消・滅!!!
黒雲の中、滅竜将軍ドレヴァンが竜の軍勢を従えて王都に迫る。
アルカディアの主砲が火を吹いた――だが。
「シールドに……弾かれた!?」
光の奔流は竜たちの結界に阻まれ、虚しく拡散して消えた。
ドレヴァンが勝ち誇ったように咆哮する。
「愚か者め! 貴様らの光など、竜鱗の軍には通じぬ!」
王都に不安が広がる。
だが俺は肩をすくめて仲間に言った。
「……主砲がダメならさ。
衛星攻撃、効くかな?」
ザルクが目を瞬かせ、ニヤリと笑う。
「面白そうだ。やってみるか。」
俺が端末にコマンドを入力すると、数百キロ上空の衛星群が作動を開始した。
無数の赤いポインターが地表をマーキングし、次の瞬間、閃光が空を裂いた。
――ズドォォォォンッッッ!!
衛星軌道砲から放たれた超高出力レーザーが、竜の結界を瞬時に貫通。
ドレヴァンの翼も、竜軍団も、あっけなく消し飛び、王都の外は真っ白な焼け野原と化した。
轟音が止んだ後に残ったのは、風の音だけ。
俺はしばし沈黙し、仲間たちを見回した。
「……なんか、やれたな」
「結構あっさり終わったね」
リィナが肩をすくめ、ザルクは大あくびをする。
「せっかく気合い入れてたのに、肩透かしだな」
ミリアのドローンが報告する。
《敵性反応、全滅確認》
……王都の民衆は膝をつき、ただただ空を見上げて震えていた。
「神罰だ……」
「天空からの裁きが降りた……!」
こうして、勇者たちの衛星攻撃によって、魔王軍の大侵攻はあっけなく終わりを告げたのだった。