『お漏らし系配信者』
マジでお久しぶりです
ちょっとネタ仕入れました、やったります。
今回は短めですわ。
「シクシクシク………もうお嫁に行けないよぉ…………。」
床掃除を終え、僕は今、リビングで泣いている。
先ほどの”事件”での恨みを込めて、リアーナをにらみつけたが、相手の防御力が下がる様子はなく、ノーダメージである。
何これ、バグですか??
「ここに婚約者がいるじゃない。」
「そうでした。」
防御力が下がるどころか、ハサミギ〇チンを打ってきましたわ。
見事にヒット、あたしゃ死にました。
「っていうか、僕のスマホ知らない?」
無くしちゃった。
「さっき着替えた服のポケットにでも入っているんじゃないの?」
「え…………もしそうなら今頃、洗濯機でゴシゴシ洗われているんだけども…………。」
僕のスマホちゃん……。
「……ん?あ、ほら、あれじゃない?」
「え、どれ。」
リアーナが指差した先は、ドアの近く。
なんと、僕のスマホちゃんが床と同化して転がっていた!!
「あった!!!」
良かった、洗濯機に洗われてなくて。
僕はスマホちゃんに飛びついた。
その拍子に、隠れていたスマホちゃんの画面が露わになった。
「……………………え?」
は?
「……玲明?どうしたの?」
「…………ねぇ、うそ……………………。」
震えが止まらない。
怒りではない。
もちろん、恐怖による震えだ。
「玲明?」
「配信……………ついてるんだけど……………。」
待ってくれ。
もしや、僕のあの…こちょこちょされてからの……床を濡らしたアレが全国に配信されたってこと??
何で?どうして?
いつからついてたの!?
そして…………
「何でリアーナは驚かないの!?」
「いや、だって、知ってたから。」
と、おっしゃるすまし顔のリアーナさん。
なるほどぉ、知ってたのか。
っておい!!
「知っててあんなことやったの!?」
「そういうプレイじゃないの?」
と、またまたすまし顔のリアーナさん。
「違うんですけど!?」
残念ながら不正解!!
なんで皆に床を濡らすアレの音を聞かれなきゃいけないのさ!!
そういう趣味はないんだけど!?
ドMとかじゃないし!?
「いや待て、まだ、ちゃんと音が入っていなかった可能性が…………」
最後の希望にすがり、コメント欄を見てみる。
上位チャット:なんていうか……うん
上位チャット:大丈夫だよレイル、そういう日もある
上位チャット:映像は写ってないから!!天井が写ってただけだから!!
上位チャット:ASMR
上位チャット:家宝にします
上位チャット:レコードとして販売します
上位チャット:ワシはCDとして
上位チャット:レコ大狙えます
上位チャット:その、あれだよ。えっち
上位チャット:『お漏らし系配信者』
上位チャット:急に配信始まったと思ったら天井が写って、なんか乱闘してたと思ったら急に漏らして…………
上位チャット:な ん だ こ れ ! !
こっちが『なんだこれ!!』だよ…………終わった。
あと…………
「お漏らしって言うなぁぁぁぁぁ!!!!」
「あ、ついにお漏らしって認めたわね。」
もうヤダ恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!!!
僕、何歳だと思ってるの!?
バリバリ成人済みなんですけど!?
成人してから漏らしたことなんて、七回くらいしかないんですけど!?
「もう知らない!!」
僕は、爆速で配信を切って、脱兎のごとくその場から逃亡した。




