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クラスメイトも、なのです

十三歳。みんな、それぞれお年頃なのです

 「エリさん、メルさん、カトリーナ様が今日も寮に来られるんで、これで失礼しますね」


 授業も終わり、咲姫ちゃんとリリと共に寮へと帰宅します。


 「エリザさん、メルシアさん、ちょっといい?」


 「お、クラスメイト達の方から話し掛けてくるとは珍しいね、どうしたの?あ、この前の成績発表の時は協力してくれて有難う。お陰で、心強かったわ」


 「いいえ、どういたしまして。確かに前代未聞でしたからね。というか、フェリ様と仲の良い貴方方にお伺いしたいのですが、宜しいでしょうか?」


 「なに、フェリのこと?」


 「と、いうかカトリーナ様?フェリ様が教室にも今度から遊びに来るかも、と言ってましたが、ただの冗談かと思ってたんです。1クラスのそれも公爵令嬢の方ですから。それが今日、お昼に予告通り来られたでしょう。それで・・・」


 「うん?、それで?」


 「遠巻きに、それと無くお話を聞いておりましたら、本当に仲がおよろしいようで、その上、話の内容が、とても共感できたので、話に入りに行こうか、それとも、聞いてるだけにしようか、と悩みまして。今日初めて会話を聞いただけなので、知らない者が話し掛けても大丈夫な方かお伺いしてみようかと」


 「あ~、結論から言うと、場所さえ気を付ければ話し掛けても全然大丈夫な方、カトリーナ様。場所さえというのも、1クラスのメンバーがいる時なんかだと、気軽に話しかけると周りが攻撃的になるから、私達に被害がない様にとの心遣いだとフェリがいってたよ。というか、共感できたって~あの、中二病?」


 「「「ウンウン」」」


 「あちゃ~、発病者がクラスにこんなにいたのか~」


 「お年頃だもん、仕方ないよエリ」


 「それじゃあ、いきなりと言うのも何だし、アマンダさん、リルさん、ロッテさんが今日のお昼の仲の良さを見て話しに加わりたいと言ってたとフェリに話しとくよ。そうすれば、フェリが話す時、呼んでくれると思うから」


 「お願いします。というか、フェリ様自体もお話ししてみないと、とても近寄りがたい存在なのですが」


 「そうだよね~あの黒髪。神秘的だもんね~。それに何でもお出来になるし」


 「でも、話してみると、意外とポンコツ?フェリ」


 「それは言い過ぎだよ~エリ」


 「でも、抜けてるとこもあるし、意外と庶民派。フェリもカトリーナ様も」


 「あ~ますますお話したくなりました。私達も早く仲良くなりたいです」


 「じゃあ、明日にでも、ちゃんと伝えとくよ」


 「「「お願いします~」」」


 そんな話がクラスで繰り広げられているとは知らない当の本人は、寮に辿り着き、昨日見た中庭が良かったと言われ、咲姫ちゃんと一緒に見て回ると、


 「あ~~、春香~、あんたとうとうやったわね。なに、このゴーレム達。あの映画そのままじゃない、並べ方も。何てことしてんのよ」


 「ふっふっふ、研鑽を積んだ私は簡単に抜けられるのだよ」


 「ふっふっふ、じゃな~い。ちっとも自慢じゃないの」


 「カトリーナ様もご存じなのですか?お嬢様の変な体操」


 「知ってるも何も、にぶちんのクセによく披露してたわよ。上に構えるのまでは良いけど、今世令嬢のあんたが、あの中屈みのあのポーズは頂けないでしょう」


 「嘆きの森で、魔物相手に鍛えた私はもうにぶちんではないのだよ、咲姫ちゃん。震脚すら地面を揺らす程だから。ト〇様では、魔物相手はできないでしょう」


 「あんた、それ言いだす?」


 「チェ〇様最高~」


 「重症だよ、この子・・・」


 「わかります、カトリーナ様。しかし実際、あの格闘術で魔物を倒されますから、お嬢様」


 「というか、あの記憶があるから、戦おうと令嬢の身でありながら考えるんだろうけど。は~、呆れるわね」


 「女神様に感謝だね。お陰で食料も薬草も手に入ったよ。生れた場所が、あの場所で、それも、この記憶がなかったら、飢餓も病も防げなかった」


 「春香。そうだね、遊んでたんじゃないもんね。命懸けだったんでしょう、嘆きの森だもんね。ごめん」


 「咲姫ちゃん、他の人は先の出来事なんて知らないし、知らなくていいんだよ。あ、またお嬢が馬鹿やってるって、いつもの様にみんなが言ってくれるくらいで丁度いいんだよ」


 「そっか。そうだよね。褒めたたえられたり祭り上げられたりしたい訳じゃないもんね。春香は目立たないようにしたいんだし、ふざけて見える位で良いんだね」


 「そ、そ。それ位でいいんだよ、咲姫ちゃん」


 「じゃあ、私も感謝は心の中だけにしとくよ」


 「もう口に出してるよ、咲姫ちゃん」


 「ふふっ。で~も~、ト〇様が最高だから。其処はゆずれません」


 「違うって、チェ〇様だって」


 「お嬢様方、どちらでもよろしいのですが、カトリーナ様のお迎えが到着なされてますよ」


 「「は~い」」


 「ホント、似た者同士なのですね、お二方」


 侍女のつぶやきを無視して、咲姫ちゃんを玄関まで送り届け、今日は夕食までゆっくりしたいと思います。先週はお茶会の準備で慌ただしかったからね。なので、ゆっくり、まったり過ごすのです。

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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