『わからせられ系配信者』
「どもー」
上位チャット:どもー
上位チャット:どもー
上位チャット:どもー
上位チャット:緊急対策会議ってどういうこと?
「あー、今から説明するね。」
今日の配信のタイトルは、【緊急対策会議】だ。
というのも、リアーナが僕の家に来てから、毎日のようにドキドキさせられっぱなしなのである。
これも全て性転換病のせいなのだが、、どうにかして主導権を取り戻したい。
そして今、サーナちゃんは遊びに来ていないし、リアーナは買い物で外に出ている。
この機会を活かすしかない。
そこで僕は、視聴者に頼ることにしたのだ。
「まず、性転換病には、性別が変わる以外にも症状があるんだよね。」
上位チャット:ほう
上位チャット:ほう
上位チャット:何だか面白そうだゾ
「それが、『好意を持つ相手に対しての気持ちが敏感になる』っていうものなんだよ。
性転換病初期には見られなくて、時間が経ってからこの症状も出るんだって。
それで、この症状が先日発症したってわけ。」
上位チャット:え
上位チャット:ということは、、?
上位チャット:照れてタジタジになってるレイル氏が見れる!?
「そう!そうなんだよ!!
もうね、、本当にわけがわからない。リアーナやサーナちゃんに触っただけでドキっとするし、抱きしめられた時にはもう、、、死ぬかと思った。」
頭では、触るくらいそれほどのことでもないと分かっていても、ドキっとしちゃうんだよねぇ、、。
しかも、顔が赤くなったり汗が出たりすると、結構恥ずかしくなる。
上位チャット:は?
上位チャット:惚気乙!
上位チャット:レイル様ガチ恋勢の私、指をくわえながら見る
上位チャット:レイル様ガチ恋勢の私、爪を嚙みながら見る
上位チャット:レイル様ガチ恋勢の俺、小指をタンスの角にぶつけて萎える
上位チャット:一人だけ自業自得で草
「それで、、その、、いつもは僕が主導権を握って、皆を振り回してたわけじゃん?
だから、どんな仕返しが飛んでくるか怖くって、、、、。」
上位チャット:震えるレイルちゃん、可愛い
上位チャット:振り回してる自覚はあったのねw
上位チャット:イケボで抵抗したら?
「イケボで抵抗は試みてみたんだけどね、、その、、、キスされちゃって、、、、」
あれだけで腰が抜けて動けなくなるんだよ!?
もう恋愛の駆け引きで勝つのは無理ゲーな気がしてる。
上位チャット:きっっっす!?
上位チャット:センシティブ!!センシティブだぁ!!
上位チャット:センシティブ警察です、、えっちな顔をしたTS美少女ロリイケボ系配信者がいると聞いて駆けつけてたんですが、、
上位チャット:特殊な通報過ぎるだろwww
上位チャット:レイルちゃんのイケボでも対抗出来ないとは、、性転換病恐るべし!!
「だから、何かいい案を皆で考えようと思います!!今回は結構ガチで、真剣に!!」
上位チャット:うーん
上位チャット:イケボで無理ならもう無理じゃない?
「そんなぁ、、、。」
上位チャット:こんな弱弱しいレイル氏初めて見たかもww
上位チャット:私の家に来ませんか!!!!
上位チャット:私の家に来ませんか!!!!
上位チャット:私の家に来ませんか!!!!
上位チャット:俺の家に来ませんか!!!!
上位チャット:ガチ恋勢全員同じ思考回路で草
いや、知らない人の家には行かないからね?
いかのおすし!だからね?
「あ、、そっか。」
その手があったか。
上位チャット:お?
上位チャット:おお?
上位チャット:おーん
「家出すればいいんだ!!」
上位チャット:はい解散
上位チャット:あのヤンデレ王女様が逃がしてくれる訳ない不定期
上位チャット:いやそれは定期だろ
上位チャット:絶対逃げ切れなくて笑える
「いや、大丈夫。僕は『日ノ本の叡智』だよ?
この僕の頭脳にかかれば、家出なんて、、、ぇっ!?」
コンコンコン!!
配信部屋がノックされた。
まさか、リアーナがもう帰ってきて、、
「何か不穏なことを言ってたわね?開けるわよ。」
やーばいっ
「なっ、、ま、待って!今配信中だから!!」
「私の顔ならもう知れ渡ってるし、いいでしょ?」
「そ、、そうなんだけど、、あの、、ええっと、、、」
上位チャット:確実に家出のくだり聞かれてて草
上位チャット:終わったなwwww
上位チャット:『わからせられ系配信者』キタコレ!
上位チャット:死のカウントダウン
上位チャット:流石に逃げれないなこれはwwww
ガチャ!!
扉が開いて、リアーナが中に入ってきた。
「そ、その、、リアーナ、、、?」
「家出って、、家出って、どういうことなの!!!」
「ち、違うんだよ!!僕が主導権を取り戻す方法を皆で考えてて、、あっ、、、」
秘密にしてたのに。
「あぁ、そんなこと。なら、気にする必要はないわよ?」
「えっと、、それって、、、どういう意味?」
あの、リアーナさん?
目が、、一旦、目が怖いよ?
愛しい婚約者様は、にっこりとお手本のような笑みを浮かべて、僕を壁際に追い詰めた。
「貴方に主導権を返すつもりはないから。
今まで散々振り回してくれた分、たっぷり可愛がってあげますからね?可愛い婚約者様っ♡」
「は、、はぃぃ、、」
お、終わった、、、




