練習
あの後一回家に帰ってから日が沈む頃にもう一回役所に行った。役所の前には受付をしたお姉さんと筋肉質な老人だった。
「ルーシュくん丁度良かった。この方があなたにいろいろ教える。」
「儂はトレバー、お主にいろいろ教える。ついてこい」
僕は状況がよくわからなかったけどついていかないと何も始まらないと思い、トレバーさんについていった。
数分無言で歩くと、木造りの小さな家にたどり着いた。
「ここで儂がお主に教えるのは、読み書きと剣と魔法の基礎だ。今日はもう遅いから説明だけする。入ってこい」
僕は静かに頷いて、家の中に入った。
「ぼ、僕の名前はルーシュです。よろしくお願いします」
「ルーシュ、今から明日以降からすることの説明をするぞ。
まずは、文字だがすぐに終わるだろう。一週間ぐらいを目安にやる。それが終わったら、午前中は魔法、午後は剣を教えよう」
「あ、あのなぜ魔法も剣も教えるんですか」
「指揮官は魔法部隊も剣を使う部隊もテイマー部隊を動かすからそれらの特徴を知っていないとできないからだ」
「テイマーて何。ですか」
「従魔を持っていて、それを使って戦う。テイマーの専門魔法の[調教魔法]がないと従魔にするのに年単位で時間がかかるから教えん」
「専門魔法?」
「それはな、その職業しか使えない魔法なんだけど。まぁー賢者はなんでも使えるけど」
トレバーは僕が理解してないことに気が付き話すのやめた。
「明日の朝から教えるから日の出の少しあとから来い」
「は、はい」
「あ、それとやる気を出すために一つの魔法を見せてやろう」
トレバーはそう言うと、人差し指を立てて、その先端から自分から光を出す黒い玉が出てきた。
「これはなー、超位魔法の黒炎の部類に入るやつだ。早く読み書き覚えたら、教えてやってもいい」
「はい!明日から頑張ります。」
僕はすぐに自分の家に帰って、親に伝えた。
なんでも二人共【指揮官】という職業を知らないみたいで、どうするかを迷っていたらしい。それを教えてくれる人がいることで少し安心したみたいだ。
「トレバーさんおはようございます」
「ルーシュか、おはよう。中に入れ」
その後昼食までひたすら勉強した。
「飯はこれでいいだろ」
トレバーさんはパンにスープに野菜を出してくれた。
「え?このパン美味しい」
「そかそか、それは良かった。できたばかりだ。やっぱパンはできたてが一番」
「いつ作ったんですか」
「魔法だ」
それ以上は教えてくれなかった。
「今日はここまで。家でこれを読んどけ」
僕は、【指揮官】の情報が乗ってる本を読めと言われ、家に帰った。
「ただいま」
「あら、飯はまだ少しかかるわよ」
飯まで本を読んでみることにしたが
「全然読めねー」
本を開いたが全く読めない
3日たった頃に少しずつ読めるようになっていた。
「読み書きの基礎はこれで終わりだな。あとは練習するのみ
明日から魔法と剣の基礎をやる」
4日目の終わりにそんなこと言われた。
「魔法は、魔力を使ってこの世界にいろんな現象を起こす。
職業の専門魔法はその名の通り、その職業しか使えない。
まずそれからやるか」
「お願いします」
「と言っても【指揮官】の魔法は今使っても意味ないけど。
【指揮官】の魔法は、戦場の場所、そこに自分の部下を立体的に見えるようにすることができる魔法だ。部下が見た敵も立体的に見れるようになる。戦場でしか活躍ができない魔法だ。」
「なんか、しょぼい」
僕は、専門魔法の使いどころがわからない。
◆◆◆
僕は半年間毎日魔法と剣の練習をし続けた。
専門魔法の説明が思った以上に難しくて困りました。