愛に召される、雀~2~
そろそろ、クライマックス!?
<1>プロローグ
みんな、そんなに雀のことが好き?
みんな、そんなによく雀を愛せるね。
私にはわからない。
私が見詰めているのは、雀ではなく人間だ。
結局はこの雀など、どうでもいいのだ。
私が見たいのは、雀がひとたび『ちゅん』と泣いただけで大騒ぎする人たちの顔。
『ちゅん』と泣いている、雀の方ではない。
確かに、可愛らしいと感じることもある。
近くによると、すぐに起きて『ちゅんちゅん』と鳴くその姿が、確かに可愛いと思う。
確かに。
ダケドみたいのは人間だ。
毎回、毎回違う反応を見せてくれる人間だ。
雀よ、お前は愛されて嬉しいのか?
<2>クラスのアイドル★スズちゃん❤
・・・けど、アイドルと言っても・・・。
朝来たら、雀は大勢の男子に囲まれていた。
「可愛いなァ~」
「オウ、てかさ、もう飛べそうじャね?」
「放してみるか?」
「バカ、怪我したらどーすんだよ。」
等とスズちゃんをネタに、わやわやとやっている。
よく続くものだ。
私は半ばあきれた感じで、男子どもを見た。
すると、ドアの方から、騒々しい悲鳴が聞こえた。
「キャァ!!まだいたの!?鳥!!」
男の子たちの反応は、二つに分かれた。
一つは、『キャア!!』と言われて露骨に怒った感じ。
もう一つは、女の子が怖がっているのを知って、イジッてやろうと目論む男子たち。
私は、こういうところで、本当に愛しているのかそうでないのかがしっかりしたことに、半ばあきれた。
こんな感じに、たまに大好きなはずの人間にあきれることがある。
その程度の反応なの?
がっかり。
「いやいやいあやいやややや!!やめてェ、マジでェ・・・ほんと、やめてよね!!」
見ると、悲鳴を上げてた女の子が、指に雀をとまらせた男子が追いかけている。
「やめろよ!!神崎!!落ちる・・・スズちゃんが落ちるぞ!!」
「っるせぇ!!飛ぶ練習だよ・・・待てよ、河野!!」
女の子の名前は、河野麗華という。
私とは、あんまり友達ではなく、団子女(別に私は団子女を恨んでいるわけではありませんので、ご了承あれ。)の中にいる。
それにしても、ほんと神崎は。
面白くない行動をする。
ま、いっか。
逆らえない相手にを取られた男の情けない顔が、見れたから。
その時、雀の体が揺らいだ。
あまりのスピードについていけなかったのだ。
「神崎ィ!!!」
悲鳴に近い男子の声が響いた。
だか雀は、落ちる前に、近くにいた男子に拾われた。
「・・・っお前!!もう神だぜ。さすが柊だな!!」
拾った男子は、柊君でうちのクラスきっての、武人だ。
私はその光景を見ながら思った。
そこまで・・・みな、雀をなぜ愛せるのだろう?
・・・私は疑問に答える、知識も、感性も用いていなかった用で、一人重い顔をして黙りこくってしまった。
読んでいただき、ありがとうございました。
…この子は、悩み過ぎなんですよ。
ま、これからも、この子の悩みに付き合ってください