいたい。古代文明の遺跡なんだけど、そこには思いもよらない宝物が眠っていたりするからな。取り尽くせないくらいの宝物が眠っているんだ。……何というか、自然発生するものもあるんだよな。ソウルカードみたいに。あ、今回の探索で、ダイヤウルフが4枚、ネガルドウルフが1枚落ちた。運命的な巡り合わせらしいな。王都近辺にはウルフ系の魔物は居なかったもんな。俺はウルフ系の魔物と相当相性が良いらしい。そうじゃなければ、ソウルカードを手にして、テイマーになんて成れないからな。テイマーは一握りの運命持ちじゃないといけないんだから。


 そんな感じで、その日が終わり。次の日には放出系の魔法の練習をした。……身体能力強化魔法は、燃費の良い魔法だ。本来であれば、燃費がクソ悪い、使い勝手の悪い魔法なんだけど、俺がそれを改善したからな。……だから師匠が手が付けられないくらいに強化されたんだけど。理屈と理論があれば、魔法は幾らでも改良できる。イメージ次第だからな。俺が行った改良とは、魔力のリサイクルだ。放出系では不可能なんだけど、身体能力強化魔法はそもそも放出系じゃない。だから、魔力を体の中で回転させることによって、魔力のリサイクルを可能にした訳だ。他の人たちは、身体能力強化魔法を放出系として扱っている。なので、燃費はクソなのだ。使い捨てにするだけの魔力量があれば、それでも問題ないんだが、そもそも魔力量が少ない人なら、リサイクルを意識した方が持続性はある。まあ、それでもある程度は放出してしまうんだけどな。それはどうしようもない事ではある。あくまでも、魔力の節約にしか過ぎないんだ。


 ただ、子供たちも、オーロンドさんたちも、4桁の魔力量はありそうなんだよな。4桁というのは、錬金術師としての最低ラインだ。それ以下なら、錬金術師には成れるが、苦労はする。とてつもなく苦労するんだよな。俺は7桁あるので、その苦労は知らないんだけど、聞いている限りでは、かなり苦労するぞ。作れない商品もあるんだからな。師匠? 師匠は6桁のはずだ。俺よりも少ないと言っていたし、詳しくまでは知らないけど。


 放出系も、難なく熟し、ここにいる17人は、魔法という武器を得た。魔法が使えると言う事は、かなり有利になる。狩れない魔物を狩れるようになり、得られないはずの素材を得ることが出来る。それはかなりの事なんだ。錬金術師として、買い取りたいような素材が沢山あると言う事でもあるんだからな。オーロンドさんたちは、ここで活動するんだろうが、子供たちはどうなんだろうな。ここへ帰ってくるのか、それとも別の場所に行くのか。それは子供たち次第だ。まあ、後5年くらいはここで採取をしているかもしれないけど。子供たちも結構採取のコツを覚えてきたのか、高い素材がどの辺りにあるのかを把握してきている。要領の良い子は、既に1日銀貨20枚くらいを手にしている。かなり森に近い所で採取しているらしいが、森に入らなければ問題無いからな。


 さあ、今後の活躍がどうなるのかだ。子供たちは立派な冒険者になるだろうか。ここで鍛えた事で、立派な冒険者に成れるのなら、良いとは思う。まあ、どっちで食っていくのかって問題はあるけどな。採取で食っていくのか、討伐で食っていくのか。冒険者とは2通りあるんだ。メインをどっちにするのか。それを決めない事には話にならないんだよ。

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