うさぎと亀 現代版
初コメディです。コメディ書いてる先生達に刺激され書いて見ました。感想、評価頂けると幸いです。
「もう、こんな生活耐えられない!」
彼はうさぎ。白うさぎです。なんの変哲もないただの白うさぎです。
「こんな山奥で草しか食べられない生活なんて!」
彼はうさぎ。野うさぎです。野うさぎだから主食は当然草です。
うさぎは普通は肉を食べるものだと勘違いしているのか、彼は草しか食べられない生活が嫌で嫌で堪りませんでした。
うさぎは遥か昔、ご先祖様が亀とかけっこ競争をして負けてしまったからこんな生活になってしまったことを知っていました。
うさぎは誓いました。
もう一度亀とかけっこ競争をして、こんどこそ勝って裕福な生活を取り戻すことを。
決意を胸に誓ったうさぎは亀に電話をしました。
『もしもし亀よ、亀さんよ』
『誰ですか?』
『俺だよ、俺!』
『・・・オレオレ詐欺ですか?間に合ってます』
『えっ!?ち、違うよ!俺だよ!うさぎだよ!』
『うさぎ?・・・あ〜!うさちゃん?』
『おまっ!ちょっと間が開いたぞ!ってか、うさちゃんって呼ぶな!』
『うさちゃんはうさちゃんだろ?気にすんなよ!それよりなんだよ?イタ電なら切るぞ?』
『イ、イタ電じゃないよ!実はさ・・・』
『あ、ちょっと待ってキャッチが入った』
『え?あ、ちょっと』
『プーーー』
30分後。
「あれ〜?遅いな〜、亀」
「いつまで電話してるんだろ?」
1時間後。
「いくら何でも遅すぎるぞ」
「うさぎを待たしている自覚あるのか?」
うさぎは受話器を耳に当てました。
『プープープープー』
「・・・・・」
-ピピピピピピピピピピ-
『はい、もしもし』
『おまっ!なんで切ってんだよ!?』
『え?だれ?』
『うさぎだ!』
『・・・あ、ごめん忘れてたよ』
『おまえ酷すぎるぞ、忘れるなんて』
『ごめんごめん、話長くなっちゃってさ』
『そんなに大事な電話だったのか?誰からだよ?』
『あ〜、えっとねオレオレ詐欺だった』
『なんで!?なんでオレオレ詐欺と長電話しちゃってるの!?』
『あはは、なんか意気投合しちゃって、世間話してたからね』
『オレオレ詐欺と世間話すんなよ!』
『・・・まぁいい、話が進まないから先言うぞ』
『おう、なんだ?』
『実はさ、俺とかけっこで勝負してほしいんだ』
『は!?かけっこ?なんで?』
『ずっと昔さ、俺達うさぎのご先祖様が亀に負けて、俺達は山奥に追いやられることになった、そのために俺達うさぎは山奥で草しか食べれないという悲惨な生活を送るハメになった。あの時ご先祖様が余裕から寝てさえいなければ必ず俺達うさぎが勝てたはずなんだ。だからもう一度俺とかけっこで勝負してほしい。そして今度こそ、俺が勝って裕福な生活が出来るようになりたいんだ』
『え?なに?もう一度言ってくれる?』
『なんで聞いてないんだよ!?』
『いや長くなりそうだったから』
『おまえがなんでって聞いたんじゃねぇか!』
『で、要するにかけっこ勝負がしたいんだな?俺と』
『そうだ!受けてくれるか?』
『でもな〜、俺が勝ってもなんの得もないしなぁ、それにめんどくさい』
『じゃあどうすれば勝負してくれるんだ?』
『え〜、めんどくさいなぁ、あ、そうだ!じゃあ俺が勝ったら飯おごってくれよ』
『え?飯?それでいいのか?』
『ああ、それでいいぞ』
『じゃあ勝負受けてくれるんだな?』
『ああ、受けていいぞ。いつにする?』
『そうだな、出来るだけ早いほうがいい。明日にでも』
『明日か、まぁいいだろ』
『ありがとう亀。それじゃあ、後で集合場所書いた地図をFAXしとくから明日朝8時に来てくれ』
『はいよ』
うさぎは亀とかけっこ競争をする約束をして、とても満足しました。
翌朝、うさぎは気合いをしっかり入れ、万全の体調で集合場所に着きました。
しかし8時に集合予定だったのが、気合いを入れすぎてなんと朝6時に来てしまったのです。
しかし、うさぎはとてもポジティブでした。予定までの時間をウォーミングアップに使おうと考えたのです。
亀に勝つためにうさぎはしっかりと体を温め、適度な汗をかき、呼吸を整え、ストレッチをし、より万全の体調にしました。そして、集合予定の8時になりました。予想通り亀は来ませんでした。
おしまい。
「終わるな!」
「まだ勝負が始まってもないだろ!」
だって亀こないんじゃ仕方ないじゃん。
「ちょっと遅刻してるだけだよ。必ずくるさ」
なんでそんなに信じてるの?亀は敵なんでしょ?
「敵だけど、嘘はつかないやつだって俺は信じてる」
敵を信じるなんてあんた馬鹿なんじゃないの?そんな奴が寝返るんだよね
「なんだと!?俺は寝返ったりなんかしないさ!俺はうさぎの代表として亀と真剣に勝負しに来たんだ」
でも亀はそんなこと思ってないんじゃないの?だから来ないんだよ。
「来る!俺はあいつを信じる!てか何で俺、地の文と話してんだよ!」
おまえが話しかけて来たんだろ!ったくこっちも忙しい中わざわざ語りに来てやったのになんでそんなこと言われなきゃいけないの?やってらんないよ。
「それが仕事だろ!しっかりやれよ!」
何?それが頼む態度?やってくださいだろ?やめてもいいんだよ、こっちは。別にここで働かなくてもいっぱい仕事あるしね。こっちがやめたら困るのはおまえだろ?
「ぐっ・・・」
「・・・お願いします。ちゃんとやってください」
ふぅ〜、やれやれ、仕方ないな。じゃあやってやるよ。ありがたく思え。
「・・・ありがとうございます。それじゃあ、続きお願いします」
はいはい。亀は30分経っても現れませんでした。きっとこんなクソうさぎに会うのが嫌なんでしょう。なにしろこのクソうさぎは語り手である私に口を聞いたのですから。
普通ではありえません。神に近い私に口を聞くなんて。こんなクソうさぎの元へ来る馬鹿はきっといないでしょう。あぁ〜、哀れクソうさぎ、悲しきかなクソうさぎ、友達いないクソうさぎ、自分のう○こ食べるクソうさぎ。
「うおぉ〜い!!バラすな!」
「自分のう○こ食べることバラすなよ!ってかクソうさぎ言い過ぎ!中傷しすぎだよ!」
だっておまえ自分のう○こ食べるじゃん。今朝もおいしそうに食べてたじゃん。
「仕方ないだろ!あれは習性なんだよ!俺の力じゃどうにもならないんだよ!ってかあんたう○こって連発しすぎ!う○こネタはやばぁいって!う○こネタは!」
はいはい分かったよ。ク・ソ・う・さ・ぎ。あんたのがう○こって言ってる数多いから。
そんなことを言っていると、亀がゆっくり歩いてやってきました。
「あ、来た!亀だ!ホラ!やっぱり来たよ!信じてよかった!だから言っただろ?来るって!」
「悪いな、遅くなって」
亀は、自分が遅れてきたことを心から申し訳なく思い、うさぎに謝りました。
しかし、うさぎはなんとも恐ろしいことに遅れてきた亀を許しませんでした。うさぎはまず亀の甲羅をその恐ろしい前歯で噛み砕き始め、甲羅がある程度割れたところで今度は亀自身の体に食いついたのです。亀はもがき苦しみながら言いました。
なんでこんなことをするんだ、俺達はかけっこ勝負するんじゃなかったのか?と・・・。これが亀の最後の言葉となりました。
あぁ〜、可哀想な亀、こんなうさぎと出会ってしまったばかりに、肉を引き裂かれ鍋にされてしまって。そして、それを聞きつけた亀達はうさぎに対して報復戦争を仕掛けました。そしてついに第三次世界大戦が
「うおぉ〜い!!なにやってんだよ!」
なに?これから話が面白くなるんじゃん。
「違う!違うから!これはそんな話じゃないから!うさぎと亀だから!」
「っていうか亀殺してないし!許したし!つ〜かこいつスッポンじゃないから!スッポン鍋とかにならないから!」
クソうさぎは何やらほざいています。そんなクソうさぎを見て亀は言いました。
「おい、うさぎ。大丈夫か?なにを1人で話してるんだ?」
そう、クソうさぎは変だったのです。普通に考えて地の文と話ができるわけがありません。亀はいいました。
「おまえ病院いったほうがいいんじゃないか?いい獣医紹介してやろうか?」
クソうさぎはさっきから1人で話・・・
「すいません!!俺が全面的に悪かったです。地の文様!もう言いません!お願いですから話を進めてください」
それを聞いた私は心優しく静かにうさぎのお願いを聞き入れました。なんて心の優しい私なんでしょう。
それでは進みます。
「さて、いろいろあったがそれじゃあ始めるか」
「ああ、なにがあったか知らないが・・・早くお前を病院に連れて行ってやりたいよ」
「それは、大丈夫だ。気にするな」
「それより、レースの説明を始めるぞ」
「・・・分かった」
「いいか。スタートはここ。ゴールはここだ」
うさぎは地図で亀に説明しました。
「結構距離あるな」
「距離長すぎるか?もう少し短いほうがいいか?」
「いや、これでいいだろ。問題ない」
「じゃあ決まりだな」
「10分後にスタートだ。準備運動しておけよ」
10分後。
うさぎと亀はスタートラインに立ちました。いよいよかけっこが始まるのです。
うさぎが放った第一声でうさぎと亀は一斉に走り出しました。
ついに待ちに待ったかけっこレースが始まりました。
スタート地点は公園でした。広々とした広場があり、遊具が置いてありました。
うさぎは、広場を超え、遊具を軽やかなジャンプで超え、いきなり亀に大差をつけました。
亀も負けずと頑張って走っていますが、とても追いつけませんでした。
亀がようやく広場に差し掛かった時、広場で遊んでいた子供が亀を見て
「おい、亀がいるぞ!イジメちゃえ」
と言い亀をイジメ始めました。
すると亀に大差をつけ前方を走っていたうさぎが後ろの惨劇に気が付き戻ってきたのです。
そしてうさぎは亀をイジメている。子供達に向かっていいました。
「やめろ!」
おしまい。
「いや物語をやめろじゃなくて!」
「亀をイジメるのをやめろ!」
「男と男の真剣勝負に水をさすな!」
うさぎは必死に子供に訴えかけました。しかし子供達はそんなうさぎの言葉を無視して亀をイジメ続けました。
それもそのはず、人間達からすればうさぎの鳴き声の意味など分かるはずないからです。
「なんでそこだけ現実的!?」
「昨日とかも電話したりFAX送ったりしてたじゃん!?」
すると亀をイジメていた子供の1人が後ろで鳴いているうさぎに気が付きました。
「おい、こっちにはうさぎがいるぜ!」
そういうと子供達はうさぎもイジメ始めました。こうしてうさぎと亀は子供達からイジメられ始めたのです。
「おい!なにしてるんだ!」
突然公園の出口のほうから男の声がしました。
その男は短髪で筋肉がしっかりついた。いかにも強そうな人でした。男は言いました。
「コラコラ!亀をイジメるんじゃない!」
子供達はその声にビックリし、イジメるのをやめました。すると男は言いました。
「まったくイジメるならうさぎだけにしておきなさい」
「なんで!?」
うさぎはビックリしました。
「おれ亀は好きだけどうさぎは嫌いなんだよね」
「好き嫌い〜!?」
そう言って男は亀だけ助け、その場を去って行きました。
亀は見事うさぎを抜きました。
うさぎは子供の隙をついてなんとか逃げ出しました。亀とはいつのまにか大差が開いていました。
うさぎは負けずと必死になって走りました。まるでそれはチーターではないかと思わせるほどの走りっぷりでした。しかし亀はあまり必死ではなようです。休むことはありませんが、マイペースで走ってるという感じです。
うさぎはしばらくして、亀に追いつき、肩を並べ、ついに追い抜きました。
そしてうさぎは亀に追いつかれることなくゴールを果たしました。
うさぎは
「勝ったぞ〜!!」
まるで発狂した化け物のように叫びました。
しばらくして、亀がゴールしました。ようやくゴールした亀にうさぎは言いました。
「見たか亀!俺が勝ったぞ!これで俺達は裕福な生活が出来る!」
しかし亀から放たれた言葉はうさぎの想像を超えたものでした。
「そうだな、負けたよ。さぁ勝負はついたんだ。じゃあ今から病院いこう」
「え?悔しくないのか?」
うさぎは亀に聞きました。
「悔しくなんかないさ。最初から勝ち負けなんてどうでもよかったんだ。それよりお前の体が心配だ」
その亀の言葉をきいて、うさぎは疑問符を浮かべるしかありませんでした。
「勝負よりお前の幸せのが大事だ。かけっこにお前が勝ってお前の暮らしが楽になるなら何回でも負けてやるさ」
「亀…いいやつなんだな」
うさぎの目からはあふれんばかりの涙が目を覆い尽くしていました。
うさぎはかけっこには勝ちました。しかし心では完全に負けてしまったことに気がつき、山へと帰っていきました。
しかし数ヶ月後。うさぎは報復を目論んでいました。しかしそれはまた別のお話。
おしまい。
読んで頂きありがとうございます。書きたいこと書いてたら長くなってしまいました。おまけにオチなし…。オチがないところがオチということでお願い致します。感想、評価頂けると幸いです。




