表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誰にも推されなかった私が、天界で君の最推しになりました  作者: 白月 鎖
【第2章】推されるなんて聞いてない
11/55

第11話:魂共鳴テスト、前代未聞の反応

「本日、4限目は《魂共鳴テスト》を実施します。全員、ペアを組んで講堂へ移動してください」


担任教師のアナウンスが教室に響いた瞬間、生徒たちの間にざわざわとした空気が広がった。


「共鳴テストって、あれでしょ。相性診断みたいなやつ」

「誰と組むかで将来の進路にも影響するって聞いたよ」


そんな噂話の中で、私はそっとアリエルのほうを向く。


「えっと、アリエル、私と……」


「ごめん! わたし、生徒会補佐の手伝いで別枠なの。先生に呼ばれちゃってて……」


「あ、ううん、大丈夫……!」


本当は、内心ちょっとホッとしていた。


“魂の波動を合わせるテスト”なんて、聞くだけでハードルが高すぎる。


ペア相手がいないまま講堂に向かうと、試験監督の教師が私の名前を読み上げた。


「ユリエル=アマミヤ。……君は、ナオ=アストラリアと組むように」


「……えっ?」


聞き返すより早く、すっと隣にナオが立っていた。


ミルクティー色の髪、淡い琥珀の瞳。

今日も穏やかで、どこか寂しげな空気を纏っている。


「よろしくね」


「よ、よろしく……お願いします」


背中が強張るのを感じながら、私は彼と共に、中央の測定台へと向かった。


 


***


測定は、台の上に立って“共鳴水晶”に手をかざすだけ。

魂の波動がどれだけ一致するかで、数値が示されるのだという。


(大丈夫、きっと……何も起きない)


震える手で水晶に触れた、その瞬間——


ピキッ。


小さな音を立てて、水晶がひび割れた。


「え……?」


一拍おいて、バキンッ!と鋭い破裂音が響いた。


水晶が砕けた。


教師陣がどよめく。


「過負荷反応!?」

「魂の波動、干渉率∞……?」

「こんな数値、前例が……!」


その場の空気が凍る。


私の手が、ふるふると震えていた。


(えっ、えっ……なにこれ、どうして!?)


思わずナオの方を見ると、彼は静かに目を伏せたまま、片手をそっと胸に当てていた。


「……君、何者なんだろうね」


それは、責めるでもなく、ただ淡く滲むような言葉だった。


でもその指先が、かすかに震えていたのを、私は見逃さなかった。


 

(……ナオくんも、驚いてる。これ……偶然、なのかな)


 


騒然とする周囲。

遠巻きにこちらを見つめる視線。


「神託の魂と、魂共鳴∞……?」

「もしかして……運命のペア?」


聞こえるはずのない囁きが、なぜか耳に届いてくる気がした。


私は、何も言えなかった。

ナオも、何も言わなかった。


でも——


たしかにこの瞬間、

ふたりの間に“なにか”が生まれたような気がした。


まだ言葉にならない、けれど確かな“繋がり”が。


 


──それが、私と彼の“はじまり”だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ