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刹那の風景 第三章  作者: 緑青・薄浅黄
『 杜若 : 音信 』
122/130

『 風への尊敬 』

【 トゥーリ 】


 クッカがいれてくれたお茶を飲みながら

先生から預かった、使い魔であるウサギの動きを

目で追っていた。ちょこちょこと動く姿は

ずっと見ていても全く飽きることがなく

いつまでも見ていられるような気がする。


動き回ることに飽きたのか

私が見ていることに気が付いたのか「キュ」と鳴きながら

私の膝に乗ってきたウサギを優しく撫でる。


知らず知らずのうちに、表情が緩んでしまうのは

この子が可愛すぎるせいだと思うの。


私に寄り添い、温もりを与えてくれる

この小さな使い魔を好きになるのに時間など必要なく

彼にこの子を返してほしいと言われたら、きっと寂しくて

泣いてしまうかもしれない。


普通の使い魔なら、私もここまで傾倒しなかったと思うのだけど

彼の使い魔は、私の知る使い魔からかけ離れすぎていて

ただでさえ、本当に生きている動物だと錯覚しそうになるのに

とある事件によって、私はこの子が彼の使い魔であるという

事実を完全に忘れてしまうことになるけれど

それはまた別のお話になる。



可愛いこの子の名前が決まったのはつい最近のことで

クッカに「まだ、決まらないのですか?」と生暖かい視線を

何度か貰うことになってしまった。


確かに、クッカが呆れるぐらいの時間を要したのは

私が悩んでいた時間が長かったせいもあるけれど

言い訳をしていいのなら、この子の名前を考えるよりも

優先しなければならない出来事が起きたから。


大切なこの子の名前を、適当に決めるなんて

絶対にありえないと思うの。



その日、先生からクッカに届いた心話は

彼の手助けをしてほしいというお願いだった。


いつもとは違う様子で、彼からの話を聞いたクッカは

時間を無駄にすることなく行動に移しながら

彼との会話の内容を教えてくれる。


彼が滞在するリシアで、子供がかかると命を落としかねない

病気が流行したらしい。


先生は、医師ではないけれど

優秀な薬師であり、病気を治す薬を作ることが

できるということで助けを求められたようだ。


彼の作る薬は、精霊の契約者ということもあり

他の薬師が作る薬よりも効果が高いことも考慮されたみたい。


クッカの話を聞きながら、綺麗にまとめられていく

薬草の種類を覚えていく。クッカが薬草を先生に届けに行ったら

ノートに纏めようと思う。子供達の病気が治ったら、先生に詳しく

話を聞こうと心に決めた。


子供達の病気が治ったら……。

自分の思考に、少し不安が心をよぎる。


この病気は、子供を中心に広がりを見せると話していた。

なら、アルトは……アルトは大丈夫だろうか?


尻尾と耳を感情と共に動かしながら

一生懸命言葉を紡いでいた獣人族の子供。


クッカの話では、話し方もしっかりとして

大きくなっていると教えてもらったけれど

私の中では、いまだに小さいままだった。


先生だけではなく、アルトにもあの日以降会ってはいないけれど

アルトは、クッカだけではなく私にも手紙を書いてくれている。


毎回、元気が有り余っていますという手紙の内容に

笑ってしまうと同時に、アルトと一緒に行動している

彼が大変そうだと感じることも多かった。


先生がそばにいて、アルトが酷い状況に陥るとは思わないし

元気の塊であるアルトなら、病気の方が逃げ出しそうだけれど。

それでも、心配になってしまうのはアルトを弟のように

感じ始めているからかもしれない……。


「アルトは大丈夫かしら?」


零れ落ちた言葉に、クッカが少し手を止めて私を見た。


「クッカも、病気の詳細は知らないのですよ。

 でも、ご主人様がいてアルト様が危険な状態に

 なっているとは考えにくいのですよ」


「私もそう思うのだけど」


「大丈夫なのですよ。

 クッカが、ご主人様に聞いてくるのです」


「うん。お願いね」


「はいなのですよ~」


軽く頷いてから、クッカはまた小さな手を動かして

薬草を綺麗に束ねていく。


そんなクッカの様子を見て

私も何かできないだろうかと考えて

もう一つクッカにお願いすることにした。


私ができることなど、たかが知れているけれど

彼から教えを受けているものとして、私も彼の役に立ちたかった。

だから、もし私にできることがあるのなら使ってくれるよう

先生に伝えてほしいと……クッカに伝言を頼んだ。


どのような仕事でもいい、任せてもらえたら嬉しい。

期待しながらも、未熟な私では無理かもしれないと

半分ぐらいは、諦めている部分もあった。


遠く離れているのに……そんな私の考えを見抜いたのか

彼は私の気持ちを掬い上げ、冒険者に配るための予防薬を

任せてくれた。


薬草の下準備ではなく、薬を作ることを許してもらえた。

薬に関して、一切妥協することのない彼から

病気の広がりを抑える要となる薬を任せてもらえた。

私が薬を作ることができると、信頼してくれた。

そのことがとても嬉しかったの……。


クッカから転送で送られてきたメモ用紙に目を通して

ギュッと一度拳を握って気合を入れる。


失敗は許されないと、少し緊張している私の傍で

自分の存在を知らせるように「キュキュ」と鳴いて

小さな前足を私の足の上にのせて自己主張している

ウサギに意識を向けた。


そう言えば、この子の名前を考えていた途中だった。


「ごめんね。素敵な名前を考えるから

 もう少し待っていてね」


「キュ」


私がそう声をかけると、短く鳴いてから

ヒョコヒョコと私の傍から離れて

自分の寝床である、ふあふあのクッションがいれられている

籠へと移動して目を閉じてしまった。


「……」


時々、この子が私の言葉を理解しているように

感じてしまうのは気のせいなのかしら……?


考えてもわからない事は、後回しにして

先生から指示された通りの薬草をクッカに分けてもらい

彼が記述したであろう几帳面な文字を目で追いながら

必要なものを揃えていく。


さほど難しい調合ではないけれど

一度にこれほど沢山の薬を調合するのは初めてのことで

薬草や手順を間違えないように、何度も頭の中で反芻していく。


ここに置いてある机では、場所が足りないと思い

絨毯の上に、手持ちの布を何枚か広げて場所を作り出し

手順通りに調合できるように、薬草やその他の素材などを

並べていった。


机を少し移動させ、彼から貰った便利な魔道具を

机の上に広げて準備を整えてから、必死になって調合を始める。


時間が経てば経つほど、病気は広がっていく。

少しでも早く、薬を作って届けなければいけないと知っている。


間違えないように、確認作業を怠ることなく素早く調合し

クッカが用意してくれた瓶に粉薬をつめていく。


一つの水樽に、瓶一本の薬を混ぜ水薬にして配るようだ。

クッカが、薬草を届けに行くときに出来上がった分を

一緒に持って行ってもらう。


そしてまた、一から薬を作り始める。

もう、それなりの量の薬を作っているのに

必要とされる量には未だ足りていない。


特に今は、武術の大会が開かれるために

人が多いのだと、クッカが話していたけれど。

普段でも人の多い国なのだと、遠い昔に聞いたことがある。


誰から聞いたのか、と暫く考えて答えが脳裏に浮かんだ。


「カイル兄さま……」


どうして忘れていたのだろう。

彼の国は、カイル兄さまが守る国だと話していた。


「……」


一つ思い出すと、次々と思い出が胸に蘇る。


あぁ、先生とアルトがリシアに着いて

結構時間が経つのに、思い出せなかった理由は

思い出したくなかったからだと気が付いた。


思い出してしまえば、私の時間は進んでしまうから。

もう、カイル兄さまと会えないという事を認識させられる。

だから、無意識に思い出さないようにしていたのかもしれない。



破天荒で、面白いことが好きな人だった。

私に沢山の悪戯を教えてくれた人だった。

冒険者の事も、カイル兄さまが教えてくれた。


冒険者の国があるのだと

その国の名前がリシアということも……。


カイル兄さまは、子供の頃の私には

とても、不思議な人に思えていた。


今でもその気持ちは変わらないけれど。


時々ふらりと、兄達に会いに来て

私の家にしばらく滞在して帰っていく。


最初は、兄達の仕事仲間だと思っていた。

だけど、兄達が仕事で出かけてもカイル兄さまは

草の上で寝ていたり、魔法生物を育てたりと

自由気ままに過ごしていたのだ。


何かよく分からない魔法生物……毟る君デスが

生まれた時には、震えが止まらなかったけれど。


それでも、回数を重ねると慣れてくるもので

私にも増えた種をくれたから、育てていたこともある。


カイル兄さまが種を植えて育てると

なぜか、毟る君デスが生まれてくる。


最後の方はもう、魚が死んだような目をしていた。

私はそんなカイル兄さまを見て、いつも笑っていた気がする。


優しく明るい人だったカイル兄さま。

子供の私が懐くのに時間はかからず、兄さまの訪れを

待ち遠しく思ったものだ。


仲が良くなれば、疑問が浮かんでくるもので

カイル兄さまをよく質問攻めにしていたと思う。

そんな私に、彼はのんびり付き合ってくれていた。


そんな会話の中で、カイル兄さまの仕事が

冒険者と呼ばれるものであることを知り

私が生まれ育った国に、冒険者という仕事が

なかったことから、初めて耳にする仕事に

私はすごく興味を惹かれて、兄達に呆れられながらも

あれこれと話し続けていた気がする。


カイル兄さまの話は、私の知らない事ばかりで

様々な国の話を、面白おかしく話してくれたし

戦利品だと言って、クッカぐらいの大きさの

鳥の羽をくれたこともある。


その他にも、ドルマーレでは手に入れることができない

お土産を沢山持ってきてくれたりもした。


そう、人間達の間では私達の国の事をドルマーレ(竜国)というのだと

教えてくれたのも、カイル兄さまだった。


そんなカイル兄さまの好きな国が、リシアという国だった。

彼の国を語る兄さまの目が、とても優しかったのを覚えている。


そうだ、子供の頃……。

リシアに連れて行ってほしいと強請った覚えがある。

カイル兄さまが、それほど好きな国なら

素敵な国なのだろうと憧れを抱いたから。


だから、カイル兄さまが来るたびに約束を強請った。

何度目かのお願いで、苦く笑いながらも兄さまは

成人したら、連れて行ってくれると約束してくれた。


「……」


自分の手に、涙の雫が落ちる。

そのことに慌てて、目元を手の甲で拭った。

薬草を濡らすわけにはいかない。


机から少し距離を取り、涙がおさまるのを待つ。


『フィーリア……。

 俺と来い。俺の手を取れ』


どうやって、忍び込んだのかはわからないけれど

牢屋に入れられている私に逃げようと言ってくれた。

三番目の兄のように慕っていた。


迷わなかったかといったら嘘になる。

だけど、私が兄さまの手を取ることで

家族も兄さまも巻き込むことになるのは嫌だった。


それに、罪は償わなくてはならない。


だから……。精一杯の感謝を伝えて帰ってもらった。

それが、カイル兄さまとの最後の会話になることを

知っていても……。


人間の中では、膨大な魔力を持っていたとしても

千年の時を、生きることはできないから。


そんな私の覚悟を、カイル兄さまは

哀しそうに顔を歪めながらも、受け入れてくれた。


『そうか。

 お前がそう決めたのなら負けんなよ』


そういって、私の頭を撫でてくれたのが

カイル兄さまとの最後だった。



「キュ」と小さな声がして、寝ていたはずのウサギが

私の膝の上に乗り、じっと私の顔を見てから

スリッと体を寄せてくれた。


まるで、慰めてくれているかのようで

その可愛らしさに涙が止まる。


「もう、大丈夫。

 ありがとう」


ゆっくりとウサギを撫でながら、心落ち着ける。

ふと、視線を感じて顔を上げると心配そうに私を見る

クッカと目があう。


クッカの目を見て、大丈夫と伝えるように頷くと

クッカは何も言わずに頷いて、私から視線を外した。

彼女の見守るような優しさに、私は何度も助けられている。


ウサギを抱きながら立ち上がり

そっと籠の中のクッションへ下ろすとゴソゴソと

少し動いた後に目を閉じてしまった。


この子は、寝るのが好きなのかよく寝ているから

慣れてしまったけれど、普通使い魔は眠らない……。

幸せそうに眠るウサギを見て小さく笑ってしまう。


「そうね、もし……」


もし、無事外に出ることができたのなら

リシアの国に行ってみようと思った。


その時、私の手を引いてくれるカイル兄さまはいないけれど。



一度深く呼吸をして、意識を切り替える。

先生から頼まれた仕事が終わっていないのだから。


それからは、全力で薬を調合していく。

私も必死だったけれど、クッカもクッカに呼ばれてきた

中位精霊達も一生懸命に魔法を使って薬草を育てていた。


最近手狭になってきたからと、クッカが拡張した薬草畑が

凄く有効活用されている。されているけれど……。


クッカは、何処からこれだけの中位精霊を

呼んできたのかしら?


少し、いや物凄く不思議に思いながらも

忙しそうに、あれこれと指示を出している

クッカの邪魔をしないように、疑問をそっと胸の奥にしまって

声をかけることはしなかった。


時々、強張った体をほぐすように背筋を伸ばしたり

少し歩いたりして疲れを取りながら、頼まれた分の薬を

全てつくり上げた時には、陽が沈んでいたのだと思う。


先生が来る前は、目が見えなくなっていたこともあって

音も光もない場所にいたけれど……。


彼が洞窟の中に魔法を刻んでくれたから

一日の時間の変化が分かるようになっていた。


先生から、とりあえず今日の分は十分だという

手紙が届いたことで、緊張が解けたのか

ベッドに倒れ込むようにして眠りについた。


次の日も、先生からの指示で薬を調合したけれど

昨日のような忙しさはなく、私もクッカ達も

比較的余裕をもって作業をしていく。


私も含めて、クッカ達精霊も食べ物や飲み物を

必要としないけれど、先生やアルトがことあるごとに

お菓子や茶葉を贈ってくれるから、少し疲れたような顔をしていた

中位精霊達に食べるように勧めてみると、もの凄く喜んでくれた。


お菓子をつまんだり、お茶を飲んだりして休憩を入れながら

最後まで、先生を手伝うことができた。


クッカから、誰も水辺に行く事なく無事に完治したと

教えてもらった時は、本当に嬉しくて胸がぎゅっとなった。


先生もアルトも元気だと聞いた。

アルトは、友人とのすれ違いで問題が起きたらしいけれど

今は元気に笑っていると聞いて安堵する。


余り危ないことはしてほしくはないけれど

兄達を見てきて、男の子は大人しくできない生き物だと

知っているので、元気なら何も言うつもりはない。


母に怒られ、父に食事を抜かれ

私にパンを持ってこいと命令していた兄達を思い出し

色々な意味で少し切なくなった。



非日常から日常へ……。

私の生活は、また静かなモノへと戻るのだと思っていた。


思っていたのだけれど……。


今、私の目の前には前よりももっと広くなった薬草畑があり

クッカだけではなく、中位精霊達も楽しそうに薬草のお世話を

している姿が目に映っている……。


先生が最初に用意した畑はクッカが一人で管理し

クッカが広げた分に関しては、中位精霊や時々遊びに来る

上位精霊達が楽しそうにクッカを手伝っている。


そう、この場所は精霊が集まる場所となっていた。

毎日、数人の精霊が来て畑を手伝ってから

お茶とお菓子を堪能して、話をしてから帰っていく精霊達。


どうして、こんな状況になっているのかというと

クッカの手伝いをすると、お菓子とお茶が振る舞われると

精霊達の間で、噂が広まったのだとクッカが呆れながら

教えてくれた。


クッカは精霊が来ることを、先生に報告したようで

私とクッカの好きなようにすればいいと、言われたらしい。


私は知らなかったのだけれど

この洞窟には結界が張られていて、彼が認めた人しか

入れないようになっていたみたい。


それを、今回は中位精霊のお手伝いが必要だと

いうことで、一時的にクッカに結界の権限を渡したらしい。


権限をそのままにしておくから

自由に使うといいよと、彼から許可をもらったのだと

クッカが嬉しそうに話してくれた。


結界の権限を貰ったのはいいけれど

結局、精霊達の事をどうするのかと話し合った結果

午前中だけ、出入りできるようにした。


精霊達は、午後からも遊びに来たいと

駄々をこねていたようだけれど、クッカは頑なに頷かず

「決まりを守れないのなら、来ないでほしいのですよ」と

ニッコリ笑って伝えると、それ以上何も言うことはなかった。



静かだった空間が、少し賑やかになり

最初は戸惑ったりもしたけれど……。


精霊達が働いている時は、私は私で勉強したり

彼女達がお土産として、持ってきてくれる珍しい薬草や

草花を図鑑で調べたりして、有意義な時間を過ごしていた。


そんな、精霊達の存在に最近やっと慣れてきて

緊張することなく生活できるようになり

彼女達のおかげで、知らない世界を知る機会も多くなった。


パタリと、読んでいた本を閉じてから

顔をあげてクッカ達を見る。


私が顔を上げると同時に、今日も綺麗な旋律が耳に届き

幾重にも音が重なり、この場所に歌声が満ちていった……。


歌の歌詞や意味は、私にはわからないけれど

クッカと彼女達が歌う声は、心が震えるほど美しい。


精霊達が訪れてからの日課となっている光景に

私はしばらく時間を忘れて、彼女達の歌声に耳を澄ませながら

そっと視線を蒼露の樹に向ける。


彼女たちの歌声に応えるように

蒼露の樹が、サワサワと葉を揺らしていた。

まるで、樹が意志を持っているかのように……。


風など吹いていないのに。

なぜか、歌声にあわせて揺れる蒼露の葉。

不思議で不思議で仕方がない。


そして次に、精霊達に視線を戻すと

精霊達は、蒼露の葉が揺れるのをチラリと横目に見て

少しだけ表情を緩めると、また薬草の手入れをしながら

歌う事に意識を向けた。


そんな彼女達の姿を、何度か目にして

私は、彼女達がこの場に来る理由が

お菓子やお茶だけではないのだと気が付いた。


蒼露の樹は、精霊にとって特別な樹なのだと

クッカに教えてもらってはいた。どう特別なのかは

教えてもらえなかったけれど。


もしかしたら、私が考えるよりも

ずっとずっと、大切な樹なのかもしれない。


彼女達は、帰り際に必ず蒼露の樹に言葉をかけていくのだ。

何を話しているのかは、私にはわからないけれど

とても真剣に、何かを話している事だけはわかった。


正直とても気になる。

蒼露の葉が揺れる理由もすごくすごく気になるの。


気になるけれど……。

精霊には精霊の決まりごとがあって

話せないのだと言われてしまえば、諦めるしかなかった。



余韻を残すように、クッカ達の歌が終わりを告げる。

彼女達が歌っている時間は、そう長くはないのだけれど

何かがギュッと凝縮されているような気がしている。


歌を歌い終わると、クッカが精霊達に

「そろそろ、片付け始めるのですよ~」と声をかけ

それを合図に、精霊達が笑って頷いてから

使った道具などを片付け始め、彼女達が後片付けを

している間に、私は人数分のお茶とお菓子を用意して

クッカの机の上へと転送するのが、最近の流れとなっていた。


用意した、お茶の香りにうっとりとして

美味しそうなお菓子に目を輝かせる彼女達を見て

知らず知らずのうちに、笑みが浮かぶ。


ドルマーレでは、下位精霊はよく見かけたけれど

中位精霊や上位精霊を見かけることはあまりなかったから

意思のある精霊が、驚くほど自由な存在であることを

私は初めて知ることになったのだ。



お茶を飲んでお菓子を食べながら

私は彼女達が教えてくれる噂話に耳を傾け相槌を打つ。

楽しいモノもあれば、少し怖いというモノもある。


様々な話題が飛び交うけれど

彼女達のお気に入りの話題は、意外な事に先生の事だった。


彼に対する好意を隠すことなく

楽しそうに、私の知らない彼とアルトの話をきかせてくれた。


だけど……。


クッカと同様に、彼女達もまた

彼の秘密を、私に教えてくれることはなかった。


彼が……セツナが深く精霊に愛されているのだと

彼の一番の理解者が、精霊達だと知ることになるのは

私が真実を知った後だった……。



少し賑やかに過ぎていく時間に

居心地が悪くなることもあるけれど。


彼女達の目的が、私ではない事を

知っているので、さほど苦しく感じることはない。

ただ、時々遠くを眺めたくなるほど価値観が違う事に

戸惑いを感じるぐらいだろうか?


私とそう変わらないと思ったのは

きっと気の迷いだったのだ。



いつもなら、用意したお茶とお菓子を食べ終え

しばらく、まったりしたあと解散になるのだけれど

今日は、先生と冒険者ギルドからの報酬を

精霊達がクッカから受け取っている。


リシアの病気が終息して、先生が落ち着いた頃に

私やクッカそして精霊達に、先生とギルドから報酬が届いた。


彼女達は、報酬を受け取る最後の精霊達だ。

毎日同じ精霊が来るわけではなく、気が向いたら足を運ぶと

いった感じなので、全てを渡し終えるのにそれなりに

時間がかかってしまった。


ギルドからの報酬は、私とクッカにはお金が渡され

精霊達には、お菓子の詰め合わせが用意されていた。

契約していない精霊がお金をもらっても

使い道がないということで、クッカが精霊達に

希望を聞いて、お菓子の詰め合わせで落ち着いたらしい。


私とクッカの報酬がお金なのは

先生がそう指定したのだと聞いている。


机の上に届けられた、お金の入った封筒に驚き

すぐに先生に手紙を送り、貰えないと送り返したのに

正当な報酬だから、受け取るようにと言われた。


お金をもらっても使い道がないと伝えても

「外に出た時に、お金がないと困るでしょう?」と

言われてしまえば、反論できなかった。


彼から、これに貯めておくといいよと

送られてきたのは、ブタの貯金箱と言われるものだった。


ブタの貯金箱……。

どこか愛嬌があるような気がしなくもないけれど

彼の選ぶものは、やはりどこか少し妙なものが

多いような気がするの……。


まぁ、彼の趣味ではなくリシアの国で愛されている

道具だと知るのは、先の話になるのだけれど……。


「これが、冒険者ギルドで

 こっちが、ご主人様からなのですよ」


クッカが報酬の説明を終えてから

一人一人に手渡していく。


精霊達は、クッカから手渡される報酬を

嬉しそうに受け取り、すぐに中身を取り出し

見せ合っている。


ギルドからの報酬は全員同じものだけれど

先生からの報酬は、一人一人違う髪飾りと

彼の手作りの飴が可愛い鞄に入れられていた。


精霊達は、先生の報酬をとても喜んで

空間魔法を使える精霊に、お菓子と飴を対価に

鞄に魔法を付与してもらい、お菓子の詰め合わせも全て

鞄に収納してから、満面の笑みを浮かべて帰っていった……。


最後まで賑やかだった彼女達の背中を

私とクッカは苦笑に近い笑みを浮かべながら

見送ったのだった。



「やっと、静かになったのですよ」


どこか疲れたような声音で、言葉を落としたクッカに

「お疲れ様」と声をかけ、お昼からは何をしようかと尋ねると

「刺繍の練習をするのですよ!」と綺麗な目を輝かせながら

答えてくれた。



先生からクッカに届いた報酬は、刺繍道具と沢山の刺繍糸と

数着の服、そして彼手作りの飴だった。


刺繍道具は、クッカが彼に欲しいと強請っていて

用意するから少し待って、と言われて心待ちにしていたモノだった。


彼にしては、準備に時間がかかっていると思っていたが

クッカが届いた道具を一つ一つ私に見せてくれた時に

時間がかかった理由を見つけることができた。


クッカが使いやすいように、クッカの手に合わせて

ハサミなどの道具があつらえられていた。


彼は出会った時から、揺るぎなく優しさを与える人で

相手の事を考え、心配りをする人だった……。

そんな彼を私はとても尊敬していた。



彼から、刺繍道具が届いた日

自分専用の道具に、クッカは物凄く喜んで

届いた瞬間に私の前から消えてしまい、少し驚いたのだけれど

すぐに戻って来て「どうしたの?」と聞く私に

顔を赤くしながら、嬉しかったから彼の所へと飛んで行き

抱き付いてきたのだと教えてくれた。


道具がない時は、飽きることなく私の手元を見て

模様が出来上がる過程を真剣に眺めていて

クッカが本当に楽しみにしていたことを、私は知っていた。


私が刺繍をはじめたきっかけは

胃薬を調合して渡している方から、お礼だといって

豪華な刺繍道具と沢山の綺麗な刺繍糸を贈って下さったから。


母から刺繍を習ってはいたけれど

久しぶりに持つ針に、忘れていることも多く

指もうまく動かなかった、最初の作品は歪な模様に

なってしまったけれど、一緒に貰った本を見ながら

練習しているうちに、少しは見ることができるようになった。


そんな私の手元を、キラキラと目を輝かせながら

クッカが見ているものだから「一緒に練習する?」と尋ねると

嬉しそうに頷いて「ご主人様に、道具を買ってもらうのですよ!」と

彼に道具を買ってほしいと強請る手紙を書いていた。


「先生から道具が届くまで、一緒に使いましょう?」と誘ってみても

クッカは、自分の道具が届くまで見ているだけでいいといって

手を出そうとはしなかった。その気持ちは、私にもわかるから

透明な壁を挟んでではあるけれど、一緒に本を見て

可愛い図案や綺麗な図案を探してみたりしていた。


念願の道具が届いてからは、ゆっくりではあるけれど

クッカと一緒に刺繍をするのが日常の一部になっている。


ちなみに、先生から私への報酬は綺麗な布地と数着の服と

彼手作りの飴。布地は、刺繍をする為のモノで目移りするほどの

種類と量が送られてきたので、当分困ることはないと思う。


服は……季節ごとに可愛らしい服を贈ってくれていたけれど

今回の服は、私のサイズにピタリと調整される魔法が

かけられていた。いったい、どれほどの値段になるのだろうと

想像すると少し怖い。


それでも……クッカが言うには、この中で一番高いのは

彼が作った飴だと聞いた時は、信じられない気持ちで一杯だった。


フェルドワイスの蜂蜜でつくられた飴。

フェルドワイスの蜂蜜、ドルマーレでも希少で高価な蜂蜜として

有名だった。一番小さいスプーン一杯で金貨一枚……。


あの飴一つで、どれほどの値が付くのか私には想像がつかない。


余りにも過剰な報酬に、顔色を変えた私にクッカが

悩むだけ無駄だと慰めてくれる。フェルドワイスの飴と蜂蜜は

彼が懇意にしている人達にも配られているし、蜂蜜はクッカと

私の分を貰っているとつげられ、すごく大きな蜂蜜の瓶を

見せてくれた……。


彼の金銭感覚がよくわからない……。


それでも、やっぱり貰いすぎのような気がして

先生に手紙で聞いてみたところ、報酬は布地で

服は、そろそろシルキスが訪れるからとのことだった。


飴は別件で贈り物として作った余り物で

あちらこちらに配っているから

気にしないようにと返事が来たのだった。


彼からの手紙を読んで

「どこまでが、本当のことなのだろう」と呟いた

私の言葉をクッカが拾い「全部本当なのですよ」と

真面目な顔をして断言していた。


クッカのその表情を見て、一番上の兄が

カイル兄さまを語る時に見せていた表情と被った。


彼とカイル兄さま……。

容姿も性格も全く似ていないのだけれど

なんとなく、彼はカイル兄さまと同類なのだと

ストンと納得してしまう私がいた……。


そう、カイル兄さまも常識が

かなりおかしかったから。


精霊達のおかげで、私が想うよりも

この世界が広いことを知った。


広いこの世界……。

彼やカイル兄さまのような人が何人いても

きっと、不思議ではないのだろう。



クッカと一緒に他愛ない話をしながら

チクチクと刺繍を刺していく。


時々、手を止め全体を眺めて

図案を確認しながら、刺繍をしていたのだけれど

針を持つ手が止まってしまった。


「トゥーリ様?」


「うん?」


「もう、終わりにするのです?」


「うーん……」


曖昧な私の返事に、クッカが首を傾げる。


「何か悩みがあるのなら

 クッカに相談するといいのですよ?」


クッカの言葉に、話すか話さないか少し悩んで

私一人では、どうあがいても堂々巡りになるだけなので

話を聞いてもらうことにした。


「私は、与えられてばかりだなと思ったの」


彼と出会ってから、飛ぶように時が過ぎていく。

息ができないほどの情報量に、溺れそうになりながら

今日まで来たけれど……。


ふと、思ったのだ。

私は、彼に沢山の恩恵を与えてもらっているのに

私は、彼に何も返せていないと


私も彼に何かを返したいと……。

そう思ってしまった。


「私も何か、先生に返したいと思ったの」


私の言葉に、クッカが何か伝えたそうに

私を見ていたけれど、彼女は口を開くことはなかった。


「だから、何かできないかなって」


「薬を作るお手伝いをしたのですよ?」


「冒険者ギルドから、報酬をもらったから

 手伝いではなくなり、お仕事になってしまったわ」


「なるほどなのです」


「私も、彼に何かを贈りたいのだけど

 ここには、彼から貰ったものしかないから……」


「確かに、それは嫌なのですよ」


「でしょう?」


「はいなのです。

 あ、ギルドから貰った報酬を使うといいのですよ!」


「あ……」


確かに……。あのお金は私の労働力に対する対価だと聞いた。

でも、何かを買うにしても私はここを出ることができない。


「クッカが、刺繍糸と布を買ってくるのですよ」


「え?」


「それで、刺繍をして

 ご主人様に贈り物をするといいのですよ!」


「クッカがお店に行くの?」


「はいなのですよ」


大丈夫かしら?


「ご主人様には

 内緒でお買い物に行くのですよ~」


凄く心配なのだけれど。


「ハルの街に詳しい人に

 案内してもらえるといいのだけれど」


私のこの言葉に、クッカが少し首を傾げて

「いい人材がいるのです」とにんまりと笑う。


「クッカ?」


「きっと、案内してくれると思うのですよ」


クッカはそう告げて、楽しそうに笑うだけで

詳しい話を教えてはくれなかった。


多分……先生の周りにいる人達の誰かに

声をかけると思うのだけれど。


彼の周辺の人間関係は、彼とアルトの手紙だけではなく

クッカと精霊達が教えてくれるので名前だけは憶えていた。


そこはかとなく、不安を感じている私に

胸を張って「任せてほしいのですよ」と

言われてしまえば、納得するしかない。


私と同じく、クッカもアルトに刺繍をして贈るのだと

意気込み、その姿がとても可愛らしく自然と笑みが浮かぶ。


それからは、今の刺繍を仕上げてから

クッカと一緒に図案を考え、使う布と糸を考えた。

そういった、下準備に数日かかってしまったけれど

納得できるものになった。


クッカの初めてのお買い物も何事もなく?

とてもいい布と糸が手に入った。


誰かに贈るための刺繍は初めてで

受け取ってくれるだろうか、とか

喜んでくれるだろうか、とか不安に思いながらも

布に糸を丁寧に刺していく。


クッカもいつも以上に真剣に刺していた。


そう難しい図案ではなかったこともあり

数日で完成した物を、クッカが用意していた

綺麗な紙で包むと贈り物らしくなった。


目の前にある、彼への贈り物を見て

少し心がサワサワと揺れる。


渡したいような

渡したくないような不思議な気持ち。


そんな私の気持ちを知ることなく

クッカが「さっそく転送するのですよ~」と

早く転送魔法陣の上に置くように急かすので

悩むのをやめて魔法陣の上に置くと

いつものように、魔法が発動してすぐに消えてしまった。


さほど時間をおかずに、私には先生から

クッカにはアルトから、手紙が届いた。


返事が来るまで、とてもドキドキして

返事が届いたら届いたでもっとドキドキした。


透明な壁を挟んで、クッカと並んで座り

届いた手紙を取り出し読んでいく。


私が座ると、籠の中で寝ていたはずなのに

小さな体で一生懸命走って来て、私の膝の上に乗り

「キュ」と鳴いて動かなくなった。


仲間外れが嫌だったのかしら、と思いながら

軽く撫でてから続きを読む。


手紙の内容は、嬉しいという気持ちと

感謝の気持ちと、刺繍の出来を褒めてくれる言葉

そして、刺繍にしても薬学にしても私の日々の努力を

認めてくれる言葉が綴られていた……。


彼からの温かい手紙に、涙が落ちる。

自信がなく、ふとしたことで委縮してしまう私の心を

罪悪感で押しつぶされそうなときも……。

先生はいつも私の気持ちを掬い上げてくれていた。


だから、だからこそ彼から与えられた恩を返すために

私はもっと彼の役に立ちたいと思うようになっていく。


彼は一欠けらも、そんなことを求めてはいなかったのに

彼は自分の気持ちや想いを後回しにして、置き去りにして

私にその心を見せることなく、気が付かせることなく。


唯々、未熟な私が穏やかな生活を送ることができるように

私にとって楽な道筋を示しゆっくりと歩かせてくれていた。


セツナが狂気にのまれかけていることを知らず

彼の想いを忘れ……彼が創り出した優しい檻の中で

惜しみなく与えられる知識を私は必死に享受していた。


私が未来を描けるように

生きる目的を持つことができるように


彼はとても深い愛で、私を支えてくれていたの……。


未来を描くことができない彼は

どんな想いで、私に未来を見せてくれていたのだろう。


もし、私が彼に恩ではなく愛を示していたら

セツナは自分の未来を描けただろうか?


そう遠くない未来で……。

私は今日の日の事を何度も思い出すことになる。



「キュ」


私の涙が、小さな体を濡らしたことで

私を見上げるようにシルワが私を見ていた。


心配そうに見ているシルワの頭をそっと撫でると

掌に頭を擦り付けてくる。その姿に、思わず笑みが浮かぶ。

正直、ウサギというより犬の行動に近い気がするけれど

クッカの考えるだけ無駄なのですよ、という口癖を思い出し

深く考えることはしないようにしている。


「シルワ」


「キュ」


名前を呼ぶと、ちゃんと返事をしてくれるのが嬉しい。

名前を呼んで返事をするという事は、やはり言葉の意味を

理解しているのだと確信することになったのだけれど

やっぱり、深く考えることはしなかった……。


「喜んでもらえなかったのですか?」


私の涙を見て、クッカが瞳を揺らしている。


「違うの。嬉しくて泣いていたの」


クッカに彼からの手紙を見せると

どこか、嬉しそうなそれでいて哀しそうな表情を

一瞬浮かべた。


その表情を見た瞬間、トクリと心臓がなる。


「クッカ?」


「はいなのですよ?」


その表情の理由を聞いてみたいけれど

余りにも、キョトンとした顔を私に向けるものだから

聞くことを一瞬躊躇する。


「トゥーリ様?」


「あ、あのね」


「はいなのです」


「先生からの手紙に

 気になることでもあったの?」


私の問いに、クッカは少し考えて

一度深く溜息をついてから、アルトの手紙を見せてくれた。


『すごく美味しそうだ!

 食欲がでる刺繍だと思う。

 ありがとう、大切にするから!』


「……」


「……」


「ふ……」


「……」


ジトリとした視線を、クッカが私に向けるけれど

どうしても、笑いをこらえることができなかった。


「クッカは、アルト様の食欲の為に

 刺繍をしたのではないのですよ~」


「そ、そうね」


「どうして、幸せを運ぶ鳥を見て

 美味しそうという感想になるのか

 クッカには理解ができなかったのですよ」


「ふ、ふふ」


「……」


アルトからの手紙をもう一度読んで

クッカは、何とも言えない表情を浮かべ

「美味しそうといわれるほど、太らせてはいないのですよ」と

少し哀愁が漂う声音で呟いていた。


後日、クッカ宛てに先生から手紙が届く。

幸せを運ぶ鳥の刺繍がとても上手だったと

アルトが、俺に食べ物を運んでくれる鳥だと

喜んでいたと……。


クッカもアルトの幸せは食べ物と結びついていると

理解している。理解しているけれど、美味しそうという

感想は納得できなかったのだと思う。


クッカは、彼からの手紙にも珍しく

苦い表情を見せていたけれど、とりあえず

機嫌はなおったようで、私もホッとすることができた。


ただ、クッカは二度とアルトには

食べ物を連想させる刺繍はしないと、心に誓ったようだった。



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