魔王軍の逆襲
――その夜。
漆黒の城がそびえる魔界の玉座に、怒号が響いた。
「バルザークが……死んだだと!? 一撃で……!」
玉座に座る影――魔王は冷ややかに笑う。
「どうやら“異星の勇者”とやらが現れたらしい」
重苦しい沈黙が広がる。
だが次の瞬間、広間の奥から巨大な影が現れた。
全身を黒鉄で覆い、背には四枚の漆黒の翼。
その名は――〈滅竜将軍ドレヴァン〉。
「面白い。ならば次は我が出よう。
勇者など恐れるに足らないと、我が滅竜の力で証明してくれよう」
彼の声と同時に、城全体が震えた。
数日後。
王都の空に黒雲が渦巻き、あたり一帯を埋め尽くすほどの軍勢が押し寄せた。
空には竜の群れ、地上には魔獣の大軍、そしてその中心に――
滅竜将軍ドレヴァンの姿。
「……おい、規模が桁違いだぞ」
ザルクが苦い声を漏らす。
「バルザークがやられたから、本気を出してきたんだ」
リィナが弓を構えながら応じる。
俺は頷き、通信端末を起動した。
「なら、こっちも全力で迎え撃つまでだ」
上空に姿を現す〈アルカディア〉。
そして主砲を放つ
だが今回は前回のように一方的に蹂躙はできない。
ドレヴァンが咆哮すると、空に浮かぶ竜たちの鱗が光り、
なんと防御結界を形成したのだ。
「対艦レーザーが……防がれた!?」
ミリアの声が響く。
巨大な光の盾にレーザーが弾かれ、地上には痕一つ残らない。
ドレヴァンの笑い声が空を震わせた。
「貴様らの光の矢なぞ、我が竜鱗の軍には通じぬ!」
王都の人々が再び悲鳴を上げる。
だが俺は静かに銃を構え、仲間たちに告げた。
「ここからが本番だ。
――未来の力が、伝説を超えられるかどうか、見せてやろうぜ」
そして、王都を舞台にした第二次大戦が始まった。