レイジ 観察記録
レイジは基本文句は言わない。
好きなものは積極的に表現してくれるが、反対に苦手なもの嫌いなものに関しては無言を貫く。
しかし様子を見ていれば、何が好きで何が苦手なのかが段々と掴めてきた。
ご飯は一通りなんでも食べる。
ただし、辛すぎるもの、苦すぎるものは苦手なようだ。
カレーは大丈夫だが、坦々麺は苦手、ピーマンは大丈夫でゴーヤは苦手、というような感じだ。
好きなものは、甘いもの。
和菓子より洋菓子の方が好きなようで、口の中ですぐに溶けて消えるもの(チョコレートやアイスなど)が特にお気に入りなようだ。食い付きが他のお菓子より格段に違う。
飲み物でいえば、お茶よりも水を好み、甘いものだとオレンジジュースが好きなようだ。
しかし炭酸は未だに苦手だ。ちびちびと飲んで炭酸が抜けるのを待ってから飲む。
子供の味覚というのだろうか。後々成長していくことを期待したい。
好きなテレビ番組は教育番組の中でも、子供向けの工作番組と、世界の大自然を取り上げた番組。
工作は材料を組み合わせて出来上がっていく様子を見るのが楽しいらしい。
そして毎週欠かさず見ているのは、大自然の中に生きる生き物たちをピックアップした番組で、舞台がジャングルや森の中だと、木々が生茂っている様子に興味津々といった感じだ。また海や川の様子も気になっているようで、よく質問をしてくる。なんでもレイジは海を見たことがないらしい。
逆に砂漠地帯の話題になると、途端に興味を無くしてしまうようだった。
そして、お笑い番組やニュースは、話すスピードについていけないようで、テレビがついていても画面を見ないという興味の無さっぷりが徹底している。
服装は、俺のお下がりか早川から拝借したもの、もしくは新たに買い足したものだったりするが、レイジの外国人風の顔立ちの前ではどんな配色でもセンスがあるように見えてしまうというお得な現象が起こっている。
早川の服は、一体どこで手に入れたのか不明なセンスの塊であることが多い。
しかしレイジが着てしまえば、蛍光オレンジのストライプシャツも、蛇柄のハーフパンツも、「おいでやす」ロゴの入ったポロシャツだって、様になるから不思議だ。
これで服たちも報われるだろうと思わずにはいられない。
レイジ自身は服飾に特に拘りはないようで、日々手に取った服を着ている、という感じだ。
しかしボタンが多い服はボタンを留めるのが苦手なのか、あまり好んで着ないようだった。
勉強だと、算数が得意だ。計算は結構早く出来るようになった。国語は漢字で躓きがちになるが、そこそこ上達している。理科は植物に関しては熱心に勉強するが、範囲がそれ以外になると途端に筆の進みが遅くなる。
英語に関してはアルファベットがようやく読めるというところだ。日本語で手一杯なのに英語までは頭が追いつかないという。
そして、予想外に、絵が下手だ。絵心が皆無と言っていい。
試しに動物図鑑の絵を描き写させてみたら、とんでもない怪物が生まれたので、絵を描かせるのは控えようと心に決めたのだった。本人も自分がここまで上手く描けないとは思わなかったようで、項垂れていた。
この数ヶ月で急激な成長を遂げたレイジだが、これからもまだまだ成長していくのだろう。
そこでレイジがどのように変わっていくのか、今後のことが楽しみでならない。
これが子育ての醍醐味か、なんて自分の中に父性のようなものを見出してしまった20歳の晩夏。
今後の俺の行く末も、気になるところである。




