大きな青春
最終話投稿しました。
「絢斗さんっ、今日のテストの出来はどうですか?」
「まぁ…ボチボチかな」
「せっかく教えたところが出たテストでしたのに…」
「流石にそこは解けたよ!!!」
あれから1年が経って、僕たちは3年生になった。3年生にもなると模試が沢山あり、僕も彼女も進学クラスなので毎日のように復習させられている。そんな忙しい中で、変わったことが1つある。彼女の僕の呼び方が下の名前になったということだ。彼女から名前で呼ばれるというだけでどれほど嬉しいだろうか、世の中の人に自慢がしたい。お返しに僕も彼女を名前で呼ぶようになった。
「逆に、叶夏は出来たの?」
「ええ、もちろん」
ドヤ顔が地味にウザい。
「絢斗さんよりは頭がいいので!」
「うわっ!自慢してきやがった!」
「事実でしょう?」
「何も言えないのが悔しい」
「…私よりいい点取れたらチューしてあげますよ」
彼女からの思わぬ提案に目を輝かせる。
「それホントだね?」
「食いつきがすごいですね、ドン引きなんですけど」
自分の腕を体にまわし、眉をひそめて体を縮めている。
おいっ!と彼女の肩を軽く小突く。
「二言はないな!次の模試で勝負!」
「コテンパンにしてあげます
あ、ちなみに、絢斗さんが負けたらどうします?」
「罰ゲームでもなんでもやるよ」
「言いましたね?二言はないですね」
「もちろん!」
結局この勝負には負け、とんでもない罰ゲームをやらされたのだが、それはまた別のお話。
「さ、くだらない事言ってないで帰りましょうか」
「叶夏から言ってきたんだろ」
「そうでしたっけ?……忘れちゃった!」
不意に敬語をやめた叶夏にドキッとする。
「はぁ、好きだ…」
ボソッと呟く。
「ん?今なんか言いました?」
「なんでもない、帰るぞ!」
「はーい」
あの日、この場所で君に恋をして良かった。そう思ってあの時と同じ席から立ち、教室を出た。
ご愛読ありがとうございました!
最終話はお喋り会ですみません笑
この話は自分の理想の青春を書いてみました。
書いていて、楽しかったです。
また、新しい作品をあげると思うので、その時はぜひ読んでください!