8/18
王都からの使者
数日後。
村に豪奢な馬車が到着した。
白銀の甲冑を纏った騎士団、そして赤いマントを羽織った若き使者が降り立つ。
「私は王国の第一王子、レオン・アルディアだ」
王子は毅然と告げる。
「伝承にある“異星の勇者”よ。どうか王都へお越し願いたい。我が国は魔王軍の脅威にさらされているのです!」
村人たちは一斉に跪き、祈るように俺を見つめた。
リィナも、ガルドも、ザルクでさえ真剣な眼差しを向けている。
俺は腰の電子ブレードに手を添えた。
これは伝説の聖剣なんかじゃない。
だが、結果的にこの世界を守れるなら――名前なんてどうでもいい。
「わかった。俺は王都へ行こう。そして……この星を守る」
王子の瞳が輝き、剣を掲げた。
「勇者よ! その力で魔王を討ってくだされ!」
――こうして俺たちは、王国に招かれ、この星の“伝説の勇者”としての役割を背負うことになった。