表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS美少女ロリイケボ系配信者  作者: 仏滅
【Order Of Phantoms】編
17/45

全ては愛しき貴女の為に

???

「というわけで、今日はここら辺で終わりまーす!、、さよなら♡」


「いぃぃイケボッ!?!?」


上位チャット:ヴッ

上位チャット:イケボぉぉ

上位チャット:【Fural】ちゃんwww

上位チャット:好き♡


【この配信は終了しました。】



数マッチほどやって、そろそろいい時間になってきたので、配信を終了させた。

【Ruler】の方も配信を終わらせたようだ。




「改めて、皆、二年間も居なくなってたのに、また一緒にやってくれてありがとね。」


「いえいえ、むしろ【Phantom】様と一緒に出来て光栄です。」


「いつでも誘ってくれ。」


「ヒヒッ!久しぶりに満足させてもらったぞ。」


急に居なくなって二年も経つのに、皆優しいなぁ。

僕だったら机をひっくり返して、シャーペンの芯でボウリング始めちゃうくらいには怒るのに。


やっぱり、このチームは暖かい。


ちょっとイエスマンしかいないのが怖いけど。


「じゃあ、また一緒にやろうね。」


そう言って僕がログアウトしようとした時、【Ruler】に真剣そうな声色で呼び止められた。


「なぁ、、【Phantom】、、、」


「どうしたの?」


ひょっとして急にいなくなったことをキレられるだろうか、と内心で戦々恐々としていたが、返ってきたのは、全く予想していなかった提案だった。


「また、このチームで、大会に出ないか?

俺は今、二か月後にある日本一決定戦に出るためのチームのメンバーを探してるんだが、どうしてもこのチームで出たいんだ。

このチームが、今まで俺が入ってきたチームの中で最強だし、何より、やってて楽しい最高のチームだからな。」


【Ruler】の提案に、【Fural】と【Rira】も追随する。


「アタシも、またこのチームで大会に出たい。というより、【Phantom】、お前のプレイが見たい。

お前が前の世界大会で無双していたのは、今でも時折思い出してゾクゾクするし、最高の瞬間だった。

アタシからもお願いだ、どうか一緒に出てくれないか?」


「わっ、、私もっ!【Phantom】様と一緒に大会に出たいですっ!

せ、あ、ええと、、思い出にもなりますし、優勝した時には、その、私の気持ちを、、、、」



あぁ、嬉しいな。


こんなに人に慕われて、望まれるなんて、昔の僕には有り得ないことだった。


【Fural】、【Rira】、【Ruler】。

個性豊かで面白い、最高のチームメンバーたちが、僕を必要としてくれている。


それだけで、僕の胸が暖かいもので満たされて、何だか涙すら出てきそうだ。



「誘ってくれて、ありがとう!」



「よしっ!!!なら、まず練習の日程を決めて ―――――――― 」











「でも、ごめん。大会に出ることは、出来ない。」



「っ!?なんで、、」


「どうしてですかっ!?」


「おいおい、、」




「君たちを、その、、巻き込むわけにはいかないんだ。」



日本一決定戦は、FinalWorldの公式大会だ。

出場するには、不正行為などが行われないように、本名と住所を入力を入力しなければならない。


そう、()()だ。



万が一でも、僕の本名が流出すれば、大変なことになる。


【Order of Phantoms】の皆にも、危険が及ぶかもしれない。



それだけは、絶対にダメだ。


僕が守るべき人々である彼らが、僕のせいで危険にさらされるなど、あってはならないことだから。




「どうして、、私たちじゃ、、、ダメなんですかっ、、?」




「違う!!そうじゃないっ!!!

皆が僕を必要としてくれていることは分かってるし、僕もそれに応えたいと思ってる!

でも、ダメなんだ、、、。

万が一でも、皆が危険にさらされる可能性があるから、僕はもう、大会には出れない、、。」



今の僕は、二年前のあの時の僕とは、もう違う。


何も背負わず、無気力に行き当たりばったりで生きていたあの頃とは、違うんだ。



さっき、『皆が危険にさらされる可能性があるから、僕はもう、大会には出れない』と言った。

確かにあの3人のことは、人として好ましく思っている。


少なからず僕に好意を向けてくれているのも知っているし、妄信的に信頼してくれているのも知っている。


でも、僕があの3人を守りたいと思うのには、好ましく思っていること以外にも理由がある。



僕は、この国自身と、ここに住む全ての人々を、守りたい。



この国が危害を加えられるのは許せないし、この国の人々が一人たりとも傷つくことがあってはならない。



()()()()()()()()()()





ある日、リアーナ・ラ・ファーレンハイトは言った。


「私、日ノ本が好きよ。」と。




リアーナが好きと言ったならば、この国は、リアーナが好きと言ったそのままの状態であるべきだ。


言い換えるならば、全てにおいて現状を維持するべきだ。


周辺諸国と平和的に接し続け、美しい景観を維持し、人々の笑顔が溢れる社会を保つ。




リアーナが好きと言った『日ノ本』を、何としてでも保たなければならない。




全ては、リアーナの幸せのため。






僕を暗闇から救い出してくれた女神、リアーナ・ラ・ファーレンハイト。


彼女こそが僕の全てであり、彼女の幸せこそが全てにおいて優先される。




例えそれがどんなに悲しいことであっても、僕の心や身体が壊れてしまうとしても、リアーナのためになるなら、なんでもなってみせる。



今回の大会の件についても、そうだ。


【Fural】も【Rira】も【Ruler】も、日ノ本の国民だ。

この3人が危害を受けるとなると、それは、リアーナが好きな『日ノ本』を乱すことになる。



それだけは、絶対に許されない。






もう二度と、リアーナを傷つけないと、誓ったのだから。










だから僕は、絶対に、大会に出ない。








「ごめんね?普段は一緒に出来るから、それで許して?」





ということで僕は、皆に平謝りすることしか出来ない。




何なら一週間禁酒してもいい、、だから、許してくれないかな?


配信は好き、ゲームも好き、ダラダラするのも好き、酒もタバコもだいすき、でも、最優先はリアーナ。


レイルちゃんは、そういう人です。





高評価もお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ