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いつものメンバーです

もとから決定事項?

 「さあ、先週言ってた通り、林間学校の班決めをするぞ。20名で4つの班を作ってもらう。うちは男子9名、女子11名だから男子が4名と5名、女子が5名と6名の班でいくか?それとも、女子との混成班がいいか、男子ども~」


 「「「いえ、是非男子同士で組ませてください、先生」」」


 「お前ら、根性無いな~」


 「「「一緒に行動すると、それだけでダメージ受けそうです。根性の話ではありません、先生」」」


 一斉に教室中の視線が、一か所に集まる。それを見たランデル先生は、


 「あ~、まぁ、お前たちにも男のプライドあるもんな~。他の女子達に見られるときに、比べられる対象があれじゃあな~。判る気がしたぞ、今のやり取りで」


 「「「ご理解いただき、ありがとう御座います。先生」」」


 視線を集められ、動揺しながら、教室の一番後ろに座る人物は、前に座る人に話し掛けます。


 「エ、エリさん、どういうこと?どういうことです?教室中の皆が、アイコンタクトでわかる様な事なのですか?もしかして判らないのは私一人ですか?」


 「あ~フェリ、自分の事は判りずらいという事の典型だね、気にする事ないよ。悪い事をしてるわけじゃ~ないしね。ただ少年たちには、気の毒な現実があるだけなの、可哀想だけど」


 「エリさん~、余計今の説明で、判らなくなりましたわ。男子が気になる問題が、この教室にあるのですね。そうなんですね?平凡で目立たない事を目指す私には、理由が判りませんわ?」


 「「「「「「ぶっ~~~~~」」」」」」


 「あ~フェリノア。自己紹介の時も聞いたが、それは場を和ませるための冗談か?」


 「ランデル先生、なにを仰ってるのです。真剣にお訊ねしてるに決まってます。このままだと私一人がのけ者みたいじゃ~ありませんか。そうでしょう?」


 「あ~、後は仲の良い女子達に任す。それより班を決めてくれ。俺がいると騒ぎにくいだろうから、この授業時間が終わる頃に、顔を出すことにする。だからそれまでに決めておくように」


 「「「先生が逃げたぞ。女性陣、後は頼んだ」」」


 先生が教室を出られれば、皆、仲の良い者達の処に集まりだします。当然私の傍にはいつものメンバーが来てくれました。


 「聞いて下さい、メルさん、アマンダさん、リルさん、ロッテさん。エリさんがぼかして説明するんで意味がわかりませんでした。どういうことです?」


 「フェリ様、この教室には、男性陣が他の女性に、良いところをアピールしたくても、絶対敵わない人が居るので、同じ班は嫌だと言ってるみたいです。その行動が既に情けないのですが。ただ、相手が悪いのも事実、判る気もしますが、ね」


 「アマンダさん、そんな方がいらっしゃるのですね。此処にいるメンバー以外とはまだそれ程お話しした事はありませんが、今度是非お話ししてみたいですわ」


 「無自覚者には鏡を見せるしか手がないかな、メル」


 「ばっさり、本当のことを目の前で言わないと気付かないと思うよ、エリ」


 「「「でも、そんなとこもフェリ様の良いところなのですわ。その純真さが、あの想像の原動力かと考えれば、言えませんわ」」」


 「あ~、まぁ、そうともとれるかな?じゃあ男子には悪いけど現状維持で」


 「「「はい、それが良いです」」」


 「「「え~、ちゃんと説明して上げてくれよ~」」」


 「じゃあ、自分たちで説明する?」


 「「「遠慮します。すいませんでした~~」」」


 「判ればいいのよ、判れば」


 「エリさん、男子との意見、統合できた?結論は?」


 「うん、うちのクラスはフェリがいるから平穏だってことでまとまったよ」


 「良かった。私がのけ者という事ではなかったのですね。人付き合いは成れていないので、感情の機微には疎くて。なにも考えずに話せるのはカトリーナ様くらい?変な話をしたら、頭に拳骨が飛んできますからね。私にそこまでされる方は、まだ、あの方位です」


 「「「まだ流石にフェリ様に拳骨は向けられませんわ」」」


 「だね。結構ここのメンバーは仲いいけど、身体にダメージを与える事は、まだお互いできないね。私もメルくらいにしかできないな」


 「ですね。私も小さい頃から一緒の、エリくらいにしかチョップは出来ません」


 「せっかく学園が用意して下さった機会です。もっと仲良くなれるよう、林間学校をこのメンバーで楽しみましょうね」


 「「「はい、フェリ様」」」


 「じゃあ、林間学校のメンバーはこの6名でオッケー?」


 「「「はい、エリさん」」」


 「このメンバーなら、楽しめそうですね、エリ」


 「だね、メル」


 「う~~ん、後は・・・・」


 「後は?なんか問題あり、フェリ?」


 「カトリーナ様の班編成、ご無事に決まればいいのですが、ね」


 「1クラスか~、それは流石に、手に負えないね」


 「ですね。報告を待ちましょう。ただ、羨ましがられるのは、間違いないでしょうが」


 「そんなに?」


 「王子様達と混成班か、ご令嬢方の集団班かですから、私でもどちらにも入りたくありません」


 「「「王子様相手でも?」」」


 「もちろんです、平凡を目指してますから」

 

 「ぶれないね、フェリは」


 「そうですね、それが良いとこですね、エリ」


 私のクラスはこれで決定です。このメンバーなら一泊二日でも楽しくやれそうです。早く来ないかな、林間学校。

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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