発足準備なのです
次で準備終えて~、その次くらい?
お昼が終わり、1クラスの公爵家令嬢トリオがクラスに戻ると、2クラスの部活メンバーに集合が掛かりました。
「という事で、フェリ様以外のメンバーが集まった訳ですが、率直な意見をお願いします」
「何が、という事なの?アマンダさん、説明をお願いします。それじゃあ、判りません」
「そうなのですか、メルさん?では、説明という程のことではありませんが、お話しを。
先ずこのクラスの仲良くなったメンバーで、フェリ様を中心に部活動を作って皆で活動する予定です。これまでは、宜しいでしょうか?」
「ウンウン、それは大丈夫。それがどうかしたの?」
「でも、その中にカトリーナ様がいらっしゃいます。あの方は1クラスの方ではありますが、私達がフェリ様とお話しするきっかけを下さった方、その上ソウルフレンドと仰るぐらいのご友人、ご一緒するのは当然のことかと」
「「そうそう、カトリーナ様は、気さくだから全然オッケー」」
「で、これを認めた上でのお話になるのですが、もし、アナスタシア様と、無いとは思いますが、キャロライン様も部活動に参加したいと仰られた時、参加を認めるかどうかの判断を、皆様の意見も参考にしたいので、聞いておきたいのです」
「今急ぎで集合して話す事?放課後でよくない?」
「エリザさん、そうゆとりのある話ではありません。下手したら本日の放課後、カトリーナ様と共に来られる可能性があると、私は思いますので」
「え、そうなの?」
「そうなのです。ですが、これがフェリ様なら、来るもの拒まずなので、すぐにでもオッケーをお出しになりそうですし、そうなると、間違いなく、公爵令嬢がそろい踏みの、部活動になってしまいます」
「それの何か問題が?」
「皆様は、お二人が認められたとはいえ、遠慮なくお話しする事が出来ますでしょうか?話しにくくて会話しない様な事があれば、下手をすると無視とも取られかねませんよ。それに気になる問題が」
「確かに今の時点では、遠慮なしには会話は出来ないね。なにせお二人の性格がまだ良く判らないから。でも、今日話をされていた感じだと、カトリーナ様の時のようになれる事は出来ると思う、かな?で、それより気になる問題って?」
「先程少しお話ししましたが、彼女達はこの学園きっての高位貴族のご令嬢です。ですので、出来たてとは言え、注目を集める部活動になるかもしれません。
その時に、彼女達の取り巻きのご令嬢方が、お近づきになりたくて、入部を申し込まれて来たら、どうしますか?
それよりもっと恐ろしいのは、王子様達が関心を示し、希望されたら、そしてそれをオッケーしてしまえば、最早、1クラスが中心の貴族の部活動になりはしないかと。其処には私達が作りたかった部活動の形は無いのではないかと。
なので、入部希望の線引きを、何処でするのかを決めておきたいのです」
「流石としか言いようがないね、アマンダさん。其処まで深く考えていなかったよ。確かに希望者全員受け入れてたら、そうなる可能性もあるかな。エリはどう思う?」
「確かに、其処まで言われるとヤバい気がしてきたよ。直接来たあのお二人までは、どうかなと思ってたけど、それを認めた後の事までは考えていなかったな~。メルより考えるの苦手だから判らなかったよ。でもどうするか、だよね。フェリに相談は?」
「先程も申しましたが、フェリ様は来るもの拒まずですので、例え中心が他に移ろうと、お気になさらないでしょう。しかし、ちゃんと私達が活動したい部活動にする為に、人数の制限が必要だと説明すれば、キチンと受け入れて下さる方です。
なので、二つ返事で入部をオッケーされる前に話しておきたかったのです」
「でしたら、初年度は予算や活動の実績が無いので最大十名と明言しておくのはどうでしょう」
「メルさん、十名ですか?」
「と言うか、既に十名なのです、アマンダさん」
「そんな人数でしたかしら?」
「私とエリ、アマンダさん、リルさん、ロッテさん、カトリーナ様、アナスタシア様、キャロライン様、でフェリ様と・・・」
「九人しかいない様な?」
「お忘れですか?学年が上なので、部室が出来るまでは来られていませんが、マリエラ様がいらっしゃいます」
「そうでした。林間学校の去年の説明をして頂いた時、確かに部活動には参加なさると仰っていましたわね。なるほど、それで十名ですか。きりも宜しいですし、良いかもしれませんね。それでは、フェリノア様にお会いしたら、すぐにお伝えしておきましょう」
「で、さっきから見かけないけど、フェリ本人は今どこに?」
「放課後、手続きをするので、ランデル先生に放課後時間を空けて頂けるよう、話に行ってらっしゃいます」
「ロッテさん、詳しいね。フェリが行くとこ見掛けたの?」
「食事を終えたら、急がれていたので、どうしたのかと思いお伺いしましたら、放課後、突然訪ねて不在だといけないので、予定を決められる前に、ランデル先生にお話しして来ると、出て行かれました」
「そうか、顧問お願いしてたんだっけ、フェリが。じゃあ、教室に戻ってきたら伝えよう、皆で」
「はい、そうしましょう。皆さんの総意だと判れば、尚更無下にはなさらないでしょうから」
お茶会開催前に、部活動を正式に始めようと、段取りを行う本人と、上手くいくようサポートする友達達の一幕はこうして過ぎるのでした。
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