どうしてこうなった!?
おかしい、、絶対に!おかしい!!
「どうしたの?そんなにもぞもぞして、、」
「顔が真っ赤ね。」
あぁぁもう、うるさいなぁ!!
「ちょ、、ちょっと黙ってくれない!?」
マジで!!
「こんなにも女の子なのに、声がイケボなのがやっぱり面白いわね。」
「私はもう、この異常に慣れちゃいましたね、、。」
「もうっ!!」
二人にちょっと触れただけで、何でこんなにドキドキするわけ!?
おかしくない!?
まぁ理由は分かってるんだけどね。
どうやら性転換病には、性別が変わる以外にも症状があるらしい。
それが、性転換病を発症してからしばらくすると、『好意を持つ相手に対しての気持ちが敏感になる』というものだ。
本当に、マジで、、何でこんな症状が出るのか意味が分からないが、非常に困っている。
本来だったら、僕がサーナちゃんやリアーナを翻弄しているはずなのに(今まではそうだった)、立場が完全に逆転してしまっている。
触れただけでもドキドキするんだから、そりゃあもうずっとドキドキさせられっぱなしだ。
「あ、、あのさ、、、」
「どうしたの?」
「その、、ドキドキするのとか、顔が赤くなるのって慣れてなくて、、恥ずかしいから、、、あんまりドキドキさせないで?」
「「っ!?」」
、、、、。
え?無視?
「は?この可愛い生き物は何?」
「へっ!?、、り、リアーナ、な、なななにを、、」
何で僕は、抱きしめられてるの!?
サーナちゃんは後ろで何かブツブツ言ってるし、、
「いえ、上目遣いでおねだりしてくる婚約者殿が余りにも可愛かったので、、つい、、、」
「か、、かわっ、、そ、、、そんな、、、っ、、」
まってヤバイ、本当に、、、ドキドキしすぎて、死ぬ、、、!!
「あっ、、ちょっとやりすぎちゃったかな、、、。」
意識が遠のき始めた時、やっと解放された。
もう二度とこんなことがないように、怒りの意味を込めてリアーナを睨んでおく。
「は?反抗的な顔も可愛いんだが?」
「か、、そっ、、それっ、もうどうしようもなくないっ!?」
睨んでもダメって、、もう無理じゃんか!!
と、とりあえず、どこかで主導権を取り戻さないと。
これまで散々暴れてきたツケを払わさせられるのは御免だ。
「と、ところで、この飛行機はどこに向かってるの?」
リアーナと合流した後、僕たちはリアーナが手配した戦闘機ではない飛行機に乗ったのだが、行き先を伝えられてはいなかった。
勝手に王都に向かうものだと思っていたが、どうも航路が違う気がする。
「日ノ本だけど?」
「「Huh?」」
ブツブツ言っていたサーナちゃんもこっちを向いて、首を傾げている。
僕と同じくらい、あの首の角度を再現できているなんて、、合格だ。
というか、リアーナさん、、日ノ本って言わなかった?
「え、帰ってるの!?」
「玲明たちからしたらそうなるわね。
サーナヴェルの反乱は鎮圧されたし、諸外国からの干渉も無かったから、もう私がファーレンハイトにいても出来ることが少ないのよ。
それだったらいっそのこと、玲明たちと一緒に日ノ本でしばらく暮らしちゃおうかなって、、」
なるほど、、リアーナと暮らせるなんて、素晴らしい考えだ。
だが、サーナちゃんは少し残念そうだった。
「せっかくここまで来たのに、、、」
「でも、往復でたったの三時間だよ?しかも、戦地に行かなくて良い。」
「あ!そうか!!戦地に行かなくていいんだ!!やったぁぁぁぁ!!!
生きて帰れるぅぅぅぅぅ!!!!」
サーナちゃん、今度は狂喜乱舞している。
最近の日経平均株価くらいテンションの乱高下が激しいね。
よっぽど戦地に行きたくなかったんだろう、、まぁ、そりゃそうか。
「ふぅー、、。」
「あ、タバコ吸っちゃダメじゃん!ここ機内でしょ!?」
「えー、確か大丈夫だったはずなんだけど、、」
知らんけど
「大丈夫よ、王女の私が許可するわ。」
「よっし!!」
あ、、もうお酒の残りが無い。
何と、ちょうど機内食の販売が来たじゃないか!!
ベストタイミング!!日頃の行いって奴だね。
「beef or chicken?」
ビールオアチキンって言った!?言ったよね!!
「ビール!プリーズ!!!」
「「ビール?」」
「びーる、、?beef?、、beef!!OK!!」
どうやら伝わったみたいだ。
サーナちゃんはbeef、リアーナはchickenを選んだようだ。
「え、なんでbeefが来たの?」
ビールを頼んだのに、僕の目の前には、とんでもなく大きい牛肉のステーキが鎮座している。
というか、beefって言ってなかったよね!?
「そりゃあ、beefを頼んだからでしょ?」
「え?」
ビールオアチキンじゃなくて、ビーフオアチキンだってこと?
「えっと、、こんなに食べれないんだけど、、」
「「がんばって。」」
くっ、、くそぉ、、
ここぞとばかりに僕のお決まりのセリフを、、
「い、今に見てろよ、、!!」
いつか、いつか主導権を取り戻して、、
えっと、、何でリアーナさんは顔を近づけてきているのかな!?
逃げ道が無いんだけど、、ねぇ、、ちょっと!?
「何か言いました?」
チュッ♡
「ふぁっ!?、、な、なななんでもない、です。」
キスくらいでこんなに動揺しちゃうなんて、、
本当に、どうしてこうなった!?
高評価もヌルッとお願いいたします
天才なのに英語はできないの!?
という質問がありましたが、面倒くさがり屋でもあるので、翻訳機器に頼りっぱなしなのです。
だから英語力は皆無です。




