村を守る勇者
平和な宴の翌朝。
村の外れから悲鳴が上がった。
「魔物だ! 森から魔物が出たぞ!」
俺たちはすぐに装備を展開した。
腰のホルスターから電子ブレードを引き抜き、ザルクは小型シールドジェネレーターを展開。
リィナは弓ではなく、携帯型レーザー・ボウを構える。
上空にはミリアAIが制御する戦闘ドローンが浮遊した。
畑を踏み荒らし、家畜を襲うのは、牙を剥いた黒い狼の群れ。
だが赤い瞳に不気味なオーラを纏っている。村人が“魔獣”と呼ぶ存在だ。
「村人を下がらせろ! あとは俺たちでやる!」
ガルドがエネルギーシールドを展開して前に出る。
一匹が跳びかかってきた瞬間、俺は電子ブレードを起動。
白い閃光が唸りをあげ、魔獣を真っ二つに切り裂いた。
リィナのレーザー・ボウが光の矢を放ち、次の一匹を貫く。
ミリアのドローンが上空から精密照射で群れを焼き払い、ガルドは盾で体当たりして残りを押さえ込む。
数分後、全ての魔獣は灰のように消滅した。
村人たちは驚愕と歓声を同時に上げる。
「す、すごい……やっぱり勇者様だ!」
「光の剣と雷の弓……伝説の通りだ!」
俺はブレードのスイッチを切り、溜息をついた。
――彼らにとっては魔法のように見えるんだな。
けれど、これは全部、宇宙文明の技術に過ぎない。
まぁこれも特に言う事なし