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対応は?なのです

えと、次は通常モードの生活を・・・。余談ですが、沢山の方から、誤字の報告を頂きました。ありがとう御座います。それに、評価とブックマークありがとう御座います。お陰で、昨日は平日にも関わらず、たくさん読んで頂きました。これからも、出来ればよろしくお願いします。

 「陛下、立ち去る前に、一つお聞きしても宜しいでしょうか?」


 「ああ、構わんよ。何かな?」


 「今回の件、国として対応されるのは、存じ上げておりますが、関わった方々は、どう対処なさるのでしょう?」


 「犯罪を犯したとはいえ、王子は王子だ。先ず抗議の文章を送り、返事を貰ってから送還だろうな。

 だが、返事も想像できる。愚息が己が境遇を認められず、この様な惨事を引き起こしてしまい、大変申し訳ない。このことは本国の意図する事ではないので、こちらに戻され次第、厳罰に処したいと思う。そして相応の賠償を行う事で、今後も変わらぬ友好をお願いしたい。こんなとこだろう。

 まぁ、厳罰と言えど、身分返上の上、辺境での隠居位のものだろう。先ず処分などないはずだ。問題は工作員として送り込まれた者共だな。隣国へ送り返せば、隠蔽の為、確実に処分されるだろう。しかし、我が国に残しても、結果としては相応に裁かねばならん。なので、儂も今頭を痛めている所だ」


 「でしたら、一つご提案が」


 「うん?何か良い案があるのか?」


 「隣国に雇われて行ったとはいえ、罪は罪。なので、同じようにこの国に尽くす事で、返させては如何かと。あの数の魔物を引き連れながらも、犠牲を出さずにやり遂げる実力者、このまま処分するのは惜しいと思います。

 なので、わが国最大の魔物被害がある我が領の、嘆きの森の開拓従事を罰とすれば、つり合いは取れるかと思います。温情であるそれが、聞き入れられないというのであれば、処分も致し方ないかと。なので是非、本人たちに確認をし、受けさせて頂ければと、僭越ながら申し上げます」


 「この国の森を騒がせたから、森を鎮めさせるか。魔物の難易度が段違いではあるが、それが罰になろう。今、この場でよしとは言えんが、この国を代表する者達と話し合い、その方の望みにかなう様、尽力すると約束しよう」


 「勿体ないお言葉です、陛下」


 「事が事だからな、今後の隣国との国交に関する方針も含まれるのでな、一存とはいかん。だが、最大の功労者である其方の望みだ、無下にはされんだろう。

 それにしても、あれだけ危険な目に合っても、相手の命を救いたいと申すとは、流石だな。

 隣国には、生き残り、此方で保護するではなく、事件の際、魔物と共に処分したと伝えることにしよう。真実を伝えれば、証拠を消す為、返還を申し出てくれかもしれないからな」


 「重ね重ねの恩情、痛み入ります。私が我儘を通し陛下には苦労をお掛けしておりますが、いずれ国の役に立つよう努めたいと思いますので、平にご容赦をお願いします」


 「儂から見れば、其方の我儘は、正道を行く者のぶつかる壁のようなもの。

 正直者が馬鹿を見る、ではないが、世には完全に悪くはないが良くもない、その様なものも一定はいる。そういう者にとって煙たく感じるのも無理はないだろう。

 なので、今後問題に相対した時、叔父の辺境伯だけにとどまらず、我らにも頼って欲しい。

 まぁ、此方も頼る事もあるのだ、そう深く考えず了承してくれると助かる」


 「申し付かりました。ご厚意に甘え、頼らせて頂きたく思います」


 「よし、これで今回の要件は終わりだ。学園が行事後の休みというのに、二人呼び出して済まなかったな。戻って疲れを癒してくれ」


 「はい。それでは失礼します」


 「私も失礼させて頂きます。フェリノア様程はお役に立てませんが、この国に尽くしていきたいと思いますので宜しくお願いします」


 「何を言う、その方が居るだけで、彼女も心強い事だろう。それだけでも他の者より、ずいぶん貢献できていると思うぞ」


 「ありがとう御座います、陛下。では、失礼します」


 「あ、フェリノアちゃん。今度個人でお茶でもしましょうね」


 「はい、王妃様。機会があれば、是非」


 「堅いわね。そうだ、公式の場以外は、貴女には私の事を、エイレーネかレーネと呼ぶこと。私はフェリちゃんと呼ぶから。いいわね」


 「私の事は構いませんが、王妃様のことは・・・」


 「大丈夫、個人で会う時以外は強要しないから」


 「では、レーネ様、と親しみを込めて、そう呼ばせて頂きます」


 「ウンウン、それでいいわ。なんかかなり仲良くなれた気がするもの、呼び方だけで。あ、呼び止めてご免なさいね、引き止めた私が言うのもなんだけど、ゆっくり休んでね」


 「はい、ありがとう御座います、レーネ様。では、これで失礼します」


 大役も終わりと、二人して部屋を後にします。そして残された、王家の面々は、談話室にて話を続け、


 「いやはや、辺境伯から聞いてはいたが、力を持ってはいても、凄く素直な良い子ではないか。女神様に、此方の世界に送られたと言っていたから、それなりの力を貰ってはいるのだろう。だが、意志の強い子だ。我儘と言ってはいたが、人を救うため、幼き頃から、あの森で鍛えるなど考えられん。並みの兵士でも逃げ出すのだからな」


 「彼女は過去の話をする時、簡素に言ってはおりましたが、良く聞けば恐ろし事を言っていました。足は曲がり、手は食い千切られそうになり、背中からも手傷を負わせれた、と」


 「エミリアも言ってたわね、病の薬を作る為、毒を自分で試していた、と」


 「幾ら加護があっても、儂ならやりたくはないな。それも、五歳の頃からなど」


 「私は王子として、厳しくも大切に育てられたのだと、つくづく思います。そんな無理をさせられた事はありませんから」


 「決めたわ。その分、私がこれから甘やかします。異論は認めません」


 「それは別に構わんが・・・」


 「母上、お手柔らかに」


 お受けの皆から慈愛に満ちた会話をされているなど、かけらも思ってない、フェリノアなのでした。

楽しく読んでいただけたら幸いです。励みにしたいと思いますので、よろしかったら、評価等々頂けたら嬉しいです。でも、酷評は避けて下さいね、お願いします。作者、メンタル紙なので書く気力が・・・無くなる可能性が。読み手が増えてくれるのを願いたいです~。

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