表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつもと違う空  作者: あねら
金平糖の降る丘で。
1/5

金平糖の降る丘で。

金平糖をばらまいたようなきれいな星空。

途切れることのないカメラのシャッター音。

そのカメラのをのぞきこむきれいな顔は

どこか悲しげだ。

私は車の中から彼を眺めながら、目を閉じた。


「…んざき、神崎!!」

「ひゃっ!?はい?」

クラス中がドッとウケている。

声がした方を向くと、

ノリがよく女子ウケがいい担任の海原が立っていた。

珍しく厳しい顔だ。

「神崎、何回呼ばせれば気が済むんだ…」

はぁっとため息をつかれ、また周りがウケる。

と、近くの女子から海原に声がかかる。

「海原ー、許してあげてよー。栞、昨日徹夜だったんだってー」

海原はパッと厳しい顔をやめ、

いつものふざけた顔に戻る。

「仕方ねーなー、出席で寝んじゃねーぞー。お前、「神崎」なんだからお前が寝てると先に進まねーんだよー」

「はーい、すいませんでした」

内心ちょっとふくれながら笑顔で答える。

「よし。つぎー、木田ー、工藤ー….」

「はぁー」

朝からとんだ災難だ。

たまたま、今日だけだったのに。

明るいけどやるときはまじめなキャラ、の私が

寝るなんて初めてだし、あんなせめるか?普通。

だから、海原は苦手なんだ。

朝のホームルームが終わると、

前の席の大宮空羅が振り向いた。

「Theドントマインドだよ?栞ちゃん」

「嬉しそうだねー、大宮。人がからかわれるの見るの、好き?性格悪っ」

「人聞き悪いなー。せっかく励ましてあげたのに。お前、あーいうの何気に気にするだろ?」

「……」

空羅は、1年の時からずっと同じクラスだ。

向こうから近づいてきて、

それ以来なんだかよくわからない間に

仲良くさせられた。

とにかく明るいやつで、とってもフレンドリーだ。

クラスの人気者でもある。

みんなの推薦で、私と学級委員をやっているのだが

私たちが付き合ってると勘違いしてる人が多い。

私の親友とあいつの親友は

本当のことを知っているが、

あえて宣伝はしていない。

なぜかときいても答えてくれないが。


放課後、私は眠気に打ち勝って

逆に目がさえていた。

「しーおーり!一緒に帰ろー!」

「栞!一緒に帰るぞ!」

親友の里依紗と紗夜が私の机に来るのと、

大宮が振り向くのがほぼ同時だった。

里依紗がキッと大宮を見て

ふんっと鼻を鳴らした。

「大宮ぁー。あんた栞の前の席でしょ?いつも栞のそばにいるんでしょ?放課後くらいあたしたちに譲りなさいよー」

大宮は負けじと頬を膨らませている。

「放課後は放課後で連れていきたいところがあんだよ!お前らこそ授業中以外ずっと一緒にいるじゃねーか!」

むーっと2人でにらみあう。

「じゃあ、これしかないわね……」

「仕方ねーな」

と、一瞬静かになったのもつかの間。

「せーのっ」

「最初はグー!ジャンケンぽい!」

「って、あたしがなんでジャンケンで取り合われなきゃいけないのよー!!」


「おい、栞。なに怒ってんだよ」

隣にいるのは大宮。

結局ジャンケンで勝ち、

私が渋ったのを勝ったからという

ただそれだけの理由で押し切り、

今隣にいるというわけだ。

「普通ジャンケンで取り合いするか?」

私がブツブツつぶやいてるのを見て、

大宮はハハッと笑った。

「なにがおかしいのよ!」

いらだちまぎれに叫ぶと、

大宮は笑うのをやめて微笑んだ。

「ほんっとおもしろいな、栞!」

と、頭をくしゃくしゃになでまわす。

「ちょ、ちょっとやめてよ、大宮!」

私が今だに名字で呼ぶことを

根に持ってる大宮は

少しぶすっとした顔をして見せる。

「いい加減それやめろよー。名前で呼べって言ってんだろ?な、栞」

ふざけて肩に乗せてくる手を払う。

私が、大宮を名前呼びしないのは

単純に付き合ってないからだ。

友達を名前呼びはない。と、思ってるが

周りは普通に男友達を名前で

呼び捨てにしていたりして少し複雑だ。

「あのな、栞。今日は連れていきたいところがあるんだ。ついてきてくれるか?」

「別にいいけど」

ここまで連れてこられたら仕方ないだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ