第7章 配信者サッカーをする6
【陽一】
「でもな、相撲部出身のおにぎり頭――
俺は針間を諦めたくねぇ。
だから、トレーニングだ!!
普通のキーパーレベルまで引き上げねぇと!!
……このままだと地区大会でボコボコだぞw
嘘みたいだろ。見てくれよ、この針間の“ふてぶてしい顔”。
この顔で俺のシュート止めまくったんだぜ??
よし、地区大会まで寝ないで特訓だな!!
時間ねぇぞぉ!!」
⸻
【陽一】
「で、キーパーの特訓ってどこでできるん??」
【コメント】
・八百屋だよ
・やおや!
・エンカウントで貯めた努力ポイント消費で特訓だわ!
【陽一】
「なるほど、努力ポイントの分だけ特訓できるらしい。
……針間、聞こえたな?
お前、さっき 特訓やるって言ったら、『はっ、はいぃぃぃぃ!!』 って言ってたよな??
よし!
特訓ダァ!!
まずは迷ってるふりしてミニゲーム周回だ!!
努力ポイント稼ぐぞぉ!!」
⸻
八百屋・特訓イベント開始
うんぽこが八百屋の前に立ち、店主に声をかける。
うんぽこ
「おじさん!
トレーニングで野菜運び手伝いたいんだけど!
手伝わせてくれませんか!?」
八百屋の店主
「おお……腰やっちまってな。
助かるけど、本当に良いのかい?」
うんぽこ
「うん!ありがとう!」
【ゲーム画面】
誰が特訓しますか?
→ 針間
⸻
■「針間は野菜を運んで特訓した!」
■「針間の守備力が上がった!」
■「針間のキャッチ力が上がった!」
■「努力ポイント −2」
⸻
【陽一】
「こ、これは……
これは……
うまぁぁぁぁぁい!!!!!
ウビ……ウビビビビビビビィ!!!!
これ……これがないと生きていけない身体に……
なっちゃうぅぅぅぅぅぅ!!!!
っは……!?
……よし、続けるぞ、みんな……!!」
【コメント】
・完全にいっとるw
・気持ちぃーー!!
・針間育成中毒者出た
針間の特訓は、その日のうちに “全努力ポイント” を吸い尽くした。
そして――
【ゲーム画面】
■「努力ポイントを全て使い切った!」
■「針間のキーパー能力が大幅に上昇した!」
■「針間は少し誇らしげに立っている……気がする。」
⸻
【陽一】
「ベッッッコリ!!バッッッコリ上げていくぅぅぅ!!!
みんな!!見ろこの数値!!!
ようやく……“キーパー”の数字になったぞ!!
さっきまで“相撲が趣味の小学生”だったからな!?w
でも今は胸張って言える。
これが――
うちの正キーパー・針間でぇぇぇす!!!」
【コメント】
・強くなってて草
・小学生卒業おめw
・覚醒した!
・普通に感動してる
⸻
【陽一】
「よし、針間の特訓はこれでひと段落だな。
…今日はこのへんで終わりにしようか。
明日はいよいよ――
練習試合からの“大会モード”突入!!
ここから盛り上がるぞ!!
じゃ、また明日!!
ちょっと映画見てくるわー!!」
【コメント】
・おつ!
・明日の試合楽しみすぎる
・針間スタメン確定で草
・映画いってら
【陽一】
「やぁ!みんな、やぁーーーーッ!!
今日も……サッカーしようぜぇぇぇ!!!」
「ということで、エクセレント・イレブン今日もやっていきます。
今は大会本戦の直前、練習試合に突入するところ!
肉屋のセガレ“タカマサ”と、相撲の怪物“針間”が加入して、
チーム全体のフィジカルが意味不明に跳ね上がったところだね。
そして主人公・うんぽこは……
FWで堂々のレギュラー!!
チームからも認められつつあるっていう、最高の流れ!」
⸻
週末・遠征日
【キャプテン】
「これから練習試合に向かう。
移動時間も含めてしっかり調整して試合に臨んでいこう。
“いつも通り”をどれだけ出せるか。
それは技術であり、努力で伸ばせる力だと俺は思ってる。
上手くいっても、いかなくても、
全力を出す準備だけは絶対に怠るな。
今日の2試合は、その練習だ。
みんな、頼んだぞ!!」
【チーム】
「はいぃぃぃぃぃ!!!!!!」
【陽一】
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッッ!!!!
(※完全にノリで混ざってる)」
【陽一】
「なんかキャプテンに刺さること言われて、
勢いよく返事しちゃったわ。
まぁ、準備って大事だよな。
俺も――
針間の準備はバッチリさせておいたからな!!
横綱張り手?? ガッッッツリお見舞いしてやろうぜぇぇ!!」
【コメント】
準備万端!
いけーー!
試合だ!!
バスが動き出す演出が入り、
キャラそれぞれの遠征モードの描写も差し込まれる
•白壁:静かにストレッチ
•冴島:窓の外見ながら自分の足を叩いてスイッチ入れてる
•針間:無言でおにぎり食ってる
•タカマサ:でかすぎて座席がギシギシいう
•うんぽこ:ノート広げて戦術メモ
【キャプテン】
「今回の練習試合だが……
先日も話した通り、相手は全国区のチームだ。
瀧廉太中学と、
信時中学。
どちらも全国大会常連校。
強い相手だと、気持ちが入るのはわかる。
だが――
本大会前だから、
くれぐれも怪我だけはしないように。
いいな?」
【チーム】
「ハイッッ!!!」
【うんぽこ】
「ハイィィィィ!!!!」
【陽一】
「ヴゥエエエエェェィィィッッッ!!!!!」
(※一人だけ奇声)
⸻
第一試合:信時中学 vs そよ風中学 開幕
落ち着いた空気の中、
キャプテン同士が静かに握手を交わす。
【信時キャプテン】
「よろしく。」
【そよ風キャプテン】
「よろしく。」
審判がコインを弾き、
コイントスが行われる。
グラウンドを吹き抜ける風が、
試合前特有の緊張感をさらに濃くしていく。
⸻
キックオフ直前
【うんぽこ】
「よーし!!
頑張るぞぉぉぉーーー!!!
今日、俺……ガチで点取るからな!!」
【陽一】
「見たかみんな!?
このうんぽこの目よ!!
完全に“やる顔”してるぞ!!
キーパーの針間もタカマサも、
全員スイッチ入ってるーー!!」
【コメント】
いけぇ!!
うんぽこ気合いヤバい
信時相手とか熱すぎる
――ドンッ!!
画面いっぱいに響き渡る効果音とともに、
画面中央を覆い尽くす巨大テロップ。
《 選手を 操れ! 》
【陽一】
「いやいやいや……
ここだけ語気強くない!?
操れっつってんだろぉぉ!!!!ってこと?」
【陽一】
「よっしゃ……いいから操れぇぇぇい!!!
今日の俺は違うぞ。
相手は全国常連校、
ここで勝つ!!行けぇぇぇ!!!!!」
【コメント】
草
圧がすごいw
今までで一番テンション高い
【陽一】
「えー、まずは信時中のラインナップから見ていきましょうか。
あー……うん、これは結構やってるチームだな。
全体的に仕上がってる感あるし、普通に格上っぽい。
こっちは素人2人、相撲取り+肉屋がいるんですけどぉ!?w」
【陽一】
「って、ちょっと待って……
タカマサがいない。
このチームの象徴・肉のタカマサがベンチ!?
は??誰が外した!?監督!?キャプテン!?
おいおい、許さんぞっと!!」
【陽一】
「ということで、ここで俺の独断と偏見を発動します!
昨日入部したばかりの肉のタカマサ、DFで強制スタメン入り!!
部内の軋轢生みそうだけどw
強い奴が正義!!!
タカマサは白壁と並んで双璧として活躍するはず!!」
コメント
・暴君采配w
・でもタカマサはガチで強そう
・白壁&タカマサの鉄壁ライン熱い
⸻
ピピィーー! 試合開始!!!
球審のホイッスルが響き渡る。
【陽一】
「よーし!!行くぞぉぉぉ!!
信時中は全国1回戦突破するレベル、普通に強いからな!!
舐めてると序盤でボコられるぞ!!」
信時中は開始すぐに中盤を制圧。
パスが速い。連携が淀みなく繋がる。
アニメーション演出が画面いっぱいに広がる。
【うんぽこ】
「くっそ!速い! …止まらない!!」
開始数分。
そよ風中、いきなり大惨事の大ピンチ。
信時中のパスはめちゃくちゃ速い。
まるでボールが意思を持っているかのように、
“タッ、タッ、タッ”と小気味よく、確実に味方の足元へ収まっていく。
白壁の横をスパッと通り抜けるワンツー。
【白壁】
「な、なんだなぁ……!? こ、こいつら…速い!!」
【陽一】
「白壁で追えないスピードってやばいぞ!?
あいつ、うちの守りの要なのに!!」
敵のMFが中央を割り、DFラインに直進する。
そよ風の守備陣は全員“後追い”になっていた。
【針間】
「めっちゃ攻め込まれてるぞぉ!!
必死で守れぇぇ!!!」
【陽一】
「針間の声に焦りが出てるの初めて見たんだが?
やばいやばいやばい!ガチで崩されてんぞ!!」
冴島はボールに触れず苛立ちを隠せない。
【冴島】
「さっさと俺にボールをよこせぇ!!!
全然触れてねぇぞぉ!!」
速く、そして異様に正確なパス回しに完全に翻弄され、
そよ風守備陣はパニック状態に陥っていた。
DF同士が互いに何かを叫んでいるが、
その声は誰にも届いていない。
連携はバラバラ、体は重い、判断は遅れる。
初めての“本物”の対外試合。
緊張で脚が硬直し、まるで全員にデバフでもかかっているようだった。
キャプテンが言っていた
「いつも通りをどれだけ出せるか。それは技術だ」
…その言葉が今になって刺さる。
⸻
【陽一】
「こりゃあひどい。相手メッチャ強いやぁ。
しかも、なんか全員に“パニック”状態ついてね!?
動きが悪すぎる!!」
スティックを倒しても反応がワンテンポ遅れる。
カーソルを切り替えても、すり抜けられるだけ。
【陽一】
「ろくに操作できないぞ!?なにこれw
これどうしたらいいの??w
1体1にして止めたいんだけど、全く止まらん!
スルスル抜けられるーー!!あはははww
開始早々負けの匂いしてきたぁーー!!」
⸻
コメント
「パニック状態や…」
「ピヨピヨしてるw」
「耐えるしかないやつ」
「初見殺しすぎる」
「これは地獄w」
うんぽこ(心の声)
「まずい、DFラインが全く機能してない。
みんな焦ってる……完全に主導権を取られた!
このままやらせっぱなしになるぞ!!」
信時中の連携は、ただ“いつも通り”。
特別なことは何一つしていない。
普段のクオリティがそのまま“圧”として降りかかってくるのだ。
高速で展開されるMFのスルーパス。
反応が遅れたそよ風ディフェンスを置き去りにして、信時のFWが飛び出す。
完璧なタイミング。
完全なる崩し。
そよ風中の、絶体絶命だった。
FWの足から必殺シュートが閃光のように飛び出す。
針間は迷わない――相撲仕込みの冷静さで、横綱張り手を繰り出した。
パァァンッ!
強烈な弾き。
しかしキャッチはできず、ボールはペナルティエリア内へと転がる。
そこへ両チームが殺到する。
混戦の中で、信時のFWがすかさず振り抜いた。
反対サイドを狙った鋭いシュート。
針間は伸ばす、だが――
体勢が崩れて届かない。
針間
「くそ……!!キャッチできなかった……!
届かない……!!?」
ボールが無慈悲にゴールへ向かう。
だが次の瞬間――
⸻
「うぅおりゃぁぁぁぁああああ!!!!」
⸻
横から“猛獣のような勢い”で体ごと飛び込んできた影が、
スライディングタックルでボールを弾き飛ばし、
そのままゴールラインの外へと押し出した。
土煙が舞う。
誰もが目を疑った。
それは――FWのうんぽこだった。
⸻
うんぽこ
「みんな!!まだ動きが固いぞ!
落ち着けよ!!いつも通りだろぉぉぉ!!
ここからだぞ!!!」
一同
「っっっ!!??」
⸻
【陽一】
「うんぽこが止めたぁぁぁーー!!!
FWがあそこまで戻ってんの、
偉すぎるだろマジで!!!
今のでチームひとつ救ったぞ!!
あっっっっぶねぇ……
おいオメェら!息吹き返せ!!
俺の操作だけじゃ切り抜けられねぇwww」
コメント
「うんぽこ有能すぎw」
「FWが命がけの守備してて草」
「魂感じるわ」
【陽一】
「今、有識者からコメントきたんだけど……
信時中、かなり強いらしいです。
本大会前の“練習試合イベント”って、
対戦相手がランダムなんだってよ!?
その中でも信時は上から数えて数校の強豪らしいww
しかも序盤に強制デバフかけてくるのは“全国レベルの洗礼”ってファンの間で呼ばれてるらしいwww
アドバイスは
『耐えてください!』
だけだってwww
うおーー!!ヤッベェぞ!!!」
⸻
うんぽこ
「俺、元キーパーだから!
DFラインの指示はできる!
針間がまだGK慣れてないから、俺も後ろに入って守備を一緒に固める!!」
白壁
「うんぽこ……!?サンキュー!!」
タカマサ
「くっ……不甲斐ない……だが助かる!!」
針間
「たすかる……!」
冴島
「いいからボールを俺に寄越せぇぇ!!
点さえ取れりゃ勝ちなんだよぉ!!!」
うんぽこ
「みんな!まずは落ち着けぇ!!!
ライン整えろ!声出せ!
守備を!立て直すぞぉぉぉーー!!」
一同
「おぉぉぉぉ!!!!」
【陽一】
「ヨウイチオケーーーイ!!
いや、なんだようんぽこ……
メッチャ頼りになるじゃん……!?
お前、主人公の自覚芽生えてきてないか??!」
コメント
「指揮官ぽこ誕生」
「頼りがいありすぎて草」
「このゲーム、FWがDFライン指揮するのバグだろw」
「でも一番冷静なのうんぽこしかいねえwww」
そこからは――
そよ風サッカー部、魂の耐久戦であった。
攻撃は信時中、守備はそよ風中。
攻撃:守備=9:1といった展開。
ほぼボールは信時中に支配され、
そよ風は“割り切りに割り切った”深い守備ブロック。
だがその守りには、
声があった。
献身があった。
折れない意思があった。
ラインを動かし、カバーに入り、
味方を鼓舞し続ける声が一体感を生み、
そよ風中は奇跡のように“前半0点”で折り返した。
⸻
ハーフタイム ― そよ風中サイド
白壁
「なんとか……耐えたな。
ヒリつく場面めっちゃあったけど……
みんなの声かけ、マジで良かったと思う。
後半もしっかりライン意識して、声出していこう。」
全員が肩で息をしながらも頷く。
攻められ続けた緊張感で、守備陣の顔色は青ざめている。
タカマサ
「……みんな、ごめん。
足引っ張ってしまった。でも……
だんだん見えてきた。
周りの動き、ちょっと掴めてきた。」
うんぽこ
「俺たちみんなでなんとか守りきれたじゃん!!
すごいよ!!」
針間
「…………」
うんぽこ
「針間も、マジでナイスだったよ!
あれ初めての状況だろ!?
あのパンチング、デカかったぜ!!」
針間
「……いや、こちらこそ……助かった。」
キャプテン
「わかってると思うけど、
信時の攻撃は“層が厚い”。
波が終わらない。
でも、絶対にチャンスは来る。
後半も声を切らすな。
カウンターを常に準備しとこう。
小さなミスをしない、これが全てだ。」
部員たちは疲労の中でも目に闘志を宿していた。
⸻
ハーフタイム ― 信時中サイド
MF
「まさか、点が入らねぇとは。
崩せてる感じはあるんだけどな。」
DF
「アイツ……そよ風のFW……
攻撃捨てて最終ラインまで戻って守ってるの、
地味に効いてるぞ?」
FW
「声が異様に通るんだよな。
ライン合わせてくるし……
おかげでズレが出しにくい。」
キャプテン
「支配率はほぼウチ。
崩しにこだわらず、
放り込み増やしてシュート本数上げるぞ。
数叩けば、1点は入る。
後半は回数で圧し切る。」
⸻
ピーーーッ!!
後半キックオフ!!
スタジアムの空気が張り詰める。
陽一
「よっしゃぁ後半!!
みんな見ろ、そよ風の目……
全員“やってやるぞ”って顔してる!!
後半、ここから反撃いくぞぉぉぉ!!」
コメント
「守り切ったのデカい」
「後半ワンチャンあるぞ」
「タカマサ覚醒しそう」
「針間がんばれぇぇ!!」




