悪魔が囁いた
それは食品スーパー時代の話…。
当時、部門を越え、社員・パート全員で棚卸しする事になっていたんです。
で開始が、夕方六時からの為、私はのんびり歩いていく事にしました。
職場の最寄りのコンビニの前です。
ふと、足元を見やった私は、何故か千円札が一枚、裸で落ちてるのを発見しました。
悪魔が囁きます「貰っちゃえよ、棚卸しにわざわざ来た、ご褒美だよ」
天使が囁きます「ダメよ。お店に届けるべきよ」
どうしたものか…。とりあえず拾い上げて、コンビニの方を見やると、その軒先で、ホットスナックをもぐもぐしてる男性とばっちり目があった…。
「…」
私はコンビニに入店しました。
店員さんは、どうやら学生さんのようで、「すみません、表に千円札落ちてました」と渡すと戸惑った顔で、レジの中にしまっていました。
一応「ありがとうございます」と言ってくれました。
いまならわかりますが、レジに入れてはいけません。
メモでもつけて、所定の場所に保管です。
で、私は思ったのです。
「あれが万札だったら、猛ダッシュしてたかもな…」
その後、普通に棚卸しし、帰宅しました。
あの千円札、どうなったのかな…?
あのままレジの中だと、過剰になっちゃうけど…。
あの時、悪魔の囁きに耳を貸していたら、どうなったのでしょうか?
神のみぞ知る…。