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圧倒的な文明レベル


戦鬼将軍バルザークの咆哮が王都を震わせた。

黒き魔軍が押し寄せる中、王城の大広間は混乱の渦に包まれている。

カインをはじめとする騎士団は剣を握り、必死に士気を保とうと叫んでいた。


だがエレナは、静かに俺たちに言った。


「……あの、これって正面から戦う意味はあるのでしょうか?」

「たしかに、俺たち、わざわざ近接戦闘しなくてもよくね?」

「宇宙船呼んだらイージーじゃん」


全員の目が合い、同時に頷いた。


「「「呼ぶか」」」


通信端末を起動し、軌道上で待機していた俺たちの宇宙船〈アルカディア〉を召喚。

数秒後、空に亀裂が走り、巨大な影が王都の上空を覆った。

漆黒の艦体に青白いエネルギーラインが輝き、重力制御フィールドが空気を震わせる。


群衆が一斉に悲鳴をあげた。

「な、なんだあの空飛ぶ船は!」

「神の御業か!?」


魔族も一瞬足を止めた。

だが、バルザークが吠える。

「ただの見せかけよ! 我が黒槍で――」


その言葉が終わるより早く、艦首砲が発射された。


轟音と共に収束光線が放たれ、街の外に立つバルザークを直撃。

赤いマントも、黒槍も、鎧ごと蒸発。

地面には巨大なガラスのクレーターだけが残った。


沈黙。

次の瞬間――


「…………え?」


王城も街も、魔族軍も、人間たちも、すべてが固まった。

魔王軍幹部が、一撃で消し飛んだのだ。


「じゃ、ついでに片付けよっか」

俺が指を鳴らすと、アルカディアの腹部から無数の爆撃ドローンが射出される。


光の雨が降り注ぎ、魔族軍の編隊を次々と爆砕。

黒い兵士たちは逃げ惑う暇もなく光に呑まれ、戦場は一瞬で更地になった。


こちら側の血も、悲鳴もなく、圧倒的な勝利



呆然と立ち尽くす王国の騎士団。

カインも剣を握ったまま口を開けていた。


俺はにやりと笑い、言ってやった。


「なあ、これが“俺たちの勇者ごっこ”の実力なんだけど?」

「剣でカチカチやってるのも悪くないけどな……これが本物の戦争だ」


ザルクが肩をすくめ、ミリアが憐れむような顔文字をドローンの液晶に映す。

「ま、次は俺たちの足を引っ張らないでくれよ、エリート騎士様?」

「王都を守ったのは、お前らじゃなくて俺たちだからな」


騎士たちの顔が赤く染まり、誰も反論できなかった。



民衆は恐怖と歓喜に震えながら叫んだ。


「異星勇者! 神の軍団!」

「救世主だ! 本物の救世主だ!」


王都は歓声に包まれる。

こうして俺たちは、異世界における“最強の力”をまざまざと見せつけた。


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