表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短歌2014  作者: 酒田青
3/4

自然短歌

雨降りし 山間の町の静けさや ただ草木の潤いてゆく


桜散る 泥に汚れし花びらを 踏む人々の顔は晴れ晴れ


水溜まり 覗きて聞こゆる仏法僧 鳴きて騒ぐは水面の向こうか


薄紅の 牡丹のつぼみほころびて 人が群がり去りて群がる


鉢植えの 薔薇の花には蜘蛛の巣が 払いし手にぞ哀れみはなき


傘を差し 桜散らせる春の音 聞きてちゃぷちゃぷ踏む水溜まり


年輪を 積み重ねつつ幾百年 大楠とても雨に降らるる


雨蛙 ここは人の住処なり 危なき目には遭わぬよう去れ


ぬばたまの 夜に抱えし寂しさを 虫の騒ぎて掻き消しにけり


人気なき 田園地帯眺むれば 舞いし蝶にも神の目感ず


青竹の 繁る山並み 分け入りて 見失いしは里へ行く道


昨日見し 揚羽蝶なり 足元で風に吹かれて転がりけるは


芋虫を 踏みにじりつつつぶやくは 一分の虫にも五分の魂


豪雨晴れ 人の暮らしの戻り来る 水田からは苗の覗き出づ


白菊の 切り口からは水滴落つ 延命措置に花瓶に浸す


水色の 空を見上げて思い馳す 宇宙の星の空は何色


蛍なら もうおりはせぬと言われども 葉陰に一つ光っていたり


まどろみて 夢にて泳ぐぬるき海 まなこ開けば降る蝉時雨


子供らの 蝉の脱け殻探しつつ 蝶追う声が耳に届きぬ


彼岸花 群れてちりちり地獄の火 素知らぬ顔で刈り取る翁


山の端の 茜色から空色の境目なきを行くうろこ雲


紅葉の 赤き山々眺むれば 母の出しつる栗の甘露煮


息白く 頬紅くなり ふるさとは色とりどりの葉に覆わるる


枯れ葉舞う 頬を突き刺す冷たさは 冬の入り口 出口は遠し


蛇口より ほとばしる水 氷のごとし 外の烏の声もかするる


冷たきは わが布団なり 傍らに 猫さえおれば困らぬものを


木漏れ日を求めて寒し 雨蛙 動きはのろし 木枯らしの吹く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ