恐竜
ドカーン、ドカーン
森林の中に戦車砲の轟音が轟く猟としては戦果が上がっていない
「う~んなんかいい獲物いないっすかね~。」
外見に精神が引きずられているのかまるで女子高生のグループかのようにきゃぴきゃぴ笑いながら森の奥へと歩いていく
????視点
なんだあいつらは俺達ならば隠れて立ち去るのを待つしかないワイルドボアが一撃で吹き飛んだぞ
「おい、お前達は長老様に報告に行ってくれ、俺達はあいつらの後をつける。」
「わかった、だが大丈夫か?」
「無理をするつもりはない、いつもどうり追跡するだけだ。」
強力な魔獣が生息するこの地で生き抜いてきた我々は隠蔽術と追跡術を発達させてきた、強大な魔獣も生まれたばかりの個体は弱いからな
「もーアインもトーコも主砲の使用禁止~ほら~ワイルドボアが木端微塵子だよ~これじゃあ素材が取れないよ~。」
幼い容姿の少女チハたんがその姿にふさわしいような声で不満をあらわにする
「あ~ごめんごめん、でもむずかしいよここの獲物じゃあ私達の装備じゃオーバーキルすぎるんだよね。」
「そうなんだよね~逆に機銃じゃあ威力不足だし~。」
「いやそれを言うなら88ミリしかない私はどうしたらいいのよ?」
とアイン、トーコ、アハトが愚痴ると
「かたい甲羅とかに覆われた陸ガメとかサイとか象の魔獣でも探さないといけないんじゃない?」
とフレイヤがまぜっかえす、たしかにこれまで彼女達が遭遇した魔獣は一撃で四散してしまうことが多く
「分かったきをつけろよ。」
「うむ、行くぞ。」
そうして二手に分かれた彼らは音もなく森の中に消えていった。
10式戦車視点
「みんなそのまま会話しながら聞いてちょうだい、さっきから後方に赤外線センサーにひっかっかる物体がいるの。」
きゃぴきゃぴ会話するみんなに秘匿回線経由で話しかける
「なんだそれは敵か?殲滅するか?」
「アインは過激デスネー、そこまでする必要はないデース。」
「フレイヤはお気楽すぎだけどね。」
「そうね、原住民だとすればこちらに恭順させれば農業や建築にまわせるわ。」
「なんだそりゃ。」
「そうすれば素体を戦力に回せるでしょう?」
「おおゲパルトさんは頭がいいですぅ~。」
「ではとりあえず警戒しつつも放置で。」
「りょうか~い、じゃあ兎も角なんか獲物を探しましょう。」
「う~んいっそのことミスAに頼んでなんか大きな魔力反応でも探ってもらいましょう。」
「そうね~視界も悪いしその方が早いか?」
「オケオケ、それじゃあ早速頼んでみましょう。やほやほミスA聞こえる~?」
『はいはい、聞こえますよ~どうかしましたか?』
「ここらあたりの魔力反応探ってちょーだい。」
「スチュアートは軽すぎるわね、なんとかならないのかしら?」
「むりなんじゃない?慣れるしかないじゃぁ。」
『わかりました、えーと?その周辺でとすると、後方150m程にそれなりが1体とその周りのは弱いからいいですね、後は西方15kにかなり強力な個体がいますね。』
「後ろのはたぶん原住民でトーコが見つけているからいいや、西に行ってみるねーありがとー。」
『いえいえ、ではお気をつけて。』
「西だってさー、皆いってみよ♩」
とさっさと先に行ってしまうスチュアートを慌てて追いかける一行
「ちょっとスチュアート待ちなさい、先行しすぎると危ないわよ。」
「えーでもそれが偵察車両の僕の役目だよん。」
「それだったらもう少し気をつけなさい偵察は細心の注意でよ。」
「でも大胆に威力偵察のほうが僕の好み♩」
流石に軽口をたたきながらも周囲を油断なく探っている
「ここまで来ると森が深いわね、人間大の私達なら兎も角、本物の戦車でも行軍は無理じゃないかしら?」
暫く進むとフレイヤが言う通り深い森へと変わっていき、突如として進行方向からけたたましい咆哮が轟いてきた
GUWOOOOOOON
KYUOOOOOON
「なに?今の声?怪獣でもいるのかしら?」
「Oh怪獣ナラ、トーコの出番デスネ。」
「なんでよ!」
「怪獣と戦うのは、ジエータイの役目デスネ。」
まるでジュラシックな公園にでも迷い込んだような咆哮だった、冗談を言い合っていると巨大な存在同士が戦っているような音も聞こえていたが断末魔の叫びと共に静かになる
「ふむ、こんな世界だしなドラゴンでもいるのかな?総員戦闘準備大物だ仕留めるぞ。」
このメンバーの中で最も好戦的なアインがしきるが反対意見がでるでもなく自然と散開し戦闘準備に入る
やがて肉を咀嚼するかのような音が聞こえてきたいな、今まさに巨大な肉食獣が食事中であった、見えてきたのは全長15mに達する肉食恐竜がこちらも10mを越える草食恐竜を貪っていた
形状からして肉食恐竜はティラノサウルス、草食恐竜はディノサウルスの近親種か
兎も角、彼なのかは分からないが食事中の闖入者に獲物を横取りされると思ってお気に召さないのか、威嚇してきた、それは先ほどのセリフがなんらかのフラグだったかのようにトーコへと向けられた
GUWOOOOOOOON
ものすごい声量に物理的な圧力まで感じるすさまじい咆哮にさらされ流石のトーコもおもわず混乱して主砲を乱射してしまった
「キャーキャー!」
ダン、ダン、ダン
「うわ、皆伏せろー!」
「トーコ、落ち着け、もう死んでいるぞー!」
ガチン、ガチン
ようやく彼女が落ち着いたのは携行していた砲弾を撃ちつくしてしまったからだった、腰を抜かしているのかペタリと地面に座り込んでいるトーコをザビーネとチハたんが助け起こそうとするが
「大丈夫か?トーコほら摑まれ。」
「大丈夫ですかトーコさん?」
「あ、いや今はちょっと。」
何故か助けをこばみ顔を赤らめているトーコをいぶかしむ二人だが彼女の下の地面にショワーと広がる水たまりに気がつき事態を察する
「あーなんだもらしたのか?」
「い、いや違うわよ、そ、そうこれはオイル漏れよ!」
「え~と?」
「しかたないわね暫く休んでいなさい。」
ザビーネがチハたんを促し恐竜たちの方へ向かう、
「どうした?トーコは大丈夫なのか?」
「腰が抜けているようだから、暫くは休ませましょう。」
惨状を確認していたアインにザビーネが答える、あらためて状況を確認すると口腔の中に着弾したのか頭部が吹き飛んだティラノサウルスの死体、それに捕食されていたディノサウルスの死体の先は戦車砲弾の雨で数百メートルに渡ってなぎ倒された巨木の森だった
「幸い?状態のいい倒木もいくつかできたようだから即席で橇を作って帰還するとしよう。」
????視点
なんとゆうことだあいつらの縄張りへと向かっていやがる、これ以上進むのは危険だやつらは鼻が聞く俺達の隠蔽術でも見破られることが多い、だがまさかあの女達はあいつらより強いのか?仲間の一人がリーダーである俺に聞いてくる
「どうする?これ以上は危険だぞ。」
「確かにこれ以上は進めん、だが念のためこのけもの道を監視できる場所で待機しよう。」
「あいつらが無事に帰ってくるとでも?」
「わからん、が最悪でも一人ぐらいは逃げてくるかも?」
そんなことは信じていないが、そうとでも言っておかないと皆が動揺する、だが俺たちはその後、驚愕の場面を見ることになる。
この大陸の覇者と言えるはずのやつの頭が吹き飛ばされた姿を………
ありがとうございました