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総会なのです

総会、そうかい?活動、紹介?誤字のご報告、ありがとうです~

 昨日の騒動から一夜明け、今日、学園は生徒総会です。


 すでに講堂には学年、クラス順に全校生徒が整列しています。その横、講堂の端には中に向けて席が並び、先生方が生徒たちを見つめています<監視ともいいそうですね>。壇上の邪魔にならない場所には、進行役の先生が、その時その時に必要な方をお呼びし、順調に行事が執り行われるよう、気を配りながら声を張り上げていらっしゃいます。まぁ最初は、例の如く学園長挨拶からなのですが、ね。


 各種注意事項の説明が終わると、いよいよ入学式でも華々しく演説された、生徒会長の登場です。ですが、前回の入学式とも、ゲームの時とも違い、お顔の色がすぐれませんね。犯人は私みたいなのですが。

 先生方が予定されている、学園行事や生徒主体による課外活動の取りまとめ、各学年からの意見の聞き取り、陳情に対する対応、学園から割り当てられた予算の配分等々、優秀な生徒にしか行えない、生徒会活動は、通常であれば入学前に判っている予定者の上位家柄の者を、毎年数名加入させることで、運営してきていたのですが、今年はその人数が多いことに加え、イレギュラーが。最初の実力テストで2クラスの生徒のくせに首位をたたき出した、はい、私です。

 家柄的には排除対象でしょうが、優秀な生徒を迎え入れる事を旨とし、まして、平等をうたっている学園としては、この事態、頭の痛い事でしょう。ウンウン。ですが、流石は生徒会長。当たり障りのない説明と、加入者は後日各自に連絡を入れる事を発表し、無難に乗り過ごされました。壇上から降りられる際、睨まれたような気がしたのは、気のせいでしょう、たぶん。


 こうやって、現実として過ごしているとストーリー展開が、変わっている所が要所要所に見受けられます。なので、この後、紹介がある課外活動も、本来であれば、馬術部にルイネス様が、魔術部にヨシュア様が、剣術部にロイス様が生徒会と兼任して入る事になっていたのですが、どうなることやら。

 それに、ゲームでは1クラス中心でしたので、出てこなかった、先生が言われた探索部。これがどういう部活なのかも気になりますね。注意して聞きましょう。


 各種、活動紹介がスムーズに進み、探索部の発表が、五年2クラスの先輩によりあったのですが、結論から言うと冒険者予備軍ですね。家督や商会を継げない様な方々が、本来なら学園を卒業されてから行う登録を在学中に行い、基礎知識を講師として招いた高ランク冒険者に、普段は基礎を、長期休暇の際は実地をも含めて学ぶ、というものらしいです。メリットは絶大で、卒業してからでは個々でお金を出して教えてもらうには費用が高すぎる冒険者を、学園の補助有り、かつ集団で、最長五年間も学べるという破格なものだそうです。危険な職業ゆえ基礎がしっかり出来る者と、そうでない者には、死亡率も雲泥の差が有るそうで、集団で習う事で、パーティを組む際の危険や常識も教えてもらえる、といい事ずくめだそうです。

 しかし、庶民をも育てるという、初代国王の意見を取り入れてあるこの試みは、全学年の2クラス生徒には受けがいいものの、半数を占める高位貴族の方々には受けが悪く、学園の予算を無駄に使っていると言われているそうです。他にも調理部なんかは、貴族女子には受けが悪く、逆に庶民には受けがいいということでした。私的には、社交ダンス部や吹奏楽部、刺繍や読書などをまとめた文芸部も女子生徒としては、学ぶにいいものだと思うのですが・・・私には向かないかもです。


 長い生徒総会もまとめに入り、校舎の何処をどの部活が使い活動してるのかと、見学の日程の説明が行われ、各部の代表が壇上でもう一度ご自身の名前を名乗られると、活動紹介も終わりになりました。

 それに伴い、生徒総会も終わりになったので、学年順に講堂より教室への移動を開始し、担任により教室でお話があったあと、本日の授業も終わりとなりました。


 「フェリ、いいのあった?」


 「そうですね~、悩んでいる所です。この前話したように、下手に覗いて強制入部、というのも嫌ですしね。皆さんが、どうするかを見てから考えるのでもいいかな、と思ってるところです」


 「候補としては、何処かある?フェリさん」


 「私としては、順当だと、調理部か文芸部。意外性で探索部かな?」


 「私としては、文芸なんかの方が意外に聞こえるけどね」


 「それはあんまりです、エリさん」


 「そうだよ~、エリ。言い過ぎ。好きな物はそれぞれだもの」


 「領地での私はね~繕い物の刺繍もしてたし、調理もしてた。冒険者の真似事みたいなのも嘆きの森でしてたしね。学園を卒業して領地に戻っても、学んでいればどれも役に立ちそうだし、良いかな~と」


 「好きだけじゃなく、実用も兼ねてるんだね。納得、納得」


 「エリさんの私に対する印象が、日々悪くなってるように感じるのは気のせいでしょうか?」


 「親しみが増してるの、フェリ」


 「エリの言う通り、親しく感じると遠慮が無くなってきてしまいますね」


 「そういう理由なら、良い事なの、かな?」


 「「そうそう」」


 放課後のお友達との何気ない会話。前世では憧れてたものの一つ。こんな事でも幸せですね。

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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